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狂愛 side 葛城英翔
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9月になり、フルリモート勤務だった結衣が出社してくるようになった。
『これは、……お返しします。仕事の面でご迷惑おかけしてたので夕食を振る舞うのは当然の事なので。ですが、これからは仕事は社内でお申しつけ下さい。プライベートに干渉してこないで下さい』
養育費で渡した3ヶ月分の茶封筒を全く手を付けず、結衣は俺に返してきた。
結衣の家を訪ねる口実がなくなり、しかも、インターフォン鳴らしても出なくて住民が開けた際にマンション内に侵入して彼女の部屋に向かうも住んでる気配がなかった。
賃貸マンションを借りて俺を避けるために一時避難したようだ。
「結衣、……今、どこで生活してるんだ」
直属の上司の俺には権限がある。
結衣を呼び出し問い詰める。
「……プライベートな事なのでお答えできません」
何かあった時のために勤め先に居住地を伝える義務はあるが、結衣ははぶらかした。
26歳の女盛りの結衣。
学歴に経歴、見た目も完璧。
シングルマザーで子供がいても、結衣を口説こうとする輩が多数現れ、フリーアドレス制の職場だが、朝イチに捕獲して俺の監視下で仕事をさせた。
「翔琉は俺の子でもある」
「養育費は返金しましたし、翔琉の父親が自分だと確証ありますか?浮気を疑って私を捨てたのに」
見た目から翔琉が俺の息子なのは確かだ。
遺伝子検査に出さなくてもわかる。
一応だしたが、99.8%で俺の血をひくという結果で、結衣より俺の血が濃いのが見て分かる。
「超遠距離恋愛で1年の内、3ヶ月間しか一緒に居られないのに、結衣は俺より大学やインターンを優先にしてただろう」
中高生時代と違い、お互い置かれてる環境下が違う事は理解していた。
俺の隣にいるのが当たり前だったのもあり、それを受け入れる事ができなかった。
結衣以外を好きになれない。
だから、復縁したいと何度も思った。
だけど、俺は結衣を側に置いてコントロールしたい。
だから、超遠距離恋愛だとお互いが苦しくて辛いだけと思い、身を引いた。
だが、今は同じ環境下にいる。
結衣の能力ならアメリカ本社にヘッドハンティングする事は可能。
アメリカに1年半留学経験があるなら英語力も問題ないだろう。
「自分勝手ですね。私なりに……葛城部長と過ごす時間を作ってました。成績と社会活動で交換留学先が決まるから、できるならスタンフォード大学に行きたいと努力してました。優秀じゃないから叶わなかったですけどね……」
結衣は共通テストSATのスコアが足りなくてアメリカ留学を断念し、東京の名門私立大学から交換留学で俺いる州の大学に行こうと考えていた。
「結衣、やり直そう。もう、俺達を引き離す障害はない。結婚しよう」
結衣にプロポーズする。
執務室でする事ではないが、このタイミングでないと言えない。
「お断りします。私と葛城部長はもう終わった仲です。上司と部下でしかないので、名前を呼び捨てするのも辞めて下さい。私に干渉して来ないでください」
結衣の心は完全に俺から離れている。
思春期を共に過ごし、死が2人を分かつまで共に歩むと思っていた最愛の人。
「終わってない。遠距離恋愛で停止していただけだ。結衣、共に歩もう。永遠に」
ひたすら気持ちを伝える事しかできない。
「無理です。葛城部長、今、勤務中です。いい加減仕事して下さい。では、失礼します」
結衣はそう言い放つと執務室から出て行った。
『これは、……お返しします。仕事の面でご迷惑おかけしてたので夕食を振る舞うのは当然の事なので。ですが、これからは仕事は社内でお申しつけ下さい。プライベートに干渉してこないで下さい』
養育費で渡した3ヶ月分の茶封筒を全く手を付けず、結衣は俺に返してきた。
結衣の家を訪ねる口実がなくなり、しかも、インターフォン鳴らしても出なくて住民が開けた際にマンション内に侵入して彼女の部屋に向かうも住んでる気配がなかった。
賃貸マンションを借りて俺を避けるために一時避難したようだ。
「結衣、……今、どこで生活してるんだ」
直属の上司の俺には権限がある。
結衣を呼び出し問い詰める。
「……プライベートな事なのでお答えできません」
何かあった時のために勤め先に居住地を伝える義務はあるが、結衣ははぶらかした。
26歳の女盛りの結衣。
学歴に経歴、見た目も完璧。
シングルマザーで子供がいても、結衣を口説こうとする輩が多数現れ、フリーアドレス制の職場だが、朝イチに捕獲して俺の監視下で仕事をさせた。
「翔琉は俺の子でもある」
「養育費は返金しましたし、翔琉の父親が自分だと確証ありますか?浮気を疑って私を捨てたのに」
見た目から翔琉が俺の息子なのは確かだ。
遺伝子検査に出さなくてもわかる。
一応だしたが、99.8%で俺の血をひくという結果で、結衣より俺の血が濃いのが見て分かる。
「超遠距離恋愛で1年の内、3ヶ月間しか一緒に居られないのに、結衣は俺より大学やインターンを優先にしてただろう」
中高生時代と違い、お互い置かれてる環境下が違う事は理解していた。
俺の隣にいるのが当たり前だったのもあり、それを受け入れる事ができなかった。
結衣以外を好きになれない。
だから、復縁したいと何度も思った。
だけど、俺は結衣を側に置いてコントロールしたい。
だから、超遠距離恋愛だとお互いが苦しくて辛いだけと思い、身を引いた。
だが、今は同じ環境下にいる。
結衣の能力ならアメリカ本社にヘッドハンティングする事は可能。
アメリカに1年半留学経験があるなら英語力も問題ないだろう。
「自分勝手ですね。私なりに……葛城部長と過ごす時間を作ってました。成績と社会活動で交換留学先が決まるから、できるならスタンフォード大学に行きたいと努力してました。優秀じゃないから叶わなかったですけどね……」
結衣は共通テストSATのスコアが足りなくてアメリカ留学を断念し、東京の名門私立大学から交換留学で俺いる州の大学に行こうと考えていた。
「結衣、やり直そう。もう、俺達を引き離す障害はない。結婚しよう」
結衣にプロポーズする。
執務室でする事ではないが、このタイミングでないと言えない。
「お断りします。私と葛城部長はもう終わった仲です。上司と部下でしかないので、名前を呼び捨てするのも辞めて下さい。私に干渉して来ないでください」
結衣の心は完全に俺から離れている。
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「終わってない。遠距離恋愛で停止していただけだ。結衣、共に歩もう。永遠に」
ひたすら気持ちを伝える事しかできない。
「無理です。葛城部長、今、勤務中です。いい加減仕事して下さい。では、失礼します」
結衣はそう言い放つと執務室から出て行った。
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