上 下
4 / 16

M&A親会社変わる

しおりを挟む
赤字続きの経営。
過去の栄光による収益で資本金はあるから7年は持つと思う。

「……親会社が変わるんですか?」

モバイルゲーム開発・配信を主業としつつ、SNS運営や電子商取引サービスなどを行うIT関連企業Green Lineから電子書籍取次最大手、サイバープロジェクトにM&Aで受け渡されてしまった。


「電子書籍取次最大手企業が親会社になれだこれまで以上にコミカライズ化を加速化させられる!!」

LINAやYahAA、アメリバーブログなどに電子書籍のデータを提供しているサイバープロジェクトはノベルスターでより多数・多様な作品が生み出される環境を整備する他、作品の出版やメディアミックスの推進、各電子書店のWebtoon(オールカラー・縦スクロール作品)への原作提供などを行っていくと約束して下さり、経営戦略的にかなり良い結果をもたらすと思った。

「無計画にコミカライズし過ぎ。外出自粛生活を余儀される世の中だからといってマンガが売れるわけではない。収入も減り財布の紐もキツくなり、売り上げは落ち込んでいる」

インターネットの広告から無料で読むる漫画はかなり読まれている。
だけど、無料で読めるところまで読み、それ以降は読まれず、無料で読んだところまでの僅かな広告収入しか稼げてなかった。

「……似たような話の漫画は多数ある。こんな世の中だからかコミックサイトに新作漫画が多数出ていて、結果埋もれて読まれずに終わる」

読者が食いつくようにと僅かな広告収入でも得たいがために、コミックサイトでサービスで3~5話分無料で読めるようにしている。
広告料を支払い、インターネット上で人目につくようにした。

だけど、無料ページも読まれずにスルーされ、結果、広告収入も入らずに掲載期間が終わる。

「コミカライズ作品をノベルスターのサイト内で有料会員は全話読めるようににする。後、投げ銭機能をつけてクリエイターのモチベーションを上げる」

サイバープロジェクトのCEOからの指示で、容量的にかなりきつきつなUGCサイトに新機能を追加する。
ノベルスターの代表取締役に就任した30代半ばの井上颯人社長。

3人しかいないノベルスターのシステム開発チームに無理難題を押しつけてきた。
サイバープロジェクトからコミカライズされたノベルスターの作品データは渡されてる。
それをノベルスターのUGCサイト上に新機能で追加する事が難しかった。

そして、有料会員さんだけのシークレット機能で投げ銭を追加する方法が分からず、システム開発チームはかなり苦悩した。


しおりを挟む

処理中です...