いかないで

鳴宮鶉子

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プロローグ

『いかないで』

中高一貫校時代に6年間付き合った彼氏。
最先端の医学を学び、神の手を持つ心臓外科医になりたいと、わたしを置いてアメリカに留学した。

『いかないで
わたしを置いていかないで』

そう、言えたらよかった。
ヘタレなわたしは、言えなかった。

専門医になるには最低でも13年もかかる。

13年間も離れて、お互い、気持ちが離れてないかな…。

13年後に日本の、わたしの元に、本当に、帰ってきてくれるかな。

連絡を取り合ってないから、会える保証はない。

でも、彼は、わたしに言った。

『13年後に、お互い夢を叶えていたらすぐに結婚しよう』

彼の言葉を信じるしかなかった。
また、逢えるよね。

そのために、わたしも日本で彼と同じ医師になるために邁進した。
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