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プロローグ

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建築会社売上ランキング第7位の高層ビル建築を得意とする瀬戸工コーポレーションの御曹司とのお見合いの話がきたのは、2週間前の事。

医療福祉、教育、生産、物流といった施設建設を得意とする建築会社売上ランキング第15位の戸坂建設の御令嬢で、医療福祉と教育関係の施設の設計の仕事に携わっていた私になんでこのお見合いの話がきたのか理解ができなかった。

瀬戸工コーポレーション側から、結婚後は夫となる専務専属で高層ビル建設の設計アシスタントを務めるよう求められ、内装設計に関しては全面的に任すと言われ、元々、高層マンションやホテル建設の仕事に携わりたかった私はこのお見合いを受ける事にした。

紅葉が美しい日本庭園がある銀座の料亭でお見合いが行われることになり、朝の8時に予約した美容院で豪華すぎる振袖を着させられ、髪を結って化粧を施された私。
戸坂建設の代表取締役社長を務めてる父はこの縁談に乗り気で、瀬戸工コーポレーションの御曹司に私を嫁がせたいと思ってた。

先にお見合いの席についていた瀬戸工コーポレーションの御曹司で専務取締役の瀬戸隼人さんと目が合う。

185㎝以上あると思われる長身にすらっとしてるけど鍛えてそうな身体つきをしていて、黒髪は軽く流すようにセットされ、三つボタンのブラックスーツをカッコよく着こなし大人の色気が漂ってくる。
眉目秀麗でキリッとした意志が強そうな二重瞼に鼻筋が通っていて見麗しい顔。
そんな彼に微笑まれたら、誰もが惹かれて恋に落ちてしまうと思う。

この人に嫁ぎたいと思い縁談を承諾した私……。

その後、彼の内面を知り、後悔することになる。

ーー瀬戸隼人はとんでもなく女グセの悪い不誠実男だった。
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