トップインフルエンサーの駆け引き恋事情

勤め先の飼い犬SNSインフルエンサー

小学2年生の春、新宿でスカウトされティーン向けのファッション雑誌“ニコア”の読者モデルになった。
その後、高校時代に“ティーンスター”。
大学時代はファミニン・カジュアルの“ POPO”。
社会人になってからも化粧品健康食品メーカーの“ビタミネラル”でWebデザイナーとマーケターをしながら、OLファミニン“La Love”で読モを続けてる。

雑誌やwebサイドに専属モデルとして掲載されても、交通費と出演料の3～5万円しか収入として入らない。
都内23区内のマンションを賃貸し、好きなブランドの服やアクセサリーを身に纏うには、それなりの会社に就職して稼ぐしかない。

大学時代からSNSインフルエンサーとして、インスタにストーリーをあげてブログを配信、LINEライブやYouTube投稿を続け、広告収入を得てた。

「ファッション系やお取り寄せ食品とかは自由度あるけど、化粧品やサプリメントは“ビタミネラル”の商品しかSNSで宣伝できないからキツい」

“ビタミネラル”に就職してからもSNSインフルエンサーとして活動をしてる。
だけど、“ビタミネラル”のアンバサダーとしての宣伝活動を重点的に行わないといけなくて、毎日にように仕事を辞めたくてならなかった。

インスタで私の日常を毎日頻繁投稿してる。
ファッションにメイク、ご飯。
たまに、読モの仕事についてや友達と一緒に行ったランチやアフタヌーンティーのレポート。

「愛莉が毎日あげてるインスタの手づくりご飯、あれ、本当に作ってるの？」

本業も基本的にリモートワーク。
エブウイルスが大流行しているから、不要不出な外出を控えて引きこもり生活を送ってるから、体調管理と体型維持のため、毎日自炊してる。

「作ってるよ！！たまにインスタライブで実況したりもしてるよ」

小さい頃、喘息があり、身体が弱かった私に、母が安全な食材で栄養満点なご飯を毎日作ってくれた。
外出より家ご飯の方が美味しくて、幼児の頃から母と一緒に料理を作ってたのもあり、料理が好き。

「ちゃんとしたご飯食べてるのにサプリメントで栄養補給しないといけないの？必要ないと思うけど……」

学生時代に興味から、私は通信教育で食生活アドバイザー、食育インストラクター、フードコーディネーター、栄養士の資格を取得した。
バランスがいい料理を作ってる自信ある。

「“ビタミネ”の広報に毎回飲んでるサプリメントを投稿しろって言われたから載せてる……」

食事で栄養は足りてるから必要ないのに、“ビタミネ”の商品宣伝のたも飲んでいる写真を投稿しないといけなくて、これが1番のストレスだった。

「愛莉、“ビタミネ”辞めたら？SNS活動だけにした方が稼げるんじゃない？
インスタのフォロワー数、7.8万人いるし、likeも平均8千ぐらいあるから、稼いでるんじゃない？」

インスタグラマーは企業から依頼を受けてPR投稿を行う事で報酬を獲る。
報酬は契約したパートナーブランドによるが、1フォロワーあたり約1~3円払われる。
フォロワーが増えるとその分収入が増えるからくり。

「“ビタミネ”の宣伝ばかりでPRにもなってないから広告収入あまり入って無いんだよね」

毎日にファッション系でPR投稿している就職する前からスポンサードポスト契約を結んでる私が好きなファッション系ブランドのアプワイザーリッシュ、ジャスグリスティー、アンドスチュールからは服の提供と広告収入が支払われていて、それが月に20万円近くある時もある。

ちなみに、“ビタミネ”からは1円も入らない。給料込みにされている。
ちなみに月給手取り額は23万5千円。

「SNS活動に専念した方が絶対にいい。トップインフルエンサーを目指した方がいいよ」

読モ時代からの親友、有坂彩香ちゃんに言われ、SNS活動一本で生活できるよう、本業の仕事をしつつ、水面下でパートナーブランドと契約しPR記事を投稿し、広告収入を増やすためフォロワーを増やす試みを毎日試行錯誤することにした。