刻語りの司書

詩音

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街の本屋さん

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突然だがアンタらは好きなものはあるのだろうか?

心躍る冒険や美しい歌声や素晴らしい楽器の演奏。
摩訶不思議な魔道具、数多存在する多種多様な魔物や種族。
甘酸っぱい青春や、燃えるように熱い恋。

きっとそれぞれの人がそれぞれ自分の好きな物を持っているのだろう。

俺もそうだ。
俺は本が好きだ、どんな本でも好きだ。
本は素晴らしい。
そこに書かれたものは書いた者の想いや、その者の人生を感じられる。
そういったものを己の中に取り込む事で色んな人の想いや知恵、力、その他よく分からん何かだって得られる気がしないか?

おっと、すまない
自己紹介がまだだったな。

俺の名前はクロノス
クロノス・ノーベリア
しがない本屋の店主だ。
まぁ実際客なんて滅多に来ないもんで、副業で冒険者なんてものをやってる何でも屋ではあるんだが
むしろこっちの方が忙しかったりする。
近所の馬鹿どもが指名依頼っつー面倒なもんを度々持ってきやがるんだ。


それはさておき軽い自己紹介はすんだことだし
ここから先、俺という人間の一生を語り聴かせてやるよ。
ただすこーしばかり長くなるかもしれねぇから覚悟しとけよ。

~街の本屋さん、近所の馬鹿どもにこき使われる~

なんてな
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