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文化祭 ①

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【嵐side】

 やってきました文化祭 !
 結局、保健所の許可の関係で調理は行わないで、ジュースと既製品のお菓子を出すことに成り、調理班からフロアー担当に成った俺だが……

「なあ。 星華、秋穂、俺のコスプレは何なんだ ? 」

 俺のクラス、ハロウィン喫茶の為にフロアー担当は全員がコスプレしている。

「嵐くん、知らないの ?
 嵐くんのコスプレは、大銀河帝国元帥 レオンハルト・フォン・ボーゼングラムよ !」

 知らん !?  
 それより……

「由利凛と恵利凛の格好は、幼稚園のお遊戯か ?」

 二人とも、ヒラヒラの薄い服にフリルが沢山付いている。
 手には杖まで持っていて、先端には星のオブジェが付いていた。

「嵐お兄ちゃん。  日朝にちあさの八時の番組 『魔法少女騎士 プリチーキュート』なのじゃ !
 清く可愛く 悪を成敗 ! 」

「ワルイコトしたら星にしちゃうぞ 🌟 」

 二人が決めポーズを取った。
 高校生だが、二人ともチビッ子だから妙に似合っている。
 その手の奴等には人気が出るだろう。

「で、おまえ達は妹たちは ?」

「明日菜ちゃんが紫式部、英里香ちゃんは清少納言、パラスちゃんは小野小町よ 」

 三人とも、着物を着せられているからか、動きにくそうだ。

「星華と秋穂のコスプレって………… 」

 どう見たって、アレだよな~。
 道理で、明日菜や英里香が微妙な顔をしている訳だ。

「わたしが、知恵と闘いの女神アテナで、秋穂が不和と争いの女神エリスよ 」

 パラスが悔しそうにしているが、あきらめろ マイナー女神。

 バフッ !  後ろから抱きつかれた。

「おい、蝶子 !  後ろから抱きつくのは、やめろ !
 当たっているぞ、アレが ! 」

 こんなことをする奴は、蝶子しかいないからな。

「エヘヘ、わざと当ててるんだよ、嵐くん ❤️」

 振り返ってはダメだ !
 蝶子アフロディーテのことだから、痴女みたいなカッコをしているに違いない !
 
 神の時の記憶があるから冷静に成れるが、普通の思春期の男ならイチコロだろうか ?

 クール、クールに成るんだ、嵐 !


◇◇◇◇◇

【蝶子side】

「おい、離れろ蝶子 !
 みんなが見ているだろうが ! 」

 嵐くんにだけ聞こえるような小さな声で、

「拒否ったら、みんなに言いふらしちゃうからね !
 嵐くんにヤリ捨てされたって……」

 もう、手段を選んでいられないわ。
 あの日、あの時、わたしも見ていた。
 アザゼル先生が嵐くんをそそのかしているのを !

 ── 蝶子、アンタ…… エグいわね。
 流石の私も引くわ。  人間を甘く見ていたわ ──

 オバサンアフロディーテが何か言っているけど、わたしはアンタアフロディーテみたいに淫乱じゃ無いからね !
 一緒にしないで欲しいな。

 ── はい はい、今回は私も協力するわよ。
 アレス天使に取られるのもしゃくにさわるしね ! ── 

「ねえ。  嵐くんは、お◌ぱい好きかなぁ~
 生で触ってみる ? 」

 嵐くんの手を掴んで、わたしの胸の方へ持っ……

 ベリッ と嵐くんから引きがされた。

「蝶子。 アンタ、わたし達の存在を忘れていないでしょうね 」

「アナタとは、一度じっくりと話し合いをしたかったので、空き教室まで行きましょう 」

 英里香ちゃん、明日菜ちゃんの二人に捕まり ズルズルと引きずられていく、わたし。
 後ろからパラスちゃんが追いて来ているから逃げられないわ。

 蝶子ちゃん、ピーンチ !

 でも、絶対にあきらめないからね、嵐くん !
  
  I’ll be back !
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