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第3話 夢か現《うつつ》か幻か ③
しおりを挟むものすごい激痛が頭の天辺から足先まで電流が流れたかと思う程に苦しんでいるわたしに、
── ヒッ ヒッ ヒッ、せっかく妾が地上に人間として転生してバカンスを楽しんで…………訂正、修行していたのに、ウッセイナァーが怠惰で仕事をサボっていたから、妾まで天界に呼び戻されてしまったのじゃ。
神世界の神手不足も深刻だと云うのに、いい迷惑なのじゃ !
だから仕返しくらいしても罰は当たら無いのじゃ !──
ユリリン、貴女ねぇ~ !
底辺作者のキャラクターだからなのか、なんて性格がヒネクレているの。
「おい、大丈夫か、左近 !
貴様に頼まれた伴天連に無理を言って献上させた貴重な猫なんだぞ !」
わたしの胸ぐらを掴み、グラグラと揺らす徳松に腹がたったわ。
ポカッ !
「そんなに揺らさないでよ ! バカなの、バカなのね !」
「おまっ、お前、頭でも打ったのか ?
言葉使いが変だぞ 」
「変って何よ ! プゥークスクス、もしかしたら わたしに惚れているのね。
でも残念でした、わたしの理想は高い……
ゴチーン !
わたしの頭にゲンコツが落ちた。
「痛っーーい。 何をするのよ、徳松さんは !」
「うむ、叩いたら治るかと思ったのだが、治らないところを見ると重症のようだな。
医者でも呼んでやろうか、左近よ 」
「それより、アンタは何処を触っているのよ !
いくら、わたしが魅力的だからといって、自慢の胸を触らないでよね ! 」
「男同士で何を恥ずかしがっている !
確かに衆道は元康公の時代には有ったようだが、俺は普通に女が好きなんだが……」
エッ、男 !?
わたしは急いで自分の胸の辺りを触ってみると、
「ない、無い、わたしの自慢の美乳が無い !」
おそるおそる股間を触ってみると、
「アルゥ~。 わたし、男に転生したのぉ~ 」
── そうなのじゃ ! これからは『戦国TS転生』が流行るのじゃ ! 妾たちは時代の最先端を駆け抜けるのじゃ ! ──
「 冗談じゃないわよ ! 転生させるなら、普通に女の子に転生させなさいよ !
ウワァァァァン、わたしの自慢の胸を返せぇーーー !」
やがて、徳松が手配した医者に診察された わたしは重度の記憶障害と判断されてしまった。
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