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八重&十八番《エース》 編

夏休み、 さくらとタヌキ娘は七之助一課と一緒にキャンプ場に行く ! ①

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【サファイアside】
 前回は、都会だったので護衛は付かなかった。
 皆、人混みが嫌いだからね。
 夏休みと云うことで、七之助一家は隣県のキャンプ場に行くことに成った。
 今回の護衛は、さくらとタヌキ娘に決まったけど不安だ。

 2人とも人間に変身して、付いて行くんだけど何故か、タヌキ娘は八重や十八番と同じ年齢くらいの児童に化けている。
 絶対に自分も楽しむつもりだ !

 それと、ボクも変身すると耳が残ってしまうから言わないつもりだけど……

 


さくらは尻尾が隠せて無いし、



 タヌキ娘にいたっては、わざと尻尾を目立つようにしている。
 まあ、コスプレイヤーだと勝手に勘違いするだろうけどね。

 ……キャンプ場は川辺の近くだから、すごく不安だ。
 夏に成ってから水難事故が多発している。
 念の為にお忍びで、ミズチであるしずくダイフクモチ人狼に付いて行ってもらおう。
 
 ボク ?  ボクは本屋の看板猫の仕事があるから遠慮した。
 芥川賞と直木賞の作品が売れていて、ものすごく忙しいんだよ。
 猫の手も借りたい程だけど、ボクはいやし担当さ。
 それと、不埒ふらちなことをするやから監視かんしと妨害をしないとね。
 仲魔の猫又に手伝ってもらう予定だ。
 ただの猫には、荷が重いからね

♟♞♝♜♚♛

【さくらside】

 前回の交通博物館、人混みが苦手なボクはお留守をしていたんだけど、今回のキャンプ場は一緒に行くことにした。
 でも大丈夫かなぁ~、インドア派のお兄ちゃんにキャンプなんて。 
 八重ちゃんはミーちゃんグレムリンを抱きながら鼻歌を歌いご機嫌だ。
 普段は、ボク達妖怪たちが一緒だから寂しくは無いんだと思いたいけど、やっぱりお父さんとお母さんが一緒に居ると嬉しいよね。
 十八番エースくんは、栞ちゃんからスマホを借りて小説を読んでいる。
 お兄ちゃんの小説を読んでいるかと思っていたら、別の人の書いた小説を読んでいた。
 うん、お兄ちゃんには黙っておいた方が良さそうだね。
 ナイーブ豆腐メンタルなんだ、お兄ちゃんは。

 キャンプ場に着くと、お兄ちゃんは事務所に手続きに行き、ボク達は待つことに。
 あらかじめ、言い含めたお陰で、八重ちゃんも十八番くんも水辺に行こうとしない。

 普通の人間には見えないのだろうけど、川からは沢山の手が出ていて、と手首を上下に振っている。

 『川辺には危険が、いっぱいだから、無闇むやみに近づかないように !』

 おじいちゃんぬらりひょんから言われていた通りだね。

 キキィー !

 大きなキッチンカーが僕たちの乗ってきた車の脇に止まった。
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