83 / 94
八重&十八番《エース》 編
お盆休みの帰省
しおりを挟む
【サファイアside】
うぅぅ、お盆休みは、エアコンの効いた部屋でスローライフをすることが楽しみだったのにぃー !
ボクは七之助の里帰りに付き合わされて、七之助の実家にいる。
「ねえ、七之助。 この家にはエアコンは無いの ?
シティ派のボクに、この酷暑はキツいんだけど 」
しかし、無情にも七之助は首を横に振りながら、
「悪いね、サファイア。
この家には、親父の寝室と弟の部屋だった部屋に有ったんだけど、弟の部屋のエアコンは故障しているから使えないんだよ 」
……今、七之助の父親の寝室では、八重と十八番がお昼寝をしている。
そして七之助の父親も孫たちが遊びに来る為に張り切り過ぎたせいか、同じように昼寝していた。
いっそのこと、八重と十八番と一緒に『川』の字に成って寝ることも考えたけど、あの二人は寝相が悪いから一緒に寝ると蹴られたり押し潰されたりするから嫌なんだよね。
七之助と栞ちゃんが外に出かける用意を始めた。
子供たちと七之助のお父さんは昼寝をしているのに、何処に行くのかな、この暑い中を……
「俺の母さんの墓参りに行ってくるから、サファイアは子供たちと親父を見ていてくれるかい。
軽く掃除もするから、少し時間がかかるかも知れないから頼むよ 」
留守番なら、お安いご用だけど……
「夕方の涼しくなるまで待った方が良いんじゃないの。
もしくは、明日の朝にするとかさ。
なにも、こんな暑い時間に行かなくてもと思うんだけど」
「心配してくれて、ありがとう、サファイア。
でも、夕方から夜辺りに台風が接近するらしいから、今のうちに墓参りを済ませておきたいんだよ 」
「 ……別に七之助の心配なんてしてないさ。
ただ、栞ちゃんが心配だっただけだからね 」
ソッポを向いて返事をすると、二人してクスクスと笑っている。
「 気を付けて行きなよ !
お盆は地獄の釜の蓋が開いているから、何が有ってもおかしくないんだからね!」
ふたりは、そそっかしいから注意すると、普段は出不精のさくらと雫が七之助と栞ちゃんに同行することを言いだした。
「お兄ちゃんのお母さんは、ボクも可愛がってもらったから挨拶をしてくるよ」
「主さま夫婦の護衛は妾に任せてもらおう。
ぽっと出の小娘などに主さまの魂を渡さない為にもな ! 」
雫の言葉に、ハッ とした。
ユカリンこと閻魔大王の曾孫の縁は何と言った !?
──回想 ──
「もちろん、浮気なんてしませんわ。
わたしは閻魔大王の曾孫ですもの、大罪を犯すつもりはありませんわよ 」
「でも、亡くなった後の魂ならアタックしても、よろしいですわね。
わたしの初恋ですもの、簡単にはあきらめませんわ 」
──回想おわり ──
いや、まさかね。
仮にも閻魔大王の曾孫さんが……
「地獄の住人を侮るでない、サファイア
アヤツラは欲しいモノには貪欲なのじゃぞ !」
雫の言葉を否定出来ないボクが居た。
ガラ ガラ ガラ ガラ ピシャン !
七之助たちが外に出てドアを閉めた音で我に返った。
……せめて、八重と十八番だけは、ボクが守らないと !
♟♞♝♜♛♚
「拙者の存在を忘れているでござる ! 」
ダイフクモチは縁側で拗ねていた。
うぅぅ、お盆休みは、エアコンの効いた部屋でスローライフをすることが楽しみだったのにぃー !
ボクは七之助の里帰りに付き合わされて、七之助の実家にいる。
「ねえ、七之助。 この家にはエアコンは無いの ?
シティ派のボクに、この酷暑はキツいんだけど 」
しかし、無情にも七之助は首を横に振りながら、
「悪いね、サファイア。
この家には、親父の寝室と弟の部屋だった部屋に有ったんだけど、弟の部屋のエアコンは故障しているから使えないんだよ 」
……今、七之助の父親の寝室では、八重と十八番がお昼寝をしている。
そして七之助の父親も孫たちが遊びに来る為に張り切り過ぎたせいか、同じように昼寝していた。
いっそのこと、八重と十八番と一緒に『川』の字に成って寝ることも考えたけど、あの二人は寝相が悪いから一緒に寝ると蹴られたり押し潰されたりするから嫌なんだよね。
七之助と栞ちゃんが外に出かける用意を始めた。
子供たちと七之助のお父さんは昼寝をしているのに、何処に行くのかな、この暑い中を……
「俺の母さんの墓参りに行ってくるから、サファイアは子供たちと親父を見ていてくれるかい。
軽く掃除もするから、少し時間がかかるかも知れないから頼むよ 」
留守番なら、お安いご用だけど……
「夕方の涼しくなるまで待った方が良いんじゃないの。
もしくは、明日の朝にするとかさ。
なにも、こんな暑い時間に行かなくてもと思うんだけど」
「心配してくれて、ありがとう、サファイア。
でも、夕方から夜辺りに台風が接近するらしいから、今のうちに墓参りを済ませておきたいんだよ 」
「 ……別に七之助の心配なんてしてないさ。
ただ、栞ちゃんが心配だっただけだからね 」
ソッポを向いて返事をすると、二人してクスクスと笑っている。
「 気を付けて行きなよ !
お盆は地獄の釜の蓋が開いているから、何が有ってもおかしくないんだからね!」
ふたりは、そそっかしいから注意すると、普段は出不精のさくらと雫が七之助と栞ちゃんに同行することを言いだした。
「お兄ちゃんのお母さんは、ボクも可愛がってもらったから挨拶をしてくるよ」
「主さま夫婦の護衛は妾に任せてもらおう。
ぽっと出の小娘などに主さまの魂を渡さない為にもな ! 」
雫の言葉に、ハッ とした。
ユカリンこと閻魔大王の曾孫の縁は何と言った !?
──回想 ──
「もちろん、浮気なんてしませんわ。
わたしは閻魔大王の曾孫ですもの、大罪を犯すつもりはありませんわよ 」
「でも、亡くなった後の魂ならアタックしても、よろしいですわね。
わたしの初恋ですもの、簡単にはあきらめませんわ 」
──回想おわり ──
いや、まさかね。
仮にも閻魔大王の曾孫さんが……
「地獄の住人を侮るでない、サファイア
アヤツラは欲しいモノには貪欲なのじゃぞ !」
雫の言葉を否定出来ないボクが居た。
ガラ ガラ ガラ ガラ ピシャン !
七之助たちが外に出てドアを閉めた音で我に返った。
……せめて、八重と十八番だけは、ボクが守らないと !
♟♞♝♜♛♚
「拙者の存在を忘れているでござる ! 」
ダイフクモチは縁側で拗ねていた。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
23
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる