171 / 227
第171話 ななみ。6
しおりを挟む
七海:午前11時でお願いします。
店長:集合場所はどうする?
七海:東公園の時計台の前で待っててください。デートなのでかっこいい感じの服装でお願いします。
◇
――デート当日。
何故か朝早くに目が覚めてしまい、ラインのやり取りを確認していた。……なんだよかっこいい服装って。こういうシンプルな要求が気が狂うほど悩ませるんだよ。ボケが。
クローゼットの中から乱雑にしまってある服をいくつか取り出し、どれがいいのか考えてみる。なんだか女子みたいだ。散々迷った挙句、大学の時に雰囲気で買った3万円する謎のヴィンテージジーンズと『アイラブニューヨーク』と書いたTシャツを着ていくことにした。
……果たしてこのぼろ臭いのは本当にヴィンテージジーンズと呼ばれるものなのか?俺はニューヨークが好きなのだろうか?
様々な疑問が俺の脳を攻撃してくるが、あまり深く考えすぎても仕方がない。自分でも理解しがたいファッションだが、簡単に言えば字の書いた白いTシャツにジーンズを穿いているだけだ。ださくはないだろう。
準備を終えると家の鍵を閉め、集合場所に向かう。時間に余裕を持ち過ぎたせいか、集合時間の30分前には到着した。周りに七海ちゃんの姿は見当たらない。……そりゃそうか。早いわな。
そもそも俺がこんな時間に来てしまっているのも、七海ちゃんが無駄に『デート』という表現を使ってくるところにある。『デート』という意味を辞書で調べると『男女が日時を決めて会うこと』と出てくるため、確かに今回のは『デート』呼べる。
……しかしだ。俺みたいなピュアピュア純粋ボーイからしてみると……その……なんていうの?交際を視野に入れた男女が遊びに行くみたいな、そんなイメージがあるわけなのよね。だから緊張しているわけなのよね。
特に深い意味はなく『デート』と呼んでいるのだろうが……そういう性質の悪い嫌がらせは止めてほしい。わざとそういう言い回しをしているように思えるもん。――いや、待て。もしかするとこうやって俺を困らせるためにわざと『デート』と呼んでいるのかもしれない。
……考えすぎか。
そんな感じで時間を無駄にしているランキングがあれば、上位に入れそうなぐらい何の意味もないことを考えていると後ろから声を掛けられた。
「……こ、こんにちは」
振り返ると、そこには七海ちゃんの姿があった。全身を見ると白のブラウスにネイビーの花柄スカートを着ていて何とも春らしい印象を受ける。頭には青色のカチューシャを付けている。普段はクールな印象を受けるが、今日の七海ちゃんはなんというか――。
「あの……あれだ。……今日は可愛い感じだな」
「……で、デートなんで可愛くしてきました」
「な、なんだそりゃ」
俺が珍しく褒めたせいか、少し照れくさそうにしている。……こっちまで恥ずかしくなるわ。ボケ。
「ち、ちなみに俺の格好はどうだ???」
しばらく俺の姿を無言で上下に何回も見る七海ちゃん。
「……えっと……あの……ニューヨークお好きなんですね」
今さらになって服装を間違えてしまったと非常に後悔した。
店長:集合場所はどうする?
七海:東公園の時計台の前で待っててください。デートなのでかっこいい感じの服装でお願いします。
◇
――デート当日。
何故か朝早くに目が覚めてしまい、ラインのやり取りを確認していた。……なんだよかっこいい服装って。こういうシンプルな要求が気が狂うほど悩ませるんだよ。ボケが。
クローゼットの中から乱雑にしまってある服をいくつか取り出し、どれがいいのか考えてみる。なんだか女子みたいだ。散々迷った挙句、大学の時に雰囲気で買った3万円する謎のヴィンテージジーンズと『アイラブニューヨーク』と書いたTシャツを着ていくことにした。
……果たしてこのぼろ臭いのは本当にヴィンテージジーンズと呼ばれるものなのか?俺はニューヨークが好きなのだろうか?
様々な疑問が俺の脳を攻撃してくるが、あまり深く考えすぎても仕方がない。自分でも理解しがたいファッションだが、簡単に言えば字の書いた白いTシャツにジーンズを穿いているだけだ。ださくはないだろう。
準備を終えると家の鍵を閉め、集合場所に向かう。時間に余裕を持ち過ぎたせいか、集合時間の30分前には到着した。周りに七海ちゃんの姿は見当たらない。……そりゃそうか。早いわな。
そもそも俺がこんな時間に来てしまっているのも、七海ちゃんが無駄に『デート』という表現を使ってくるところにある。『デート』という意味を辞書で調べると『男女が日時を決めて会うこと』と出てくるため、確かに今回のは『デート』呼べる。
……しかしだ。俺みたいなピュアピュア純粋ボーイからしてみると……その……なんていうの?交際を視野に入れた男女が遊びに行くみたいな、そんなイメージがあるわけなのよね。だから緊張しているわけなのよね。
特に深い意味はなく『デート』と呼んでいるのだろうが……そういう性質の悪い嫌がらせは止めてほしい。わざとそういう言い回しをしているように思えるもん。――いや、待て。もしかするとこうやって俺を困らせるためにわざと『デート』と呼んでいるのかもしれない。
……考えすぎか。
そんな感じで時間を無駄にしているランキングがあれば、上位に入れそうなぐらい何の意味もないことを考えていると後ろから声を掛けられた。
「……こ、こんにちは」
振り返ると、そこには七海ちゃんの姿があった。全身を見ると白のブラウスにネイビーの花柄スカートを着ていて何とも春らしい印象を受ける。頭には青色のカチューシャを付けている。普段はクールな印象を受けるが、今日の七海ちゃんはなんというか――。
「あの……あれだ。……今日は可愛い感じだな」
「……で、デートなんで可愛くしてきました」
「な、なんだそりゃ」
俺が珍しく褒めたせいか、少し照れくさそうにしている。……こっちまで恥ずかしくなるわ。ボケ。
「ち、ちなみに俺の格好はどうだ???」
しばらく俺の姿を無言で上下に何回も見る七海ちゃん。
「……えっと……あの……ニューヨークお好きなんですね」
今さらになって服装を間違えてしまったと非常に後悔した。
0
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム
ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。
けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。
学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!?
大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。
真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。
嵌められたオッサン冒険者、Sランクモンスター(幼体)に懐かれたので、その力で復讐しようと思います
ゆさま
ファンタジー
ベテランオッサン冒険者が、美少女パーティーにオヤジ狩りの標的にされてしまった。生死の境をさまよっていたら、Sランクモンスターに懐かれて……。
懐いたモンスターが成長し、美女に擬態できるようになって迫ってきます。どうするオッサン!?
5人の勇者を「500人」と報告したら、魔王様が和平の準備を始めました
miko.m
ファンタジー
※最終話までプロット作成済み。
※毎日19時に更新予定(たまに12時にも更新します)。
「勇者が500人!? 無理無理、勝てるわけないだろ! 和平だ、今すぐ娘を嫁に出せ!!」
魔王軍第一軍団長・ゴルドーは困っていた。たった5人の勇者に惨敗したなど、出世欲の塊である魔王ゼノンに言えるわけがない。保身のために彼がついた嘘。それは「勇者が500人いた」という、あまりにも適当な虚偽報告だった。
しかし、小心者の魔王様はそれを真に受けてパニックに! 「500人の勇者と全面戦争なんてしたら魔王軍が破産する!」と、威厳をかなぐり捨ててまさかの「終戦準備」を開始してしまう。
一方、真実を知った魔王家の三姉妹は、父の弱腰を逆手に取ってとんでもない作戦を企てる。
「500人は嘘? ちょうどいいわ。お父様を売って、あのハイスペックな勇者様たちを婿にしましょう!」
嘘を塗り重ねる軍団長、絶望する魔王、そして勇者を「逆スカウト」して実家脱出を目論む肉食系姫君たち。人間界のブラックな王様に使い潰される勇者たちを、魔王軍が「厚遇」で囲い込む!? 嘘から始まる、勘違いだらけの経営再建ファンタジーコメディ、開幕!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる