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第116話 ねふだ。

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「あかっちまたシフト一緒だね。よろしく!」

「……うぃっす」

 シフト表を見た時は、今日は七海ちゃんと一緒だったはずなのに、何故かバカ先輩がまた来ている。店長め…………。絶対どこかで復讐してやる。

「よし、それじゃあ今日のレジ点検は僕がしようかな」

「いや、結構なんで、とりあえず商品の値札が付いてるか確認してもらっていいっすか?」

「いいけど……なんで?」

「理由はいいんで、とりあえず確認してもらえれば大丈夫っすよ」

 新商品が入ってくると、古い商品を棚替えしたりするせいで、新しい値札をつけ忘れていたり、古い商品の値札が失くなっていることがある。バイトの俺からしてみれば、超どうでもいいんだけど、店長が言うには「値札がないと買う客が減ったり、めんどい客が値段違うとかクレーム入れてきたりすんだよ!」と口うるさいため、定期的に確認をしている。

 まぁ……流石の先輩でも値札ついてるか見るだけだし、できるでしょ。

「それじゃあ確認してくね。…………あれ。ちょっと待って」

「……値札は商品の金額が書いている紙のことっすよ」

「え!なんで聞こうとしたことがわかったの!?」

「……なんででしょうね。不思議っすね」

「不思議だなぁ…………あれ……?あれ?」

「……先輩は値札の確認をしようとしてましたよ」

「ああ!そうだった!……あかっち凄いね。なんでまたわかったの?」

「……不思議っすね」

 こんなのこと、わかりたくないけどな……。
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