俺のコンビニは何かが間違っている。

lukewarm

文字の大きさ
217 / 227

第215話 1億円。

しおりを挟む
「店長さん。質問いいですか?」

「なんだ?」

 今日のシフトは七海ちゃんと一緒だ。相変わらずうちの店はガラッガラで1時間に一人ぐらいしかお客さんがこない。

 最近ほんと寒いからな。暖房なしでは耐えられない気温してるからな。皆外に出たくないんだろうな。

「1億円あったらどうします?」

「何だよその質問」

「そういうのいいんで答えてください」

「ええ……」

 くだらない質問に対して何故だか理不尽に攻められている俺。七海ちゃんも仕事が無さ過ぎて暇だからこんな質問をしてきたのだろう。レジ前で突っ立ってるだけじゃ暇だし真面目に考えてみるか。

「1億円だろ?うーん……。とりあえず札束をバスタブの中に入れて泳ぐだろ?その後は100万円を使ってあかっちの頬でもバシバシしばいてやるかな!」

「……はぁ。何の参考にもなりませんでした」

「悪かったな!っつかなんだよ参考って。こんなの聞いて何を参考にすんだよ」

「…………これを見てください」

 そう言うと七海ちゃんは一枚の宝くじをを俺に渡してきた。

 ……え?まさかこれって……。

「これって……もしかして1億あたったのか?」

「……はい」

「ええ!?こんなタイミングでする話か!?!?雑談みたいなテンションでする話じゃねえだろ!?嘘だろ!?おい!?」

「だから相談したんです」

「いや……相談って……無人島に何持っていくか聞かれるぐらい現実味ねえよ!もっと深刻そうに聞けよ!」

「こういうのはさらっと聞いたほうが、いい提案してくれるかなと思ったんですが、本当に何の参考にもなりませんでした」

「そりゃそうだろうな!いやー……。でもまじか……。1億か……。すげえな……。欲しい物なら何でも買えてしまいそうだな」

「何でも?」

「そりゃ1億もあったら流石に何でも買えるだろ」

「じゃあ店長さんっていくらですか?」

「……は!?」

「じゃあ税込み108円でどうですか」

「1億あって108円って俺どんだけ安いんだよ!後なんで税金かかってんだよ!」

「え?税抜き価格なら交渉成立ってことでいいですか?」

「そういう問題じゃねえよ!!」

「じゃあ1万」

「……いやいや、一気に値段上がった気がするけど安いから!」

「じゃあ100万」

「100万……100万か……それなら……っていやいや!」

「じゃあ1000万円で手を打ちましょう」

「……1000万!?そんなに出してくれんの!?流石に1000万なら……って人を何だと思ってんだ!冗談もいい加減にしろ!」

「……なるほど。参考になりました。じゃあこの宝くじももう用済みですね」

 七海ちゃんはびりびりと宝くじを破り捨てゴミ箱に捨てた。

 ……はぁ!?!?何やってんの!?

「お、おま……何やってんだよ!!」

「宝くじをびりびりに破きました」

「そりゃ見りゃわかるよ!!!なんでそんなことしたんだよ!!!」

「実はこの宝くじ、さっき外掃除をしたときにたまたま拾ったんです」

「……え?……っつうことは1億円当たったって話は嘘か?」

「はい」

「なんだよそれ!ふざけんなよ!」

「いやー。でもいい話が聞けてよかったです」

「いい話?」

「1000万円貯めるんで、誰にも買われずに待っててくださいね」

 ……俺は飛んでもなく軽率な発言をしてしまったのかもしれない。
しおりを挟む
感想 16

あなたにおすすめの小説

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。

ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。 真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。 引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。 偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。 ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。 優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。 大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

あべこべな世界

廣瀬純七
ファンタジー
男女の立場が入れ替わったあべこべな世界で想像を越える不思議な日常を体験した健太の話

むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム

ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。 けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。 学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!? 大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。 真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。

嵌められたオッサン冒険者、Sランクモンスター(幼体)に懐かれたので、その力で復讐しようと思います

ゆさま
ファンタジー
ベテランオッサン冒険者が、美少女パーティーにオヤジ狩りの標的にされてしまった。生死の境をさまよっていたら、Sランクモンスターに懐かれて……。 懐いたモンスターが成長し、美女に擬態できるようになって迫ってきます。どうするオッサン!?

5人の勇者を「500人」と報告したら、魔王様が和平の準備を始めました

miko.m
ファンタジー
※最終話までプロット作成済み。 ※毎日19時に更新予定(たまに12時にも更新します)。 「勇者が500人!? 無理無理、勝てるわけないだろ! 和平だ、今すぐ娘を嫁に出せ!!」 魔王軍第一軍団長・ゴルドーは困っていた。たった5人の勇者に惨敗したなど、出世欲の塊である魔王ゼノンに言えるわけがない。保身のために彼がついた嘘。それは「勇者が500人いた」という、あまりにも適当な虚偽報告だった。 しかし、小心者の魔王様はそれを真に受けてパニックに! 「500人の勇者と全面戦争なんてしたら魔王軍が破産する!」と、威厳をかなぐり捨ててまさかの「終戦準備」を開始してしまう。 一方、真実を知った魔王家の三姉妹は、父の弱腰を逆手に取ってとんでもない作戦を企てる。 「500人は嘘? ちょうどいいわ。お父様を売って、あのハイスペックな勇者様たちを婿にしましょう!」 嘘を塗り重ねる軍団長、絶望する魔王、そして勇者を「逆スカウト」して実家脱出を目論む肉食系姫君たち。人間界のブラックな王様に使い潰される勇者たちを、魔王軍が「厚遇」で囲い込む!? 嘘から始まる、勘違いだらけの経営再建ファンタジーコメディ、開幕!

処理中です...