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三者会談
思惑
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「!?、ユリ様が――自害?!」
「――ぐうっ!!、テンラク様での動乱という、この世界を揺るがす一大事の時に!
私は、何たるザマを晒していたかぁ!!!」
一連の情勢を聞かされたサトコは、まさかの変容に驚きを隠せずに顔色を変え、カオリは、それに取り残された自らの愚かさを悔いて、地面を拳で叩いた。
「――で、俺の"最終的な"目的としては、紫珠輪を継いだシオリさん――大神官様を、テンラクに帰して、彼女を正式に大巫女の座に据えるために動いてる」
「!?、大神官――シオリを?」
ソウタがシオリの名を挙げた事に、またもサトコは驚き、その顔をタマの方へと向ける。
「そーだよ!、アタシたちの予感は大当たりっ!
凄い美人のダイシンカンも、やっぱりソウタの"毒牙"にかかってましたぁ~!」
タマは大きく何度も頷きながら、ソウタの事を指差ししてサトコにそう告げる。
「あっ、あの、女色との噂が立つぐらいに、殿方を寄せ付けなかった――シオリがっ!?」
「そう!、もぅ~っ!、一緒の馬に乗せちゃうぐらいに、イチャイチャしてるんだよぉ~っ!!!」
サトコは、告げられたシオリとソウタのカンケイに、ユリの訃報と同じぐらいに驚いて愕然とし、タマは頬を膨らませながら、更に詳しく語り出す。
「ふっ♪、毒牙とは言ったモノだぁ♪、それ以上の表現は無いな!、かっかっかっ!」
アオイは、珍しく高笑いを響かせ、ニヤッと笑いながらソウタに同意を求める目線を送る。
「――ったく、どいつもコイツも、俺を色魔みてぇに扱いやがって。
おい!、タマ!、俺たちは、結構マジメな話し合いをしてんだからよぉ……ハナシの腰を折るな」
ソウタは眉間にシワを寄せ、話を脱線させたタマを叱責する。
「――そうですね、今ココにあっては、ソウタの言うとおりです。
タマさん、ココは一旦、止めましょう――」
サトコは、ソウタのその指摘には賛成し、タマには自重を願い――
「――ただし、後でしっかり、たぁ~っぷり聞かせて頂きますから!」
――と、ソウタには睨みを効かせながら、そう告げるのだった。
「さて――では、私を皇軍や民たちと共にオウビへと逃れさせるのではなく、自分に同行させる事としたのは、貴方の思惑の内にあるモノが主――というコトですね?」
「ああ、流石は聡明な皇様――話の理解が早くて助かるぜ」
サトコもソウタも、互いの意図を察して笑い合い、二人は再び対面に向かい合う。
「シオリさんとは今、この街道の先にある、士団の東砦に向かって貰ってる手筈だ。
ちなみにそれが、さっき言ったヒカリに頼んだ別件のカラクリ――で、そこでキミ……"皇"と、まあ事実上は、"大巫女"だと思って良いシオリさん、そんで光刃を持ってる俺。
この三人で、これからどーすっかを話し合うのと、すっかり乱れちまった今のツクモを、刀聖が、どうするつもりで居るのかっていうのを、キミたちにも伝えておきたくてな」
ソウタは、何時もの不敵な笑みを浮かべながら、サトコの瞳を見詰め、そう告げるのだった。
――
――――
「――大神官、いえ、"次世大巫女"様。
砦へのご来訪、我ら三番隊にとっては、至極の誉れにございまする」
場面は転じ、ここは天警三番隊が守る東砦。
その中にある、隊長指揮室と呼ばれる三番隊の本陣、中枢である場に――訪ねて来たシオリを招き入れたヒロシは、深々と平伏してそう諂った。
「三番隊長殿――此度の動乱に対し、動揺する隊士の皆様の心をまとめ上げ、テンラク様以外に暮らす、殖民の皆様の平穏を保つ事に尽力されていた事、クリ社大神官として、御礼と労いの言葉を送りたく思います」
シオリは、自分も深々と頭を下げ、大神官としての口調と作法で、ヒロシに挨拶をした。
時は、例の公開裁判の占報から四日後――占報の翌日の未明の内に、シオリはハルやヒカリ、サスケとリュウジを連れ、この東砦を目指して旅立ち、その丸三日の道程の果て、この砦へと着いていた。
「いえ、我ら三番隊は、本来なら"イの一番"に、テンラク様奪還に動くべき立場――ですが、今は謀反一派の一策に足止めを喰らっている状況ですから、誉めていただく事にはございませぬ」
――と、シオリからの労いの言葉に、ヒロシは悔しげに拳を握ってそう応えた。
ヒロシ率いる天警三番隊は、テンラクでの謀反を知って早々、すぐさま奪還のために行動を開始していたはずだったのだが、その横槍を突く形で、義勇軍と称して翼域に踏み入った北コクエ第三軍が、三番隊が守る東側へと向かっているとの動きを察し、一旦留まる事を余儀無くされた。
だが結局、北コクエ軍は東側への侵攻を中止――いや、そもそも三番隊を留まらせる事こそが、北コクエの狙いだったと思われ、同時に戦の雰囲気を察した入植者たちの間にも混乱が生じ、ヒロシたちはその対応に忙殺される事となってしまったのである。
「やはり――彼奴らは、人心の扱い方が手慣れております。
民を動揺の中へと追い込む事で、それを我が隊への牽制に用いる――まさに、策士のやり口ですよ」
ヒロシは腕を組み、苦虫を噛んだ様な顔を見せる。
「北方砦の六番隊も、似た様な牽制を受けて出鼻を挫かれたらしいと聞きました。
この策を企んだのは――察するに、士団一の知恵者たる七番隊長ルイ。
"亜人種差別"というワケではないが、流石は界気の扱いと共に、権謀にも長けた者が多い狐族の者ゆえに成せる技なのでしょうな」
ヒロシは、壁に掛けられた翼域内を表す地図を見やり、テンラクの場所と七番隊が守る南東部を苦々しく見詰めた。
「――して、此度の貴女の来訪、そして、それに先立って届いたこの書状……」
ヒロシは側に置いていた、畳んだ書状へと目を移し、それを手にとってシオリの眼前へと差し向けた。
「――書状に因れば、ソウタ殿が救い出した皇様を連れ、ココへと来られるとの事――何か、"面白いコト"を御企みだと、推察致しますが?」
ヒロシは、何時もの飄々とした態度でそう言い、苦々しい表情から不敵な笑みへとガラリと豹変する。
「ええ、確かに。
ですが、何分それはまだ、皆様にお伝え出来る段階にはございませぬ故――全ては、皇様とソウタ殿を迎えた後というコトで……」
「――ヒロシ隊長!、ご報告でありますっ!」
シオリが含みのある返答をした所で、隊長指揮室に副官であるシンジロウの慌てた声が響いた。
「門番の方から――皇様であると名乗る女性を連れた、計六名の旅装束の一団の来訪を確認したとの報せにございます!
その中には、隊長が仰ったとおりの風体をした――とっ!、刀聖様と思しき、若い男の姿もあるとの事……」
シンジロウの口から、その報告を請けたヒロシは、徐に座から立ち上がり――
「――来られた様ですな」
「ええ……では、砦の一室をお貸し願います。
紫珠輪の守を敷き、皇様たちと封の中で話し合う必要がございます故」
――と、彼がシオリに目配せをすると、対した彼女もゆったりと、そんな要望を彼に告げた。
「――ぐうっ!!、テンラク様での動乱という、この世界を揺るがす一大事の時に!
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「!?、大神官――シオリを?」
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「そーだよ!、アタシたちの予感は大当たりっ!
凄い美人のダイシンカンも、やっぱりソウタの"毒牙"にかかってましたぁ~!」
タマは大きく何度も頷きながら、ソウタの事を指差ししてサトコにそう告げる。
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「そう!、もぅ~っ!、一緒の馬に乗せちゃうぐらいに、イチャイチャしてるんだよぉ~っ!!!」
サトコは、告げられたシオリとソウタのカンケイに、ユリの訃報と同じぐらいに驚いて愕然とし、タマは頬を膨らませながら、更に詳しく語り出す。
「ふっ♪、毒牙とは言ったモノだぁ♪、それ以上の表現は無いな!、かっかっかっ!」
アオイは、珍しく高笑いを響かせ、ニヤッと笑いながらソウタに同意を求める目線を送る。
「――ったく、どいつもコイツも、俺を色魔みてぇに扱いやがって。
おい!、タマ!、俺たちは、結構マジメな話し合いをしてんだからよぉ……ハナシの腰を折るな」
ソウタは眉間にシワを寄せ、話を脱線させたタマを叱責する。
「――そうですね、今ココにあっては、ソウタの言うとおりです。
タマさん、ココは一旦、止めましょう――」
サトコは、ソウタのその指摘には賛成し、タマには自重を願い――
「――ただし、後でしっかり、たぁ~っぷり聞かせて頂きますから!」
――と、ソウタには睨みを効かせながら、そう告げるのだった。
「さて――では、私を皇軍や民たちと共にオウビへと逃れさせるのではなく、自分に同行させる事としたのは、貴方の思惑の内にあるモノが主――というコトですね?」
「ああ、流石は聡明な皇様――話の理解が早くて助かるぜ」
サトコもソウタも、互いの意図を察して笑い合い、二人は再び対面に向かい合う。
「シオリさんとは今、この街道の先にある、士団の東砦に向かって貰ってる手筈だ。
ちなみにそれが、さっき言ったヒカリに頼んだ別件のカラクリ――で、そこでキミ……"皇"と、まあ事実上は、"大巫女"だと思って良いシオリさん、そんで光刃を持ってる俺。
この三人で、これからどーすっかを話し合うのと、すっかり乱れちまった今のツクモを、刀聖が、どうするつもりで居るのかっていうのを、キミたちにも伝えておきたくてな」
ソウタは、何時もの不敵な笑みを浮かべながら、サトコの瞳を見詰め、そう告げるのだった。
――
――――
「――大神官、いえ、"次世大巫女"様。
砦へのご来訪、我ら三番隊にとっては、至極の誉れにございまする」
場面は転じ、ここは天警三番隊が守る東砦。
その中にある、隊長指揮室と呼ばれる三番隊の本陣、中枢である場に――訪ねて来たシオリを招き入れたヒロシは、深々と平伏してそう諂った。
「三番隊長殿――此度の動乱に対し、動揺する隊士の皆様の心をまとめ上げ、テンラク様以外に暮らす、殖民の皆様の平穏を保つ事に尽力されていた事、クリ社大神官として、御礼と労いの言葉を送りたく思います」
シオリは、自分も深々と頭を下げ、大神官としての口調と作法で、ヒロシに挨拶をした。
時は、例の公開裁判の占報から四日後――占報の翌日の未明の内に、シオリはハルやヒカリ、サスケとリュウジを連れ、この東砦を目指して旅立ち、その丸三日の道程の果て、この砦へと着いていた。
「いえ、我ら三番隊は、本来なら"イの一番"に、テンラク様奪還に動くべき立場――ですが、今は謀反一派の一策に足止めを喰らっている状況ですから、誉めていただく事にはございませぬ」
――と、シオリからの労いの言葉に、ヒロシは悔しげに拳を握ってそう応えた。
ヒロシ率いる天警三番隊は、テンラクでの謀反を知って早々、すぐさま奪還のために行動を開始していたはずだったのだが、その横槍を突く形で、義勇軍と称して翼域に踏み入った北コクエ第三軍が、三番隊が守る東側へと向かっているとの動きを察し、一旦留まる事を余儀無くされた。
だが結局、北コクエ軍は東側への侵攻を中止――いや、そもそも三番隊を留まらせる事こそが、北コクエの狙いだったと思われ、同時に戦の雰囲気を察した入植者たちの間にも混乱が生じ、ヒロシたちはその対応に忙殺される事となってしまったのである。
「やはり――彼奴らは、人心の扱い方が手慣れております。
民を動揺の中へと追い込む事で、それを我が隊への牽制に用いる――まさに、策士のやり口ですよ」
ヒロシは腕を組み、苦虫を噛んだ様な顔を見せる。
「北方砦の六番隊も、似た様な牽制を受けて出鼻を挫かれたらしいと聞きました。
この策を企んだのは――察するに、士団一の知恵者たる七番隊長ルイ。
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ヒロシは側に置いていた、畳んだ書状へと目を移し、それを手にとってシオリの眼前へと差し向けた。
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ヒロシは、何時もの飄々とした態度でそう言い、苦々しい表情から不敵な笑みへとガラリと豹変する。
「ええ、確かに。
ですが、何分それはまだ、皆様にお伝え出来る段階にはございませぬ故――全ては、皇様とソウタ殿を迎えた後というコトで……」
「――ヒロシ隊長!、ご報告でありますっ!」
シオリが含みのある返答をした所で、隊長指揮室に副官であるシンジロウの慌てた声が響いた。
「門番の方から――皇様であると名乗る女性を連れた、計六名の旅装束の一団の来訪を確認したとの報せにございます!
その中には、隊長が仰ったとおりの風体をした――とっ!、刀聖様と思しき、若い男の姿もあるとの事……」
シンジロウの口から、その報告を請けたヒロシは、徐に座から立ち上がり――
「――来られた様ですな」
「ええ……では、砦の一室をお貸し願います。
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