君とティッシュを食べたい。

幸猫

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第1章 高校時代

1話:甘いティッシュと苦いティッシュどっちがお好き?

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おれは幸一。学年は高1。好物はティッシュ。甘いティッシュより少し苦いティッシュが好き。
「幸一が高1か...ダジャレだ...」
などとくだらないことをつぶやきながら、いつものようにティッシュ箱が描かれたリュック(もちろん特注)を背負い学校へ向かっていた。
学校へもうすぐつく頃...
「あっ、幸一!」
ふと誰かに声をかけられた。
声の方を振り返ると、そこには1人の女神が立っていた。
さらさらの黒髪ロング、長いまつ毛、整った顔にくびれたウエスト、さらにはシュッとした美脚。どこを見ても女神という言葉が当てはまる。
彼女の名前は佑美。そう!この子が俺の好きな子!この子と一緒にティッシュをたべたい!

──授業中
「お腹痛いんでトイレ行っていいですか?」
幸一は手でお腹を抑えながら言う。
許可が出てトイレへ直行。個室に入ると同時に幸一はズボンをおろさずにいきなりトイレットペーパーに手をかけた!
「おっこれこれ~!この触り心地だよ!むしゃむしゃ」
なんと幸一は、トイレットペーパーをちょうどいい長さで切って、それを咀嚼そしゃくし始めたのだ!
「うんめぇ、ティッシュとはまたちがう美味しさがあるよなぁ」


(しかし、佑美は可愛いなぁ...。佑美も好物がティッシュなら気が合って付き合えるかもしれないけど、そんなことあるわけねぇんだよな。)
思う存分咀嚼して口の中にトイレットペーパーが張り付いたタイミングで、幸一はそれを吐き出し、授業へと戻った。

──放課後
「ねぇ、幸一。最近授業中によくトイレに行くけど大丈夫?」
急に佑美に聞かれて驚く。
「へぇ!?あ、だ、だだ、大丈夫だよ。」
「どうしてそんなに焦ってるの?」
「き、急に話しかけられたからだよ」
「そう。お大事にね。」
これで話が終わったと思って、帰りの支度をする佑美に幸一が、
「なぁ、佑美。一緒に帰らない?」
と提案する。
「んー、いいよー」
佑美は優しく微笑み、答えた。
この笑顔たまらん!!ティッシュ3枚は行ける!!

──下校中
「ねね、幸一。好きな色って何?」
唐突に佑美が聞く。
「んあー?白だが」
(もちろんティッシュの白!)
「そうなんだ!私も実は白なんだ~!」
「まじ!?いいよね~」
佑美と同じ色が好きということがわかり、内心すごく嬉しかった。
「じゃあさ、好きな食べ物は?」
続けて佑美が聞く。
(どうする俺...。ここでティッシュと言ったら確実に引かれる。でもティッシュ以外に好きな食べ物が思いつかん!三食全部ティッシュでいい!)
などと普通の人では理解出来ないことを思い浮かべた後、
「ティッシュだよ。」
(やっちまったぁぁぁあああ!やばい!俺の輝かしい学校生活は終わり、佑美ちゃんに蔑んだ目で見られ、一生ティッシュ食って寝てろ!なんて言われる生活になってしまうのか!?おっと、それも悪くないな)
「え...」
佑美は案の定な反応をした。
「あはは...冗談だよ(笑)好きな食べ物思いつかなくて(笑)」
とっさにごまかす幸一。
「面白いね!(笑)」
隣で爆笑する佑美。
(あっぶねぇ、なんとかなったぁ...。)

そして何事も無かったようにふたりは話を続け、佑美の家の前に着いた。
「私ここなんだ!今日は付き合ってくれてありがと!」
佑美の家は、黒の屋根で、壁は赤いレンガで出来ている。いかにも洋風な感じがして、可愛らしい佑美に良く似合う。
「あっ、そうなんだ!こちらこそありがとうな!じゃあな!」
そう言って別れを告げた。

幸一は家に着くと、ティッシュをむさぼりながら、佑美のことを考えていた。
この時幸一は、佑美の秘密を知る由もなかった。

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ここまで読んでいただきありがとうございました!
ここまでキチガイ展開に付いてこれたあなたはすごいです(アヘ顔)
かなりの問題作になりそうですが、これからも連載しますのでお願いします!
    
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