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洞窟へ
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「ここに宝が本当にある、のか?」
コロネは不満そうな顔をして洞窟の入り口を見た。妙に整備された洞窟の入り口は、さながら遊園地の探検ゾーンだ。
「ギルドの依頼で来た方ですか? そうでなければ入場料として銀貨一枚を頂きますが」
巣窟の入り口にいた豚人の女性が、可愛らしい声で言う。
「たかっ!」
タスネが驚いて後ずさった。
「銀貨一枚ってどれくらいの価値だったっけ? ヒジリ氏ー」
「およそ一万円くらいだな。君たちの時代であれば」
「たかっ!」
マサヨシもタスネ同様後ずさった。
「何を言っているのだ、タスネ。サヴェリフェ家はもう十分に金持ちだろう」
「そうだけど、まだまだ貧乏が染み付いているのよ。ついつい昔の感覚で考えてしまうの」
「それにしても、随分と整備されているな。もう探検する場所など残っていないのではないかね?」
「は、はい! ここは冒険者のスターターダンジョンともいえる洞窟です。最早調べられ尽くして何もないかと。いるのはオオコウモリやジャイアントピート、スライムぐらいです」
豚人の受付嬢はヒジリを見てタスネのオーガと気がついたらしく、緊張して声が上ずっていた。雷のマークがついた黒い薄型の鎧を着るオーガなど、ヒジリ以外にいないからだ。
ヒジリはピンと金貨一枚を投げると、豚人は驚きつつもキャッチする。
「釣りは要らんよ」
「あ、ありがとうございます」
豚人が慌てて入り口横の小屋に戻ってレバーを下げると、扉がギギギと音を立てて開いた。
「ではお気をつけて!」
ヒジリたちは整備された石畳の上を歩いて、危険も何もなさそうな洞窟へと足を踏み入れた。
「なんだ?」
洞窟を歩いている内にシルビィは既視感に襲われる。
「この洞窟は、前に来たことがあっただろうか?」
以前この地方に来た時は謀反者を即時処刑しつつ、見つけた子供を裏側の監視を掻い潜って逃がそうと必死だった。なので、どこの洞窟に入ったかは覚えていない。
親を殺した本人に助けられた子供の中には反発する者も多かった。そういった子供たちはシルビィの庇護から抜け出し、その殆どが裏側に抹殺されていった。
過去を思い出して辛い顔をするシルビィを、ヒジリは気遣った。
「どうした? シルビィ。なんだか辛そうだが」
ヒジリ、シルビィ、フランで前衛をしているので隣の者の様子はすぐに解る。
「な、何でもない、ダーリン」
「そうか。気分が悪いのなら、ウメボシに言うといい」
「うむ、ありがとう」
ヒジリがシルビィの様子を気にしつつ先へ進むと、コロネが声を上げた。
「あ、そこだ! そこの曲がり角に印がついている!」
コロネが広げた宝の地図の印は、実に中途半端な場所につけられていた。
「曲がり角に印? ほんとにここに宝箱があるの?」
タスネは曲がり角の壁や地面を見るが何もない。
ウメボシがスキャンで調べようとするよりも前にコロネが何かに気が付く。
「ここの岩の出っ張りだけ、ニセモノっぽい!」
偽物っぽいと言われても、ウメボシ以外は誰にもその違いが判らなかった。普通の岩にしか見えない。
丁度目の高さにあるそれを、コロネは手で触った。
岩は多少上下左右にグラグラと動くが、それ以上のことは起こらない。恐らくは手順を踏んで岩を動かさないと、仕掛けは反応しないように出来ているのだろう。
感触と音の違いだけでコロネは次々と手順を探り当てていく。
―――カチッ
ものの五分ぐらいで正解にたどり着いたコロネにヒジリは驚く。
「八歳の少女がここまでやるとは。将来は優秀な泥棒だな、コロネ」
「泥棒って何よ! ヒジリのアホ! コロネは、スカウトかレンジャーになるのよ!」
タスネが歯茎を見せて怒る。
「ヒジリは冗談を言ったに決まってるでしょ・・・。お姉ちゃんったら。ほんと狭量だわ」
フランが呆れて肩を竦めると、胸がボインと揺れる。
タスネのヒジリへの怒りは、フランにも飛び火した。
「あんたね、洞窟に来るのになんでシャツとズボンだけで来てるのよ!」
「だってヒジリやウメボシいるし、防具要らないでしょ?」
「ウメボシの守りも無限じゃないのよ!」
「ご心配なく、ウメボシはマスターにエネルギーゲージを増やしてもらっています。以前よりも守れる時間もダメージ量も格段に上がっておりますので、余程の高火力を叩き出す敵でもない限り問題ありません」
「ウメボシが安全だってぇ、お姉ちゃん」
「ウメボシもあまりこの子達を甘やかさないでよね! もう!」
「隠し扉が開くよ。お姉ちゃん達、そこにいたら上から岩の欠片が降ってくるぞ」
そう末妹に言われてタスネとフランはさっと後ろに下がった。
隠し扉は音もなく引き戸のように開くと、中は全く整備されていない自然の洞窟がぽっかりと口を空けていた。勿論、壁に魔法灯も無いので真っ暗だ。
「この隠し扉は機工士が作ったものに見える。この国には機工士はいない。不思議」
本ばかり読んでいるイグナは下手なウィザードよりも知識がある。この国では誰も興味がない機工士の知識もあった。
「そうなのかね? 一体誰が作ったのだろうか」
不思議がるヒジリを見てシルビィは項垂れて何かを懺悔するかのように語りだした。
「かつて、私はここを通った事があるかもしれない」
先程から様子のおかしいシルビィだったが、今は肩を落として幽霊のように立っている。
「ここは昔、私が子供を逃がす時に通った洞窟だ」
「どういう事だ? シルビィ」
過去を振り返り、頭のなかで整理しながらシルビィはゆっくりと岩に腰を掛けた。
「十年前、私は任務でこのマシュマへ来ていた。謀反を起こした王族と獣人の平定が私の任務だった。シュラス陛下が私に与えたその任務はあまりに残酷なもので、反乱者とその一族郎党を皆殺しにするというものだった」
この話をしてしまえばヒジリに嫌われるかもしれない。だが、それでも本当の自分を知って欲しいという気持ちの方が強かった。
自分を抱きしめるように震えるシルビィの横にヒジリは座り、落ち着かせようと彼女の赤い髪を撫でた。
「君の仕事はそういうものなのだろう? 汚れ仕事も仕事の内なのだから仕方あるまい」
「私のことを嫌いならないのか? ダーリン」
「ならんよ。誰にだって後ろめたい過去はあるものだ」
「ありがとう・・・。それで私は反乱に加担した大人は処刑したのだが、どうしても子供達を殺すことはできなかった。だから部下たちに頭を下げ、子供達を逃がすよう命令したのだ。これは明らかな命令違反で、もし裏側にこの事が知れ渡れば、私は隊長の職を失っていただろう。部下たちも同罪だ。陛下の機嫌次第では、処刑されていたかもしれない」
今でも――――、そう言いかけてシルビィは頭を抱えた。
「今でも逃しきれなかった子供が、裏側の吹き矢の餌食になる姿が脳裏に焼き付いている」
「でも多くの子供の命を救ったという事実もある。君はその子供たちをここへ誘導したのだろう?」
「ああ。当時はまだこの洞窟はあまり知られていなくてね。部下に調べさせたところ、弱小モンスターばかりで、比較的安全であり、奥には裏側の警戒網の外に出る出口があったのだ。私は洞窟に逃げ込んだ謀反者を探すという名目で、子供たちに透明化の魔法をかけ誘導していたのだが、途中でゴブリンに出会ったのだ。彼は混乱のどさくさに紛れて主のもとから逃げ出した奴隷のようで、故郷では機工士兼召喚士をやっていたと言った。見逃してくれるなら何でもすると言うので、私は洞窟内の誰もいなくなった盗賊のアジトから、適当な道具と資材を持ってきて与え、追手が来ないように隠し扉を作れと命じた。岩で塞いでも良かったのだが、私はその洞窟の入口から出る必要があった。裏側が入り口で様子を探っている可能性もあったからな」
「それで子供たちはどうなったの?」
コロネはヒジリの膝に座って続きを催促した。
「勿論、出口まで送り届けた。そして手配していた馬車に乗せて隣国のリオンに逃したのだ」
「良かったー!」
コロネは息を大きく吐いて胸を撫で下ろした。
「でもぉ、樹族国と仲の悪いリオンの獣人に頼み事をするのは大変だったでしょう?」
フランは話に夢中になって岩に座ったつもりだったが、マサヨシの膝の上に座っていた。アラッと声を上げたものの、急に退くのも失礼だと思ったのか、そのまま膝に座り続けたのでマサヨシがとても嬉しそうだ。
「まぁな。子供達全員に幾らか金を持たせて、リオンの仲介者にも大金を払い、それはもう大変だった。それでも私の罪の意識は払拭されなかったがね」
「偉い!」
感動屋のウメボシが涙を流していた。
「今まで! シルビィ様をただの変態騎士かと思っておりましたが! 国の命令に背いてまで子供を助けていたなんて! シルビィ様は偉いです!」
「変態とは酷いな。でも褒められるような事ではないな。私の二つ名の一つでもある貴族殺しとは、こういった事の積み重ねなのだ。本当は王族殺しなのだが、気を使われて貴族殺しと呼ばれている。私の手は随分と血に染まっているのだ」
手を黙ってみるシルビィをヒジリは慰めた。
「それでも君は君だ。シルビィ。我々は今の君を見ている。過去の君ではない。さぁ、この洞窟のように暗い話はここまでだ。出口まで探検してみるか」
そうね、と言ってフランが立つと、マサヨシは膝から消えていく彼女の臀部の感触を残念に思いながら立った。
「もしかしたら、まだ発見されていないお宝があるかもしれませんぞ~? オフフ」
お金がなくてお宝頼みのマサヨシは、宝が無いかもしれないという考えはない。都合の悪い事は頭の隅から追い出してしまう性格なのだ。その考え方が、都合の悪い魔法を跳ね返すという能力に繋がっているのかもしれない。
イグナが【偉大なる光】を唱えると、光源不明の光が辺りを照らす。照らされた洞窟は大コウモリのフンがあちこちに落ちており、巨大なゴキブリがびっしりとフンに集っていた。
「わわー! わわー!」
イグナは悲鳴を上げてヒジリによじ登りしがみつく。
「お宝どころじゃないわぁ。ゴキブリだらけで、鳥肌が凄い!」
フランもヒジリの脚にしがみつく。
「まぁ洞窟とはこんなものだろう。刺激しなければゴキブリも襲ってはくるまい」
ヒジリはイグナとフランを抱えて歩きだした。
イグナはヒジリの胸から顔を離そうとはしない。
「ゴキブリはそんなに苦手じゃないけど、流石に気持ち悪いわね」
タスネは触覚をこちらに向け様子を窺うゴキブリを見て言う。
「中型犬くらいの大きさはありますなぁ」
マサヨシは貴重な伝説の剣、ドラゴンキラーを棒きれのように振ってゴキブリを追い払う。逃げ遅れたゴキブリは剣圧だけで粉微塵になっていく。
「以前私が通った時はもっと綺麗だったような気がするが・・・」
「多分だけど、スライムがいなくなったので生態系が狂った」
イグナは震えながら言うので、ヒジリは頭を撫で付けている。
「なるほど、掃除屋のスライムがいればフンだらけにもならないし、それを目当てに来るゴキブリもいなかったわけだ」
「そう・・・。スライムの天敵はメイジか、スライムイーターだけ」
「スライムイーターはオオアリクイに似たモンスターで、ストローのような口でスライムを吸って捕食します。スライムがいなくなったので、この洞窟にはもういないかと」
ウメボシが解説する後ろで、タスネが悲鳴を上げた。ゴキブリたちがカサカサと逃げていく。
「ヒジリ、ウメボシ! 前を見て! 前!」
洞窟の壁から滲み出る水かと思っていた液体はどんどんと集まって、一つの巨大な水玉を作り出す。
その水玉が液体をヒジリに向けて飛ばした。ヒジリはそれはフォースシールドで弾けるものだと思っていたが、通り抜けフランやイグナを濡らした。
「何だ? 私になんともないという事はこれは魔法的なものか・・・」
「マスター、あのスライムは表面はゼラチン状の皮で出来ており、体内に大量のマナの体液を蓄えています。ウメボシのフォースシールドは魔法を一切防ぎません。防いでいるのは我々自身ですから。マスターとウメボシとマサヨシ様が前衛に立った方がよろしいかと」
「きゃあ! やだぁ!」
抱いているフランが急に悲鳴を上げて体を丸くした。イグナも姉同様に体を丸くした。
「服が解けてるぅ!」
「お約束だな。ウメボシ、二人の体を綺麗にして、新しい服を用意してやってくれ」
「ちょい待ち! あと少しでお尻が見えるから!」
マサヨシがフランのボロボロになっていく布のズボンをじっと見ていると、スライムが鼻の下を伸ばす彼を叩き潰そうと背後から迫ってきた。
「マサヨシ、劣情に身を焦がしている場合ではないと思うがね」
「えっ?」
振り返るとスライムが今まさに伸し掛かろうとしていた。
「うわぁ!」
咄嗟にドラゴンキラーを頭の上で振ると、スライムは刀で切られた水袋のように、中身をぶちまけて萎れていった。
ビシャアと体液が辺りを浸し、逃げ遅れたゴキブリやコウモリの糞を溶かしていく。都合の悪い魔法的要素を排除する能力を持つマサヨシは、スライムの体液の影響を受けないので、ずぶ濡れにもなっていない。
「よくやった! マサヨシ!」
「オフフッ! 俺様しゅごい! 初勝利記念にスライムの体液をペットボトルに入れて持って帰ろう」
「ペットボトルが溶けるか、マナ遮断特性で体液が消えて無くなるんじゃないかね?」
「やってみれば解りますぞ」
そう言ってマサヨシは空のペットボトルを体液の水溜りに浸す。スライムの体液は問題なく採取出来た。
「おお! 素晴らしい! ウメボシ、私もスライムの体液が欲しい。持って帰るぞ」
「残念ながらウメボシが採取しようとすると消えて無くなりました」
「むぅ・・・」
ヒジリは羨ましそうにマサヨシを見る。マサヨシから買おうかとも思ったが、触れると消えてしまうので調べることは難しい。
マサヨシはペットボトルの蓋を閉める事無く、ヒジリが抱っこするフランやイグナの下を見て何かを探している。
「何を探しているのかね?」
「いや、なにね。フランちゃんとイグナちゃんを溶かしたスライムの体液が落ちてないかな~って。オフフフ! ギャッ!」
ウメボシが、四つん這いになるマサヨシのお尻に電撃を飛ばした。
「相手はまだ子供ですよ! マサヨシ様!」
コロネがマサヨシを指差して、どら声で叫ぶ。
「ヘンタイだぁーー!」
マサヨシはお尻を擦りながら立つと、ペットボトルの蓋を閉めてから洞窟の奥へ駆け出した。
「うるさいなぁ。全ては俺のせいじゃないよ! もう、スライムはコリゴリですぞ~~~!」
そう言ってジャンプしたところで、洞窟内に物語の終わりを告げるような音楽が鳴り、マサヨシが空中でストップした。
そして音楽が鳴り止むと【偉大なる光】を打ち消す闇が辺りを包みこむ。
「やだぁ! 暗い!」
フランが怯える。
「なんでマサヨシは空中に浮いているんだ? 魔法の罠か?」
コロネが不思議そうに暗闇の中で言う。
「私にも何が起きたか判らん! 各自警戒態勢を取れ!」
シルビィは【暗視】を唱えたが、なぜか闇を見通す事は出来なかった。
暫くするとヒジリとウメボシとマサヨシの笑い声が聞こえてきて暗闇は解除され、辺りはウメボシの出した光の球で明るくなった。
アニメチックな演出をしたウメボシだったが、やはりこの星の住人には理解されなかった。
コロネは不満そうな顔をして洞窟の入り口を見た。妙に整備された洞窟の入り口は、さながら遊園地の探検ゾーンだ。
「ギルドの依頼で来た方ですか? そうでなければ入場料として銀貨一枚を頂きますが」
巣窟の入り口にいた豚人の女性が、可愛らしい声で言う。
「たかっ!」
タスネが驚いて後ずさった。
「銀貨一枚ってどれくらいの価値だったっけ? ヒジリ氏ー」
「およそ一万円くらいだな。君たちの時代であれば」
「たかっ!」
マサヨシもタスネ同様後ずさった。
「何を言っているのだ、タスネ。サヴェリフェ家はもう十分に金持ちだろう」
「そうだけど、まだまだ貧乏が染み付いているのよ。ついつい昔の感覚で考えてしまうの」
「それにしても、随分と整備されているな。もう探検する場所など残っていないのではないかね?」
「は、はい! ここは冒険者のスターターダンジョンともいえる洞窟です。最早調べられ尽くして何もないかと。いるのはオオコウモリやジャイアントピート、スライムぐらいです」
豚人の受付嬢はヒジリを見てタスネのオーガと気がついたらしく、緊張して声が上ずっていた。雷のマークがついた黒い薄型の鎧を着るオーガなど、ヒジリ以外にいないからだ。
ヒジリはピンと金貨一枚を投げると、豚人は驚きつつもキャッチする。
「釣りは要らんよ」
「あ、ありがとうございます」
豚人が慌てて入り口横の小屋に戻ってレバーを下げると、扉がギギギと音を立てて開いた。
「ではお気をつけて!」
ヒジリたちは整備された石畳の上を歩いて、危険も何もなさそうな洞窟へと足を踏み入れた。
「なんだ?」
洞窟を歩いている内にシルビィは既視感に襲われる。
「この洞窟は、前に来たことがあっただろうか?」
以前この地方に来た時は謀反者を即時処刑しつつ、見つけた子供を裏側の監視を掻い潜って逃がそうと必死だった。なので、どこの洞窟に入ったかは覚えていない。
親を殺した本人に助けられた子供の中には反発する者も多かった。そういった子供たちはシルビィの庇護から抜け出し、その殆どが裏側に抹殺されていった。
過去を思い出して辛い顔をするシルビィを、ヒジリは気遣った。
「どうした? シルビィ。なんだか辛そうだが」
ヒジリ、シルビィ、フランで前衛をしているので隣の者の様子はすぐに解る。
「な、何でもない、ダーリン」
「そうか。気分が悪いのなら、ウメボシに言うといい」
「うむ、ありがとう」
ヒジリがシルビィの様子を気にしつつ先へ進むと、コロネが声を上げた。
「あ、そこだ! そこの曲がり角に印がついている!」
コロネが広げた宝の地図の印は、実に中途半端な場所につけられていた。
「曲がり角に印? ほんとにここに宝箱があるの?」
タスネは曲がり角の壁や地面を見るが何もない。
ウメボシがスキャンで調べようとするよりも前にコロネが何かに気が付く。
「ここの岩の出っ張りだけ、ニセモノっぽい!」
偽物っぽいと言われても、ウメボシ以外は誰にもその違いが判らなかった。普通の岩にしか見えない。
丁度目の高さにあるそれを、コロネは手で触った。
岩は多少上下左右にグラグラと動くが、それ以上のことは起こらない。恐らくは手順を踏んで岩を動かさないと、仕掛けは反応しないように出来ているのだろう。
感触と音の違いだけでコロネは次々と手順を探り当てていく。
―――カチッ
ものの五分ぐらいで正解にたどり着いたコロネにヒジリは驚く。
「八歳の少女がここまでやるとは。将来は優秀な泥棒だな、コロネ」
「泥棒って何よ! ヒジリのアホ! コロネは、スカウトかレンジャーになるのよ!」
タスネが歯茎を見せて怒る。
「ヒジリは冗談を言ったに決まってるでしょ・・・。お姉ちゃんったら。ほんと狭量だわ」
フランが呆れて肩を竦めると、胸がボインと揺れる。
タスネのヒジリへの怒りは、フランにも飛び火した。
「あんたね、洞窟に来るのになんでシャツとズボンだけで来てるのよ!」
「だってヒジリやウメボシいるし、防具要らないでしょ?」
「ウメボシの守りも無限じゃないのよ!」
「ご心配なく、ウメボシはマスターにエネルギーゲージを増やしてもらっています。以前よりも守れる時間もダメージ量も格段に上がっておりますので、余程の高火力を叩き出す敵でもない限り問題ありません」
「ウメボシが安全だってぇ、お姉ちゃん」
「ウメボシもあまりこの子達を甘やかさないでよね! もう!」
「隠し扉が開くよ。お姉ちゃん達、そこにいたら上から岩の欠片が降ってくるぞ」
そう末妹に言われてタスネとフランはさっと後ろに下がった。
隠し扉は音もなく引き戸のように開くと、中は全く整備されていない自然の洞窟がぽっかりと口を空けていた。勿論、壁に魔法灯も無いので真っ暗だ。
「この隠し扉は機工士が作ったものに見える。この国には機工士はいない。不思議」
本ばかり読んでいるイグナは下手なウィザードよりも知識がある。この国では誰も興味がない機工士の知識もあった。
「そうなのかね? 一体誰が作ったのだろうか」
不思議がるヒジリを見てシルビィは項垂れて何かを懺悔するかのように語りだした。
「かつて、私はここを通った事があるかもしれない」
先程から様子のおかしいシルビィだったが、今は肩を落として幽霊のように立っている。
「ここは昔、私が子供を逃がす時に通った洞窟だ」
「どういう事だ? シルビィ」
過去を振り返り、頭のなかで整理しながらシルビィはゆっくりと岩に腰を掛けた。
「十年前、私は任務でこのマシュマへ来ていた。謀反を起こした王族と獣人の平定が私の任務だった。シュラス陛下が私に与えたその任務はあまりに残酷なもので、反乱者とその一族郎党を皆殺しにするというものだった」
この話をしてしまえばヒジリに嫌われるかもしれない。だが、それでも本当の自分を知って欲しいという気持ちの方が強かった。
自分を抱きしめるように震えるシルビィの横にヒジリは座り、落ち着かせようと彼女の赤い髪を撫でた。
「君の仕事はそういうものなのだろう? 汚れ仕事も仕事の内なのだから仕方あるまい」
「私のことを嫌いならないのか? ダーリン」
「ならんよ。誰にだって後ろめたい過去はあるものだ」
「ありがとう・・・。それで私は反乱に加担した大人は処刑したのだが、どうしても子供達を殺すことはできなかった。だから部下たちに頭を下げ、子供達を逃がすよう命令したのだ。これは明らかな命令違反で、もし裏側にこの事が知れ渡れば、私は隊長の職を失っていただろう。部下たちも同罪だ。陛下の機嫌次第では、処刑されていたかもしれない」
今でも――――、そう言いかけてシルビィは頭を抱えた。
「今でも逃しきれなかった子供が、裏側の吹き矢の餌食になる姿が脳裏に焼き付いている」
「でも多くの子供の命を救ったという事実もある。君はその子供たちをここへ誘導したのだろう?」
「ああ。当時はまだこの洞窟はあまり知られていなくてね。部下に調べさせたところ、弱小モンスターばかりで、比較的安全であり、奥には裏側の警戒網の外に出る出口があったのだ。私は洞窟に逃げ込んだ謀反者を探すという名目で、子供たちに透明化の魔法をかけ誘導していたのだが、途中でゴブリンに出会ったのだ。彼は混乱のどさくさに紛れて主のもとから逃げ出した奴隷のようで、故郷では機工士兼召喚士をやっていたと言った。見逃してくれるなら何でもすると言うので、私は洞窟内の誰もいなくなった盗賊のアジトから、適当な道具と資材を持ってきて与え、追手が来ないように隠し扉を作れと命じた。岩で塞いでも良かったのだが、私はその洞窟の入口から出る必要があった。裏側が入り口で様子を探っている可能性もあったからな」
「それで子供たちはどうなったの?」
コロネはヒジリの膝に座って続きを催促した。
「勿論、出口まで送り届けた。そして手配していた馬車に乗せて隣国のリオンに逃したのだ」
「良かったー!」
コロネは息を大きく吐いて胸を撫で下ろした。
「でもぉ、樹族国と仲の悪いリオンの獣人に頼み事をするのは大変だったでしょう?」
フランは話に夢中になって岩に座ったつもりだったが、マサヨシの膝の上に座っていた。アラッと声を上げたものの、急に退くのも失礼だと思ったのか、そのまま膝に座り続けたのでマサヨシがとても嬉しそうだ。
「まぁな。子供達全員に幾らか金を持たせて、リオンの仲介者にも大金を払い、それはもう大変だった。それでも私の罪の意識は払拭されなかったがね」
「偉い!」
感動屋のウメボシが涙を流していた。
「今まで! シルビィ様をただの変態騎士かと思っておりましたが! 国の命令に背いてまで子供を助けていたなんて! シルビィ様は偉いです!」
「変態とは酷いな。でも褒められるような事ではないな。私の二つ名の一つでもある貴族殺しとは、こういった事の積み重ねなのだ。本当は王族殺しなのだが、気を使われて貴族殺しと呼ばれている。私の手は随分と血に染まっているのだ」
手を黙ってみるシルビィをヒジリは慰めた。
「それでも君は君だ。シルビィ。我々は今の君を見ている。過去の君ではない。さぁ、この洞窟のように暗い話はここまでだ。出口まで探検してみるか」
そうね、と言ってフランが立つと、マサヨシは膝から消えていく彼女の臀部の感触を残念に思いながら立った。
「もしかしたら、まだ発見されていないお宝があるかもしれませんぞ~? オフフ」
お金がなくてお宝頼みのマサヨシは、宝が無いかもしれないという考えはない。都合の悪い事は頭の隅から追い出してしまう性格なのだ。その考え方が、都合の悪い魔法を跳ね返すという能力に繋がっているのかもしれない。
イグナが【偉大なる光】を唱えると、光源不明の光が辺りを照らす。照らされた洞窟は大コウモリのフンがあちこちに落ちており、巨大なゴキブリがびっしりとフンに集っていた。
「わわー! わわー!」
イグナは悲鳴を上げてヒジリによじ登りしがみつく。
「お宝どころじゃないわぁ。ゴキブリだらけで、鳥肌が凄い!」
フランもヒジリの脚にしがみつく。
「まぁ洞窟とはこんなものだろう。刺激しなければゴキブリも襲ってはくるまい」
ヒジリはイグナとフランを抱えて歩きだした。
イグナはヒジリの胸から顔を離そうとはしない。
「ゴキブリはそんなに苦手じゃないけど、流石に気持ち悪いわね」
タスネは触覚をこちらに向け様子を窺うゴキブリを見て言う。
「中型犬くらいの大きさはありますなぁ」
マサヨシは貴重な伝説の剣、ドラゴンキラーを棒きれのように振ってゴキブリを追い払う。逃げ遅れたゴキブリは剣圧だけで粉微塵になっていく。
「以前私が通った時はもっと綺麗だったような気がするが・・・」
「多分だけど、スライムがいなくなったので生態系が狂った」
イグナは震えながら言うので、ヒジリは頭を撫で付けている。
「なるほど、掃除屋のスライムがいればフンだらけにもならないし、それを目当てに来るゴキブリもいなかったわけだ」
「そう・・・。スライムの天敵はメイジか、スライムイーターだけ」
「スライムイーターはオオアリクイに似たモンスターで、ストローのような口でスライムを吸って捕食します。スライムがいなくなったので、この洞窟にはもういないかと」
ウメボシが解説する後ろで、タスネが悲鳴を上げた。ゴキブリたちがカサカサと逃げていく。
「ヒジリ、ウメボシ! 前を見て! 前!」
洞窟の壁から滲み出る水かと思っていた液体はどんどんと集まって、一つの巨大な水玉を作り出す。
その水玉が液体をヒジリに向けて飛ばした。ヒジリはそれはフォースシールドで弾けるものだと思っていたが、通り抜けフランやイグナを濡らした。
「何だ? 私になんともないという事はこれは魔法的なものか・・・」
「マスター、あのスライムは表面はゼラチン状の皮で出来ており、体内に大量のマナの体液を蓄えています。ウメボシのフォースシールドは魔法を一切防ぎません。防いでいるのは我々自身ですから。マスターとウメボシとマサヨシ様が前衛に立った方がよろしいかと」
「きゃあ! やだぁ!」
抱いているフランが急に悲鳴を上げて体を丸くした。イグナも姉同様に体を丸くした。
「服が解けてるぅ!」
「お約束だな。ウメボシ、二人の体を綺麗にして、新しい服を用意してやってくれ」
「ちょい待ち! あと少しでお尻が見えるから!」
マサヨシがフランのボロボロになっていく布のズボンをじっと見ていると、スライムが鼻の下を伸ばす彼を叩き潰そうと背後から迫ってきた。
「マサヨシ、劣情に身を焦がしている場合ではないと思うがね」
「えっ?」
振り返るとスライムが今まさに伸し掛かろうとしていた。
「うわぁ!」
咄嗟にドラゴンキラーを頭の上で振ると、スライムは刀で切られた水袋のように、中身をぶちまけて萎れていった。
ビシャアと体液が辺りを浸し、逃げ遅れたゴキブリやコウモリの糞を溶かしていく。都合の悪い魔法的要素を排除する能力を持つマサヨシは、スライムの体液の影響を受けないので、ずぶ濡れにもなっていない。
「よくやった! マサヨシ!」
「オフフッ! 俺様しゅごい! 初勝利記念にスライムの体液をペットボトルに入れて持って帰ろう」
「ペットボトルが溶けるか、マナ遮断特性で体液が消えて無くなるんじゃないかね?」
「やってみれば解りますぞ」
そう言ってマサヨシは空のペットボトルを体液の水溜りに浸す。スライムの体液は問題なく採取出来た。
「おお! 素晴らしい! ウメボシ、私もスライムの体液が欲しい。持って帰るぞ」
「残念ながらウメボシが採取しようとすると消えて無くなりました」
「むぅ・・・」
ヒジリは羨ましそうにマサヨシを見る。マサヨシから買おうかとも思ったが、触れると消えてしまうので調べることは難しい。
マサヨシはペットボトルの蓋を閉める事無く、ヒジリが抱っこするフランやイグナの下を見て何かを探している。
「何を探しているのかね?」
「いや、なにね。フランちゃんとイグナちゃんを溶かしたスライムの体液が落ちてないかな~って。オフフフ! ギャッ!」
ウメボシが、四つん這いになるマサヨシのお尻に電撃を飛ばした。
「相手はまだ子供ですよ! マサヨシ様!」
コロネがマサヨシを指差して、どら声で叫ぶ。
「ヘンタイだぁーー!」
マサヨシはお尻を擦りながら立つと、ペットボトルの蓋を閉めてから洞窟の奥へ駆け出した。
「うるさいなぁ。全ては俺のせいじゃないよ! もう、スライムはコリゴリですぞ~~~!」
そう言ってジャンプしたところで、洞窟内に物語の終わりを告げるような音楽が鳴り、マサヨシが空中でストップした。
そして音楽が鳴り止むと【偉大なる光】を打ち消す闇が辺りを包みこむ。
「やだぁ! 暗い!」
フランが怯える。
「なんでマサヨシは空中に浮いているんだ? 魔法の罠か?」
コロネが不思議そうに暗闇の中で言う。
「私にも何が起きたか判らん! 各自警戒態勢を取れ!」
シルビィは【暗視】を唱えたが、なぜか闇を見通す事は出来なかった。
暫くするとヒジリとウメボシとマサヨシの笑い声が聞こえてきて暗闇は解除され、辺りはウメボシの出した光の球で明るくなった。
アニメチックな演出をしたウメボシだったが、やはりこの星の住人には理解されなかった。
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