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影人を探せ
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「ほ~ん、この爺さんが神様ねぇ・・・」
マサヨシはホログラムモニターの中の老人を見て鼻くそを穿る。
「マサヨシは折角イケメンになったんだから、鼻くそを穿る癖、止めればぁ?」
フランが勿体ないという顔でちり紙を渡した。
「ちょっと修行しただけでイケメンになるのも不思議だがね・・・」
以前からマサヨシの変貌ぶりを不思議に思っていたヒジリは、彼がノームかサカモト博士の遺跡の装置を使って再構成し、良い見た目になったのではないかと疑っている。
「俺の事はほっといてくだせぇ。オフッオフッ!」
そう言ってにわかイケメンはビッ!と鼻くそをヒジリに飛ばすが、ヒジリは当たり前のように躱す。
鼻くそを避けられた事を悔しがりつつもマサヨシは話を元に戻した。
「時間停止能力とか漫画やアニメでもチート中のチート能力じゃないでつか。どうやって勝つつもりでヒジリ氏はいるのでつかな?」
ヒジリはフランが入れてくれた紅茶を一口飲む。
「私は時間が止まっていても樹族神に反撃できる自信はあるのだが、勝利への確信が今一つ持てないのだ。何しろ相手は神だろう?何でも有りのこの星で地球人の常識で挑んで良いものかどうか悩んでいるのだよ」
何故か妙に艶っぽいヘカティニスがソファに座るヒジリにしな垂れかかって言う。
「旦那様も神様なんだど?きっと旦那様の方が強いに決まってどぅ」
いつもヘカティニスがヒジリにしな垂れかかるとリツとウメボシが険しい視線を向けるのだが、今日は二人ともニコニコしているし、リツとヘカティニスはフェロモンをやたらムンムンと出しているような気がしているなと、マサヨシは感づく。
ヒジリは今度こそ本当にチョメチョメな事をヤりやがったな、とマサヨシはにやけるが、以前もそう勘ぐって勘違いだったので自信はない。
どうでもいいことが色々と気になるマサヨシだったが、今はヒジリの相談に集中しようと決めて頭の中のピンクの霧を追い払った。
「反撃できるってだけでも凄いでつけど、どうやって反撃するんでつか」
「全てのエネルギー運動が止まっている状態なので、本来ならば固定されている空気中を、樹族神が移動するなんて事は不可能なのだ。石の中にいるような状態なので息を吸う事もままならない。でも彼はそれが出来る。何故かというと彼の周りだけ時間が動いているからだと考える」
「でも触れられて移動させられた相手が空気の摩擦抵抗を受けるという事は、実際は時間が止まってないんじゃないかなぁ」
そう言ってマサヨシはまた鼻くそを穿ろうとしたが、タスネに手の甲を叩かれて止められた。続けてコロネが鼻くそを穿ろうとしていたのもタスネは止める。
「そう、本来は時間停止中の者を押そうが引こうがビクともしないはずだ。そこで考えた仮説がある。樹族神は時間停止とは他に、触れた相手の周りの硬い空気を《柔らかく》する能力があるのではないかと。そしてウメボシに付いていた指先の跡を見て気が付いた事がある。彼の指先の触れた装甲部分を調べたら、時間の経過がそこだけ他よりも早かったのだ。ということは触れている部分だけは時間が正常なのではないかと。そこに反撃の糸口がある。ヒントは私の肩にある雷のマークだ」
「時間の止まった硬い空気を柔らかくですか・・・。面白い表現でつね。で、その柔らかい空気を作ろうとして触れてきた瞬間に予め発生させておいた高圧電流を流すわけでつね」
細い目を少し見開いてマサヨシは「ナルホドナルホド、おふぅおふぅ」と笑う。
「ああ。樹族神に電撃耐性が無い事を祈る」
ヒジリはホログラムモニターを目で操作し、監視ナノマシンで録画しておいた映像を見せる。
樹族神の部屋に侵入してきた遺跡荒らしの地走り族達が次々と瞬間的に消し炭になっていく映像だ。そして賊を全て排除し終えた元チャビンは、炎のような色をした手袋をフーフーと吹いている。
「面倒くさい能力でつね。神様なんだから問答無用で相手の存在を消す能力とかにすればよかったニー。それにあの程度の盗人なら能力を使うまでもないと思うのでつが・・・。手袋をフーフー吹いているのは、敵を移動させた時に発生する摩擦熱を自分も喰らう確かな証拠。摩擦熱は時間停止中の柔らかくなった空気の中で発生しているのでつね。あれは魔法の耐火耐熱手袋でつよ」
「そう、あれは魔法の手袋イフリートグローブ」
意外と鑑定眼のあるマサヨシにイグナは正解と言わんばかりに頷いた。
「そう、あれは魔法の手袋イフリートグローブなの」
イグナが言葉を発した後に、すぐさまヘカティニスが可愛い声でイグナの言葉を繰り返した。
イグナは顔を真っ赤にして、ウフウフと笑うヘカティニスの肩を杖でポカポカと叩いている。そのたびにフラン程ではないが大きな胸がバインバインとローブの下で揺れていた。
その様子を見てヒジリもリツも苦笑している。
(ヘカちゃんとの間に何があったのかは知らんが、照れてるイグナちゃん可愛い。ハァハァ。この世界に来た当初は割と熟女好きだったんだけどなぁ、どうしちゃたんでしょうか、俺)
マサヨシはまだ年端もいかないロリ巨乳イグナに興奮し、鼻息をシューと出す。
欲情するマサヨシを呆れ顔で見つめ、ヒジリは話を続ける。
「確証はないが、彼は魔法が使えないのではないかな。樹族神がチャビンの能力も受け継いでいるのであれば強力な魔法も使えるはずなのだが、使う素振りすら見せない」
「もしかしたら時間を操れる能力と引き換えなのかもしれませんな。意外としょうもない神だわ。オフッオフッ!」
非力な神か・・・とヒジリは頭の中で呟いた。過去に似たような人物がいたような気がするが、思いだそうとすると暗闇の中でぼんやり浮かぶ小さな誰かは揺らめいて消えていった。
「失敗した時の保険さえあれば、すぐにでも遺跡に向かうのだが・・・」
「いつも自信満々に無茶ばかりするヒジリ氏が珍しく慎重ですな」
「時間を操るという恐ろしい能力を持つ相手だからな。ロケート団のクローネは能力の範囲が狭かったが、樹族神は少なくとも部屋一つ分の効果範囲がある。救いなのは、装置を守ろうとして部屋を時間停止状態にして放置していない事から、彼が長時間、時間停止状態を維持出来ないということ。それ以外はまだまだ謎が多い。なのでまだ奥の手があるかもしれん」
う~んと唸ってマサヨシは何か有用な情報がないか頭の中を探った。
「時間には時間で対抗するとか。・・・影人を探したらどうでつかな?」
「ほう、マサヨシは影人を知っているのかね?時間を管理するという彼らを」
「まぁね。影人の写真も見たしウェイロニーにも聞いたんでつが、ヴャーンズ皇帝陛下は過去に影人と会ったことがあるんでつよ」
「まぁ。初耳ですわ」
リツが興味深そうな顔で眼鏡を押し上げた。
席順は早い者勝ち順なので最後に来たリツは下座に座っている。珍しく帝国制服の前を開いてラフに着こなしており、短いタイトなスカートを履いていた。
上座に座っているマサヨシからは太ももの付け根が陰になって見えそうで見えない。
「(くそ、エロイ太ももしやがって・・・)まぁ俺は皇帝の顧問兼戦略参謀でつから。一団長とは仕入れる情報の質が違うのだよ。情報の質が。オフッフ」
掛けていないエア眼鏡をマサヨシはクイッと押し上げる。
「ほう、それはありがたい情報だ。リツからも聞いたが、影人は時間を操るマジックアイテムを持っているのだろう?だったら樹族神の能力を無効化するアイテムを持っていそうだな。で、彼らはどこに?」
「それは言えない・・・というか、知らない。どうも自力で影人の村を見つけないと彼らに歓迎されないそうでつよ。ヴャーンズ皇帝陛下は偶然影人の村を見つけて、そこで色んな珍しい魔法を覚えたって。【転移】の魔法とか」
「ふむ・・・。まだ転移魔法を覚えていなかったヴャーンズ皇帝が忙しい最中に出掛けられる範囲は限られている。となると帝国国内にある可能性が高い」
そういってヒジリが熱の籠った潤んだ目でマサヨシと見つめた。
「聞くがマサヨシ。私は君の親友でいいのだったな?」
「え?何?急に。そんな目で見つめられると俺、ちょっと胸がキュンキュンするんでつけど。オフフ!」
「心の友だよな?のび太ー」
ヒジリはマサヨシの手を両手で包み込み、顔を近づけた。
「誰がのび太でつか。ま、まぁ、ヒジリ氏がそう言うならそうでつよ。おふうおふう」
「親友は助け合うものだな?マサヨシ」
「そ、そうでつね。あーっ!解った!俺に影人の村を探せってか!」
「そうでぃす」
「だっふんだ!どこにあるかも判らないのに、ロシア並みに広い帝国領を影人探して彷徨い歩けってか!」
「そうでぃーす」
「志村から凸守になってんじゃねぇか!おふふ!」
「頼んでいいかな?なるべく私の依頼を最優先してくれると助かるのだが。勿論報酬は弾む」
「え~。俺、一応帝国の高官なんだぜぃ?忙しい身なんでつけど」
リツがソファで足を組み替えてフフッと笑った。
「多忙な割にオーガの酒場で酔っぱらってるのをよく見ますが?皇帝顧問殿?」
「(しまった!パンティーを見逃した!)あ、あれも情報収集の一環でつよ」
「知っての通り、私は遮蔽フィールドに空いた穴の外に出るとかなりのリスクを負う事になる。帝国領地を歩いた事もあったが、あの時は運が良かっただけだ。こんなことを頼めるのは君しかいない。魔法無効化能力に加え、召喚術と盗賊スキルを持つ君なら広い帝国領で臨機応変に立ち回れるのではないかな?」
「ンモー。でもヴャーンズ皇帝陛下が許可を出してくれるかなぁ~?俺って割と帝国内でも重要な立ち位置ですし~」
「問題ありませんわ。今、魔法水晶経由で許可を頂きました。その代わりヒジランドには貸しが一つだそうです」
「はやっ!」
いつの間にか膝の上に魔法水晶を乗せてヴャーンズ皇帝に許可を貰っていたリツにマサヨシは驚く。
ヒジリは個人的な頼みにするはずだったのに帝国に借りが出来た事を残念がった。
「参ったな。前回のゾンビ騒動でも借りがあるというのに。ツィガル帝国にはこれで借りが二つになった」
「俺の決定権は?」
「ありませんわ。皇帝陛下の命令ですもの。マサヨシの報酬もヒジランドから帝国経由で支払われますので中抜きされます」
「そぉんなぁ~。あ~、やる気出んわ~。冷蔵庫の奥でシナシナになった茄子の如く、心が萎えてるわ」
マサヨシが不貞腐れていると、誰かが桃色城の玄関が激しく叩く音が聞こえてきた。
ドアを叩く誰かは出迎えを待たずして勝手に扉を開けるとドタドタと足音をさせて近づいてくる。
「ダーーーーリン!大変だぁぁ!チャビンが逃げた!」
半泣きで息を切らせて居間に入って来たシルビィの必死さにヒジリは思わず笑ってしまう。
「うふっ・・・。やぁいらっしゃいシルビィ」
高く跳躍して自分に急降下して抱きつくシルビィを受け止め、ヒジリは笑いを堪えた。
「チャビンがぁぁ!チャビンがぁぁ!!」
「チャビンならそこにいる」
ヒジリがホログラムモニターをシルビィに見せた。
ソファの上で全裸で寛ぐチャビンを見てシルビィは眉根を寄せた。
「ぬあっ!全裸!うへぇ・・・。ダ、ダーリンが捕らえてくれたのか?」
炎のような真っ赤な瞳が感謝を伝えてくる。
「いや、捕まえてはいない。彼は樹族国の遺跡の中にいる。神となってな」
「神?チャビンはダーリンと同じく神なのか?」
「現人神である私とは違うベクトルの神だ。正確にはチャビンはももうこの世にいない。彼は自分の体を神の依り代としたのだ」
「へ?じゃあ国家転覆を狙うチャビンはもういないと?」
「そうだな。元魔法院院長のチャビンはいない。代わりに樹族にとっては無害な樹族神がいる」
「その話が本当なら憂いはなくなるのだが・・・。シュラス陛下にはなんと報告すれば・・・。樹族の神が樹族国にいる事を知れば大喜びするだろうが・・・」
「まだ彼が本当に神かどうかは判らないがね。一応彼は浮遊はしていたが。それに私は彼と敵対している。もし君がシュラス王にこの事を報告すれば、ゆくゆくは樹族国と我が国で戦争が起きるかもしれない。君たちは自分の神を優先するだろうからね」
「それは嫌だな。そうなると無敵のダーリンと戦う事になるからな」
「情報が確定するまで黙っててくれるかね?」
「それは構わないが・・・。私はチャビンを見つけるまで帰るなと言われている。彼の管理は我が隊の管轄下だったから」
「今は君一人なのかね?部下たちはどうした?」
「隊は副隊長に任せてある。私一人が責任を被ることにしたのだ」
「そうか、じゃあ暫くここにいるがいい」
沈んでいたシルビィの顔が明るくなる。
「え?いいの?ほんとに?」
「ああ、他に行く所がないのだろう?」
「でへ~!やった!私はもうダーリンを離さないだろう」
ヒジリにじゃれつくシルビィの様子を見ていたヘカティニスがマサヨシを睨んだ。
「マサヨシぃ!さっさと旅の準備をするんだど!早く影人からマジックアイテムを貰ってこい!じゃないと、このシビビビィはいつまで経ってもここにいることになる!」
「そ、そんなの俺には関係ない事ですしお寿司・・・。おわっ!」
ヘカティニスは壁に立てかけてあった魔剣へし折りを掴むと、剣の腹でマサヨシを部屋から押し出した。
「ちょっと~おわ~!俺一人で行けってか~?誰か手伝ってよ~!」
しかしその呼びかけに反応するものは誰もおらず、ヘカティニスにグイグイと押されてマサヨシはあっという間に城から追い出されてしまった。
「こででよし!」
ヘカティニスは頷くと忌々しい樹族の騎士が早く樹族国に帰るようサカモト神に心の中で祈った。
マサヨシはホログラムモニターの中の老人を見て鼻くそを穿る。
「マサヨシは折角イケメンになったんだから、鼻くそを穿る癖、止めればぁ?」
フランが勿体ないという顔でちり紙を渡した。
「ちょっと修行しただけでイケメンになるのも不思議だがね・・・」
以前からマサヨシの変貌ぶりを不思議に思っていたヒジリは、彼がノームかサカモト博士の遺跡の装置を使って再構成し、良い見た目になったのではないかと疑っている。
「俺の事はほっといてくだせぇ。オフッオフッ!」
そう言ってにわかイケメンはビッ!と鼻くそをヒジリに飛ばすが、ヒジリは当たり前のように躱す。
鼻くそを避けられた事を悔しがりつつもマサヨシは話を元に戻した。
「時間停止能力とか漫画やアニメでもチート中のチート能力じゃないでつか。どうやって勝つつもりでヒジリ氏はいるのでつかな?」
ヒジリはフランが入れてくれた紅茶を一口飲む。
「私は時間が止まっていても樹族神に反撃できる自信はあるのだが、勝利への確信が今一つ持てないのだ。何しろ相手は神だろう?何でも有りのこの星で地球人の常識で挑んで良いものかどうか悩んでいるのだよ」
何故か妙に艶っぽいヘカティニスがソファに座るヒジリにしな垂れかかって言う。
「旦那様も神様なんだど?きっと旦那様の方が強いに決まってどぅ」
いつもヘカティニスがヒジリにしな垂れかかるとリツとウメボシが険しい視線を向けるのだが、今日は二人ともニコニコしているし、リツとヘカティニスはフェロモンをやたらムンムンと出しているような気がしているなと、マサヨシは感づく。
ヒジリは今度こそ本当にチョメチョメな事をヤりやがったな、とマサヨシはにやけるが、以前もそう勘ぐって勘違いだったので自信はない。
どうでもいいことが色々と気になるマサヨシだったが、今はヒジリの相談に集中しようと決めて頭の中のピンクの霧を追い払った。
「反撃できるってだけでも凄いでつけど、どうやって反撃するんでつか」
「全てのエネルギー運動が止まっている状態なので、本来ならば固定されている空気中を、樹族神が移動するなんて事は不可能なのだ。石の中にいるような状態なので息を吸う事もままならない。でも彼はそれが出来る。何故かというと彼の周りだけ時間が動いているからだと考える」
「でも触れられて移動させられた相手が空気の摩擦抵抗を受けるという事は、実際は時間が止まってないんじゃないかなぁ」
そう言ってマサヨシはまた鼻くそを穿ろうとしたが、タスネに手の甲を叩かれて止められた。続けてコロネが鼻くそを穿ろうとしていたのもタスネは止める。
「そう、本来は時間停止中の者を押そうが引こうがビクともしないはずだ。そこで考えた仮説がある。樹族神は時間停止とは他に、触れた相手の周りの硬い空気を《柔らかく》する能力があるのではないかと。そしてウメボシに付いていた指先の跡を見て気が付いた事がある。彼の指先の触れた装甲部分を調べたら、時間の経過がそこだけ他よりも早かったのだ。ということは触れている部分だけは時間が正常なのではないかと。そこに反撃の糸口がある。ヒントは私の肩にある雷のマークだ」
「時間の止まった硬い空気を柔らかくですか・・・。面白い表現でつね。で、その柔らかい空気を作ろうとして触れてきた瞬間に予め発生させておいた高圧電流を流すわけでつね」
細い目を少し見開いてマサヨシは「ナルホドナルホド、おふぅおふぅ」と笑う。
「ああ。樹族神に電撃耐性が無い事を祈る」
ヒジリはホログラムモニターを目で操作し、監視ナノマシンで録画しておいた映像を見せる。
樹族神の部屋に侵入してきた遺跡荒らしの地走り族達が次々と瞬間的に消し炭になっていく映像だ。そして賊を全て排除し終えた元チャビンは、炎のような色をした手袋をフーフーと吹いている。
「面倒くさい能力でつね。神様なんだから問答無用で相手の存在を消す能力とかにすればよかったニー。それにあの程度の盗人なら能力を使うまでもないと思うのでつが・・・。手袋をフーフー吹いているのは、敵を移動させた時に発生する摩擦熱を自分も喰らう確かな証拠。摩擦熱は時間停止中の柔らかくなった空気の中で発生しているのでつね。あれは魔法の耐火耐熱手袋でつよ」
「そう、あれは魔法の手袋イフリートグローブ」
意外と鑑定眼のあるマサヨシにイグナは正解と言わんばかりに頷いた。
「そう、あれは魔法の手袋イフリートグローブなの」
イグナが言葉を発した後に、すぐさまヘカティニスが可愛い声でイグナの言葉を繰り返した。
イグナは顔を真っ赤にして、ウフウフと笑うヘカティニスの肩を杖でポカポカと叩いている。そのたびにフラン程ではないが大きな胸がバインバインとローブの下で揺れていた。
その様子を見てヒジリもリツも苦笑している。
(ヘカちゃんとの間に何があったのかは知らんが、照れてるイグナちゃん可愛い。ハァハァ。この世界に来た当初は割と熟女好きだったんだけどなぁ、どうしちゃたんでしょうか、俺)
マサヨシはまだ年端もいかないロリ巨乳イグナに興奮し、鼻息をシューと出す。
欲情するマサヨシを呆れ顔で見つめ、ヒジリは話を続ける。
「確証はないが、彼は魔法が使えないのではないかな。樹族神がチャビンの能力も受け継いでいるのであれば強力な魔法も使えるはずなのだが、使う素振りすら見せない」
「もしかしたら時間を操れる能力と引き換えなのかもしれませんな。意外としょうもない神だわ。オフッオフッ!」
非力な神か・・・とヒジリは頭の中で呟いた。過去に似たような人物がいたような気がするが、思いだそうとすると暗闇の中でぼんやり浮かぶ小さな誰かは揺らめいて消えていった。
「失敗した時の保険さえあれば、すぐにでも遺跡に向かうのだが・・・」
「いつも自信満々に無茶ばかりするヒジリ氏が珍しく慎重ですな」
「時間を操るという恐ろしい能力を持つ相手だからな。ロケート団のクローネは能力の範囲が狭かったが、樹族神は少なくとも部屋一つ分の効果範囲がある。救いなのは、装置を守ろうとして部屋を時間停止状態にして放置していない事から、彼が長時間、時間停止状態を維持出来ないということ。それ以外はまだまだ謎が多い。なのでまだ奥の手があるかもしれん」
う~んと唸ってマサヨシは何か有用な情報がないか頭の中を探った。
「時間には時間で対抗するとか。・・・影人を探したらどうでつかな?」
「ほう、マサヨシは影人を知っているのかね?時間を管理するという彼らを」
「まぁね。影人の写真も見たしウェイロニーにも聞いたんでつが、ヴャーンズ皇帝陛下は過去に影人と会ったことがあるんでつよ」
「まぁ。初耳ですわ」
リツが興味深そうな顔で眼鏡を押し上げた。
席順は早い者勝ち順なので最後に来たリツは下座に座っている。珍しく帝国制服の前を開いてラフに着こなしており、短いタイトなスカートを履いていた。
上座に座っているマサヨシからは太ももの付け根が陰になって見えそうで見えない。
「(くそ、エロイ太ももしやがって・・・)まぁ俺は皇帝の顧問兼戦略参謀でつから。一団長とは仕入れる情報の質が違うのだよ。情報の質が。オフッフ」
掛けていないエア眼鏡をマサヨシはクイッと押し上げる。
「ほう、それはありがたい情報だ。リツからも聞いたが、影人は時間を操るマジックアイテムを持っているのだろう?だったら樹族神の能力を無効化するアイテムを持っていそうだな。で、彼らはどこに?」
「それは言えない・・・というか、知らない。どうも自力で影人の村を見つけないと彼らに歓迎されないそうでつよ。ヴャーンズ皇帝陛下は偶然影人の村を見つけて、そこで色んな珍しい魔法を覚えたって。【転移】の魔法とか」
「ふむ・・・。まだ転移魔法を覚えていなかったヴャーンズ皇帝が忙しい最中に出掛けられる範囲は限られている。となると帝国国内にある可能性が高い」
そういってヒジリが熱の籠った潤んだ目でマサヨシと見つめた。
「聞くがマサヨシ。私は君の親友でいいのだったな?」
「え?何?急に。そんな目で見つめられると俺、ちょっと胸がキュンキュンするんでつけど。オフフ!」
「心の友だよな?のび太ー」
ヒジリはマサヨシの手を両手で包み込み、顔を近づけた。
「誰がのび太でつか。ま、まぁ、ヒジリ氏がそう言うならそうでつよ。おふうおふう」
「親友は助け合うものだな?マサヨシ」
「そ、そうでつね。あーっ!解った!俺に影人の村を探せってか!」
「そうでぃす」
「だっふんだ!どこにあるかも判らないのに、ロシア並みに広い帝国領を影人探して彷徨い歩けってか!」
「そうでぃーす」
「志村から凸守になってんじゃねぇか!おふふ!」
「頼んでいいかな?なるべく私の依頼を最優先してくれると助かるのだが。勿論報酬は弾む」
「え~。俺、一応帝国の高官なんだぜぃ?忙しい身なんでつけど」
リツがソファで足を組み替えてフフッと笑った。
「多忙な割にオーガの酒場で酔っぱらってるのをよく見ますが?皇帝顧問殿?」
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「そぉんなぁ~。あ~、やる気出んわ~。冷蔵庫の奥でシナシナになった茄子の如く、心が萎えてるわ」
マサヨシが不貞腐れていると、誰かが桃色城の玄関が激しく叩く音が聞こえてきた。
ドアを叩く誰かは出迎えを待たずして勝手に扉を開けるとドタドタと足音をさせて近づいてくる。
「ダーーーーリン!大変だぁぁ!チャビンが逃げた!」
半泣きで息を切らせて居間に入って来たシルビィの必死さにヒジリは思わず笑ってしまう。
「うふっ・・・。やぁいらっしゃいシルビィ」
高く跳躍して自分に急降下して抱きつくシルビィを受け止め、ヒジリは笑いを堪えた。
「チャビンがぁぁ!チャビンがぁぁ!!」
「チャビンならそこにいる」
ヒジリがホログラムモニターをシルビィに見せた。
ソファの上で全裸で寛ぐチャビンを見てシルビィは眉根を寄せた。
「ぬあっ!全裸!うへぇ・・・。ダ、ダーリンが捕らえてくれたのか?」
炎のような真っ赤な瞳が感謝を伝えてくる。
「いや、捕まえてはいない。彼は樹族国の遺跡の中にいる。神となってな」
「神?チャビンはダーリンと同じく神なのか?」
「現人神である私とは違うベクトルの神だ。正確にはチャビンはももうこの世にいない。彼は自分の体を神の依り代としたのだ」
「へ?じゃあ国家転覆を狙うチャビンはもういないと?」
「そうだな。元魔法院院長のチャビンはいない。代わりに樹族にとっては無害な樹族神がいる」
「その話が本当なら憂いはなくなるのだが・・・。シュラス陛下にはなんと報告すれば・・・。樹族の神が樹族国にいる事を知れば大喜びするだろうが・・・」
「まだ彼が本当に神かどうかは判らないがね。一応彼は浮遊はしていたが。それに私は彼と敵対している。もし君がシュラス王にこの事を報告すれば、ゆくゆくは樹族国と我が国で戦争が起きるかもしれない。君たちは自分の神を優先するだろうからね」
「それは嫌だな。そうなると無敵のダーリンと戦う事になるからな」
「情報が確定するまで黙っててくれるかね?」
「それは構わないが・・・。私はチャビンを見つけるまで帰るなと言われている。彼の管理は我が隊の管轄下だったから」
「今は君一人なのかね?部下たちはどうした?」
「隊は副隊長に任せてある。私一人が責任を被ることにしたのだ」
「そうか、じゃあ暫くここにいるがいい」
沈んでいたシルビィの顔が明るくなる。
「え?いいの?ほんとに?」
「ああ、他に行く所がないのだろう?」
「でへ~!やった!私はもうダーリンを離さないだろう」
ヒジリにじゃれつくシルビィの様子を見ていたヘカティニスがマサヨシを睨んだ。
「マサヨシぃ!さっさと旅の準備をするんだど!早く影人からマジックアイテムを貰ってこい!じゃないと、このシビビビィはいつまで経ってもここにいることになる!」
「そ、そんなの俺には関係ない事ですしお寿司・・・。おわっ!」
ヘカティニスは壁に立てかけてあった魔剣へし折りを掴むと、剣の腹でマサヨシを部屋から押し出した。
「ちょっと~おわ~!俺一人で行けってか~?誰か手伝ってよ~!」
しかしその呼びかけに反応するものは誰もおらず、ヘカティニスにグイグイと押されてマサヨシはあっという間に城から追い出されてしまった。
「こででよし!」
ヘカティニスは頷くと忌々しい樹族の騎士が早く樹族国に帰るようサカモト神に心の中で祈った。
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自分の存在も、手に入れた能力も……異世界に来たって俺の人生はそんなもん。
俺は俺の出来ること……
彼女たちを守り……そして俺はその能力を駆使して彼女たちを英雄にする。
だけど、そんな彼女たちにとっては俺が英雄のようだ……。
※※多少意識はしていますが、主人公最強で無双はなく、普通に苦戦します……流行ではないのは承知ですが、登場人物の個性を持たせるためそのキャラの物語(エピソード)や回想のような場面が多いです……後一応理由はありますが、主人公の年上に対する態度がなってません……、後、私(さくしゃ)の変な癖で「……」が凄く多いです。その変ご了承の上で楽しんで頂けると……Mです。の本望です(どうでもいいですよね…)※※
※※楽しかった……続きが気になると思って頂けた場合、お気に入り登録……このエピソード好みだなとか思ったらコメントを貰えたりすると軽い絶頂を覚えるくらいには喜びます……メンタル弱めなので、誹謗中傷てきなものには怯えていますが、気軽に頂けると嬉しいです。※※
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
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転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
【魔女ローゼマリー伝説】~5歳で存在を忘れられた元王女の私だけど、自称美少女天才魔女として世界を救うために冒険したいと思います!~
ハムえっぐ
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かつて魔族が降臨し、7人の英雄によって平和がもたらされた大陸。その一国、ベルガー王国で物語は始まる。
王国の第一王女ローゼマリーは、5歳の誕生日の夜、幸せな時間のさなかに王宮を襲撃され、目の前で両親である国王夫妻を「漆黒の剣を持つ謎の黒髪の女」に殺害される。母が最後の力で放った転移魔法と「魔女ディルを頼れ」という遺言によりローゼマリーは辛くも死地を脱した。
15歳になったローゼは師ディルと別れ、両親の仇である黒髪の女を探し出すため、そして悪政により荒廃しつつある祖国の現状を確かめるため旅立つ。
国境の街ビオレールで冒険者として活動を始めたローゼは、運命的な出会いを果たす。因縁の仇と同じ黒髪と漆黒の剣を持つ少年傭兵リョウ。自由奔放で可愛いが、何か秘密を抱えていそうなエルフの美少女ベレニス。クセの強い仲間たちと共にローゼの新たな人生が動き出す。
これは王女の身分を失った最強天才魔女ローゼが、復讐の誓いを胸に仲間たちとの絆を育みながら、王国の闇や自らの運命に立ち向かう物語。友情、復讐、恋愛、魔法、剣戟、謀略が織りなす、ダークファンタジー英雄譚が、今、幕を開ける。
真祖竜に転生したけど、怠け者の世界最強種とか性に合わないんで、人間のふりして旅に出ます
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"『第18回ファンタジー小説大賞【奨励賞】受賞!』"
ブラック企業勤めのサラリーマン、橘隆也(たちばな・りゅうや)、28歳。
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異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します
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小さな町で酒場の手伝いをする母親と2人で住む少年イールスに転生覚醒する、チートする方法も無く、母親の死により、実の父親の家に引き取られる。イールスは、冒険者になろうと目指すが、周囲はその才能を惜しんでいる
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