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樹族国に現れた神
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樹族の神攻略の準備が整ったヒジリは転送せずに馬車でアルケディアまで来ていた。そして馬車から降りると街の人々がソワソワしている事に気が付いた。
「いつもなら信者が寄って来るのに今日は珍しく誰も来ないな。何かの話題に夢中になっているように見える」
すぐにウメボシが話の内容を高性能収音装置で聞き出した。
「どうやら樹族の神が遺跡から出てきたようですね」
「しかし見た目はチャビンなのだし、大騒ぎになるのではないかな。なぁシルビィ」
シルビィはヒジリに強請ってゴデの街で買ってもらった白いゴスロリドレスを気に入っており、馬車から降りるとくるりと一回転して笑顔で答えた。
「ああ、そうだな。だが、私にとっては都合がいい。彼が神だと証明してくれればチャビン追跡の責任が消えるからな」
赤い髪に白いヘッドドレスは良く似合っており、少年漫画の主人公のような見た目だったシルビィがヒジリには女らしく見えた。
「しかし、マスター。どうも人々の話す神の容姿がチャビンのものと一致いたしません」
「そうか。ではシルビィは今すぐ顔だけでも魔法で変えた方が良いな。チャビンを追わずに何しに戻ってきたと君の父上に言われかねんだろう?・・・そういえば魔法による変装は魔力の高い者に見破られるらしいな。ウメボシ、一個だけあった変装グッズを出してやれ」
「はい」
ウメボシは直ぐに変装セットを亜空間ポケットから出してシルビィに手渡した。
シルビィは肌色のしっとりとした薄い皮のような何かを摘まんで、不気味な物を見たという顔をする。
「なんだ・・・これは。誰かの顔から皮を剥いだのか?」
「怖い事を言う・・・。いいから顔に付けてみたまえ」
ヒジリに言われるままシルビィはそれを顔に付けると、その様子を興味深そうに見ていたフランが口を押えて笑い出した。イグナに至っては笑いを堪え過ぎて無表情でしゃっくりを連発している。
「な、なんだ!フランにイグナ!人の顔を見て笑うとは無礼だぞ!」
「だってぇ・・・」
フランは小さな手鏡を腰のポーチから出すとシルビィに渡した。
シルビィは急いで自分の顔を見るとそこにはカエルのような顔をした自分がいた。
「なんだこのカエル顔は!」
慌てるカエル顔のシルビィを見て、ヒジリは大昔の海外の掲示板のキャラクターを思い浮かべる。
(ペペにそっくりだな)
「ちょっと顎に手を添えて、どや顔をしてみてくれ、シルビィ」
シルビィは納得いかない顔をするが、愛しのダーリンが頼むので言われるままやってみた。顎に手を添えてドヤ顔をしてヒジリを見る。
「うむ、ペペだな」
「なんだ?ペペってなんだ?」
自分が遊ばれていると思ったシルビィは鋭い目でヒジリを睨む。
「か、可愛いということだ」
そう言ってヒジリは誤魔化す様にシルビィの頬にキスをした。
「ならいい!」
シルビィがカエルの顔で夏の太陽の様な笑顔を見せたので、その場にいたウメボシ、フラン、イグナは思う。
(ちょろい・・・)
「さて、シルビィの変装も完了した事だし、もう少し情報を集めようか」
ヒジリは聞き込みを開始した。
皆で集めた情報によると、神を名乗る男は平均的な樹族の姿をしているとのこと。少し長い緑色の髪に整ってはいるが特徴のない顔の青年。チャビンも似た様なものだが、彼は年老いているし髪も短い。
「魔法による変装の可能性もあるが、見てみない事には判断できないな。魔法での変装なら一発で見破れるのだが・・・」
ヒジリがどこに行けば樹族の髪を名乗る男に出会えるかを誰かに聞こうとしたが、アルケディア城下町がにわかに騒がしくなった。
城の方から王国騎士が隊列を組んでやってきたのだ。
「物々しいな」
ヒジリは行進する隊列の中に紫陽花騎士団の団長を見つける。
「久しぶりだな、エリムス・ジブリット」
エリムスは随分と前からヒジリを見つけてはいたが、本物かどうかの自信がなかった。
というのも、樹族国がヒジリランドと正式に国交を結んでから、樹族国には金持ちのオーガやオークたちがやって来るようになっていたからだ。そしてオーガの多くがヒジリに憧れて似たような恰好をしている。中には自分がヒジリだと嘘をつくものまでいた。
(本物か?最近はマジックアイテムで顔まで似せるオーガもいるしな・・・。確率的にはヒジリ王ではない可能性の方が高い)
「紫陽花騎士団は神殿前で待機。神学庁の間抜けどもが攻撃してくるまでは動くなよ?」
エリムスは副団長に指示を出して馬を止めた。
「ふん、また偽者か?私の名前をどこで知った?お前たちヒジリ王のファンボーイは無駄に知識が深いからな。もう騙されんぞ。こないだも星のオーガ教の信者の前で下手糞な説法を解く偽者を私は見た!」
エリムスが無礼にもワンドを懐から取り出して、ヒジリに向けたのでシルビィがずいと前に出て怒る。
「ヒジランドの王に対して無礼であろう!エリムス!昔からお前は無礼ではあったが」
「なんだ?カエル女。不細工な顔に白いドレスが全く似合っていないな!」
「ムキーーーッ!貴様!このドレスはダーリンが買ってくれたのだぞ!侮辱するとはいい度胸だな!決闘だ!」
カエル顔の背景に噴火した火山でも見えそうなほど、シルビィは顔を真っ赤にして地団駄を踏んだ。
「待ちたまえ、ペペ・・・。いやシルビィ」
ヒジリは怒るシルビィの脇の下から手を差し込んで抱き上げると後ろへやった。その時、うっかりとシルビィの胸を揉んでしまい、彼女はアッと色っぽい声をあげる。
「おっと、済まない」
「い、いや・・・いいのだ。ダーリンならいいの・・・」
照れてクネクネするカエル顔は気味が悪かった。ヒジリはこの変身セットが使われず最後まで残っていたのが解った気がする。
改めてエリムスに向き直るとヒジリは顎を撫でた。
「最近はそんなに私の偽者が多いのかね?帰ってから御触書を出しておこう。ところでエリムス、奥方のメイは元気かな?ヘカティニスに負けそうだった時の君の愛の告白は今思い出しても素敵だったぞ。落ちぶれ冒険者となった自分を見捨てずに慕ってくれたお前が好きだ!だったかな?」
エリムスは顔を真っ赤にして口をあんぐりと開けた後、馬から直ぐに飛び降りた。
「失礼しました。ヒジリ陛下。偽者が多く陛下もその一人だと思ってしまったのです。ご容赦を・・・」
もはや一国の王であり現人神と呼ばれる彼にかつての様な無礼な態度は取れない。
「構わんよ。公の場でなければ以前のような喋り方でいい」
「勿体なきお言葉」
「ところでこの騒ぎは何かね?」
「はい・・・。ある男が突然神学庁に現れて神を名乗ったのです。神学庁も最初はまともに取り合わなかったのですが、その男は次々と奇跡を見せました。ヒジリ陛下と同じく高く宙に浮く事ができ、更に時間を止める事が出来ます。最初は擬似的に時間の流れを遅くする能力の保持者かと思い疑って調べていた神学庁の僧侶たちも、彼が完全に時間停止をしている事を知って最後には信じるようになりました」
「(無名の神は世間に興味は無さそうだったのだがね・・・。何故急に出てきたのだろうか。遮蔽装置の遺跡は守らなくていいのか?)ではこの王国騎士の行軍はなんだ?雰囲気から察すると神学庁は王に敵対しているように見えるが」
「ええ、王国を明け渡せと神が神学庁経由で通告してきた為です。最初はシュラス陛下も神の出現に喜んで明け渡すつもりでいましたが、神との会見の時に何かに気が付いたみたいで拒否をしました。更に神殿を王国騎士で囲むよう指示を出してきました」
「シュラス王は何に気が付いた?」
「流石にそれは一介の騎士団長である私如きには解りません。それでは私は先を急ぎますので失礼します、ヒジリ陛下」
「うむ、情報をありがとう」
エリムスは一礼すると馬に乗って神殿へと走って行った。
「シュラス陛下はああ見えて勘が鋭いからな・・・」
シルビィは自分のいない間に樹族国が大変な事になっていたので部下たちが心配になってきた。
「ダーリン、私は自分の隊が気になるので一度城に戻る。情報を集めたいのであればシュラス陛下に直接会ってみる事をおすすめする」
「ああ、そうするよ。城まで馬車で一緒に行こう。それからそのカエル顔はプレゼントだ。一か月くらいは何度でも付け外しして使えるから持っていたまえ」
「(う・・・要らないのだが・・・。せっかくダーリンがくれるというのだから記念に貰っておくか)ああ、ありがとう」
ヒジリ達は停車場に待たせてある馬車まで戻るとアルケディア城を目指した。
「いつもなら信者が寄って来るのに今日は珍しく誰も来ないな。何かの話題に夢中になっているように見える」
すぐにウメボシが話の内容を高性能収音装置で聞き出した。
「どうやら樹族の神が遺跡から出てきたようですね」
「しかし見た目はチャビンなのだし、大騒ぎになるのではないかな。なぁシルビィ」
シルビィはヒジリに強請ってゴデの街で買ってもらった白いゴスロリドレスを気に入っており、馬車から降りるとくるりと一回転して笑顔で答えた。
「ああ、そうだな。だが、私にとっては都合がいい。彼が神だと証明してくれればチャビン追跡の責任が消えるからな」
赤い髪に白いヘッドドレスは良く似合っており、少年漫画の主人公のような見た目だったシルビィがヒジリには女らしく見えた。
「しかし、マスター。どうも人々の話す神の容姿がチャビンのものと一致いたしません」
「そうか。ではシルビィは今すぐ顔だけでも魔法で変えた方が良いな。チャビンを追わずに何しに戻ってきたと君の父上に言われかねんだろう?・・・そういえば魔法による変装は魔力の高い者に見破られるらしいな。ウメボシ、一個だけあった変装グッズを出してやれ」
「はい」
ウメボシは直ぐに変装セットを亜空間ポケットから出してシルビィに手渡した。
シルビィは肌色のしっとりとした薄い皮のような何かを摘まんで、不気味な物を見たという顔をする。
「なんだ・・・これは。誰かの顔から皮を剥いだのか?」
「怖い事を言う・・・。いいから顔に付けてみたまえ」
ヒジリに言われるままシルビィはそれを顔に付けると、その様子を興味深そうに見ていたフランが口を押えて笑い出した。イグナに至っては笑いを堪え過ぎて無表情でしゃっくりを連発している。
「な、なんだ!フランにイグナ!人の顔を見て笑うとは無礼だぞ!」
「だってぇ・・・」
フランは小さな手鏡を腰のポーチから出すとシルビィに渡した。
シルビィは急いで自分の顔を見るとそこにはカエルのような顔をした自分がいた。
「なんだこのカエル顔は!」
慌てるカエル顔のシルビィを見て、ヒジリは大昔の海外の掲示板のキャラクターを思い浮かべる。
(ペペにそっくりだな)
「ちょっと顎に手を添えて、どや顔をしてみてくれ、シルビィ」
シルビィは納得いかない顔をするが、愛しのダーリンが頼むので言われるままやってみた。顎に手を添えてドヤ顔をしてヒジリを見る。
「うむ、ペペだな」
「なんだ?ペペってなんだ?」
自分が遊ばれていると思ったシルビィは鋭い目でヒジリを睨む。
「か、可愛いということだ」
そう言ってヒジリは誤魔化す様にシルビィの頬にキスをした。
「ならいい!」
シルビィがカエルの顔で夏の太陽の様な笑顔を見せたので、その場にいたウメボシ、フラン、イグナは思う。
(ちょろい・・・)
「さて、シルビィの変装も完了した事だし、もう少し情報を集めようか」
ヒジリは聞き込みを開始した。
皆で集めた情報によると、神を名乗る男は平均的な樹族の姿をしているとのこと。少し長い緑色の髪に整ってはいるが特徴のない顔の青年。チャビンも似た様なものだが、彼は年老いているし髪も短い。
「魔法による変装の可能性もあるが、見てみない事には判断できないな。魔法での変装なら一発で見破れるのだが・・・」
ヒジリがどこに行けば樹族の髪を名乗る男に出会えるかを誰かに聞こうとしたが、アルケディア城下町がにわかに騒がしくなった。
城の方から王国騎士が隊列を組んでやってきたのだ。
「物々しいな」
ヒジリは行進する隊列の中に紫陽花騎士団の団長を見つける。
「久しぶりだな、エリムス・ジブリット」
エリムスは随分と前からヒジリを見つけてはいたが、本物かどうかの自信がなかった。
というのも、樹族国がヒジリランドと正式に国交を結んでから、樹族国には金持ちのオーガやオークたちがやって来るようになっていたからだ。そしてオーガの多くがヒジリに憧れて似たような恰好をしている。中には自分がヒジリだと嘘をつくものまでいた。
(本物か?最近はマジックアイテムで顔まで似せるオーガもいるしな・・・。確率的にはヒジリ王ではない可能性の方が高い)
「紫陽花騎士団は神殿前で待機。神学庁の間抜けどもが攻撃してくるまでは動くなよ?」
エリムスは副団長に指示を出して馬を止めた。
「ふん、また偽者か?私の名前をどこで知った?お前たちヒジリ王のファンボーイは無駄に知識が深いからな。もう騙されんぞ。こないだも星のオーガ教の信者の前で下手糞な説法を解く偽者を私は見た!」
エリムスが無礼にもワンドを懐から取り出して、ヒジリに向けたのでシルビィがずいと前に出て怒る。
「ヒジランドの王に対して無礼であろう!エリムス!昔からお前は無礼ではあったが」
「なんだ?カエル女。不細工な顔に白いドレスが全く似合っていないな!」
「ムキーーーッ!貴様!このドレスはダーリンが買ってくれたのだぞ!侮辱するとはいい度胸だな!決闘だ!」
カエル顔の背景に噴火した火山でも見えそうなほど、シルビィは顔を真っ赤にして地団駄を踏んだ。
「待ちたまえ、ペペ・・・。いやシルビィ」
ヒジリは怒るシルビィの脇の下から手を差し込んで抱き上げると後ろへやった。その時、うっかりとシルビィの胸を揉んでしまい、彼女はアッと色っぽい声をあげる。
「おっと、済まない」
「い、いや・・・いいのだ。ダーリンならいいの・・・」
照れてクネクネするカエル顔は気味が悪かった。ヒジリはこの変身セットが使われず最後まで残っていたのが解った気がする。
改めてエリムスに向き直るとヒジリは顎を撫でた。
「最近はそんなに私の偽者が多いのかね?帰ってから御触書を出しておこう。ところでエリムス、奥方のメイは元気かな?ヘカティニスに負けそうだった時の君の愛の告白は今思い出しても素敵だったぞ。落ちぶれ冒険者となった自分を見捨てずに慕ってくれたお前が好きだ!だったかな?」
エリムスは顔を真っ赤にして口をあんぐりと開けた後、馬から直ぐに飛び降りた。
「失礼しました。ヒジリ陛下。偽者が多く陛下もその一人だと思ってしまったのです。ご容赦を・・・」
もはや一国の王であり現人神と呼ばれる彼にかつての様な無礼な態度は取れない。
「構わんよ。公の場でなければ以前のような喋り方でいい」
「勿体なきお言葉」
「ところでこの騒ぎは何かね?」
「はい・・・。ある男が突然神学庁に現れて神を名乗ったのです。神学庁も最初はまともに取り合わなかったのですが、その男は次々と奇跡を見せました。ヒジリ陛下と同じく高く宙に浮く事ができ、更に時間を止める事が出来ます。最初は擬似的に時間の流れを遅くする能力の保持者かと思い疑って調べていた神学庁の僧侶たちも、彼が完全に時間停止をしている事を知って最後には信じるようになりました」
「(無名の神は世間に興味は無さそうだったのだがね・・・。何故急に出てきたのだろうか。遮蔽装置の遺跡は守らなくていいのか?)ではこの王国騎士の行軍はなんだ?雰囲気から察すると神学庁は王に敵対しているように見えるが」
「ええ、王国を明け渡せと神が神学庁経由で通告してきた為です。最初はシュラス陛下も神の出現に喜んで明け渡すつもりでいましたが、神との会見の時に何かに気が付いたみたいで拒否をしました。更に神殿を王国騎士で囲むよう指示を出してきました」
「シュラス王は何に気が付いた?」
「流石にそれは一介の騎士団長である私如きには解りません。それでは私は先を急ぎますので失礼します、ヒジリ陛下」
「うむ、情報をありがとう」
エリムスは一礼すると馬に乗って神殿へと走って行った。
「シュラス陛下はああ見えて勘が鋭いからな・・・」
シルビィは自分のいない間に樹族国が大変な事になっていたので部下たちが心配になってきた。
「ダーリン、私は自分の隊が気になるので一度城に戻る。情報を集めたいのであればシュラス陛下に直接会ってみる事をおすすめする」
「ああ、そうするよ。城まで馬車で一緒に行こう。それからそのカエル顔はプレゼントだ。一か月くらいは何度でも付け外しして使えるから持っていたまえ」
「(う・・・要らないのだが・・・。せっかくダーリンがくれるというのだから記念に貰っておくか)ああ、ありがとう」
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