史上最強魔導士の弟子になった私は、魔導の道を極めます

白い彗星

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第十四章 他学年試合編

1116話 明日に備えて

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 ピアさんから話を聞いた私は、自分の教室に戻ってクラスのみんなと情報共有をした。
 あの中で一番ゴルさんと競り合ったのはピアさんなので、話を聞くのはピアさんだけで充分だ。

 そして同じ頃、「オウガ」クラスに話を聞きに行っていたクレアちゃんたちも戻ってきた。

「お疲れさまー。ナタリアちゃんたちはどうだった?」

「それなりに話しは聞けたと思うわよ」

 ナタリアちゃんたちの場合は、複数人でゴルさんを追い詰めていく作戦だった。
 そのため、話を聞ける人数も多い。

 コロニアちゃんに、サリアちゃんに、ナタリアちゃん。あのような強力な魔導士を前に、いったいどのような感想を抱いたのか。

「とにかくすごいと言っていたわ」

「とにかくやばいと言ってましたわ」

「これは言葉にできないと言ってたよ」

「……」

 ……あんまり期待できそうにないなぁ。

「気持ちはわかるけどさ……」

 なんという月並みな感想だろう。もうちょっとこう、あるだろう。
 そう思うけど、同時に納得もする。ゴルさんを前にしたら、とにかくそういう感想しか出てこないのもまあわかる。

 それでも、直接戦った……肌で感じた気持ちを聞いてみたい。

「サリアは、鬼族の力を解放したのにあそこまで耐えられるとは思ってなかったみたいね。一瞬で片をつける……いやつけられるとまでは思ってなかったけど、まさか制限時間いっぱいまでねばられるとはね」

「ふむふむ」

 ゴルさん、あれで防御面も結構優れてるからなぁ。
 コロニアちゃん相手にもやっていたように、魔力を鎧のようにして身体を固める。これが、結構使えるのだ。

 逆に言えば、サリアちゃんの鬼の力を解放した姿はゴルさんの素の力を上回るってことでもあるか。

「コロニアちゃんに対しては、身内だからこそその弱い所を狙えたところはあるだろうしねぇ」

「観察力もあるってことよね、当たり前だけど」

「それでいて女の子への容赦なさもある」

「根に持ってるわねぇ」

 ゴルさんの一番怖い所は、冷静なまでのあの判断力。なにをすればいいのか、次の瞬間にはもう答えを出している。
 その判断力の早さは、魔導士としてとても大切なものだ。

 それに、実際に行動に移せる実力があるのもすごい。考えたことも、実行できなければ意味がないもんね。

「それに当然だけど……注意するべきはゴルドーラ様だけじゃないわよ」

 他にも、リリアーナ先輩の使い魔とのコンビネーションは厄介だ。
 あの白蛇は滑らかに動き、こちらの動きを拘束したりするもんな。リーメイと引き分けたルアシア・トルコヤード先輩もいる。

「三年生なんだから、みんな基本的に私たちより遥かに強いものね」

「絶対に、一対一になることは避けないとね。あと、大勢に囲まれるのも避けたい」

「一番一対一にこだわりそうで大勢に囲まれそうな子が言うと説得力あるわね」

 そんな目で見なくても。確かに、三年の生徒とやれるのはこの試合が最後だし、総当たりじゃなくて一対一でやってみたいなって気持ちもあるけど。
 ま、相手がどんな戦術で来ても、こっちのやることは変わらない。

「こっちも、やれることを全部ぶつけないとね」

「だからって味方を巻き込まないでよ?」

「私そこまで見境なくないよ!?」

 それぞれの情報を共有し、それぞれなにができるかを考えていく。

 作戦という作戦はないけどね。あんまり作戦というものに縛られていたら、作戦が崩れた時に迷いが生まれてすぐに動けなくなる。それは致命的だ。
 それに、作戦を読まれる……なんてことも考えられなくはない。その場合、せっかく立てた作戦を利用される恐れがある。

 なので、作戦という作戦はない。さっきも言ったように、各々が力の限り頑張る……これが一番だ。
 別に、作戦を考えるのが面倒だからという理由では一切ない。

「……ふぅ。みんな、ある程度のところでちゃんと休んでね。明日に備えて気を張り詰めていたら、それこそ消耗しちゃうから」

「わかってる。よく休んでよく食べてよく寝る……魔導士として大切なことよ」

「うん。だからくれぐれも、明日を前に身体をいじめたりしないようにね」

「その言葉、こっくりこのまま返してやる」

 しばらくクラスのみんなで明日の対策を練り、程よい時間になったところで解散することに。
 さすがの私も、今日くらいはまっすぐお部屋に帰るさ。

 観戦中も休めた……とはいえ、それは肉体の話。精神的には、ずっと昂ってしまっていた。
 お風呂に入って、ご飯を食べて。お部屋でゆっくり休むんだ。

「それじゃあね、エランちゃん」

「明日はよろしくねー」

 一人、また一人と帰っていく。
 さてと、私も帰るか……

 荷物を纏めていたところに、「おい」と声を駆けてくる人物がいた。ダルマスだ。

「なあに? 言っとくけど、今回ばかりは訓練とかなしだからね。鍛えるのとは別に、休むのも大事な……」

「わかっている。……明日は、よろしく頼む。それだけ言いたかっただけだ」

「へ?」

 言葉通りに、ダルマスはそのまま教室を出ていってしまった。
 なんだったんだいったい……

 私も教室を出ようとしたところで、視線を感じた。なぜかクレアちゃんがニマニマしていた。
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