史上最強魔導士の弟子になった私は、魔導の道を極めます

白い彗星

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第十五章 最高の魔導士編

1185話 人間じゃない

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 その子は何者だ……と、リーサが困惑した様子で指をさした。
 彼女が指をさす先にいるのは私……の腕の中で眠る、フィルちゃんだ。

 そういえば、まだフィルちゃんと会ったことはなかったっけ。まあ私だって数回しか会ってないし、最近めっきり姿を見なかったから当然なんだけど。

「この子はフィルちゃんだよ。ルランにも言ったけど、私やフィルちゃんの友達」

「……」

「あ、言いたいことはわかるよ。こんな小さいのに、学園に入れるのかって。確かに最初はいろいろあったんだけど、なんやかんや魔導の素質があったり、条件は満たしていたから……」

「あの……そうじゃ、なくてね」

 私の説明を遮り、リーサが首を振る。
 そうじゃない……って、フィルちゃんが何者かって聞いてきたのはリーサなのに、なんで遮るんだろう。

 ……何者、って言い方に、なんだか違和感を感じた。

「えぇと……なんて言ったらいいのか……」

「言葉通りだろ。そいつは何者だ、って」

 言葉に悩んでいるリーサを、ルランがバッサリと切る。
 だけど、結局言葉の内容は変わってない。

 わからずに首を傾げていると、ルランは苛立ちげに「ちっ」と舌打ちした。怒るなよぉ。

「そのガキは、なんなんだ。人間じゃないだろ」

「……え?」

 そして続いた言葉に、私は理解が追いつかなかった。

「人間じゃないって……いやでも、獣人や亜人でもないし……」

「そういう意味じゃねえよ」

 スタスタ……とルランは私の目の前まで移動する。
 そして、寝ているフィルちゃんのおでこへと指を突きつけた。

「こいつからは"生き物が発している生命力"のようなものを感じない、って言ってるんだ」

「せい……めい……」

「……人間だけじゃない、モンスターや魔物にも、生きている全てのものには必ず通っている力があるの。私たちは生命力って呼んでるけどね」

 きょとんとする私に、リーサがルランの後ろから説明する。
 いや……いきなり生命力がどうとか言われても……

 というか……その言い方だと、まるで……

「フィルちゃんが、人間じゃないみたいな……」

「だからそう言ってるだろ」

 バッサリと、ルランが言う。
 ルリーちゃんと似た顔で、ルリーちゃんが決してしない目で……フィルちゃんを見下ろしていた。

「こいつからは、生命力を感じない。生きているものなら必ず持っているはずの力をな」

「いや……でも、それおかしいよ。フィルちゃんは毎日、楽しそうに笑ったり元気にはしゃいだり。それが生きてるって言わないなら、なんなのさ」

「言い方が難しいんだけど……その子は、自然に生まれた子じゃない、っていうことかな」

 リーサの言葉は、まるで私に冷水をかけたかのように、衝撃的なものだった。
 自然に生まれた子じゃない……それ、どういうこと?

 フィルちゃんは確かに生きてる。でも生き物にあるはずの生命力がない。

「……ごめん、まだよくわかんなくて……」

「まどろっこしいな。要は、このガキからはあのゴーレムと同じにおいがするってことだ」

「ルランっ」

 吐き捨てるようなルランの言葉に、私は自然とゴーレムが現れていた方角を見た。
 ゴーレムは、魔術ではあるけど自律した存在だ。それは、見方によっては"生きている"と言えるかもしれない。

 でも、ゴーレムは自然に生まれたものじゃない。人工的に作られた存在だ。
 それとフィルちゃんが、同じって……ことは……

「フィルちゃんは……人工的に、造られた……?」

 その考えが、自然と口をついて出てしまった。出てしまったことに、私は驚いた。

 いや……私は、なにを? だって、そんなこと……ありえない、だろう。だってそんな、だって……だって……

「エラン。落ち着いて……っていうのも無理だと思うけど、でも落ち着いて。まだ、確証があるわけじゃないから……」

「ただ、聞いた話じゃそのガキには不明点が多すぎる。それも、そいつが異様な存在だってことを裏付ける」

「ルランっ」

 追い打ちをするかのように、ルランの言葉が私を突き刺す。
 フィルちゃんの不明点……どれだけ捜しても両親含む身内が見つからないことや、彼女自身記憶が曖昧な気がすること。

 人工的に、造られたってなら……記憶がないのも、そりゃあ……

「実は以前、王都でこの子を見かけて……気になったからこっちでもいろいろ調べていたんだけど……」

 だから、フィルちゃんのことに詳しいのか……

「あの、さ……もし記憶がないのが、造られたからで……それ以前のものが、ないんだとして。えっと……それじゃあもしかして、記憶がない私も……」

「いや、お前はちゃんと生きている人間だ」

 ルランが言う。それに安心していいのか、どうか。
 自然と、胸に手を当てる。どくどく、と心臓は動いている。

 でもまだ、納得なんてできないわけで。

「っ。フィルちゃんは魔力がある……生きてるから、魔力があるってことでしょ?」

「それも決定的な証拠にはならない」

 バッサリと、ルランは切り捨てる。その無情なまでの言葉に、私は言葉を続けることができなかった。

 腕の中にいる、温かな存在。この子が……人工的に作られた存在? 話がいきなり飛びすぎて、訳わかんないよ。
 それに、仮にそれが本当だとして……いったい誰が、フィルちゃんを……?
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感想 2

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みんなの感想(2件)

キラSS
2024.07.01 キラSS

43話会話がループしてます

2024.07.01 白い彗星

感想ありがとうございます!
わぁあ。本当だ!ご指摘ありがとうございます!修正しました!!

解除
なのん
2023.06.01 なのん

面白かったです
次の更新楽しみにしています

2023.06.01 白い彗星

感想ありがとうございます!
毎日更新を目指してますので、明日からもぜひみていただければ!

解除

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