史上最強魔導士の弟子になった私は、魔導の道を極めます

白い彗星

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第一章 魔導学園入学編

20話 挑め、筆記試験!

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 さて、実技試験が終わり、私たちはグラウンドから移動する。
 てっきり、分かれた組と合流するのかと思っていたけど、どうやらそうではないらしい。
 まあ、全部合わせたらかなりの人数いるもんね……分けたほうがいいのか。

 先頭にいる先生に、私たちはついていく。
 校内へと入り、目指すのは一つの教室。この人数なら、入っても余裕のある広さだ。

「今から、ここで筆記試験を行う」

 と、教室に入ったら、先生が言った。
 ここで、か……筆記試験するにしては、机も椅子もないけど。

「……ぁ」

 教室内をキョロキョロと見回し……私は、あることに気がついてしまった。
 そう、それはとんでもないこと……

 私、文字が書けない!!

「? どうしました、エランさん。カタカタ震えて」

 なんで今まで忘れていたんだろう……
 私、文字は読める。でも、書けない!

 今まで、書くことは師匠がやってきたからなぁ……
 というか、師匠との生活の中で、文字を書くことは別に必要じゃなかったから、書くことを覚えようとすら思わなかった。

 気付けよ、私!
 というか師匠も師匠だよ! 教えてよ、筆記試験なんだから!

「ど、どうしよう、私……」

 このままじゃ、実技試験で素晴らしい成績を収めたのに、筆記試験でやらかしてしまう。そして、入学できずに、どこへともなく放浪して、それから……
 どうしようどうしようどうしようどうし……

「なお、便宜上筆記試験とは言っているが、実際に読み書きは必要ない!」

 よう…………
 あれ? 必要ない? マジで?

「知ってる者もいるだろうが、以前までは読み書きによる試験だったが……ここはあくまで魔導学園。
 魔導と関係ない部分で評価するのもいかがなものかと、見直しがされた。
 実際、魔導の知識はあっても、育った環境で文字の読み書きができない者はいる。読み書きは入学後にでも覚える機会はあるが、知識ある者が入学できないのは我々にとっても損だ」

 おぉ! それは私にとっては朗報だよ!
 ありがとう、試験を見直しした人!

 ……でも、それならどうやって、試験を……?

「この部屋には、特殊な魔導の道具……魔導具が設置されている。
 それにより、事前にこちらで用意しておいた試験内容を言葉として諸君らの頭の中に流す。
 諸君らは、口に出さずとも頭の中で、問いについて回答をしてもらう」

 私の中で浮かんだ疑問を、先生はちゃんと答えてくれる。
 説明を聞く限り……頭の中に声が聞こえてくる、それに答えるってやつなのかな。

 この部屋に、そういうことのできる魔導具があるのか。
 魔導具とは、魔力の込められた道具のこと。魔力の才能がない人でも、魔導具があれば魔力が尽きない限りは、その力を使うことができる。

 ていうか、そんな魔導具があるなら、別にチーム合流してもいいんじゃないかな。もっと大きい部屋にみんな集めればいいのに。

「では、諸君らの検討を祈る」

 それだけ言い残して、先生は出ていってしまった。
 残されたのは、私たち入学希望者だけ……
 検討を祈ると言われても、ここからどうしたらいいのか。そう思っていると……

『これより、試験を始めます』

「お」

 本当に、突然頭の中に声が流れてきた。
 女性の声だけど、少し加工してあるっぽい。

 なるほどね、この声に、頭の中で回答すればいいと。
 みんな静かになったし、どうやらみんなにも聞こえているらしい。

『なお、回答者の行動はすべてチェックしています。
 不審な行動があれば、その場で失格となりますので注意してください』

 おー、怖ぁ。
 カンニング対策ってやつか。先生はいないけど、見えてないだけでどっかから見てるんだろう。

 いよいよ、試験が始まる。
 魔導に関する知識なら、そこいらの人には負けないよ!

『魔導学園の設立者を答えてください』

 知らない。

『魔導学園の歴史上トップで卒業した生徒の名を答えてください』

 知らない。

『魔法と魔術について、その違いを答えてください』

 これは知ってる。

 ……魔導『学園』に関する問題だけ、異様に回答率が悪い。
 しまったぁ……もっと学園のことについて、勉強してくるんだったか。

 みんな、ちゃんと答えられているのか?
 ……いるんだろうなぁ、歴史ある学園だって言ってたもんなぁ。

 魔導に関係することは、わりと答えられたと思う。
 けれど、魔導学園についてとか、歴史が云々カンヌンとかは、よくわからなかった。

 師匠に、一般知識も習ったはずなんだけどなぁ……
 というか、わりと師匠も抜けてるところあるからな。教えてくれてないものも多いと思う。

『これにて、試験終了です』

 出される問題に、とにかく私の知りうる限りの答えを返していった。
 多分、半分くらいは正解できたんじゃないかと、思うけど。

 隣では、同じく試験を終えたルリーちゃんが、緊張の面持ちで立っていた。

「どうだった、ルリーちゃん」

「ど、どうなんでしょう……なんだか、パニックになってしまって……」

 ちゃんと答えられたか、あまり覚えてない……と、ルリーちゃんは言った。
 覚えてないのか、そっか……ちょっと怖いけど、きっと大丈夫だろう!

 その後、教室に入ってきた先生から、これで試験は終了との旨を伝えられ、各自解散となった。
 私はルリーちゃん、そしてクレアちゃんと合流し、学園を出る。

 これから三人で、試験を頑張った会として労い合おう!
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