史上最強魔導士の弟子になった私は、魔導の道を極めます

白い彗星

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第三章 王族決闘編

119話 魔導士による大会

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 ……決闘が終わり、保健室のベッドで横になっていた私は、ゴルさんことゴルドーラ・ラニ・ベルザから、生徒会へ入るようにと勧誘を受けた。
 まあ、勧誘と言っても強制的なものだ。ただ、ゴルさんなりに考慮した結果なので、私としても文句はない。

 生徒会には、ゴルさん以外にも強い人たちがいる……なにより、過去には師匠も所属していたというのだ。
 自分よりも学年が上ばかりの人たち。使い魔とか、まだ私が取得してない魔導を見ることができるかも、しれない。

「生徒会……」

「ですか」

「それはまた、すごい話だねぇ」

 ゴルさんからとの会話、それをかいつまんで話す。それぞれ返事をするのは、同じ席に座っているクレアちゃん、ルリーちゃん、ナタリアちゃんだ。
 今、私たちは放課後のお茶会を楽しんでいる。クラスの子にも誘われたけど、今日は特に仲のいいみんなと話がしたかった。
 本当なら、ノマちゃんも呼びたかったけど……クラスに行ったら、すでにいなかったので仕方ない。

 クレアちゃんは、事前に知っていたことだ。というのも、あのあと私は自分のクラスに戻った。そしたら、案の定クラスメイトに囲まれた。
 あーだこーだと聞かれる中で、とりあえず生徒会に入ることになったと伝えたら、みんな驚いていたもんだ。
 同じクラスのクレアちゃんは、そのとき知った。

 どうせ後々みんな知ることになるから、別に隠す必要はない……とゴルさんは言っていた。

「第一王子との決闘も驚いたけど……
 エランくんは常々、予想の斜め上をいくなぁ」

「えへへへ」

「褒めてはないわよ」

 三人とも驚いてるけど、一番動揺が少ないのがナタリアちゃんだな。
 どこか愉快そうにも見える。まあ、聞いてる分には面白いもんね。

 お茶を飲みつつ、ナタリアちゃんはさらに言葉を続ける。

「わざわざ生徒会に誘ったってことは、それだけエランくんの実力を認めてるってことだよ」

「そ、そぉ?」

「ただ手に入れたいだけなら、他にいくらでも方法はある。
 なのに、わざわざ生徒会にだからね。生徒会には実力もないと入れないと聞くし」

 ……ちなみに、決闘の詳細だけど、あれは誰にも話していない。詳細がどうあれ、決闘は結果がすべて……観客も、見たままがすべてだ。
 私とゴルさんだけが知っている顛末は、二人だけが知っておけばいい。

 それでも、ゴルさんが私を認めたから生徒会に入れた、という流れに見えている人もいる。

「でも、エランさんは不安じゃないんですか?
 周りは、学年が上の人ばかりですよ?」

 心配そうに、ルリーちゃんが聞いてくる。
 あー、ルリーちゃんが同じ立場だったら絶対断ってただろうなこの話。

 確かに、不安がないとは言えないけど……

「生徒会には実力者が集まってるってことは、強い人ばっかってことだよね! ゴルさんもそう言ってたし!
 今から楽しみで仕方ないよ!」

「……そ、そうですか。
 ……ゴルさん?」

 ルリーちゃんは、苦笑いを浮かべていた。
 あと、私がゴルさんと名前を出したことに不思議そうな表情をしていたが、誰のことを指しているのか気づいてか、華麗にスルーしていた。

 クレアちゃんとナタリアちゃんもだ。触れないほうがいいと判断したのだろう。

「強い人がいる、か……エランくんらしいね」

「エランちゃんらしいわ」

 ナタリアちゃんとクレアちゃんは、それぞれうんうんとうなずいていた。
 私らしいってどういう意味だろう。褒められてる?

 それから、ナタリアちゃんは「そんなに強い人と戦いたい?」と聞いてきたので。

「もちろんだよ!」

 私は力強く、そう答えた。
 それを聞いたナタリアちゃんは、「だったら……」と指を一つ立てて、言葉を続ける。

「近々開かれる、魔導大会には興味があるんじゃない?」

「魔導大会?」

 なんだろう、聞き覚えのない言葉だ。
 でも、すごくワクワクする響きだ。魔導大会、大会だってさ!

「知らないかい?
 年に一度開かれる、魔導士による大会のことだよ。国をあげての大会で、国外からも人が来るらしい」

 どこか得意げに話すナタリアちゃん。その内容に、私は真剣に聞いていた。
 魔導大会……か。国をあげて、ってことは、当然学園の中だけではない。国全体から参加者が集まる。

 しかも、国外からも集まるなんて。そんなの、ワクワクするしかないじゃないか!

「いろんな魔導士が出るってことだよね! なにそれすごい出たい!」

「魔導大会という名前ではあるけど、別に魔導士じゃないと出場できないわけじゃない」

 人は皆、生まれた瞬間から体内に魔力を持っている。そして、魔導を扱えればその時点で魔導士だ。少なくとも私はそう思っている。
 魔導学園じゃ、在学中は魔導士見習いってやつらしいけどね。

 国全体ともなれば、魔導をうまく扱えない人もいるだろう。だからって、参加条件がないわけじゃない、か。
 とはいえ、魔導は、魔導をうまく扱えない人から見れば超常の力に見えるだろう。そんな力に、生身で太刀打ちできると思う人は少ない。

 だから、自然と出場者は魔導士ばかりになるのだという。

「前回の大会では、魔導具を駆使して勝ち上がったって選手もいたかなぁ」

「魔導具かぁ」

 魔導を使えなければ生身……以外にも、なるほど魔導具を使うという方法もあるらしい。
 魔導具は、そもそも魔力が込められているものや、私が決闘で使ったように自分、相手の魔力を吸収して使うもの、様々ある。

 そのどれもに共通しているのが、魔導を扱えない人でも扱えるもの、ということだ。
 あの『魔力剣マナブレード』も、相手の魔力を吸収してそれを武器にして戦うという方法なら、魔導士相手にこそ力を発揮する。

 じゃあ、魔導大会には本当にいろんな人が出るんだね!

「私も出たい! それ、いつやるの!?」

 話を振ってくれたナタリアちゃんに、私は聞く。きっと、今私の目はキラキラと輝いていることだろう。
 それを見て、ナタリアちゃんは落ち着くように促して……

「ま、まあ、何事もなければ、あと半年くらいかな。今年もちゃんと開催されるなら……」

「半年……
 え、なにその、開催されない可能性もあるよみたいな言葉は」

 後半に不穏な言葉を付けてきたな。やめてよ、そういうの、開催されないパターンになっちゃうかもしれないじゃん。
 もちろんナタリアちゃんに他意はないんだろうけど……

「最近、少し物騒だからね。あんまりそういうのが続くと、大会開催にも影響が出るかもって話」

「物騒……」

「え、エランさんが出るなら、わ、私も……」

 と、ここに来て今まで黙っていたルリーちゃんが、手を上げる。
 私が出るからって、別にわざわざ出なくても……それにルリーちゃん、大会なんてものに出て大丈夫なのだろうか。国をあげての大会ってことは、それだけ注目してる人も多いってことだ。

 その前に、姿を見せることが果たしてできるだろうか?

「かなり盛り上がるのは確かよ。私も、何度か見に行ったことがあるし、店にお客さんも増えたしね」

 この国の出身であるクレアちゃんは、魔導大会を見たことがあるらしい。
 それに、実家の宿を活用した人も多いと。出場者も、観客も。

 それはまるで、お祭り騒ぎだ。ますます、楽しそう!
 これは、強い人と戦えるチャンスってわけだし! 参加しない手はないよね!

 ……それに、国外からの参加者もいるなら、もしかしたら……

「よぉし……なら、次の目標は、その魔導大会に出場して、強い人と戦うことだ!」

「はは、乗り気になってくれて嬉しいよ」

 半年後の、魔導大会……! 楽しみだな!
 いろんな人と出会って、戦って……もしかしたら、師匠に会えるかもしれない!

 私は期待に胸を、膨らませていた。
 今からワクワクが、止まらないよ!


 …………今はまだ、あのとき、あんなことが起こるなんて……思っても、いなかったんだ。
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