史上最強魔導士の弟子になった私は、魔導の道を極めます

白い彗星

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第十章 魔導学園学園祭編

707話 ポテンシャルがある

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 私たちは、それぞれがなにを注文するか決める。
 そして、近くの店員さんを呼んだ。

「……本当にその恰好で出歩いているんだな」

「あ、ダルマスじゃん」

 私の呼びかけに応え、駆け寄ってきてくれたのは……めいどさんではなく、ダルマスだった。
 以前見たけど、男の子も男の子用で制服がある。それを着ているのだ。

 それに、いつもはつんつんしている赤い髪が、今日は整えられている。
 たったそれだけで、印象って変わるものだなぁ。見慣れない姿だからかもしれないけど……うん、悪くない。

「な、なんだそんなじっと見つめて」

 おっと、いけないいけない。つい見つめちゃってたよ。
 それにしても……

「いや、せっかくだから注文取りに来てくれるのもめいどさんが良かったなって」

「……悪かったな」

 これも本音だ。どうせならかわいい女の子に注文を取ってもらいたかった。
 といっても、まあ仕方ないわけだけど。

 さすがに女の子だけに接客を任せるわけにはいかないしね。

「冗談だよ。それより、私はお客様だよ? そんな態度でいいのかなぁ?」

「エランちゃんやっぱりいい性格してるよね」

「くっ……ご、ご注文はなんでしょうか、お、お嬢様……」

「キミは真面目だねぇ」

 少し不本意っぽいダルマスがなんだかおかしく、軽く笑った後に決めたものを順に注文していく。
 さすが、立っているだけでも様になる男だ。

 気のせいか、周りのお客さん……特に女性の視線が、ダルマスに注がれている気がする。

「はわわわ……」

 ……約一名、同じクラスメイトが熱視線を送っているけど。
 キリアちゃん、ダルマスに気があるっぽいのはわかるけど仕事しようぜ。

 注文を終えたダルマスは、ぺこりとお辞儀をしてこの場を去っていく。
 あー、いつも生意気な感じの男がペコペコしてんのたまんないわ。

「ん、どうしました」

「いや……またろくでもないことを考えている顔をしているなと」

 タメリア先輩が呆れたように言う。
 む、よくわかんないけど失礼な。まったく。

 それから、先輩は去っていったダルマスの背中を見つめた。

「それにしても、彼がダルマス家の長男か。こうして間近で見るのは初めてだ」

「ダルマスに興味あるんですか?」

「そりゃあね」

「ふーん……」

「……なんだよその目は。言っておくけど変な意味じゃないからね」

 私の視線を受け、タメリア先輩はこほんと咳払い。
 それから、軽く息を吐いた。

「元々、ダルマス家の長男って肩書きで注目は集まってたんだ。俺もその一人だしね。
 で、どんなもんかと実際に確かめてみたかったけど……あの魔導大会での活躍ぶりをみるに、肩書きに押しつぶされないポテンシャルは持っているみたいだね」

 ふむ……ダルマスのことを褒められている、のか。なんだか悪い気はしないなぁ。
 なんで私がそう思うかって? そりゃ、大会までダルマスの訓練に付き合ったからさ。

 彼が日々強くなるのを見てきたし、実際に戦った身としてはその戦闘力向上には、目を見張るものがある。
 魔導とは別に剣も使う彼は、魔導剣士って言われる。そしてその真価は、魔導と剣術を組み合わせることにある。
 ただ魔導と剣を使えばいいってわけじゃない。扱えなきゃダメなのだ。


『魔剣……火の型……!
 炎天狼牙えんてんろうが!!!』


 特に、あれはすごかった。ただ魔導と剣を使うんじゃなく、二つの力が互いの力をより引き出していた。
 足し算じゃなくて、掛け算。そんな感じだ。いやあ、あれは私も危なかったなぁ。

 私にとっては、ダルマスとの戦いで得られたものは多い。
 あの師匠でも、剣は使ってなかった。だから、魔導剣士ってやつと直に触れ合えるのはいい経験になる。ダルマス本人の訓練だけでなく、私にとっても彼との訓練はいい刺激になっていた、

「ふふん」

「なんでエランちゃんが誇らしげなのさ」

「あっはは、面白い子だなぁ」

 私とダルマスの秘密訓練のことは、クラスの中でもキリアちゃん以外には知られていない。
 他のクラスの、しかも学年の人が知ることはない。でも、それでいいのだ。

 いやあ、最近は学園祭の準備とかで忙しかったけど、もう少し落ち着いたらまたヤリたいよね。

「……そういえば、あのときのエランちゃん……」


 くぅ……


「お腹すいたぁ」

 かわいらしいお腹の音が鳴り、直後に弟くんがお腹を擦る。
 周りではいいにおいが漂っているし、まあお腹鳴っちゃっても仕方ないよね。

「ご、ごめんなさい。もう、カルったら」

「ははは。いや、素直でいいんじゃねえの」

 はははと笑いながら、和やかな空気が流れる。
 こうしてめいどさんを見ているのも良いけど、この子くらいの年ならそれよりなにより食い気だろうな。
 ところで、さっきタメリア先輩がなにか言おうとしていたな。

 ……多分、私の髪の色のことだろうな。大会中に何度か髪の色が白くなったあれ。
 魔大陸でもあったけど、それ以降はないなぁ。まああんな極限状態早々あってたまるかって感じだけど。

 そう、多分極限の状態でなっちゃうんだろうな。なんか魔力がすごい昂ってるし。でも、それだけだ。
 理由なんてわかるはずもないので、聞かれてもどうせ答えられない。
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