史上最強魔導士の弟子になった私は、魔導の道を極めます

白い彗星

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第十一章 使い魔召喚編

823話 一生の相棒

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 さて、一通りみんながクロガネにお触りしたところで、先生はみんなを一箇所に集めた。

「さすがに黒竜を召喚するどころかその場で契約できる者など、ほとんどいないだろうからあまりフィールドを比較対象にしないことだな」

「先生がクロガネ見せてって言ったのに」

 私と比較するとみんなの自信がなくなると思ってか、先生は言った。
 みんなもさすがにクロガネほどの使い魔を召喚できるとは思っていないのか、うんうんとうなずいていた。

「先生、召喚するときに魔物が召喚されることってあるんですか?」

 その質問は、今フィルちゃんの腕の中で丸まっているもふもふを指してのものだろう。
 もふもふとは、その場で契約したけど……使い魔召喚の際、魔物が召喚されることはあるのか。

 実際、召喚魔術がどの範囲まで適用されるのかわからない。魔大陸から魔物が呼び出される可能性だって、なくはないのだ。

「いや、そういった事例は聞いたことがないな。フィルが魔物と契約したのが、そもそも前例がないからな」

 けれど、これまでに魔物が召喚されたことはない。

 魔物との契約は前例がない、とは前も言っていたことだ。でも、もしかしたら召喚自体はされたことがあるんじゃないか。
 召喚されても、契約しなければ"魔物との契約は前例がない"となるからね。

 でも、召喚されたこともないみたいだ。

「召喚されるモンスターに関しては、千差万別だ。ゴルドーラ生徒会長のようなサラマンドラから、このハム子までな」

 そう言って、先生は手のひらに小さなハムスターを召喚する。
 その名前をハム子。以前見せてもらった時も思ったけど、やっぱりかわいい。

 ただ、その力は凄まじい。なんたって、天井突き抜けるくらいに殴り飛ばされてしまったこともあったし。私が。

「使い魔となるモンスターを召喚し、契約する。これで、一端の魔導士と言えなくもないな」

「ちなみにちなみに、自分の魔力の容量によっては複数のモンスターとも契約可能だ。ま、それは魔力以外にもいろいろ大変だけどね」

 ウーラスト先生が言っているのは、多分師匠のことかな。師匠は、複数のモンスターと契約してはサヨナラしていたし。
 ああいう風に一時的な契約を結ぶ場合は、仮契約……って言ってたかな。

 それをするにも、よほどの技量が必要らしいけどね。

「まったく、私はあまり複数契約は好かんのだがな。そりゃ、使い魔が複数いればやれることも多くなる。だが、自分が最初に召喚したモンスターに愛情を注いでこそだと、私は思う」

 ふむ……サテラン先生は、複数契約には反対なのか。

 そういえば、使い魔召喚してる人は魔導大会でも結構見たけど、複数契約している人は見たことがなかったな。
 複数契約は大変だ。それ以外にも、複数のモンスターと契約するのはあんまり勧められていないのかもしれない。

 師匠がたくさんのモンスターと契約してもサヨナラしていたのは、長く世話をするつもりがないから……かな。

「ま、そういう細かい話は置いとこうよヒルヤセンセ」

「……複数契約に関してはお前が言い出したんだがな。
 ともかく、だ。お前たちは、自分が召喚したモンスター一体を愛しろ。私としては、それが最善だと思う」

 まあ、いっぱい使い魔と契約するより、一体の使い魔と絆を深めたほうがいいもんね。

「使い魔召喚の授業は来週だ。それまでに、わからないことは積極的に聞け。私はこいつ、それにフィールドにな」

「私!? さっきやり方違うからわからないって言ったじゃん!」

「使い魔と付き合う心構え、みたいなものでもいい」

 やっぱりこの人、私にもぶん投げようとしていないか?
 こころなしか、みんなが期待しているような目を私に向けている。私になにを期待しているんだ。

 ……まあ、使い魔とどう付き合っていくかなんて、結局は人それぞれだと思うけどね。

「使い魔とは視界や魔力が共有され、そして契約者と使い魔にのみ意思疎通が可能になる。他の者にはなにも聞こえていなくても、契約者の脳内には使い魔の言葉が聞こえるんだ」

「へぇ……」

 私にもクロガネの声が聞こえるように、先生にも自身の使い魔の声が聞こえているんだろう。
 これは、契約者と使い魔だけの絆だ。契約を手伝ってくれたラッへにだって、クロガネの言葉は聞こえない。

 自分たちにしかわからないなにかがあると、自分たちだけの絆があるのだと実感する。

「使い魔と協力すれば、己の魔導技術にも幅が広がる。それは、お前たちもよく見ていただろう」

 私とゴルさんの決闘や、魔導大会。契約者と使い魔は、協力して新たな魔導へと取り組んでいる。
 力を合わせれば、やれることは何倍にも膨らむのだ。

 魔導士として、一流を目指すのならば使い魔ともうまく付き合い、そして自分の魔導を磨き上げていく。それが、この授業で学ぶことなんだろう。
 師匠が、使い魔召喚はいずれ教わることになる……みたいなことを言ってたのは、このことかも。

「どんな使い魔とでも、絆を育めば己の力は向上する。自分を、そして使い魔を……各々の力で互いに互いを磨いていく。
 今後一生を付き合う相棒となる使い魔との契約だ……気を緩めるなよ」

 先生はみんなを見回しながら、鼓舞しているのかそれとも単にプレッシャーを与えているだけなのか。どっちとも取れることを言いながら笑っていた。
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