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死に戻り勇者、第二の人生を歩む
冒険者ギルドはどこに
しおりを挟む「というわけで、この辺りに冒険者ギルドのある町や村はないだろうか」
「なにがというわけでなのか、いまいちわからないんですが」
ラーダ村へと戻った俺は、さっそくエフィに、考えていたことを打ち明ける。
この周辺の人里に、冒険者ギルドのあるところはないか、というものだ。
「えっと……つまり、このコアプテラ……? の処理に困っているから、引き取ってもらおうと場所を探していると」
「そうそう。それにしても助かったよ、村の入口まで来てくれてて」
俺の説明を受け、理解したらしいエフィとは現在、村の入口で話をしている。
どうやら、俺が村の外にまで走っていったあと、村の入口にまで足を向けていたらしい。じっと待っているには落ち着かず、居ても立っても居られなかったのだと。
ちなみに、隣には一緒に話をしていたばあちゃんもいた。
「私がここにいなかったら、どうするつもりだったんですか?」
「そこまで考えてなかったなぁ。さすがにコアプテラ引きずったまま村の中に入るわけにもいかないし」
「当たり前です!」
こんな巨体を引きずって村を闊歩すれば、注目の的になることは間違いない。そして、この生き物はどうしたのかと聞かれまくるのだ。
そうなったらそうなったで「その辺に気絶してたんですよねー」とでも返せば……
厳しいか?
「まあ、それはそれとして……冒険者ギルド、でしたよね」
「あぁ。どこか知ってる?」
うーん、と顎に手を当てエフィは考える。こんなことでも真面目に考えてくれるなんて、やっぱりいい子だ。
しかし、どんどん眉は寄っていく。それは、つまり覚えがないということで……
「ごめんなさい、わかりませ……」
「あぁー、ぎるど言うたら、あそこにあるんじゃないかい?」
思わぬところから、返答が来た。隣のおばあちゃんだ。
ギルドのギの字すら知らなさそうなのに。
「え、ホントですか? どこに」
「えぇーーーっとなぁ…………」
「おばあちゃん、頑張って!」
「うーーーんと……あぁ、思い出した」
しばらく、首をひねるおばあちゃんは、その後手をポンと叩いた。思い出したと、表情を明るくして。
思わず、こちらも表情が明るくなってしまう。
「どこですか!?」
「えぇっとなぁ、隣町の……セント町に、ぎるどはあったよ」
「なんですって」
おばあちゃんの口から出てきた、ギルドのある場所……それは、まさかの名前。
つい先日訪れたばかりの、セント町だった。
「えぇっ、ほ、ホントに!?」
「あぁ、間違いないねぇ」
「まさか……」
確かに、セント町にはまた行ってみたいと思った。仕事関係とは関係なく、とプライベートで。しかし、まさかこんな早く行くことになるかもしれないとは、思わないではないか。
この間訪れたときに、ラニーさんに町を案内はされたが……その中に、冒険者ギルドなんてものはなかったが……
ラニーさんは、観光名所的な感じのところを案内してくれたんだ。冒険者ギルドが観光名所とは言えないし、そこは敢えて行かなかったのかもしれないな。
「じゃあ、セント町に行くんですか? アーロさん」
「そうだなぁ……近くにそこしかないというのなら、行くっきゃないよ。こんな大きな生き物、この村じゃ処理できないだろ?」
「それは、確かにそうですね」
コアプテラを放置するわけにもいかない。かといって殺すわけにもいかない。となると、やはり冒険者ギルドがある場所に行くしか、ないだろう。
隣町、ポニーを走らせれば数時間だが……それは、エフィとヨルガも一緒に行ったから、歩幅を合わせる形になったからに過ぎない。
俺一人だけならば、もっと早くたどり着けるはずだ。問題は、いつ行くかだが……
「コアプテラに起きられたら、厄介ですもんね。早いところ行ってもらったほうがいいでしょうか」
「その点は心配しなくてもいいよ。コアプテラが起きたら、その度に気絶させるから」
「そ、そうですか」
そう言って笑みを浮かべたエフィの顔は、なぜか引きつっていた。
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