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忘れられない人がいる。
教室の隅でうつむいているような生徒だった僕を気にかけ、積極的に接してくれた高校一・二年生時のクラス委員長、梁川律。
僕ができる小さなことにも感心してくれて、一緒にいると気持ちが穏やかになると言ってくれた。
朝早く登校して一緒に勉強をした。クラスメイトに「なんでそんな暗い奴と」と言われながらも、律はいつも僕とお弁当を食べてくれた。
僕の担当みたいになっていた教室のゴミ捨てにも毎日付き合ってくれて。
律といると、虹色のシャボン玉をたくさん吹けた時みたいな、得意で嬉しい気持ちになれていた。
でも……三年生になってクラスが変わると、律は断り続けていた女の子からの告白に応じ、彼女と時を過ごすようになった。律と彼女が肩を並べて下校する姿を見ながら、とてもとても胸が痛くなって「隣の彼女になりたい」と心から願った。
──そうしてようやく、僕は律が好きだと気づいた。律は僕の初恋だったのだ。
現在、西暦二〇六八年では同性愛が公的に認められている。ゆえに自身のセクシュアリティに酷く悩んだことはない。それでも異性間の恋愛をする人の割合が多いのが現実で、僕は声を大にして同性愛者なのだと主張する性格でもなかったし、同性から好いて貰えるほどの資質もない。
いや、異性からだってそうだ。そう自覚があるから、初恋に破れたあとは「地味眼鏡で取り柄の無い僕が恋なんて」と、ますます自分の殻に閉じこもってしまった。
結果、高校を卒業してからも恋に臆病なままで、恋人いない歴は生きてきた年数。二四歳になった今でも、記憶の中の律に思いを馳せるだけの毎日。
──でも。
一度くらい、思い思われる恋を体験してみたい。そして、初恋にけりをつけたい。
そう思った僕の元には今日、あるものが届く。
「ピンポーン」
……来た!
インターフォンも確認せずにドアを開ける。
「こんばんは。岩崎柊夜様。PX研究所から来ましたS8型653番です。このたびはご利用ありがとうございます」
アッシュブラウンの髪色と瞳。滑らかな肌に、通った鼻筋と口角が上がった形のいい唇。その左下には小さなほくろ。
彼、S8型653番はバイオヒューマノイドだ。
今やバイオヒューマノイドは社会に浸透していて、様々な用途のレンタル機材として役割を担っており、安価では無いが高額過ぎず、一般利用も可能になっていた。
──恋はしたいけど恐い……人間じゃなければ練習ができるかも、なんて、恋に臆病な人間の考えでアクセスしたバイオヒューマノイドのレンタルサーバー。
利用者登録後、提示されたリストの中に律に良く似たバイオヒューマノイドを見つけた時には、僕の指は無意識に支払いに進んでいた。
「ご主人様?」
「あ、ごめんなさい。本当の人間に思えて言葉を失ってしまいました。どうぞ、中へ」
彼はお辞儀をして部屋に上がり、僕が促した椅子に腰かけた。僕自身はバイオヒューマノイドと接するのは初めてだけど、本当に生身の人間みたいだ……。
「では、使用説明をさせて頂きます。現在私には汎用プログラムが組まれています。マスターのご希望のプログラムに上書きするにはこちらのピアスに必要項目をインプットしていただき、今私が装着しているピアスとの交換をお願いします」
彼は淡々と話す。その間、睫毛一本も動かさない。
「詳しくは媒体と繋いで頂ければガイダンスが流れます。最後ですが、今回七日間のご利用ですので、インプット完了より168.5時間以内にデータ解除をして返納して下さい」
バイオヒューマノイドは硬質樹脂で作られた骨格に有機化学で作られた人工臓器を入れ、人工皮膚で覆われているから、見た目は人間と遜色は無い。
でも、仮面を貼り付けたみたいに無表情だ。
やっはりロボットなんだな……。
僕は彼が机に置いた銀色のケースから、サファイアに似た石が嵌め込んであるピアスを取り出した。それにARウェアラブルを翳すと、彼の美しい腕にガイダンスが浮かび上がり、インプットすべき情報が順に流れてくる。
入力項目はちょうど十個。
「名前は……律。性格は穏やかで誠実、クラス委員に選ばれるような、優秀で頼れるタイプ。使用用途は恋人……お互いが初恋で……高校一年生で出会ってからずっと……続いている」
口に出して入力するタイプで、気恥ずかしくて辿々しくなるけど、彼はやはり無表情のまま腕を僕の前に差し出している。汎用データが入ってるロボット相手に照れることはない。早々にインプットを終えてしまおう。
「……僕のことは柊夜と呼ぶ」
全ての情報インプットを終えるとピアスが一度発光し、入力の完了をしらせた。
いよいよ本契約だ。
彼の耳についている黒い石のピアスをはずし、入力を終えた青いピアスにつけ変える。
すごい。体温も柔らかさも本当にリアル。早くこの暖かさに抱きしめられたい。
お腹からじわじわ競り上がる興奮で指が震えて、キャッチャーが上手くつけられなかったけどなんとか装着できた。
「Contract start」
──契約、開始。
「……ただいま、柊夜」
ピアスを装着していたあいだは閉じていた彼の瞼が開いた。はっきりした二重の大きな目が、僕を見つめている。
「律、なの……?」
「どうした? 怯えた顔して。俺の帰りが遅くて心配した? 遅くなってごめん」
目尻にくしゃっとしわを寄せて微笑んで、大きな手で頭を優しく撫でてくれる。
……律だ! 僕の初恋の人。容姿は勿論、中身も僕が想像した、大人になった律……!
「ううん。ちゃんと帰ってきてくれて嬉しい」
僕は、十cmほど僕より背の高い律の胸に額をくっつけた。ドキ、ドキと心音が聞こえる。
「俺が帰るのはいつも柊夜のいる所だよ」
律の腕が背に回り、柔らかく、包み込むように抱きしめてくれる。
暖かい。好きな人に抱き締められるって、こんなに幸せなことなんだ。
それから、一緒に僕が作った夕食を食べて、明日は俺が作るね、なんて律が言って、一緒に泡がたくさんのバスタブに浸かって、僕らは抱き締め合って一つのベッドで眠った。
僕には初めての恋人だけど、相手はヒューマノイド。情報のインプットも終えているから臆せず行動できた。
ずっとずーっと思い浮かべていた幸せな恋人時間を、無駄にすることなく過ごすんだと。
***
僕は有休を七日間みっちり取っていて、その間、律と片時も離れずに過ごした。
律は「完璧な律」だった。僕が望んだ恋人像そのままに。
「柊夜は肌が⽩いから、淡い⾊が似あうよ 」
⼿を繋いで⼀緒にショッピングモールを歩き、服を選んでくれた。
「ねえ、律、上⼿くできるかな」
「きっと⼤丈夫。柊夜は⼿先が器⽤だっただろう? さ、つけてみて 」
コンタクトレンズに挑戦してみたいと⾔ったら、眼科に付いてきてくれて、練習するのを隣で励ましてくれた。
看護師さんにくすくす笑われたけれど、「素敵な彼氏さんですね。とっても仲良し」って⾔われて、誇らしい気分になれた。
それから、美容院にも付いてきてくれたから、流⾏りのシースルーマッシュヘアにして、⾊も少し明るく変えてみた。
律はもちろん褒めてくれたけど 「そのままの柊夜でも素敵なんだよ? 癖のない綺麗な⿊髪も、同じ⾊の⿊い瞳も、みんな好きだからね 」って、あとで額にキスをしてくれた。
それから、それから。
カップルシートで映画も見たし、水族館にも動物園にも行ったんだ。
突然の雨が降れば律が上着を傘代わりにしてくれて、二人でくっついて建物まで走った。
律が作ってくれたオムライスやハンバーグは美味しかったし、二人で焼いたお好み焼きも、とても美味しかった。
夜眠るときにはいつもくっついて。僕が言わなくても額に、鼻筋に、そして、唇にキスを落としてくれた。
律はセクサロイドタイプではないからキスまでだったけれど、それは僕が望んだこと──それ以上進んだら、僕は「この律」にも初恋を捧げてしまうから。
そう、彼は契約が終わればデータが消えて、去ってしまうヒューマノイドなんだから……。
幸せな日々であればあるほど、律がヒューマノイドであること、残りの時間が減って行くことが心を苦しめる。最後の二日、僕は笑えなくなっていた。
教室の隅でうつむいているような生徒だった僕を気にかけ、積極的に接してくれた高校一・二年生時のクラス委員長、梁川律。
僕ができる小さなことにも感心してくれて、一緒にいると気持ちが穏やかになると言ってくれた。
朝早く登校して一緒に勉強をした。クラスメイトに「なんでそんな暗い奴と」と言われながらも、律はいつも僕とお弁当を食べてくれた。
僕の担当みたいになっていた教室のゴミ捨てにも毎日付き合ってくれて。
律といると、虹色のシャボン玉をたくさん吹けた時みたいな、得意で嬉しい気持ちになれていた。
でも……三年生になってクラスが変わると、律は断り続けていた女の子からの告白に応じ、彼女と時を過ごすようになった。律と彼女が肩を並べて下校する姿を見ながら、とてもとても胸が痛くなって「隣の彼女になりたい」と心から願った。
──そうしてようやく、僕は律が好きだと気づいた。律は僕の初恋だったのだ。
現在、西暦二〇六八年では同性愛が公的に認められている。ゆえに自身のセクシュアリティに酷く悩んだことはない。それでも異性間の恋愛をする人の割合が多いのが現実で、僕は声を大にして同性愛者なのだと主張する性格でもなかったし、同性から好いて貰えるほどの資質もない。
いや、異性からだってそうだ。そう自覚があるから、初恋に破れたあとは「地味眼鏡で取り柄の無い僕が恋なんて」と、ますます自分の殻に閉じこもってしまった。
結果、高校を卒業してからも恋に臆病なままで、恋人いない歴は生きてきた年数。二四歳になった今でも、記憶の中の律に思いを馳せるだけの毎日。
──でも。
一度くらい、思い思われる恋を体験してみたい。そして、初恋にけりをつけたい。
そう思った僕の元には今日、あるものが届く。
「ピンポーン」
……来た!
インターフォンも確認せずにドアを開ける。
「こんばんは。岩崎柊夜様。PX研究所から来ましたS8型653番です。このたびはご利用ありがとうございます」
アッシュブラウンの髪色と瞳。滑らかな肌に、通った鼻筋と口角が上がった形のいい唇。その左下には小さなほくろ。
彼、S8型653番はバイオヒューマノイドだ。
今やバイオヒューマノイドは社会に浸透していて、様々な用途のレンタル機材として役割を担っており、安価では無いが高額過ぎず、一般利用も可能になっていた。
──恋はしたいけど恐い……人間じゃなければ練習ができるかも、なんて、恋に臆病な人間の考えでアクセスしたバイオヒューマノイドのレンタルサーバー。
利用者登録後、提示されたリストの中に律に良く似たバイオヒューマノイドを見つけた時には、僕の指は無意識に支払いに進んでいた。
「ご主人様?」
「あ、ごめんなさい。本当の人間に思えて言葉を失ってしまいました。どうぞ、中へ」
彼はお辞儀をして部屋に上がり、僕が促した椅子に腰かけた。僕自身はバイオヒューマノイドと接するのは初めてだけど、本当に生身の人間みたいだ……。
「では、使用説明をさせて頂きます。現在私には汎用プログラムが組まれています。マスターのご希望のプログラムに上書きするにはこちらのピアスに必要項目をインプットしていただき、今私が装着しているピアスとの交換をお願いします」
彼は淡々と話す。その間、睫毛一本も動かさない。
「詳しくは媒体と繋いで頂ければガイダンスが流れます。最後ですが、今回七日間のご利用ですので、インプット完了より168.5時間以内にデータ解除をして返納して下さい」
バイオヒューマノイドは硬質樹脂で作られた骨格に有機化学で作られた人工臓器を入れ、人工皮膚で覆われているから、見た目は人間と遜色は無い。
でも、仮面を貼り付けたみたいに無表情だ。
やっはりロボットなんだな……。
僕は彼が机に置いた銀色のケースから、サファイアに似た石が嵌め込んであるピアスを取り出した。それにARウェアラブルを翳すと、彼の美しい腕にガイダンスが浮かび上がり、インプットすべき情報が順に流れてくる。
入力項目はちょうど十個。
「名前は……律。性格は穏やかで誠実、クラス委員に選ばれるような、優秀で頼れるタイプ。使用用途は恋人……お互いが初恋で……高校一年生で出会ってからずっと……続いている」
口に出して入力するタイプで、気恥ずかしくて辿々しくなるけど、彼はやはり無表情のまま腕を僕の前に差し出している。汎用データが入ってるロボット相手に照れることはない。早々にインプットを終えてしまおう。
「……僕のことは柊夜と呼ぶ」
全ての情報インプットを終えるとピアスが一度発光し、入力の完了をしらせた。
いよいよ本契約だ。
彼の耳についている黒い石のピアスをはずし、入力を終えた青いピアスにつけ変える。
すごい。体温も柔らかさも本当にリアル。早くこの暖かさに抱きしめられたい。
お腹からじわじわ競り上がる興奮で指が震えて、キャッチャーが上手くつけられなかったけどなんとか装着できた。
「Contract start」
──契約、開始。
「……ただいま、柊夜」
ピアスを装着していたあいだは閉じていた彼の瞼が開いた。はっきりした二重の大きな目が、僕を見つめている。
「律、なの……?」
「どうした? 怯えた顔して。俺の帰りが遅くて心配した? 遅くなってごめん」
目尻にくしゃっとしわを寄せて微笑んで、大きな手で頭を優しく撫でてくれる。
……律だ! 僕の初恋の人。容姿は勿論、中身も僕が想像した、大人になった律……!
「ううん。ちゃんと帰ってきてくれて嬉しい」
僕は、十cmほど僕より背の高い律の胸に額をくっつけた。ドキ、ドキと心音が聞こえる。
「俺が帰るのはいつも柊夜のいる所だよ」
律の腕が背に回り、柔らかく、包み込むように抱きしめてくれる。
暖かい。好きな人に抱き締められるって、こんなに幸せなことなんだ。
それから、一緒に僕が作った夕食を食べて、明日は俺が作るね、なんて律が言って、一緒に泡がたくさんのバスタブに浸かって、僕らは抱き締め合って一つのベッドで眠った。
僕には初めての恋人だけど、相手はヒューマノイド。情報のインプットも終えているから臆せず行動できた。
ずっとずーっと思い浮かべていた幸せな恋人時間を、無駄にすることなく過ごすんだと。
***
僕は有休を七日間みっちり取っていて、その間、律と片時も離れずに過ごした。
律は「完璧な律」だった。僕が望んだ恋人像そのままに。
「柊夜は肌が⽩いから、淡い⾊が似あうよ 」
⼿を繋いで⼀緒にショッピングモールを歩き、服を選んでくれた。
「ねえ、律、上⼿くできるかな」
「きっと⼤丈夫。柊夜は⼿先が器⽤だっただろう? さ、つけてみて 」
コンタクトレンズに挑戦してみたいと⾔ったら、眼科に付いてきてくれて、練習するのを隣で励ましてくれた。
看護師さんにくすくす笑われたけれど、「素敵な彼氏さんですね。とっても仲良し」って⾔われて、誇らしい気分になれた。
それから、美容院にも付いてきてくれたから、流⾏りのシースルーマッシュヘアにして、⾊も少し明るく変えてみた。
律はもちろん褒めてくれたけど 「そのままの柊夜でも素敵なんだよ? 癖のない綺麗な⿊髪も、同じ⾊の⿊い瞳も、みんな好きだからね 」って、あとで額にキスをしてくれた。
それから、それから。
カップルシートで映画も見たし、水族館にも動物園にも行ったんだ。
突然の雨が降れば律が上着を傘代わりにしてくれて、二人でくっついて建物まで走った。
律が作ってくれたオムライスやハンバーグは美味しかったし、二人で焼いたお好み焼きも、とても美味しかった。
夜眠るときにはいつもくっついて。僕が言わなくても額に、鼻筋に、そして、唇にキスを落としてくれた。
律はセクサロイドタイプではないからキスまでだったけれど、それは僕が望んだこと──それ以上進んだら、僕は「この律」にも初恋を捧げてしまうから。
そう、彼は契約が終わればデータが消えて、去ってしまうヒューマノイドなんだから……。
幸せな日々であればあるほど、律がヒューマノイドであること、残りの時間が減って行くことが心を苦しめる。最後の二日、僕は笑えなくなっていた。
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