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12話 ベルさんは……?
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~ポーラside~
「それじゃ、行ってくるわね。」
「お母さんっ!本当に私は大丈夫だから。だから本当に無茶はやめてっ!これから一緒に同じ環境で仕事ができれば、私は幸せだからっ!」
「ううん、もう娘の幸せを誰にも奪わせない。それは私も同じ。もう娘の幸せを奪いたくないの。だから行ってくるわね。」
「……お母さん……ありがとう。でも、本当に気をつけて。王家の影からの脱退は、死ぬことでしかあり得ないって聞いたことがあるから。お母さん死んじゃ嫌だよ?これは約束だよ?もう絶対離れないで。」
「当たり前。死にに行くんじゃないよ。これから2人で幸せに暮らすために行くんだよ。だから安心して待ってなさい。私は死なない。必ず帰るからね。」
そう言い残し、母はすでに暗くなった森の中を1人出て行った。
私はそんな母の背中を見送り、涙した。
もう会えない。そんな気がして--
◆◇
時は遡り、ロディの魔力吸収によって森が枯れた頃。
ロディは自分がやってしまった事に頭を抱えていた。
あー、良かれと思ってやった事が、また大変な被害を生んでしまった。
でも、もうやってしまったものは仕方ないよね。
とりあえず、諦めて復元を試みる事にする。
まずは、この削られた地面をどうにかしよう。
どう平坦にするか、頭を悩ます。
土魔法なんて今の俺には使えないしな。
って事は融合魔法でやってみるか?
きっと森魔法は使うだろう、と言う事で水属性と森属性を融合して試してみる。
うん。手元で綺麗なお花が咲いた。
あら、可愛い。
失敗だ。
次は、火属性と森属性。
お、次はちゃんと土が出てきた。
なんか腐葉土の様な土で栄養満点そうな土だ。知らないけど。
よし、これで行こう。
俺は早速、とりあえず地面が抉れた場所に向かって火属性と森属性の融合魔法を連発していった。
なるべく平坦になる様に、丁寧に丁寧に。
そして30分後。えぐれた部分は綺麗さっぱりとはいかないものの、ある程度元に戻った。
次は草を生やさなければ。
でもこれは簡単だ。
俺は森魔法の初級『草の伊吹』を唱える。
俺の手から出た風の様なものが土を撫でると、どんどんと雑草が生えてくる。雑草とはいえ、これはこれで美しい景色だ。
少し感動しながら、全ての土が見えなくなるまで『草の伊吹』を連発した。
じゃ、あとは木か。
森属性と水属性で、お花。
森属性と火属性で、腐葉土。
じゃあ?木を生やすには?
森と光なんてどうだろうか?
うん、良さそうだ。
それでは早速やってみよー。
ということで軽い気持ちでやったのが失敗だった。
最初こそ、芽が出てスルスルと木が伸びていったのに感動したが、伸びる伸びる、グングン伸びる。
もともとあった木々をゆうに超えても伸び続けている。
ピタリと止まった時には、高さも太さも、元々あった木々の3倍くらいの大きさになってしまっていた。
やりすぎた……
ここだけ古代樹の森みたいになってる……
どうして俺は……
そんなことを思いつつ、まだ日も高かったが、今日は疲れたからと、とぼとぼと帰路につく。
何かを忘れている気がするが、魔力感知と気配感知を併用し、栗毛の馬の場所を特定し獣道を歩いて帰る。
うん、森は森だし、まぁいいか。
そんな事を思えば、気持ちは軽くなっていった。
そして、栗毛の馬に跨りベルさんに言われた通りローブを頭まで被り、馬で駆け出す。
門番の人に挨拶をして通ろうとしたら、声をかけられた。
「なぁ、ベルさんを見なかったか?君に強い棒を、って言ってたから訓練で使う棒を貸したんだが……」
あ、そうだ!忘れてたの、ベルさんだ!
色々あってすっかり忘れてた。
でも、俺はベルさんを見かけてない……
「いえ、僕はベルさんと逸れてしまって……」
「そうか、すまない。君たちが出ていってから直ぐ位に、森の方で霧と轟音と強い光があったから心配してたんだ。彼女はしっかりしてるし大丈夫だと思うんだが……何かあったら教えてくれ。」
「……はい、わかりました。では。」
「……?では、気をつけて。」
やばいやばいやばいやばい。
俺は門番から逃げる様に馬で駆け出し、街の人々を押し退けて俺の部屋がある別館へ急ぐ。
着いたらすぐに、馬を馬舎に置き、誰にもバレない様に隠密を使いながら、走って部屋に戻る。
部屋に着き、息を整える。
いや、そんなはずは。
魔力感知も気配感知も行っていたし、目の前にはゴブリン4匹しかいなかった。
いや、でも。
あの規模の魔法。
雷の龍の大口は、あの場所を……地面すらも焼き尽くした。
ゴブリンも跡形もなかった。
いやいやいやいや、でもあれは、俺のコントロール下に無かった。だから俺のせいじゃない。
そんな……そんな言い訳通用するわけないよな。
俺は、俺は、俺は。
俺は、この世界で唯一俺を大切に思ってくれていた人を殺してしまったかもしれない。
明日の朝一、もう一度現場を確かめに行こう。
今行けば、怪しまれてしまう。
ベルさんのものが近くになければ、ベルさんは多分生きている。
ベルさんのものが近くにあれば……俺が……
そう思いながら、俺は半ば気を失う様にベットに倒れ込んだ。
◆◇
翌日の早朝。
俺は、飛び起きて家を出た。
昨日の通り、馬舎に行き栗毛の馬に跨り駆け出す。
昨日は、後ろにベルさんが居てくれた。
でも今日はいない。
なぜ?
『俺が殺したかもしれないから。』
そんな心の声が聞こえる。
聞きたくない聞きたくない。頭を振っても耳を塞いでも心の声は聞こえてくる。
「黙れっ!黙れっ黙れっちくしょう」
最悪を想定してしまうと涙が溢れそうになる。
そんな涙をグッと我慢し、今日何も見つからない事を心から願った。
気がつけば、門番の衛兵さんのところに来ていた。
幸い昨日と同じ人だったから、ベルさんは戻ったか聞いたが戻ってきてないらしい。
俺は、昨日べルさんが門番の衛兵さんから借りた訓練用の棒を見せてもらい、昨日の場所に向かった。
昨日俺が作った古代樹の森は、悠然とそびえたち、あたかも古くからここにあったかの様な堂々とした存在感があった。
俺は、周囲を手当たり次第探す。
ベルさんの痕跡を。
魔力感知も気配感知も全力だ。
…………
……
…
しかしいくら探しても、一向に手掛かりは見つからなかった。
ベルさんは昨日、ここには居なかった。
そんな事実に俺はホッとし仰向けに寝転がった。
まだベルさんが見つかったわけではないのに、なんで薄情な男なんだと自分自身に悪態をつきながらも、その事実だけは嬉しかった。
心を落ち着かせるために、俺はしばらく仰向けになろうと空を見上げる。
背中に当たる、草、快晴の空、そしてその空にまっすぐ伸びる雄大な古代樹はなんて美しいんだ。
葉っぱはキラキラとしていて日が当たるのを心から喜んでいる様に感じる。
そんな視線の端に、違和感を感じる。
加工された様な真っ直ぐな棒、持ち手の部分と思われる場所は特訓で使っていたからか血が付いた跡がある。
鼓動が早くなっていく。
顔から血の気が引いていく。
俺は、先程門番の衛兵さんに見せてもらった訓練用の棒を思い出す。
そして昨日、帰った時に門番の衛兵さんに言われた一言を思い出す。
『なぁ、ベルさんを見なかったか?君に強い棒を、って言ってたから訓練で使う棒を貸したんだが……』
血の気が引き、気を失いそうになる。
"ベルさんは、昨日この場所にいた。"
その事実だけが俺に重くのしかかり、俺はまた意識を手放した。
「それじゃ、行ってくるわね。」
「お母さんっ!本当に私は大丈夫だから。だから本当に無茶はやめてっ!これから一緒に同じ環境で仕事ができれば、私は幸せだからっ!」
「ううん、もう娘の幸せを誰にも奪わせない。それは私も同じ。もう娘の幸せを奪いたくないの。だから行ってくるわね。」
「……お母さん……ありがとう。でも、本当に気をつけて。王家の影からの脱退は、死ぬことでしかあり得ないって聞いたことがあるから。お母さん死んじゃ嫌だよ?これは約束だよ?もう絶対離れないで。」
「当たり前。死にに行くんじゃないよ。これから2人で幸せに暮らすために行くんだよ。だから安心して待ってなさい。私は死なない。必ず帰るからね。」
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私はそんな母の背中を見送り、涙した。
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時は遡り、ロディの魔力吸収によって森が枯れた頃。
ロディは自分がやってしまった事に頭を抱えていた。
あー、良かれと思ってやった事が、また大変な被害を生んでしまった。
でも、もうやってしまったものは仕方ないよね。
とりあえず、諦めて復元を試みる事にする。
まずは、この削られた地面をどうにかしよう。
どう平坦にするか、頭を悩ます。
土魔法なんて今の俺には使えないしな。
って事は融合魔法でやってみるか?
きっと森魔法は使うだろう、と言う事で水属性と森属性を融合して試してみる。
うん。手元で綺麗なお花が咲いた。
あら、可愛い。
失敗だ。
次は、火属性と森属性。
お、次はちゃんと土が出てきた。
なんか腐葉土の様な土で栄養満点そうな土だ。知らないけど。
よし、これで行こう。
俺は早速、とりあえず地面が抉れた場所に向かって火属性と森属性の融合魔法を連発していった。
なるべく平坦になる様に、丁寧に丁寧に。
そして30分後。えぐれた部分は綺麗さっぱりとはいかないものの、ある程度元に戻った。
次は草を生やさなければ。
でもこれは簡単だ。
俺は森魔法の初級『草の伊吹』を唱える。
俺の手から出た風の様なものが土を撫でると、どんどんと雑草が生えてくる。雑草とはいえ、これはこれで美しい景色だ。
少し感動しながら、全ての土が見えなくなるまで『草の伊吹』を連発した。
じゃ、あとは木か。
森属性と水属性で、お花。
森属性と火属性で、腐葉土。
じゃあ?木を生やすには?
森と光なんてどうだろうか?
うん、良さそうだ。
それでは早速やってみよー。
ということで軽い気持ちでやったのが失敗だった。
最初こそ、芽が出てスルスルと木が伸びていったのに感動したが、伸びる伸びる、グングン伸びる。
もともとあった木々をゆうに超えても伸び続けている。
ピタリと止まった時には、高さも太さも、元々あった木々の3倍くらいの大きさになってしまっていた。
やりすぎた……
ここだけ古代樹の森みたいになってる……
どうして俺は……
そんなことを思いつつ、まだ日も高かったが、今日は疲れたからと、とぼとぼと帰路につく。
何かを忘れている気がするが、魔力感知と気配感知を併用し、栗毛の馬の場所を特定し獣道を歩いて帰る。
うん、森は森だし、まぁいいか。
そんな事を思えば、気持ちは軽くなっていった。
そして、栗毛の馬に跨りベルさんに言われた通りローブを頭まで被り、馬で駆け出す。
門番の人に挨拶をして通ろうとしたら、声をかけられた。
「なぁ、ベルさんを見なかったか?君に強い棒を、って言ってたから訓練で使う棒を貸したんだが……」
あ、そうだ!忘れてたの、ベルさんだ!
色々あってすっかり忘れてた。
でも、俺はベルさんを見かけてない……
「いえ、僕はベルさんと逸れてしまって……」
「そうか、すまない。君たちが出ていってから直ぐ位に、森の方で霧と轟音と強い光があったから心配してたんだ。彼女はしっかりしてるし大丈夫だと思うんだが……何かあったら教えてくれ。」
「……はい、わかりました。では。」
「……?では、気をつけて。」
やばいやばいやばいやばい。
俺は門番から逃げる様に馬で駆け出し、街の人々を押し退けて俺の部屋がある別館へ急ぐ。
着いたらすぐに、馬を馬舎に置き、誰にもバレない様に隠密を使いながら、走って部屋に戻る。
部屋に着き、息を整える。
いや、そんなはずは。
魔力感知も気配感知も行っていたし、目の前にはゴブリン4匹しかいなかった。
いや、でも。
あの規模の魔法。
雷の龍の大口は、あの場所を……地面すらも焼き尽くした。
ゴブリンも跡形もなかった。
いやいやいやいや、でもあれは、俺のコントロール下に無かった。だから俺のせいじゃない。
そんな……そんな言い訳通用するわけないよな。
俺は、俺は、俺は。
俺は、この世界で唯一俺を大切に思ってくれていた人を殺してしまったかもしれない。
明日の朝一、もう一度現場を確かめに行こう。
今行けば、怪しまれてしまう。
ベルさんのものが近くになければ、ベルさんは多分生きている。
ベルさんのものが近くにあれば……俺が……
そう思いながら、俺は半ば気を失う様にベットに倒れ込んだ。
◆◇
翌日の早朝。
俺は、飛び起きて家を出た。
昨日の通り、馬舎に行き栗毛の馬に跨り駆け出す。
昨日は、後ろにベルさんが居てくれた。
でも今日はいない。
なぜ?
『俺が殺したかもしれないから。』
そんな心の声が聞こえる。
聞きたくない聞きたくない。頭を振っても耳を塞いでも心の声は聞こえてくる。
「黙れっ!黙れっ黙れっちくしょう」
最悪を想定してしまうと涙が溢れそうになる。
そんな涙をグッと我慢し、今日何も見つからない事を心から願った。
気がつけば、門番の衛兵さんのところに来ていた。
幸い昨日と同じ人だったから、ベルさんは戻ったか聞いたが戻ってきてないらしい。
俺は、昨日べルさんが門番の衛兵さんから借りた訓練用の棒を見せてもらい、昨日の場所に向かった。
昨日俺が作った古代樹の森は、悠然とそびえたち、あたかも古くからここにあったかの様な堂々とした存在感があった。
俺は、周囲を手当たり次第探す。
ベルさんの痕跡を。
魔力感知も気配感知も全力だ。
…………
……
…
しかしいくら探しても、一向に手掛かりは見つからなかった。
ベルさんは昨日、ここには居なかった。
そんな事実に俺はホッとし仰向けに寝転がった。
まだベルさんが見つかったわけではないのに、なんで薄情な男なんだと自分自身に悪態をつきながらも、その事実だけは嬉しかった。
心を落ち着かせるために、俺はしばらく仰向けになろうと空を見上げる。
背中に当たる、草、快晴の空、そしてその空にまっすぐ伸びる雄大な古代樹はなんて美しいんだ。
葉っぱはキラキラとしていて日が当たるのを心から喜んでいる様に感じる。
そんな視線の端に、違和感を感じる。
加工された様な真っ直ぐな棒、持ち手の部分と思われる場所は特訓で使っていたからか血が付いた跡がある。
鼓動が早くなっていく。
顔から血の気が引いていく。
俺は、先程門番の衛兵さんに見せてもらった訓練用の棒を思い出す。
そして昨日、帰った時に門番の衛兵さんに言われた一言を思い出す。
『なぁ、ベルさんを見なかったか?君に強い棒を、って言ってたから訓練で使う棒を貸したんだが……』
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