戦乱のブレイブレイド 源

序節

序説① 世界が終わった日

初めまして。
私のこの手紙を読んでいるあなたはどこの誰だか知りませんがここに書き記したいと思います。
この世界は完全に変わってしまった。
それもとんでもなく急に起こったのです。

※

バチバチバチバチ。
至るところで火が上がっている光景が私の目には見えてました。
助けて、誰か、死ぬのは嫌だ。
そこらじゅうでそんな悲鳴が聞こえていました。
｢おい、そこのガキ。どいてろ｣
｢ママを･･･ママを助けてよ｣
｢んなことしてたらあいつらが･･･｣
いきなり男の声が途切れた。
当たり前だ。化け物に頭をまるごと食われて殺されてしまったのだから。
子供ももちろん食べられました。
この光景を見て私は思うのです。
この世界は間違いなく狂い出したんだ。
人は蹂躙され住処を壊され。
このままでは誰ひとり生きられない。
そんな世界が待っているのが見えたのです。
｢ところで、私に何か御用ですか？｣
 ｢ぐぎゃぁ！？｣
すぐ真後ろには化け物。
先程までボリボリと男と子供を食べていたのと同じ種類です。
その手には大きな特徴があり挟むのが得意だとされています。
しかし牙が発達しているため丸かじりの方が多いようですが･･･。
そんなもの私には意味がありません。
｢私にはあなた達を恨む理由はありません。ですが邪魔をするなら殺しますよ｣
｢おいおい、小学生が何物騒なこと言っているんだ｣
｢神父様ですか･･･。遅かったですね｣
教会の神父様が着てそうな黒服。神は黒で短髪。スラリとしていてヒゲがちょびっと生えているこのおっさんのことを神父様と呼んでいます。
｢あれの調達に手間取ってな。ところでもうこんなにやられてんのか｣
｢ええ、遅いからですよ｣
｢そう言うなよワンピのロリータよ｣
｢あなたから始末しましょうか｣
｢それはご勘弁だ。さてと･･･人助けと参りますか｣
｢･･･あなたがそう言うならそれに従う｣
神父様は化け物の討伐に向かう。
この私九谷麗（くたにうるし）と一緒に･･･。