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「寝みぃ…」

仕事続きで、何日も寝てない俺には昼間の太陽は倒れちまうと思うほど眩しかった。

「土方さん寝てないんですかィ?全く健康じゃねェなァ」

「誰のせいで寝不足だと思ってンだ!!!」


最近はやけに仕事が入りその上、総悟が書類をサボるおかげで俺の睡眠時間はどんどんと削れる。


やっと片付き、寝ようと思ったら、総悟が1人で見回りに行くときた。こいつの事だ。団子屋に行ってサボるに違いない。

これ以上仕事を増やされちゃ困るのはこっちだ。ということで総悟の後を追って今に至る。

「へいへい、そんなにでけェ声出せるンなら、大丈夫でさァ。んじゃとりま、死ね土方」

何処から持ってきたのか分からないバズーカを向けられ、慌てて避ける。

疲れが溜まっているせいか、完璧に避けきれずバズーカの火が服にうつる。

「あっっっつッ!!!!」

慌てて火を消し、思わずその場に倒れ込んだ。
脳裏にさっきの総悟の言葉が過ぎる。

確かにまだ元気な方なのかと自問自答を繰り返していると、聞きなれた声が聞こえ朦朧としていた頭が切り替わる。


ふっと辺りを見回すとそいつ銀時はいた。

実は俺と万事屋は付き合っている。
どっちから告白したとかはぶっちゃけ覚えていないものの、キスもしたし、その先もヤっている。


俺の仕事が忙しく、最初の方は万事屋もちょくちょく真選組に様子を見に来たが、最近は全然来ていなかった。


ムクリと体を起こし、辺りを見回すと総悟の姿はなく、苛立ちが込み上げてきたもののいつもの事かと開き直り、万事屋を横目に見ながら通り過ぎようとすると___


「銀時さんめっちゃガタイいいですね~」

「まァ?俺もそれなりに鍛えてたりしたからァ?」

「なんだかんだ周りみてるの素敵だと思いますよ~」

「るっせ」

知らない女と仲良さげに話していた。万事屋は褒められてか嬉しそうにしている。女も周りと比べればそれなりに顔もよくスタイルもいい方だった。



___気に食わねェ。

俺は無意識にその場を立ち去った。



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