俺はいつも拾われている

つちやながる

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これが俺の生きる道

番外編 レオからの距離1

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「ロドリゴ・シャウロ様、バウリ・エンダイン様ですね。どうぞ」

 帝国から新しく部下につく官僚が挨拶に来たのを玄関ホールに迎え入れた。
 ロドリゴは顎髭をのせた明らかに軍人たるマッチョ、それに対しバウリは短髪で整ったフィルの様な細マッチョだ。
 二人は俺を見て固まった。
 あー…そうだろうな。美少年が成長して拍車かかって変な色気あるもんな。わかるよ。俺も鏡見てひいた。
 髪はかなり梳いて伸ばして胸まである。まとめて縛るのはフィルが禁止令を出した。

「私は執事です。お見知り置きを。アンフィル様はこちらでお待ちです」
「雪月花か、」
「馬鹿が!」
 ふんごふご!

 咄嗟にロドリゴの口を押さえるバウリ。
 雪月花?なんだそれ。視線を上に思ってみても知らない事は考えても答えは出無い。チラリと後ろを見てニコリ。

「こちらにどうぞ」
「あ、ああ」

 部屋をノックして招き入れ案内終了。俺は今日も執事だ。バル爺が茶を用意してるはずだから次はそれを運ぶ。
 フィルは帝国に帰る気はまだ無いって。任期は無くて、飽きたり遊びたくなったら仕事は適当に辞める事を繰り返してるらしい。

「レオ、セットできてます」
「有難う、バル」

 ワゴンにティーセットを載せ運ぶ。相変わらずの男所帯だ。腰をやったバルは良い機会だと俺を執事筆頭として扱う。まだ早いと思うんだけど客も滅多にこないから事足りるし何とかやってる。メイド服のメイドが一人くらいいても良いのにな。

「そうか、頼む」
「は」
「はっ」
「緊急以外は書状で頼む」
「はい」
「わかりました」

 俺は客人に無言でティーセッティグをする。執事だけど結局はただの雇われだからな。給料分はしっかり働く。
 先にいれたフィルのカップが空だ。取り敢えず注いでおこう。近くに行き茶を注ぐ。
 フィルはふいに手を伸ばし俺の胸元の髪をすうっと掴み撫でた。
 ちゃ、茶がああぁ!
 思わぬセクハラに驚き注ぎこぼすトコだった。 
 半目で睨むとニヤッと笑い返される。一礼をして退室する。カートを廊下の隅にやり掛け布を置き、ガクリと項垂れた。
 毎日のセクハラにげんなり中だ。
 毎日毎日褒め倒し口説かれ、適度に触られ、中途半端な主と執事。俺にどうしろと?と問うたらこうだ。

『俺は急がない。レオはどうしたい?』
『俺が答え出せって?』
『さあな。俺は長生きだしな。気も長い』
『フィルより先に死ぬよ、俺』
『……そうか、そうだったな』

 当たり前の事を言ったらフィルが見たこと無い悲しそうな顔をした。
 それからだ。お触りは仕事中だけだったのが、手が届く範囲になると何時でもフィルは俺に触れる。
 正直なところ、前世持ちの俺は貞操観念はゆるい方だ。ちょっと過度なスキンシップも嫌じゃないのは自覚してる。命がかかって無いと慌てないし余程じゃないと抵抗しないと思う。
 え?違うよ?フィルに襲って欲しいとかじゃ無いよ?でもフィルとは何だろ。想像つかないんだ。これも拾われた時の意地の刷り込みかなんかだろ。脱溺愛ってもう深層心理に深~く根付いてんだよ、きっと。
 悶々と考えてたらドアが開いた。仕事中だった。ちゃんと職務全うしなきゃ。

「お帰りですね、お送りします」

 二人の男の前に立つ。くっそ、やっぱ次は細マッチョに生まれたい。腹筋割れてみたい。

「どうも」
「……」
「あっ!おい!」

 バウリの声がしたと思ったら、俺の両脇から腕が伸び身体が宙に浮いた。

「え」

 ロドリゴ・シャウロが俺を抱き上げた。
 顔は優しく笑み、ふんふんと鼻息が荒いがいやらしく無い。縦抱きに引き寄せたのはハスキーかサモエド犬に見えた。

「雪月花の君、失礼を重ねる承知でお願いがある。デートしてくれないか?」

 ふんふんと鼻息荒く尻尾が見えた。いやらしく無いが抱き上げられてる事にゾワッと鳥肌が立つ気がした。
 バウリは、ああぁと顔を手で覆った。

「雪月花、の君?デート?というか降ろして下さい」
「返事を貰うまでは無理だ」
「…仕事中です。デートしません。降ろして下さい」
「ああ、フラれたあ」
「おい、ロドリゴ早く降ろしてやれ」
「おっと、これは失礼した」

 ロドリゴは直ぐ降ろしてくれた。が、静かな屋敷の廊下で騒げば誰かが気付く訳で。

「お前の名はシャウロだったか。それは俺のだ。手を出したら痛い目見るぞ」

 フィルがドアを開け、凭れてニコニコしてた。




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