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かくして魔術師はついてきた
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バリバリバリバリッ!
轟音と共に落ちたるは雷鳴の光。
瞬間のことだった。オジルクは感電したのであろう焦げた傷から煙が出ていた。
そのままの姿勢で動かず硬直していたが、やがてふらふらと後ろにドドッと重さを示す地鳴りに倒れた。
紛れもなく感電死だ。
魔術師はむくりと起き、オジルクを一目しただけで直ぐ寝直したのだった。
音に驚き一連の出来事を目にした魔狼。
は、ははは。俺は声に出しはしなかったが笑った。
結界魔術か。オジルクを見ても何事もなかった様に寝直したな。は、何だ面白い人間じゃないか。
俺は少しだけ魔術師に興味を持った。
「う、わっ!」
明るい。朝陽はとうの昔か既に真上に近かった。
シャズナルが目を覚まし、近くにオジルクの死体があった事に驚く。
ああ、そういえば疲れ切って結界を寝ボケて張ったなと思い出す。
一度眠ると寝起きが悪いだけだった。
「そうだ。魔狼様はもう発っただろうか」
見回すと、丸くなって眠っている黒犬がそこに居た。置いて行かれずホッとした。
丸めたマントの枕元にはこと切れた野兎が一羽転がっていた。思わず魔狼を見た。
「…これは」
俺にくれたのか?食料を恵んでもらったようだな。ははっ。内心笑いながらも気紛れだろうが、小さな優しさに変わりはなく嬉しかった。胸が温かくなったのだった。
黒鉄魔狼は希少な古の獣だった。
竜や金獅子などと同じく古くから生き続ける魔物だった。
冒険者や魔術師の間でも知らない者はいない。
雄々しく強さがあるのに、無駄な殺生をせず森の中で静かに生きる姿は崇拝対象にもなる程人気があるのだ。
気が付けば魔導師という地位に上り詰めた自分。
何も努力はしてない。
運も才能のうちだと自分は流された人生でここまで来た。
主に攻撃や結界防御、次いで再生治癒術を極めた。
それが王子の一言で専門外の召喚。黒鉄魔狼をティムしろだなどと誰が予見出来ただろうか。嫌だろうと命は命。所詮城勤めだと王の駒のひとつだ。上司には逆らえない。
テイマーなど冒険者の間でも失敗や飼育場所や餌や代などリスクが多く、とうの昔に廃れた分野だった。
残る少ない文献を読み漁り四苦八苦して召喚術を物にしようとこればかりは努力した。
王子や周りの取り巻き官吏や術師に馬鹿にされる様になった。それでも仕事だった。
早く魔狼を連れて来いと急かされる毎日。思うように進まない。段々自分が何も出来ないという無力感に苛まれ出した。脅迫めいて聴こえ出す子供のワガママだった。
そしてやっと召喚し成功したかと思いきや、契約は無理だったのだ。
失敗した。
初めての失敗と挫折だった。俺はもうダメだと思った。
情けない事に終いには魔狼に諭されたのだが。
は、ははは。あの瞬間に今までの人生が馬鹿らしくなったのだ。
街に戻り再び姿を見ては無意識に追い掛けた。
知りたい。この魔物をもっと知りたい。ただそれだけでついてきたのだった。
力を貸して欲しい。ただの口実だった。俺はどうする気なのか。このままついて行くのだろうか。
城に帰る?それはもう既に現実味が無かった。
ここに黒鉄魔狼がいる。
この事のほうが魅力的で現実的だった。
空腹なのを思い出し野兎を有り難く食べる事にした。
魔術で食べれるように皮を剥ぎ焼いた。兎の肉は匂いは独特で脂は少なく固めだが、鳥肉に近く旨いのだ。
焼けた匂いに魔狼の鼻がヒクつく。パタパタと耳も動いている。
生も美味いのでしょうが、焼いた肉も美味いんですよ。今度は俺が炙り調理したのを食べて貰おうかな。
美しい気並みの黒犬を見て、そんな事を考えるのだった。
轟音と共に落ちたるは雷鳴の光。
瞬間のことだった。オジルクは感電したのであろう焦げた傷から煙が出ていた。
そのままの姿勢で動かず硬直していたが、やがてふらふらと後ろにドドッと重さを示す地鳴りに倒れた。
紛れもなく感電死だ。
魔術師はむくりと起き、オジルクを一目しただけで直ぐ寝直したのだった。
音に驚き一連の出来事を目にした魔狼。
は、ははは。俺は声に出しはしなかったが笑った。
結界魔術か。オジルクを見ても何事もなかった様に寝直したな。は、何だ面白い人間じゃないか。
俺は少しだけ魔術師に興味を持った。
「う、わっ!」
明るい。朝陽はとうの昔か既に真上に近かった。
シャズナルが目を覚まし、近くにオジルクの死体があった事に驚く。
ああ、そういえば疲れ切って結界を寝ボケて張ったなと思い出す。
一度眠ると寝起きが悪いだけだった。
「そうだ。魔狼様はもう発っただろうか」
見回すと、丸くなって眠っている黒犬がそこに居た。置いて行かれずホッとした。
丸めたマントの枕元にはこと切れた野兎が一羽転がっていた。思わず魔狼を見た。
「…これは」
俺にくれたのか?食料を恵んでもらったようだな。ははっ。内心笑いながらも気紛れだろうが、小さな優しさに変わりはなく嬉しかった。胸が温かくなったのだった。
黒鉄魔狼は希少な古の獣だった。
竜や金獅子などと同じく古くから生き続ける魔物だった。
冒険者や魔術師の間でも知らない者はいない。
雄々しく強さがあるのに、無駄な殺生をせず森の中で静かに生きる姿は崇拝対象にもなる程人気があるのだ。
気が付けば魔導師という地位に上り詰めた自分。
何も努力はしてない。
運も才能のうちだと自分は流された人生でここまで来た。
主に攻撃や結界防御、次いで再生治癒術を極めた。
それが王子の一言で専門外の召喚。黒鉄魔狼をティムしろだなどと誰が予見出来ただろうか。嫌だろうと命は命。所詮城勤めだと王の駒のひとつだ。上司には逆らえない。
テイマーなど冒険者の間でも失敗や飼育場所や餌や代などリスクが多く、とうの昔に廃れた分野だった。
残る少ない文献を読み漁り四苦八苦して召喚術を物にしようとこればかりは努力した。
王子や周りの取り巻き官吏や術師に馬鹿にされる様になった。それでも仕事だった。
早く魔狼を連れて来いと急かされる毎日。思うように進まない。段々自分が何も出来ないという無力感に苛まれ出した。脅迫めいて聴こえ出す子供のワガママだった。
そしてやっと召喚し成功したかと思いきや、契約は無理だったのだ。
失敗した。
初めての失敗と挫折だった。俺はもうダメだと思った。
情けない事に終いには魔狼に諭されたのだが。
は、ははは。あの瞬間に今までの人生が馬鹿らしくなったのだ。
街に戻り再び姿を見ては無意識に追い掛けた。
知りたい。この魔物をもっと知りたい。ただそれだけでついてきたのだった。
力を貸して欲しい。ただの口実だった。俺はどうする気なのか。このままついて行くのだろうか。
城に帰る?それはもう既に現実味が無かった。
ここに黒鉄魔狼がいる。
この事のほうが魅力的で現実的だった。
空腹なのを思い出し野兎を有り難く食べる事にした。
魔術で食べれるように皮を剥ぎ焼いた。兎の肉は匂いは独特で脂は少なく固めだが、鳥肉に近く旨いのだ。
焼けた匂いに魔狼の鼻がヒクつく。パタパタと耳も動いている。
生も美味いのでしょうが、焼いた肉も美味いんですよ。今度は俺が炙り調理したのを食べて貰おうかな。
美しい気並みの黒犬を見て、そんな事を考えるのだった。
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