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44話。旅芸人を名乗る男はジャロン。悪いやつではなさそうだ
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「俺たちの会話は聞こえてたか? 回復ポーションだ。遠慮せずに飲んでくれ」
「え?」
「ほら。遠慮するな。骨折くらいなら治るポーションだ。これをくれたのは、人を助けることに見返りを求めるような人じゃない。ほら、飲め」
「あ、いや」
「大丈夫だって。かなりの高級品だと思うから気後れするのは分かる。でも、元気になった姿を見せれば、それが最大の感謝だ。な。飲めって」
「あ、いや、えっと……。革袋に2杯も水を貰ったから……。もう、飲めない……」
\ バッドコミュニケーション /
「……! そ、そうだよな! ちょっと待ってくれ。おーい。シャル。なんか、パサパサしている食べ物ない? 回復ポーションが飲みたくなるようなやつ。なかったら、パンをくれ」
「分かった。パサパサというと、パンくらいしかない」
魔法の革袋の性能が良すぎて、食べ物が新鮮なままだからなあ。乾燥したパンなんてないか。
「着替えのパンツがあるみゃ!」
「駄目に決まってんだろ! シャル、パンをくれ!」
「わっ、わた、私のパンツでなにをするつもりだ! 喉が渇くまで口の中に入れるのか?!」
下からスカートの中を覗かれないようにちょっと離れた位置で待機してもらっているから、聞こえにくいのかな?
俺はジャンプして上に移動する。
「パンはパンでも食べれるパンってな~んだ」
「みゃ?」
「急になにを言っているんだ?」
「ブヒブヒ?」
「ブルルルルル……」
「な、なんで、みんなしてそんな冷たい目で見るんだ。アウェイすぎるんだが」
「だって、お前が私のパンツを口に含んで、喉が渇くまで吸いたいって言うから……」
「食べるパンをくれっていったんだ。小麦をこねて、よくしらんけどなんか酵母を混ぜてから発酵させて焼成する普通のパンだ」
「そうならそうと最初から言え。なんのために脱いだと思っているんだ」
「……え?」
……なんのために脱いだと思っているんだ?
シャルロットが魔法の革袋からパンを取りだした。
俺はそれを受け取る。
……なんのために脱いだと思っているんだ?
「ほら。倒れた人は腹も空かせているだろう? 早く持って行ってあげたらどうだ」
「あ、ああ」
……なんのために脱いだと思っているんだ?
俺は下に飛び降りる瞬間、ちょっと期待してシャルロットの方を見ながら落下。
スカートの中……!
くっ、見え……。
太ももの付け根まで見えて、いよいよ、パンツかノーパンかってところで地面の縁が視界に達し、シャルロットの姿は見えなくなった。
……。
「どうして、そんなに上を凝視しているんですか? 上に何か?」
「いや、なんでもない。ほら。腹が減ってるだろ? いきなり喉が渇くとも思えないが、これで空腹を癒やしつつ、口の中を乾かしてくれ」
俺はパンを男に与えた。
「すまねえ。なにから何まで……。高そうな白パンだな……」
うん。
庶民が食べるような、いろいろ混ざった茶色いパンじゃなくて、上質な小麦粉だけでつくった高級品だよ。俺すらシャルから貰うまでこんないいパン食べたことなかった……。
それはそれとして、あまり白パンというな。絶対、白いパンツ方面でまた勘違いが進む。
俺は段差の上に戻る。
「倒れていた人の命に別状はない。すぐに歩けるわけでもなさそうだから、馬の背に乗せて運ぶよ。シャルとサフィは待っててくれ」
段差を迂回して3頭の馬を男の元に連れ戻る。
「近くの村まで運ぶよ。揺れるけど我慢しろよ」
「う、馬なんて乗ったことねえよ」
「大丈夫。乗馬技術は不要だ。寝ているだけでいい」
「え?」
俺は男を持ち上げ、並んだ3頭の馬に仰向けに寝かせた。
「え? ちょ、ちょっと、旅のお方。これ、何か変じゃないですか?」
「気にするな」
「え、いや、でも、馬って座って乗るものでは」
「気にするな」
「ヒヒブフハ」
「待って! 変な鳴き声が聞こえた! しかも若干『気にするな』って言っているように聞こえた!」
「気にするな。俺の馬は賢い」
「気になりますよ!」
「……くっ。あんたは正しい。気になるよな……!」
「ブヒヒヒヒッ!」
俺はステータスウインドウを表示して、馬たちを枠内に歩かせる。
こうして男を運んでいくことにした。
「どこから来たんだ?」
「北から来た」
「……そうか。じゃあ、北に行くけど、いい?」
「はい」
方向は同じだ。
元の位置に戻ってシャルロット達と合流したら、次の村への移動を再開だ。
「あ。そういや名乗ってなかった。俺はアーサー。あっちはシャルロットとサフィ」
「俺は旅芸人のジャロンってんだ。アーサーさんよろしくな。シャルさんとサフィさんも、俺からはどこにいるかも分からないが、よろしくな」
ジャロンの体力は大分回復してきたらしく、だいぶ声に張りが出てきた。
「ああ。よろしく。シャルロットだ」
「よろしくみゃ。サフィみゃ」
シャルロット、サフィ、ブランシュ・ネージュ、俺の馬×3+ジャロン、俺という縦列で道を進む。
「なあ、ジャロンはあんなところで転んで落ちたんだ?」
「いやあ、それが、客が俺の芸にケチをつけて、ボッコボコのリンチにあって、そこに捨てられたのさ」
「ブッヒブヒ?」
「ああ。ボッコボコさ。って、俺、馬と会話した?! 痛あっ! 舌、噛んだ!」
「ははっ。俺の馬は主に似て賢いんだよ」
「フンフヒ~?」
「本当に~? って言ってません?」
「言ってないよ」
「いや、それにしても、ほんと、アーサー様様だよ。見つけてくれなかったら餓死してたかもしんねえ! ありがとうな!」
「ブヒヒ」
「悲惨な目に遭っておいて明るいなあ」
「まあな! おちんこ出たってしょがねえ、じゃねえ、おちこんだってしょうがねえ。痛あっ! 舌、噛んだ! 2回目だ! 明るく元気に客を笑わすのが俺の商売だからな! はははっ! 痛ッ、3回目!」
「ブヒヒヒヒヒッ!」
「パンを口に詰めておいたらどうだ?」
「へっへっへっ。そうしやす」
それはそうと、はたから見ると、並んだ馬の背中に寝転がる人間きめえな。
「え?」
「ほら。遠慮するな。骨折くらいなら治るポーションだ。これをくれたのは、人を助けることに見返りを求めるような人じゃない。ほら、飲め」
「あ、いや」
「大丈夫だって。かなりの高級品だと思うから気後れするのは分かる。でも、元気になった姿を見せれば、それが最大の感謝だ。な。飲めって」
「あ、いや、えっと……。革袋に2杯も水を貰ったから……。もう、飲めない……」
\ バッドコミュニケーション /
「……! そ、そうだよな! ちょっと待ってくれ。おーい。シャル。なんか、パサパサしている食べ物ない? 回復ポーションが飲みたくなるようなやつ。なかったら、パンをくれ」
「分かった。パサパサというと、パンくらいしかない」
魔法の革袋の性能が良すぎて、食べ物が新鮮なままだからなあ。乾燥したパンなんてないか。
「着替えのパンツがあるみゃ!」
「駄目に決まってんだろ! シャル、パンをくれ!」
「わっ、わた、私のパンツでなにをするつもりだ! 喉が渇くまで口の中に入れるのか?!」
下からスカートの中を覗かれないようにちょっと離れた位置で待機してもらっているから、聞こえにくいのかな?
俺はジャンプして上に移動する。
「パンはパンでも食べれるパンってな~んだ」
「みゃ?」
「急になにを言っているんだ?」
「ブヒブヒ?」
「ブルルルルル……」
「な、なんで、みんなしてそんな冷たい目で見るんだ。アウェイすぎるんだが」
「だって、お前が私のパンツを口に含んで、喉が渇くまで吸いたいって言うから……」
「食べるパンをくれっていったんだ。小麦をこねて、よくしらんけどなんか酵母を混ぜてから発酵させて焼成する普通のパンだ」
「そうならそうと最初から言え。なんのために脱いだと思っているんだ」
「……え?」
……なんのために脱いだと思っているんだ?
シャルロットが魔法の革袋からパンを取りだした。
俺はそれを受け取る。
……なんのために脱いだと思っているんだ?
「ほら。倒れた人は腹も空かせているだろう? 早く持って行ってあげたらどうだ」
「あ、ああ」
……なんのために脱いだと思っているんだ?
俺は下に飛び降りる瞬間、ちょっと期待してシャルロットの方を見ながら落下。
スカートの中……!
くっ、見え……。
太ももの付け根まで見えて、いよいよ、パンツかノーパンかってところで地面の縁が視界に達し、シャルロットの姿は見えなくなった。
……。
「どうして、そんなに上を凝視しているんですか? 上に何か?」
「いや、なんでもない。ほら。腹が減ってるだろ? いきなり喉が渇くとも思えないが、これで空腹を癒やしつつ、口の中を乾かしてくれ」
俺はパンを男に与えた。
「すまねえ。なにから何まで……。高そうな白パンだな……」
うん。
庶民が食べるような、いろいろ混ざった茶色いパンじゃなくて、上質な小麦粉だけでつくった高級品だよ。俺すらシャルから貰うまでこんないいパン食べたことなかった……。
それはそれとして、あまり白パンというな。絶対、白いパンツ方面でまた勘違いが進む。
俺は段差の上に戻る。
「倒れていた人の命に別状はない。すぐに歩けるわけでもなさそうだから、馬の背に乗せて運ぶよ。シャルとサフィは待っててくれ」
段差を迂回して3頭の馬を男の元に連れ戻る。
「近くの村まで運ぶよ。揺れるけど我慢しろよ」
「う、馬なんて乗ったことねえよ」
「大丈夫。乗馬技術は不要だ。寝ているだけでいい」
「え?」
俺は男を持ち上げ、並んだ3頭の馬に仰向けに寝かせた。
「え? ちょ、ちょっと、旅のお方。これ、何か変じゃないですか?」
「気にするな」
「え、いや、でも、馬って座って乗るものでは」
「気にするな」
「ヒヒブフハ」
「待って! 変な鳴き声が聞こえた! しかも若干『気にするな』って言っているように聞こえた!」
「気にするな。俺の馬は賢い」
「気になりますよ!」
「……くっ。あんたは正しい。気になるよな……!」
「ブヒヒヒヒッ!」
俺はステータスウインドウを表示して、馬たちを枠内に歩かせる。
こうして男を運んでいくことにした。
「どこから来たんだ?」
「北から来た」
「……そうか。じゃあ、北に行くけど、いい?」
「はい」
方向は同じだ。
元の位置に戻ってシャルロット達と合流したら、次の村への移動を再開だ。
「あ。そういや名乗ってなかった。俺はアーサー。あっちはシャルロットとサフィ」
「俺は旅芸人のジャロンってんだ。アーサーさんよろしくな。シャルさんとサフィさんも、俺からはどこにいるかも分からないが、よろしくな」
ジャロンの体力は大分回復してきたらしく、だいぶ声に張りが出てきた。
「ああ。よろしく。シャルロットだ」
「よろしくみゃ。サフィみゃ」
シャルロット、サフィ、ブランシュ・ネージュ、俺の馬×3+ジャロン、俺という縦列で道を進む。
「なあ、ジャロンはあんなところで転んで落ちたんだ?」
「いやあ、それが、客が俺の芸にケチをつけて、ボッコボコのリンチにあって、そこに捨てられたのさ」
「ブッヒブヒ?」
「ああ。ボッコボコさ。って、俺、馬と会話した?! 痛あっ! 舌、噛んだ!」
「ははっ。俺の馬は主に似て賢いんだよ」
「フンフヒ~?」
「本当に~? って言ってません?」
「言ってないよ」
「いや、それにしても、ほんと、アーサー様様だよ。見つけてくれなかったら餓死してたかもしんねえ! ありがとうな!」
「ブヒヒ」
「悲惨な目に遭っておいて明るいなあ」
「まあな! おちんこ出たってしょがねえ、じゃねえ、おちこんだってしょうがねえ。痛あっ! 舌、噛んだ! 2回目だ! 明るく元気に客を笑わすのが俺の商売だからな! はははっ! 痛ッ、3回目!」
「ブヒヒヒヒヒッ!」
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