28 / 266
28 船旅
俺たちが乗船したのは、中規模の貨物船だった。
荷物の輸送がメインの船なので、客室はさほど立派なものではなかったが、ノア曰く「節約のためには仕方ない。」らしい。
船旅自体、俺も妻も元の世界を含め初めての経験だ。
多少船酔いの心配をしていたが、防具に付与されている「状態異常無効」の効果により、杞憂に終わった。
「風が気持ちいいね!」
妻はご機嫌で、ずっと甲板からの景色を眺めていた。
ゆっくりと移り変わっていく風景が物珍しいようだ。
俺はというと、その隣で魔法の訓練を行っていた。
魔法のセンスは、俺よりも明らかに妻のほうが高い。
そんなわけで、細やかな魔法の調節も妻は難なくこなせるようになったが、俺はいまだに苦戦しているのだ。
魔法の発動や身につけた魔法の数なんかは及第点をもらえているが、微細な調整に至っては「もう少しだね。」と厳しい評価しかもらえていない。
そのため船旅の最中も、こうしてノアの監督のもと魔法の鍛錬をする羽目になったのである。
「伊月くん、ちゃんと集中して。」
少し考え事をしているうちに、集中が切れてしまったらしい。
水球の形をきれいな円形にキープし続ける訓練をしていたのだが、いつの間にか形が歪んでしまっている。
慌てて形を整え、魔法の維持に神経を傾ける。
ただ、かれこれ2時間近くこの水球を維持しているんだ。
多少形が歪んでも見逃してほしい、とも思ってしまう。
「……伊月くん?」
どうやらそんな俺の考えも、彼には筒抜けらしい。
バツの悪さを感じながら、鍛錬に集中する。
それから、どのくらいの時間が経っただろう。
高い位置にあった太陽もだいぶ傾き、あたりが薄暗くなっている。
妻とノアの姿も見えないが、部屋に戻ったのだろうか。
「声くらいかけてくれればいいのに……。」
ブツブツ言いながら船内に入り、客室を目指す。
さほど広くない船だが、扉のデザインは一律でプレートなどの目印も一切ないため、気を抜くと迷子になりそうだ。
扉の数を一つ一つ数えながら、客室前にたどり着いた。
万が一間違えていてはいけないから、不用意にドアを開けず、ノックをする。
しばらく待ったが、反応はない。
困ってドアノブに手をかけたが、鍵が掛かっていて開かなかった。
船内を散策しているのだろうか?
それとも、食堂にでも行ったのかもしれない。
踵を返して、ひとまず食堂を目指すことにする。
そんな俺の背中を、緊張した声が引き止めた。
「あ、あの……!」
声の方を振り向くと、娘と同じ年頃と思われる少女が立っていた。
地味な服装をしているが、使われている生地は上等そうだ。
いいところのお嬢さんなのかもしれない。
「どうかしましたか?」
丁寧な口調で返す。
ノアからこの世界は身分の差が大きいと聞いていた。
彼女がもしも本当に良家の娘だったら、言動によっては投獄の可能性もあるだろう。
俺の口調が穏やかだったことに安堵したのか、少女は少しだけ緊張を緩めた様子だった。
「同室の子たちなら、食堂に行くと行ってましたわよ。」
「これはありがとうございます。行ってみます。」
「あの、わ、私も同行してよろしいかしら?その、食堂に行きたいのですけれど、一人では……。」
もごもごと口ごもる少女は、どうやら食堂への行き方がわからないらしい。
素直に助けを求められない姿を微笑ましく思いながら、彼女の提案を了承する。
食堂への道すがら話を聞いていると、どうやら彼女は本当にお忍びで乗船している貴族令嬢らしい。
初対面の男にそんな話をしてもいいものなのかと、よその子ながら心配になる。
護衛はいないのかと訊ねたところ、どうやら撒いてしまったらしい。
護衛対象のお嬢さんを見失ってしまった見知らぬ相手を不憫に思っていると、食堂の扉の前に到着した。
食堂内では、妻とノアがお茶をしていた。
空いたお皿がテーブルに残っているところを見ると、どうやら遅めのおやつを楽しんでいたようだ。
妻が俺の姿を見つけて手を振ったが、俺の横の少女に目を向けて固まっている。
「やあ、伊月くん。かわいいお嬢さんといっしょなんだね。」
茶化すようにノアがいうと、妻の頰がみるみる膨らんだ。
口を尖らせているからどうやらおこっているらしいが、変顔をしているようにしか見えない。
思わず笑ってしまうと、妻が「浮気はダメなんだよ!」と俺を睨みつける。
「う、浮気なんて……!」
妻の言葉に驚いたのは、少女のようだった。
白い頬を赤く染め、困り果てた顔をしている。
「浮気じゃないよ。詩織たちが食堂に行ったって教えてくれた、親切なお嬢さんだよ。彼女も食堂に用があるというから、いっしょに来たんだ。」
俺の言葉に妻のほっぺはしぼみ、尖っていた唇には笑みが浮かぶ。
「……なーんだ。勘違いしてごめんね?」
ペコリと頭を下げた妻に、少女がほっとして息を吐いた。
妻が敬語を使わなかったことが不敬に当たらないかドキッとしたが、少女はどうやら気にしていないらしい。
「別によろしくてよ!私こそ、誤解させてしまったようでごめんなさいね。食堂への行き方がわからなかったから、案内してもらったの。」
先程はあんなに口ごもっていたのに、妻を安心させようとすべて正直に話してくれている。
貴族というと高慢なイメージもあったが、どうやら心根の優しい子のようだ。
「お姉ちゃん、お名前は?詩織は、詩織って名前だよ!」
「シオリ……。珍しいけれど、いいお名前ね。異国の方なのかしら?私はリオナ。この船の行き先の街で暮らしているのよ。」
「リオナ?」
「こらっ、呼び捨てにしない!」
さすがに失礼すぎるだろうと慌てて注意するも、妻は何がいけなかったのかわからないようで、キョトンとしていた。
しばらくして、「あ、リオナちゃんって言ったほうがいいね!」などというので、どう説明すればいいものか頭を抱える。
ノアに助けを求める視線を送ったが、にこやかにスルーされてしまった。
そんな俺たちの様子に、リオナがクスクスた笑った。
「そんなに気を使わないで頂戴。好きに呼んでくれて構わないわ。私も、シオリと呼んでいいかしら?」
「うん、リオナちゃん!」
友だちができて嬉しいと言わんばかりの表情をしている妻に、俺は苦笑いするしかなかった。
そのとき、厨房の奥でカタンと音がした。
何でもない音のはずなのに、なぜか無性に引っかかって目線を向ける。
するとノアが「……そろそろかな?」と呟いた。
嫌な予感がして「何が……?」と訊ねる俺に、満面の笑みでノアが答える。
「次のステップは対人戦だよ。いざというときまで手助けはしないから、頑張ってね。」
そんな言葉の真意を確かめる前に、厨房の奥から複数のイカツイ男たちが姿を現した。
その手には、武器がしっかりと握られている。
嘘だろ、と半ば絶望的な気持ちになりながらも、突然登場した男たちに身を固くしている妻とリオナを背に庇った。
荷物の輸送がメインの船なので、客室はさほど立派なものではなかったが、ノア曰く「節約のためには仕方ない。」らしい。
船旅自体、俺も妻も元の世界を含め初めての経験だ。
多少船酔いの心配をしていたが、防具に付与されている「状態異常無効」の効果により、杞憂に終わった。
「風が気持ちいいね!」
妻はご機嫌で、ずっと甲板からの景色を眺めていた。
ゆっくりと移り変わっていく風景が物珍しいようだ。
俺はというと、その隣で魔法の訓練を行っていた。
魔法のセンスは、俺よりも明らかに妻のほうが高い。
そんなわけで、細やかな魔法の調節も妻は難なくこなせるようになったが、俺はいまだに苦戦しているのだ。
魔法の発動や身につけた魔法の数なんかは及第点をもらえているが、微細な調整に至っては「もう少しだね。」と厳しい評価しかもらえていない。
そのため船旅の最中も、こうしてノアの監督のもと魔法の鍛錬をする羽目になったのである。
「伊月くん、ちゃんと集中して。」
少し考え事をしているうちに、集中が切れてしまったらしい。
水球の形をきれいな円形にキープし続ける訓練をしていたのだが、いつの間にか形が歪んでしまっている。
慌てて形を整え、魔法の維持に神経を傾ける。
ただ、かれこれ2時間近くこの水球を維持しているんだ。
多少形が歪んでも見逃してほしい、とも思ってしまう。
「……伊月くん?」
どうやらそんな俺の考えも、彼には筒抜けらしい。
バツの悪さを感じながら、鍛錬に集中する。
それから、どのくらいの時間が経っただろう。
高い位置にあった太陽もだいぶ傾き、あたりが薄暗くなっている。
妻とノアの姿も見えないが、部屋に戻ったのだろうか。
「声くらいかけてくれればいいのに……。」
ブツブツ言いながら船内に入り、客室を目指す。
さほど広くない船だが、扉のデザインは一律でプレートなどの目印も一切ないため、気を抜くと迷子になりそうだ。
扉の数を一つ一つ数えながら、客室前にたどり着いた。
万が一間違えていてはいけないから、不用意にドアを開けず、ノックをする。
しばらく待ったが、反応はない。
困ってドアノブに手をかけたが、鍵が掛かっていて開かなかった。
船内を散策しているのだろうか?
それとも、食堂にでも行ったのかもしれない。
踵を返して、ひとまず食堂を目指すことにする。
そんな俺の背中を、緊張した声が引き止めた。
「あ、あの……!」
声の方を振り向くと、娘と同じ年頃と思われる少女が立っていた。
地味な服装をしているが、使われている生地は上等そうだ。
いいところのお嬢さんなのかもしれない。
「どうかしましたか?」
丁寧な口調で返す。
ノアからこの世界は身分の差が大きいと聞いていた。
彼女がもしも本当に良家の娘だったら、言動によっては投獄の可能性もあるだろう。
俺の口調が穏やかだったことに安堵したのか、少女は少しだけ緊張を緩めた様子だった。
「同室の子たちなら、食堂に行くと行ってましたわよ。」
「これはありがとうございます。行ってみます。」
「あの、わ、私も同行してよろしいかしら?その、食堂に行きたいのですけれど、一人では……。」
もごもごと口ごもる少女は、どうやら食堂への行き方がわからないらしい。
素直に助けを求められない姿を微笑ましく思いながら、彼女の提案を了承する。
食堂への道すがら話を聞いていると、どうやら彼女は本当にお忍びで乗船している貴族令嬢らしい。
初対面の男にそんな話をしてもいいものなのかと、よその子ながら心配になる。
護衛はいないのかと訊ねたところ、どうやら撒いてしまったらしい。
護衛対象のお嬢さんを見失ってしまった見知らぬ相手を不憫に思っていると、食堂の扉の前に到着した。
食堂内では、妻とノアがお茶をしていた。
空いたお皿がテーブルに残っているところを見ると、どうやら遅めのおやつを楽しんでいたようだ。
妻が俺の姿を見つけて手を振ったが、俺の横の少女に目を向けて固まっている。
「やあ、伊月くん。かわいいお嬢さんといっしょなんだね。」
茶化すようにノアがいうと、妻の頰がみるみる膨らんだ。
口を尖らせているからどうやらおこっているらしいが、変顔をしているようにしか見えない。
思わず笑ってしまうと、妻が「浮気はダメなんだよ!」と俺を睨みつける。
「う、浮気なんて……!」
妻の言葉に驚いたのは、少女のようだった。
白い頬を赤く染め、困り果てた顔をしている。
「浮気じゃないよ。詩織たちが食堂に行ったって教えてくれた、親切なお嬢さんだよ。彼女も食堂に用があるというから、いっしょに来たんだ。」
俺の言葉に妻のほっぺはしぼみ、尖っていた唇には笑みが浮かぶ。
「……なーんだ。勘違いしてごめんね?」
ペコリと頭を下げた妻に、少女がほっとして息を吐いた。
妻が敬語を使わなかったことが不敬に当たらないかドキッとしたが、少女はどうやら気にしていないらしい。
「別によろしくてよ!私こそ、誤解させてしまったようでごめんなさいね。食堂への行き方がわからなかったから、案内してもらったの。」
先程はあんなに口ごもっていたのに、妻を安心させようとすべて正直に話してくれている。
貴族というと高慢なイメージもあったが、どうやら心根の優しい子のようだ。
「お姉ちゃん、お名前は?詩織は、詩織って名前だよ!」
「シオリ……。珍しいけれど、いいお名前ね。異国の方なのかしら?私はリオナ。この船の行き先の街で暮らしているのよ。」
「リオナ?」
「こらっ、呼び捨てにしない!」
さすがに失礼すぎるだろうと慌てて注意するも、妻は何がいけなかったのかわからないようで、キョトンとしていた。
しばらくして、「あ、リオナちゃんって言ったほうがいいね!」などというので、どう説明すればいいものか頭を抱える。
ノアに助けを求める視線を送ったが、にこやかにスルーされてしまった。
そんな俺たちの様子に、リオナがクスクスた笑った。
「そんなに気を使わないで頂戴。好きに呼んでくれて構わないわ。私も、シオリと呼んでいいかしら?」
「うん、リオナちゃん!」
友だちができて嬉しいと言わんばかりの表情をしている妻に、俺は苦笑いするしかなかった。
そのとき、厨房の奥でカタンと音がした。
何でもない音のはずなのに、なぜか無性に引っかかって目線を向ける。
するとノアが「……そろそろかな?」と呟いた。
嫌な予感がして「何が……?」と訊ねる俺に、満面の笑みでノアが答える。
「次のステップは対人戦だよ。いざというときまで手助けはしないから、頑張ってね。」
そんな言葉の真意を確かめる前に、厨房の奥から複数のイカツイ男たちが姿を現した。
その手には、武器がしっかりと握られている。
嘘だろ、と半ば絶望的な気持ちになりながらも、突然登場した男たちに身を固くしている妻とリオナを背に庇った。
あなたにおすすめの小説
最強の異世界やりすぎ旅行記
萩場ぬし
ファンタジー
主人公こと小鳥遊 綾人(たかなし あやと)はある理由から毎日のように体を鍛えていた。
そんなある日、突然知らない真っ白な場所で目を覚ます。そこで綾人が目撃したものは幼い少年の容姿をした何か。そこで彼は告げられる。
「なんと! 君に異世界へ行く権利を与えようと思います!」
バトルあり!笑いあり!ハーレムもあり!?
最強が無双する異世界ファンタジー開幕!
神樹の里で暮らす創造魔法使い ~幻獣たちとののんびりライフ~
あきさけ
ファンタジー
貧乏な田舎村を追い出された少年〝シント〟は森の中をあてどなくさまよい一本の新木を発見する。
それは本当に小さな新木だったがかすかな光を帯びた不思議な木。
彼が不思議そうに新木を見つめているとそこから『私に魔法をかけてほしい』という声が聞こえた。
シントが唯一使えたのは〝創造魔法〟といういままでまともに使えた試しのないもの。
それでも森の中でこのまま死ぬよりはまだいいだろうと考え魔法をかける。
すると新木は一気に生長し、天をつくほどの巨木にまで変化しそこから新木に宿っていたという聖霊まで姿を現した。
〝この地はあなたが創造した聖地。あなたがこの地を去らない限りこの地を必要とするもの以外は誰も踏み入れませんよ〟
そんな言葉から始まるシントののんびりとした生活。
同じように行き場を失った少女や幻獣や精霊、妖精たちなど様々な面々が集まり織りなすスローライフの幕開けです。
※この小説はカクヨム様でも連載しています。アルファポリス様とカクヨム様以外の場所では公開しておりません。
異世界で快適な生活するのに自重なんかしてられないだろ?
お子様
ファンタジー
机の引き出しから過去未来ではなく異世界へ。
飛ばされた世界で日本のような快適な生活を過ごすにはどうしたらいい?
自重して目立たないようにする?
無理無理。快適な生活を送るにはお金が必要なんだよ!
お金を稼ぎ目立っても、問題無く暮らす方法は?
主人公の考えた手段は、ドン引きされるような内容だった。
(実践出来るかどうかは別だけど)
キャンピングカーで走ってるだけで異世界が平和になるそうです~万物生成系チートスキルを添えて~
サメのおでこ
ファンタジー
手違いだったのだ。もしくは事故。
ヒトと魔族が今日もドンパチやっている世界。行方不明の勇者を捜す使命を帯びて……訂正、押しつけられて召喚された俺は、スキル≪物質変換≫の使い手だ。
木を鉄に、紙を鋼に、雪をオムライスに――あらゆる物質を望むがままに変換してのけるこのスキルは、しかし何故か召喚師から「役立たずのド三流」と罵られる。その挙げ句、人界の果てへと魔法で追放される有り様。
そんな俺は、≪物質変換≫でもって生き延びるための武器を生み出そうとして――キャンピングカーを創ってしまう。
もう一度言う。
手違いだったのだ。もしくは事故。
出来てしまったキャンピングカーで、渋々出発する俺。だが、実はこの平和なクルマには俺自身も知らない途方もない力が隠されていた!
そんな俺とキャンピングカーに、ある願いを託す人々が現れて――
※本作は他サイトでも掲載しています
はずれスキル念動力(ただしレベルMAX)で無双する~手をかざすだけです。詠唱とか必殺技とかいりません。念じるだけで倒せます~
さとう
ファンタジー
10歳になると、誰もがもらえるスキル。
キネーシス公爵家の長男、エルクがもらったスキルは『念動力』……ちょっとした物を引き寄せるだけの、はずれスキルだった。
弟のロシュオは『剣聖』、妹のサリッサは『魔聖』とレアなスキルをもらい、エルクの居場所は失われてしまう。そんなある日、後継者を決めるため、ロシュオと決闘をすることになったエルク。だが……その決闘は、エルクを除いた公爵家が仕組んだ『処刑』だった。
偶然の『事故』により、エルクは生死の境をさまよう。死にかけたエルクの魂が向かったのは『生と死の狭間』という不思議な空間で、そこにいた『神様』の気まぐれにより、エルクは自分を鍛えなおすことに。
二千年という長い時間、エルクは『念動力』を鍛えまくる。
現世に戻ったエルクは、十六歳になって目を覚ました。
はずれスキル『念動力』……ただしレベルMAXの力で無双する!!
追放されたので田舎でスローライフするはずが、いつの間にか最強領主になっていた件
言諮 アイ
ファンタジー
「お前のような無能はいらない!」
──そう言われ、レオンは王都から盛大に追放された。
だが彼は思った。
「やった!最高のスローライフの始まりだ!!」
そして辺境の村に移住し、畑を耕し、温泉を掘り当て、牧場を開き、ついでに商売を始めたら……
気づけば村が巨大都市になっていた。
農業改革を進めたら周囲の貴族が土下座し、交易を始めたら王国経済をぶっ壊し、温泉を作ったら各国の王族が観光に押し寄せる。
「俺はただ、のんびり暮らしたいだけなんだが……?」
一方、レオンを追放した王国は、バカ王のせいで経済崩壊&敵国に占領寸前!
慌てて「レオン様、助けてください!!」と泣きついてくるが……
「ん? ちょっと待て。俺に無能って言ったの、どこのどいつだっけ?」
もはや世界最強の領主となったレオンは、
「好き勝手やった報い? しらんな」と華麗にスルーし、
今日ものんびり温泉につかるのだった。
ついでに「真の愛」まで手に入れて、レオンの楽園ライフは続く──!
狼の子 ~教えてもらった常識はかなり古い!?~
一片
ファンタジー
バイト帰りに何かに引っ張られた俺は、次の瞬間突然山の中に放り出された。
しかも体をピクリとも動かせない様な瀕死の状態でだ。
流石に諦めかけていたのだけど、そんな俺を白い狼が救ってくれた。
その狼は天狼という神獣で、今俺がいるのは今までいた世界とは異なる世界だという。
右も左も分からないどころか、右も左も向けなかった俺は天狼さんに魔法で癒され、ついでに色々な知識を教えてもらう。
この世界の事、生き延び方、戦う術、そして魔法。
数年後、俺は天狼さんの庇護下から離れ新しい世界へと飛び出した。
元の世界に戻ることは無理かもしれない……でも両親に連絡くらいはしておきたい。
根拠は特にないけど、魔法がある世界なんだし……連絡くらいは出来るよね?
そんな些細な目標と、天狼さん以外の神獣様へとお使いを頼まれた俺はこの世界を東奔西走することになる。
色々な仲間に出会い、ダンジョンや遺跡を探索したり、何故か謎の組織の陰謀を防いだり……。
……これは、現代では失われた強大な魔法を使い、小さな目標とお使いの為に大陸をまたにかける小市民の冒険譚!
スマホアプリで衣食住確保の異世界スローライフ 〜面倒なことは避けたいのに怖いものなしのスライムと弱気なドラゴンと一緒だとそうもいかず〜
もーりんもも
ファンタジー
命より大事なスマホを拾おうとして命を落とした俺、武田義経。
ああ死んだと思った瞬間、俺はスマホの神様に祈った。スマホのために命を落としたんだから、お慈悲を!
目を開けると、俺は異世界に救世主として召喚されていた。それなのに俺のステータスは平均よりやや上といった程度。
スキル欄には見覚えのある虫眼鏡アイコンが。だが異世界人にはただの丸印に見えたらしい。
何やら漂う失望感。結局、救世主ではなく、ただの用無しと認定され、宮殿の使用人という身分に。
やれやれ。スキル欄の虫眼鏡をタップすると検索バーが出た。
「ご飯」と検索すると、見慣れたアプリがずらずらと! アプリがダウンロードできるんだ!
ヤバくない? 不便な異世界だけど、楽してダラダラ生きていこう――そう思っていた矢先、命を狙われ国を出ることに。
ひょんなことから知り合った老婆のお陰でなんとか逃げ出したけど、気がつけば、いつの間にかスライムやらドラゴンやらに囲まれて、どんどん不本意な方向へ……。
2025/04/04-06 HOTランキング1位をいただきました! 応援ありがとうございます!
※AI学習禁止・無断転載禁止・無断翻訳禁止・無断朗読禁止