119 / 266
特別編(10)懇願
魔物の討伐をはじめて、数ヶ月が過ぎたころ、勇司は王に呼び出されていた。
応接間には、疲れ切った顔の王と困り顔のロエナ。
挨拶もそこそこに、勇司はソファに座るよう促された。
「……どうかされたんですか?」
勇司が問いかけると、王は少し悩んでから、渋々といった様子で口を開いた。
「君に行ってほしい土地がある」
「新しい救援要請ですか?」
「ああ。……だが、気が進まなければ断ってくれてかまわない」
救援要請は、さまざまな地域から寄せられている。
その中から緊急度の高い順に、討伐区域に加えていた。
緊急度は、被害状況や魔物の数・種類などの複数の要素を考慮して決定している。
勇司たち魔王討伐メンバーだけでなく、国の重鎮たちや研究者などの意見も参考にしている。
それらを度外視しても、早急に救援を送るべき地域とは、どこなのだろうか?
加えて、緊急度の高い地域だというにもかかわらず、拒否することも考慮の上だというのが勇司には不可解に思えた。
「あの……そこは一体……」
「……辺境伯領だ」
「辺境伯領?」
「ああ、北の辺境伯領だ。この国で一番大きなダンジョンがあるため、被害状況は深刻なのだ」
「なら、すぐにでも救援に……」
「ユージ」
勇司の言葉を、ロエナが遮る。
戸惑う勇司に、王がため息をついて訊ねる。
「北の辺境伯は、現時点ではまだシャルロッテ嬢の婚約者だ。金の力でシャルロッテ譲と婚約した相手は、ユージにとって好ましくはないだろう」
「……っ!そうか、シャルの……」
生家で虐待を受けて育ったシャルロッテは、成人したら北の辺境伯の後妻として嫁ぐことが決まっていた。
辺境伯は、シャルロッテの祖父といってもおかしくない年齢だ。
シャルロッテを想っての婚約だという話もあったが、事実かどうかわからない状況では、確かに勇司にとっては面白くない相手だといえるだろう。
しかし、勇司は迷わず言った。
「誰の治める土地であったとしても、困っている人がいるのなら俺は助けに行きたいです。それに、妹と無理に婚約したことを理由に救援を断るのは、筋が通りません」
「……恩に着る」
王は勇司に頭を下げた。
王がそこまでするということは、それほど事態は逼迫しているということだろう。
一刻も早い出発を希望すると王に伝え、2日後に王都を発つことが決まった。
※
「どうしてダメなの?!」
その日の夜、勇司の部屋に押しかけてきて、頬をぷっくり膨らませて怒っているのはシャルロッテだった。
勇司は妹に甘いが、今回ばかりは譲る気はないときつく言い放つ。
「……お願い、私、どうしても辺境伯領に行きたいの」
涙を滲ませながらシャルロッテが言う。
勇司は困り顔をしつつも、危険が伴うたびに妹を連れて行く気にはどうしてもなれなかった。
「シャル、遊びに行くわけじゃないんだ。危ないから、留守番していてくれよ」
「……ちゃんとお兄ちゃんたちの言うこと、聞きます。だからお願い……」
「なんでそこまで……」
勇司たちが北の辺境伯領へ向かうことを知ったシャルロッテは、自分も同行したいと言ってきかなかった。
普段わがままひとつ言わない妹をたしなめながら、勇司は困り果てていた。
「シャルはどうしてそこまで辺境伯領へ行きたいのかしら?」
北の辺境伯領までの道のりの確認のため、勇司の部屋を訪れていたロエナが言う。
ロエナも、いつになく頑ななシャルロッテに戸惑っていた。
「……辺境伯様は、私の母の遠縁にあたる方だと聞きました。私には憑依前のシャルロッテの記憶はありますが、母の記憶はあいまいで……。でも、すごく優しい人だったことだけははっきりと覚えているんです。辺境伯様にお会いして、母の話を少しでも聞きたくて……」
元の世界で病死した勇司の妹の茜は、この異世界でシャルロッテに憑依した。
本物のシャルロッテは死んでしまったが、その記憶は今のシャルロッテに引き継がれている。
シャルロッテは、元の世界でもこの世界でも、両親からの愛情を得ることは叶わなかった。
そんな彼女が、優しかった母の面影を求めるのは当然のことなのかもしれない。
「……でも、だめだ。危険すぎる」
苦しそうな表情で、勇司が言った。
勇司も、できることなら妹の願いを叶えてやりたい。
しかし、命の危機にさらされるとなれば、話は別だ。
やっと再会できた家族を、みすみす危険にさらすことはしたくない。
二人の間に、重苦しい空気が流れる。
それに耐えかねて、ロエナが口を開く。
「シャル。ユージは遊びに行くのではなく、困っている人々を救うために旅に出る。それはわかっていますね?」
「……はい」
「あなたはまだ子どもで、守られるべき存在です。危険な場所へ足を運ぶ必要はありません」
「……わかっています……」
瞳いっぱいに涙をため、震える声でシャルロッテが答える。
そんなシャルロッテを、ロエナはそっと抱きしめた。
「それでも……あなたはどうしても、お母様のことが知りたいのね?シャルを愛してくれたお母様がいたことを、確かめたいのかしら?」
「……っ」
「ねえ、ユージ?辺境伯はもう高齢ですし、この危機的状況です。今回を逃せば、シャルは二度とお母様の話を聞くことができなくなってしまうかもしれない。そうすると、シャルの心には大きなしこりが残ってしまうのではないかしら?」
ロエナは、まっすぐ勇司を見つめて微笑んだ。
「私もできれば、シャルには安全なところにいてほしい。けれど、シャルが後悔することがないよう、辺境伯に会わせてあげたいと思うの。私が全力でシャルを守ってみせるから、どうか同行を許可してあげられないかしら?」
「ロエナ……」
勇司はしばらく頭を抱えたあと、低いうなり声をあげた。
そしてワシワシと頭を掻き、ため息をつく。
「……わかったよ」
「本当?!」
勇司の言葉に、シャルロッテが目を輝かせる。
勇司は観念したように笑って、シャルロッテの頭を撫でながら言った。
「ただし、絶対に無理はせず、自分の身の安全を最優先にすること。その約束が守れないなら、連れていけない」
「わかった!約束する」
「……みんなの言うこと、ちゃんと聞くんだぞ?」
「うん!……お兄ちゃん、姫様、ありがとう……!」
これから、王たちにシャルロッテの同行の許可をとるのに苦労しそうだな、と思いつつも、勇司とロエナは顔を見合わせて笑った。
シャルロッテも安心したのか、泣きながら笑っていた。
応接間には、疲れ切った顔の王と困り顔のロエナ。
挨拶もそこそこに、勇司はソファに座るよう促された。
「……どうかされたんですか?」
勇司が問いかけると、王は少し悩んでから、渋々といった様子で口を開いた。
「君に行ってほしい土地がある」
「新しい救援要請ですか?」
「ああ。……だが、気が進まなければ断ってくれてかまわない」
救援要請は、さまざまな地域から寄せられている。
その中から緊急度の高い順に、討伐区域に加えていた。
緊急度は、被害状況や魔物の数・種類などの複数の要素を考慮して決定している。
勇司たち魔王討伐メンバーだけでなく、国の重鎮たちや研究者などの意見も参考にしている。
それらを度外視しても、早急に救援を送るべき地域とは、どこなのだろうか?
加えて、緊急度の高い地域だというにもかかわらず、拒否することも考慮の上だというのが勇司には不可解に思えた。
「あの……そこは一体……」
「……辺境伯領だ」
「辺境伯領?」
「ああ、北の辺境伯領だ。この国で一番大きなダンジョンがあるため、被害状況は深刻なのだ」
「なら、すぐにでも救援に……」
「ユージ」
勇司の言葉を、ロエナが遮る。
戸惑う勇司に、王がため息をついて訊ねる。
「北の辺境伯は、現時点ではまだシャルロッテ嬢の婚約者だ。金の力でシャルロッテ譲と婚約した相手は、ユージにとって好ましくはないだろう」
「……っ!そうか、シャルの……」
生家で虐待を受けて育ったシャルロッテは、成人したら北の辺境伯の後妻として嫁ぐことが決まっていた。
辺境伯は、シャルロッテの祖父といってもおかしくない年齢だ。
シャルロッテを想っての婚約だという話もあったが、事実かどうかわからない状況では、確かに勇司にとっては面白くない相手だといえるだろう。
しかし、勇司は迷わず言った。
「誰の治める土地であったとしても、困っている人がいるのなら俺は助けに行きたいです。それに、妹と無理に婚約したことを理由に救援を断るのは、筋が通りません」
「……恩に着る」
王は勇司に頭を下げた。
王がそこまでするということは、それほど事態は逼迫しているということだろう。
一刻も早い出発を希望すると王に伝え、2日後に王都を発つことが決まった。
※
「どうしてダメなの?!」
その日の夜、勇司の部屋に押しかけてきて、頬をぷっくり膨らませて怒っているのはシャルロッテだった。
勇司は妹に甘いが、今回ばかりは譲る気はないときつく言い放つ。
「……お願い、私、どうしても辺境伯領に行きたいの」
涙を滲ませながらシャルロッテが言う。
勇司は困り顔をしつつも、危険が伴うたびに妹を連れて行く気にはどうしてもなれなかった。
「シャル、遊びに行くわけじゃないんだ。危ないから、留守番していてくれよ」
「……ちゃんとお兄ちゃんたちの言うこと、聞きます。だからお願い……」
「なんでそこまで……」
勇司たちが北の辺境伯領へ向かうことを知ったシャルロッテは、自分も同行したいと言ってきかなかった。
普段わがままひとつ言わない妹をたしなめながら、勇司は困り果てていた。
「シャルはどうしてそこまで辺境伯領へ行きたいのかしら?」
北の辺境伯領までの道のりの確認のため、勇司の部屋を訪れていたロエナが言う。
ロエナも、いつになく頑ななシャルロッテに戸惑っていた。
「……辺境伯様は、私の母の遠縁にあたる方だと聞きました。私には憑依前のシャルロッテの記憶はありますが、母の記憶はあいまいで……。でも、すごく優しい人だったことだけははっきりと覚えているんです。辺境伯様にお会いして、母の話を少しでも聞きたくて……」
元の世界で病死した勇司の妹の茜は、この異世界でシャルロッテに憑依した。
本物のシャルロッテは死んでしまったが、その記憶は今のシャルロッテに引き継がれている。
シャルロッテは、元の世界でもこの世界でも、両親からの愛情を得ることは叶わなかった。
そんな彼女が、優しかった母の面影を求めるのは当然のことなのかもしれない。
「……でも、だめだ。危険すぎる」
苦しそうな表情で、勇司が言った。
勇司も、できることなら妹の願いを叶えてやりたい。
しかし、命の危機にさらされるとなれば、話は別だ。
やっと再会できた家族を、みすみす危険にさらすことはしたくない。
二人の間に、重苦しい空気が流れる。
それに耐えかねて、ロエナが口を開く。
「シャル。ユージは遊びに行くのではなく、困っている人々を救うために旅に出る。それはわかっていますね?」
「……はい」
「あなたはまだ子どもで、守られるべき存在です。危険な場所へ足を運ぶ必要はありません」
「……わかっています……」
瞳いっぱいに涙をため、震える声でシャルロッテが答える。
そんなシャルロッテを、ロエナはそっと抱きしめた。
「それでも……あなたはどうしても、お母様のことが知りたいのね?シャルを愛してくれたお母様がいたことを、確かめたいのかしら?」
「……っ」
「ねえ、ユージ?辺境伯はもう高齢ですし、この危機的状況です。今回を逃せば、シャルは二度とお母様の話を聞くことができなくなってしまうかもしれない。そうすると、シャルの心には大きなしこりが残ってしまうのではないかしら?」
ロエナは、まっすぐ勇司を見つめて微笑んだ。
「私もできれば、シャルには安全なところにいてほしい。けれど、シャルが後悔することがないよう、辺境伯に会わせてあげたいと思うの。私が全力でシャルを守ってみせるから、どうか同行を許可してあげられないかしら?」
「ロエナ……」
勇司はしばらく頭を抱えたあと、低いうなり声をあげた。
そしてワシワシと頭を掻き、ため息をつく。
「……わかったよ」
「本当?!」
勇司の言葉に、シャルロッテが目を輝かせる。
勇司は観念したように笑って、シャルロッテの頭を撫でながら言った。
「ただし、絶対に無理はせず、自分の身の安全を最優先にすること。その約束が守れないなら、連れていけない」
「わかった!約束する」
「……みんなの言うこと、ちゃんと聞くんだぞ?」
「うん!……お兄ちゃん、姫様、ありがとう……!」
これから、王たちにシャルロッテの同行の許可をとるのに苦労しそうだな、と思いつつも、勇司とロエナは顔を見合わせて笑った。
シャルロッテも安心したのか、泣きながら笑っていた。
あなたにおすすめの小説
最強の異世界やりすぎ旅行記
萩場ぬし
ファンタジー
主人公こと小鳥遊 綾人(たかなし あやと)はある理由から毎日のように体を鍛えていた。
そんなある日、突然知らない真っ白な場所で目を覚ます。そこで綾人が目撃したものは幼い少年の容姿をした何か。そこで彼は告げられる。
「なんと! 君に異世界へ行く権利を与えようと思います!」
バトルあり!笑いあり!ハーレムもあり!?
最強が無双する異世界ファンタジー開幕!
神樹の里で暮らす創造魔法使い ~幻獣たちとののんびりライフ~
あきさけ
ファンタジー
貧乏な田舎村を追い出された少年〝シント〟は森の中をあてどなくさまよい一本の新木を発見する。
それは本当に小さな新木だったがかすかな光を帯びた不思議な木。
彼が不思議そうに新木を見つめているとそこから『私に魔法をかけてほしい』という声が聞こえた。
シントが唯一使えたのは〝創造魔法〟といういままでまともに使えた試しのないもの。
それでも森の中でこのまま死ぬよりはまだいいだろうと考え魔法をかける。
すると新木は一気に生長し、天をつくほどの巨木にまで変化しそこから新木に宿っていたという聖霊まで姿を現した。
〝この地はあなたが創造した聖地。あなたがこの地を去らない限りこの地を必要とするもの以外は誰も踏み入れませんよ〟
そんな言葉から始まるシントののんびりとした生活。
同じように行き場を失った少女や幻獣や精霊、妖精たちなど様々な面々が集まり織りなすスローライフの幕開けです。
※この小説はカクヨム様でも連載しています。アルファポリス様とカクヨム様以外の場所では公開しておりません。
異世界で快適な生活するのに自重なんかしてられないだろ?
お子様
ファンタジー
机の引き出しから過去未来ではなく異世界へ。
飛ばされた世界で日本のような快適な生活を過ごすにはどうしたらいい?
自重して目立たないようにする?
無理無理。快適な生活を送るにはお金が必要なんだよ!
お金を稼ぎ目立っても、問題無く暮らす方法は?
主人公の考えた手段は、ドン引きされるような内容だった。
(実践出来るかどうかは別だけど)
キャンピングカーで走ってるだけで異世界が平和になるそうです~万物生成系チートスキルを添えて~
サメのおでこ
ファンタジー
手違いだったのだ。もしくは事故。
ヒトと魔族が今日もドンパチやっている世界。行方不明の勇者を捜す使命を帯びて……訂正、押しつけられて召喚された俺は、スキル≪物質変換≫の使い手だ。
木を鉄に、紙を鋼に、雪をオムライスに――あらゆる物質を望むがままに変換してのけるこのスキルは、しかし何故か召喚師から「役立たずのド三流」と罵られる。その挙げ句、人界の果てへと魔法で追放される有り様。
そんな俺は、≪物質変換≫でもって生き延びるための武器を生み出そうとして――キャンピングカーを創ってしまう。
もう一度言う。
手違いだったのだ。もしくは事故。
出来てしまったキャンピングカーで、渋々出発する俺。だが、実はこの平和なクルマには俺自身も知らない途方もない力が隠されていた!
そんな俺とキャンピングカーに、ある願いを託す人々が現れて――
※本作は他サイトでも掲載しています
追放されたので田舎でスローライフするはずが、いつの間にか最強領主になっていた件
言諮 アイ
ファンタジー
「お前のような無能はいらない!」
──そう言われ、レオンは王都から盛大に追放された。
だが彼は思った。
「やった!最高のスローライフの始まりだ!!」
そして辺境の村に移住し、畑を耕し、温泉を掘り当て、牧場を開き、ついでに商売を始めたら……
気づけば村が巨大都市になっていた。
農業改革を進めたら周囲の貴族が土下座し、交易を始めたら王国経済をぶっ壊し、温泉を作ったら各国の王族が観光に押し寄せる。
「俺はただ、のんびり暮らしたいだけなんだが……?」
一方、レオンを追放した王国は、バカ王のせいで経済崩壊&敵国に占領寸前!
慌てて「レオン様、助けてください!!」と泣きついてくるが……
「ん? ちょっと待て。俺に無能って言ったの、どこのどいつだっけ?」
もはや世界最強の領主となったレオンは、
「好き勝手やった報い? しらんな」と華麗にスルーし、
今日ものんびり温泉につかるのだった。
ついでに「真の愛」まで手に入れて、レオンの楽園ライフは続く──!
狼の子 ~教えてもらった常識はかなり古い!?~
一片
ファンタジー
バイト帰りに何かに引っ張られた俺は、次の瞬間突然山の中に放り出された。
しかも体をピクリとも動かせない様な瀕死の状態でだ。
流石に諦めかけていたのだけど、そんな俺を白い狼が救ってくれた。
その狼は天狼という神獣で、今俺がいるのは今までいた世界とは異なる世界だという。
右も左も分からないどころか、右も左も向けなかった俺は天狼さんに魔法で癒され、ついでに色々な知識を教えてもらう。
この世界の事、生き延び方、戦う術、そして魔法。
数年後、俺は天狼さんの庇護下から離れ新しい世界へと飛び出した。
元の世界に戻ることは無理かもしれない……でも両親に連絡くらいはしておきたい。
根拠は特にないけど、魔法がある世界なんだし……連絡くらいは出来るよね?
そんな些細な目標と、天狼さん以外の神獣様へとお使いを頼まれた俺はこの世界を東奔西走することになる。
色々な仲間に出会い、ダンジョンや遺跡を探索したり、何故か謎の組織の陰謀を防いだり……。
……これは、現代では失われた強大な魔法を使い、小さな目標とお使いの為に大陸をまたにかける小市民の冒険譚!
スマホアプリで衣食住確保の異世界スローライフ 〜面倒なことは避けたいのに怖いものなしのスライムと弱気なドラゴンと一緒だとそうもいかず〜
もーりんもも
ファンタジー
命より大事なスマホを拾おうとして命を落とした俺、武田義経。
ああ死んだと思った瞬間、俺はスマホの神様に祈った。スマホのために命を落としたんだから、お慈悲を!
目を開けると、俺は異世界に救世主として召喚されていた。それなのに俺のステータスは平均よりやや上といった程度。
スキル欄には見覚えのある虫眼鏡アイコンが。だが異世界人にはただの丸印に見えたらしい。
何やら漂う失望感。結局、救世主ではなく、ただの用無しと認定され、宮殿の使用人という身分に。
やれやれ。スキル欄の虫眼鏡をタップすると検索バーが出た。
「ご飯」と検索すると、見慣れたアプリがずらずらと! アプリがダウンロードできるんだ!
ヤバくない? 不便な異世界だけど、楽してダラダラ生きていこう――そう思っていた矢先、命を狙われ国を出ることに。
ひょんなことから知り合った老婆のお陰でなんとか逃げ出したけど、気がつけば、いつの間にかスライムやらドラゴンやらに囲まれて、どんどん不本意な方向へ……。
2025/04/04-06 HOTランキング1位をいただきました! 応援ありがとうございます!
※AI学習禁止・無断転載禁止・無断翻訳禁止・無断朗読禁止
はずれスキル念動力(ただしレベルMAX)で無双する~手をかざすだけです。詠唱とか必殺技とかいりません。念じるだけで倒せます~
さとう
ファンタジー
10歳になると、誰もがもらえるスキル。
キネーシス公爵家の長男、エルクがもらったスキルは『念動力』……ちょっとした物を引き寄せるだけの、はずれスキルだった。
弟のロシュオは『剣聖』、妹のサリッサは『魔聖』とレアなスキルをもらい、エルクの居場所は失われてしまう。そんなある日、後継者を決めるため、ロシュオと決闘をすることになったエルク。だが……その決闘は、エルクを除いた公爵家が仕組んだ『処刑』だった。
偶然の『事故』により、エルクは生死の境をさまよう。死にかけたエルクの魂が向かったのは『生と死の狭間』という不思議な空間で、そこにいた『神様』の気まぐれにより、エルクは自分を鍛えなおすことに。
二千年という長い時間、エルクは『念動力』を鍛えまくる。
現世に戻ったエルクは、十六歳になって目を覚ました。
はずれスキル『念動力』……ただしレベルMAXの力で無双する!!