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第29話 閑話2 ~レイの反省会~(別視点)
会議が終わり、議事録で振り返りをしていたルヴィスの耳に、両肘を机につき、合わせた両手を口元に当てたまま瞳を伏せていたレイの低い声が届いた。
「ルヴィス、今から俺は反省会を開くぞ」
「しらん、一人でやれ。私は休む」
親友という関係だからこそ出来る容赦ない拒絶に、赤い双眸をこれ以上ないほど見開きながら、レイは立ち上がった。
「最近冷たすぎないか、お前!!」
「どうせ、セレスティアル様とのことだろ?」
「な、何で分かった? え、なに、お前、俺の心が読めるの、か? こわっ……」
まだ話してもいない反省会の議題を言い当てられ、顔を強ばらせながらレイが後ずさる。
ドン引きする親友を一瞥すると、ルヴィスは大き過ぎるため息をついた。
だがしかし、レイとは長い付き合いだ。面倒くさい気持ちを全面に出しながらも、手元の議事録を一つにまとめ、机に片肘をついた。とりあえず聞いてやるという言葉を、目線で伝える。
ルヴィスの温情を感じ取ったのたろう。レイは椅子に下ろすと、合わせた両手の指先を先ほどと同じように口元に当て、僅かにかすれた声色で話し出した。
「俺、会議の休憩中にセレスティアルに、好きだと告白したんだ。しかし……」
「しかし……?」
なんとなく先の展開を予想しながらもルヴィスが訊ねると、レイはがっくりと両肩を落とし、机に突っ伏した。
「なんか……感謝されたんだが……」
そう語るレイの背中には、重々しいオーラが漂っていた。
親友が見ていないのを良いことに、ルヴィスは、反応を返すのもバカバカしいとばかりに、スンッとした表情を浮かべた。
だがルヴィスが呆れていることに気づいていないレイは、声を震わせながら僅かな希望に縋るように問う。
「こ、これは……彼女が俺の想いを受け取ってくれた、という解釈でいいんだよな?」
「確信が持てない時点で違うと理解しろ、馬鹿」
バッサリという擬音が聞こえそうなほど鋭い返答に、レイの心は完全に敗北した。溶けたんじゃないかと思えるほど上半身を脱力した状態で机に突っ伏すと、呻き声をあげている。
とはいえ、以前はセレスティアルの言葉通り受け取り、キャッキャウフフしていたレイなのだ。あの頃を思うと、大きな成長ではあるだろう。
そんなことを考えながら、ルヴィスはため息をつくと、レイに近づいた。そして、今まで以上に落ち込んでいる彼の肩にポンッと手を置くと、諭すように言った。
「これで分かっただろ? 『好き』などという大切な言葉を言いまくっていたら、相手が本気だと受け取ってくれなくなることを」
ましてや相手は、自己肯定感の低いセレスティアル。
他人からの好意に慣れていない彼女が、レイの言葉を本気にとるとは思えない。
机の上で溶けていたレイが、形を取り戻した。ゆっくりと顔を上げ、ルヴィスを睨み付ける。
「で、でも……おかしくないか? 好きなものを好きと言って、何が悪い?」
「別に悪いわけじゃないが、相手との関係性やタイミングというものもあるだろ。それに恋愛にはな、駆け引きだって必要なんだぞ」
「は? 駆け引き? なんだそれは。好きなものを好きだと伝えるのに、何故そんなものを気にしないといけない?」
レイはそう弱々しく呟くと、
「もうどうしたらいいのか……分からん……」
と再び机の上で溶けてしまった。
その言葉、そっくりそのままお前に返したいと思いながら、ルヴィスは親友を見下ろす。
呻き声を上げながら頭を抱えていたレイの動きが、突然ピタリと止まった。溶けていた上半身が再び形を取り戻す。
「そう、か……そうだった、の、か……」
レイ呟きがだんだんと大きくなり、声色に力が漲っていく。そして、ダンッと机を強く叩きながら立ち上がると、ルヴィスを見た。
……どこか焦点が合わない虚ろな瞳で。
それを見た瞬間、ルヴィスは悟った。
(あ、こいつ……考えるのを止めたな)
と――
「お、俺は気づいたぞ、ルヴィス! 俺が抱く好意をセレスティアルからも返して貰いたい下心が俺にあるからややこしいんだ!」
「はっ?」
「……そうだ、俺が愚かだったんだ。例えセレスティアルが俺と同じ気持ちでなくても、好きを伝えて返ってくる言葉が、俺への感謝であっても、俺が彼女に好きを伝えては駄目な理由にはならない。だろ? ルヴィス」
「えっ、あー……」
「それに、恋愛の駆け引きなどというくだらない理由でセレスティアルへの気持ちを伝えるのを止めたら、俺は死ぬときに間違いなく後悔する。だから俺はこれからも、セレスティアルに『好き』を伝え続けようと思う」
「あ、うん……まあそこまで言うなら……がんば、れ?」
「心配してくれてありがとうな、ルヴィス。お前のことも親友として好きだぞ? 信頼している」
「あ-、うん……あー……そうか……」
相変わらず焦点が合わない瞳をぐるぐる回しながら熱弁する親友を見て、ルヴィスは心底呆れるしかなかった。
(まあ……こいつに恋の駆け引きなどという高度なことは無理だよな……)
と思いながら。
考えることを放棄し、自身の感覚に従うことにしたレイに挨拶をし、ルヴィスは執務室を出た。
廊下を歩きながら、レイとセレスティアルのその後を想像する。
レイは今まで通り、セレスティアルに好意を伝え続けるだろう。そしてセレスティアルはそれをただの社交辞令ととり、本気にしないだろう。
セレスティアルが特別なわけではない。
開けっぴろげに異性への好意を口にするレイに、デリカシーがないのだ。
とはいえ、悪役国王を演じたのにすぐに皆に見破られてしまったあの馬鹿正直なレイにデリカシーを求めるなど、どだい無理な話だ。
レイの想いが本当の意味でセレスティアル様に伝わるのは、いつになるだろうか。
(その頃にはお互い、歳をとっていそうだな……)
年老いてもなおもすれ違い続ける二人を想像し、小さく笑ったルヴィスだったが、ふと足を止めた。
レイはルミテリス国王だ。
ルミテリス王家直系の人間として、王家の血を次に繋げる役目がある。
セレスティアルと出会う前のレイであれば、政略結婚も王の役目として受け入れただろう。しかしセレスティアルを好きになってしまった今、別の女性と政略結婚をして子どもを作るなど……
(あの正直馬鹿が出来るわけがない……)
下手をすれば、直系の血がここで途絶えてしまう。
ルヴィスは頭を抱えると呟いた。
「これは……ルミテリス王家の危機……では?」
セレスティアルが現れたことで国が救われたというのに、セレスティアルが現れたことで王家の血筋が絶えようとしている。
(一難去ってまた一難とはこのことか……)
胃がキリキリ痛み出した。
今日一日の中で一番深いため息をつくルヴィスだった。
「ルヴィス、今から俺は反省会を開くぞ」
「しらん、一人でやれ。私は休む」
親友という関係だからこそ出来る容赦ない拒絶に、赤い双眸をこれ以上ないほど見開きながら、レイは立ち上がった。
「最近冷たすぎないか、お前!!」
「どうせ、セレスティアル様とのことだろ?」
「な、何で分かった? え、なに、お前、俺の心が読めるの、か? こわっ……」
まだ話してもいない反省会の議題を言い当てられ、顔を強ばらせながらレイが後ずさる。
ドン引きする親友を一瞥すると、ルヴィスは大き過ぎるため息をついた。
だがしかし、レイとは長い付き合いだ。面倒くさい気持ちを全面に出しながらも、手元の議事録を一つにまとめ、机に片肘をついた。とりあえず聞いてやるという言葉を、目線で伝える。
ルヴィスの温情を感じ取ったのたろう。レイは椅子に下ろすと、合わせた両手の指先を先ほどと同じように口元に当て、僅かにかすれた声色で話し出した。
「俺、会議の休憩中にセレスティアルに、好きだと告白したんだ。しかし……」
「しかし……?」
なんとなく先の展開を予想しながらもルヴィスが訊ねると、レイはがっくりと両肩を落とし、机に突っ伏した。
「なんか……感謝されたんだが……」
そう語るレイの背中には、重々しいオーラが漂っていた。
親友が見ていないのを良いことに、ルヴィスは、反応を返すのもバカバカしいとばかりに、スンッとした表情を浮かべた。
だがルヴィスが呆れていることに気づいていないレイは、声を震わせながら僅かな希望に縋るように問う。
「こ、これは……彼女が俺の想いを受け取ってくれた、という解釈でいいんだよな?」
「確信が持てない時点で違うと理解しろ、馬鹿」
バッサリという擬音が聞こえそうなほど鋭い返答に、レイの心は完全に敗北した。溶けたんじゃないかと思えるほど上半身を脱力した状態で机に突っ伏すと、呻き声をあげている。
とはいえ、以前はセレスティアルの言葉通り受け取り、キャッキャウフフしていたレイなのだ。あの頃を思うと、大きな成長ではあるだろう。
そんなことを考えながら、ルヴィスはため息をつくと、レイに近づいた。そして、今まで以上に落ち込んでいる彼の肩にポンッと手を置くと、諭すように言った。
「これで分かっただろ? 『好き』などという大切な言葉を言いまくっていたら、相手が本気だと受け取ってくれなくなることを」
ましてや相手は、自己肯定感の低いセレスティアル。
他人からの好意に慣れていない彼女が、レイの言葉を本気にとるとは思えない。
机の上で溶けていたレイが、形を取り戻した。ゆっくりと顔を上げ、ルヴィスを睨み付ける。
「で、でも……おかしくないか? 好きなものを好きと言って、何が悪い?」
「別に悪いわけじゃないが、相手との関係性やタイミングというものもあるだろ。それに恋愛にはな、駆け引きだって必要なんだぞ」
「は? 駆け引き? なんだそれは。好きなものを好きだと伝えるのに、何故そんなものを気にしないといけない?」
レイはそう弱々しく呟くと、
「もうどうしたらいいのか……分からん……」
と再び机の上で溶けてしまった。
その言葉、そっくりそのままお前に返したいと思いながら、ルヴィスは親友を見下ろす。
呻き声を上げながら頭を抱えていたレイの動きが、突然ピタリと止まった。溶けていた上半身が再び形を取り戻す。
「そう、か……そうだった、の、か……」
レイ呟きがだんだんと大きくなり、声色に力が漲っていく。そして、ダンッと机を強く叩きながら立ち上がると、ルヴィスを見た。
……どこか焦点が合わない虚ろな瞳で。
それを見た瞬間、ルヴィスは悟った。
(あ、こいつ……考えるのを止めたな)
と――
「お、俺は気づいたぞ、ルヴィス! 俺が抱く好意をセレスティアルからも返して貰いたい下心が俺にあるからややこしいんだ!」
「はっ?」
「……そうだ、俺が愚かだったんだ。例えセレスティアルが俺と同じ気持ちでなくても、好きを伝えて返ってくる言葉が、俺への感謝であっても、俺が彼女に好きを伝えては駄目な理由にはならない。だろ? ルヴィス」
「えっ、あー……」
「それに、恋愛の駆け引きなどというくだらない理由でセレスティアルへの気持ちを伝えるのを止めたら、俺は死ぬときに間違いなく後悔する。だから俺はこれからも、セレスティアルに『好き』を伝え続けようと思う」
「あ、うん……まあそこまで言うなら……がんば、れ?」
「心配してくれてありがとうな、ルヴィス。お前のことも親友として好きだぞ? 信頼している」
「あ-、うん……あー……そうか……」
相変わらず焦点が合わない瞳をぐるぐる回しながら熱弁する親友を見て、ルヴィスは心底呆れるしかなかった。
(まあ……こいつに恋の駆け引きなどという高度なことは無理だよな……)
と思いながら。
考えることを放棄し、自身の感覚に従うことにしたレイに挨拶をし、ルヴィスは執務室を出た。
廊下を歩きながら、レイとセレスティアルのその後を想像する。
レイは今まで通り、セレスティアルに好意を伝え続けるだろう。そしてセレスティアルはそれをただの社交辞令ととり、本気にしないだろう。
セレスティアルが特別なわけではない。
開けっぴろげに異性への好意を口にするレイに、デリカシーがないのだ。
とはいえ、悪役国王を演じたのにすぐに皆に見破られてしまったあの馬鹿正直なレイにデリカシーを求めるなど、どだい無理な話だ。
レイの想いが本当の意味でセレスティアル様に伝わるのは、いつになるだろうか。
(その頃にはお互い、歳をとっていそうだな……)
年老いてもなおもすれ違い続ける二人を想像し、小さく笑ったルヴィスだったが、ふと足を止めた。
レイはルミテリス国王だ。
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下手をすれば、直系の血がここで途絶えてしまう。
ルヴィスは頭を抱えると呟いた。
「これは……ルミテリス王家の危機……では?」
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