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27 小さなお姫様②
「聞こえませんでしたか? 醜い、と申し上げたのです、公爵令嬢様」
「醜いですって……?」
公爵令嬢はさっきまで真っ赤にさせていた顔を青白くしておもむろに私を見た。小さな身体はぷるぷると震えて、可愛らしい丸い瞳は血走って憎悪を露わにさせている。
「そうです。あなたは、あまりにも醜い」私は彼女の怒りなど意に介さずに続ける。「なにが気に入らないのか知りませんが、自身の身分を笠に着て弱い立場の者に対してやりたい放題。しかも暴力まで。これが醜いと言わずになんと言いましょう」
私は公爵令嬢の心の原動を知っている。
フレデリック様の手紙によると、彼女は幼い頃に母親を病気で亡くしたらしい。その傷が彼女の心に暗い影をもたらせているのだ。きっと周囲も彼女が不憫だと思って無責任に甘やかせたのもあるのだろう。幼い少女の純粋な心は寂しさと悲しさとやるせなさで、すっかり歪んでしまったのだ。
彼女が一番欲しいものは母親の愛。だけど、それを与えられる者はこの世には存在しない。だから、その代わりとなる他者からの愛情を求めて、過激な行動を起こして周りの者を試しているのだ。誰が母親と同じ愛を自分にくれるのか、と。
でも、うんと小さい頃ならまだしも、ずっとこのままではいけないわ。
少女はやがて大人になる。そのときになっても、びーびー泣いて駄々をこねるようでは貴族社会では生きていけない。最悪は親族も巻き込んでギロチン行きだ。だから、どこかで折り合いを付けて過去とは決別をしなければならないのだ。それがどんなに辛くとも。
「あなた、自分がなにを言っているのか分かっているの? ……っていうか、誰よあなた」
「私はリナと申します。今日から公爵令嬢様の魔法の家庭教師を務めさせていただく者です」
「家庭教師ですって?」公爵令嬢は鼻で笑った。「わたしにそんなものは必要ないわ。帰りなさい!」
「これは公爵閣下から正式ご依頼を受けたものです。帰りません」
私と公爵令嬢はしばらく睨み合った。そして、
「あなた、わたしのことを醜いと言ったわよね? まずは貴族に対して非礼を詫びるべきじゃないかしら? さ、早く跪いて頭を床に押し付けなさい?」
「お断りします。私は本当のことを述べただけですから。非礼でもなんでもありません」
「なんですってぇっ!? あなた、ふざけているの! わたしが謝れと言っているのだから謝りなさいよ!」
「嫌です。私は間違ったことは言っていません。むしろ公爵令嬢様がメイドたちに酷い仕打ちをしたことを謝るべきでしょう? さぁ、謝ってください」
「馬鹿にしてるのっ!?」公爵令嬢が大声で叫んだ。「あなた、何様のつもりっ!? わたしは公爵令嬢よ! 使用人は大人しくわたしの言うことを聞きなさいっ!」
「私は使用人ではなくて、あなたの家庭教師です。生徒は先生の指導に従いなさい。さぁ、メイドたちに謝罪をして、それから私と一緒にこの散らかった部屋を片付けるのです。魔法は精神の集中力を研ぎ澄ませることが大切です。まずはその甘ったれた根性を叩き直すことから始めましょう」
「ふざけないでっ!!」
公爵令嬢が魔法を放つ。途端にドンという衝撃が走って部屋中の窓ガラスがガラガラと砕け散った。
私は咄嗟に氷の膜を張って、部屋にいる人たちを保護する。目配せをして彼らは部屋の外へと出ていってもらった。
去り際に執事が丁寧に一礼してくれて一安心した。よし、私の非礼はとりあえずは不問のようね。実は言い過ぎたかとちょっと不安だったのよね。下手すれば私がギロチン送りだったわ。
「……まだ魔法は全然のようですね。まるで操作がなっていない」と、私は公爵令嬢を挑発した。
「うるさいっ!」
公爵令嬢が魔法の弾を打つ。
どうやら彼女も光魔法の使い手のようだ。小さな身体で放った渾身の魔法は私の顔の10センチほど横を通り過ぎて壁に当たって砕け散った。
「下手くそ」と、私は口の片端を上げてせせら笑った。
「うるさい! うるさいうるさいうるさいっ!!」
公爵令嬢は泣き叫びながら連続で魔法をぶつけてきた。私はその全てを避けて、最後は氷魔法で弾き返してやった。
「公爵令嬢様、この年でまだ魔法も満足も扱えないなんて、がっかりです。この分だときっと他の学問のほうも遅れているのでしょうね。公爵閣下も嘆き悲しみますよ」
「黙りなさいっ!!」
今度は巨大な光の球を殴り付けるように炸裂させた。これはさすがに避けきれずに、じりりと制服のスカートが焼け焦げた。
「やりますね」と、私はニヤッと笑う。さすが王家の血を引いているだけあって、魔力は絶大。しかも希少な光魔法。これは磨けば素晴らしい魔法使いになりそうね。
公爵令嬢ははぁはぁと肩で息をしていた。どうやらまだ魔力の調整がまだ未熟のようだ。無駄な力が入りすぎている。きっと彼女のぶつけようのない悲しい怒りが魔法に伝播しているのね。
「もう降参ですか? では、私の勝ちなのでちゃんと謝ってくださいね」
「誰がっ!!」
公爵令嬢の攻撃がまた始まる。魔力も体力も削られているのに、命中率は上がっている気がするわ。やはり才能があるわね。――なら、私も気を引き締めてお相手をしなきゃね。
私は無数の氷の矢を放った。
「アミィ、凄い音がしているけど一体どうしたんだい?」
フレデリック様の爽やかな声で私たちははっと我に返った。彼は驚いた顔をして私と公爵令嬢を交互に見つめていた。
部屋は嵐のあとのように荒れ果てて、私たちも突風に吹かれたみたいに髪が乱れて衣服もボロボロだった。しばらく水を打ったように静まり返った。
「フレディお兄様あぁぁぁぁぁっ!!」
ややあって、公爵令嬢が泣きながらフレデリック様に抱き付いた。
「アミィ、どうしたんだよ」と、彼は優しく彼女の頭を撫でた。
「あの女があぁぁぁぁぁっ!!」と、彼女は私を指差す。
「ええっと……?」
フレデリック様は困惑した様子で私を見た。
「本日より私が公爵令嬢様の魔法の家庭教師を務めているのです」
「なるほど! 前に叔父上からアミィの新しい家庭教師が決まりそうだって聞いていたけどリナ嬢だったんだね! それにしても随分過激な指導だねぇ」と、フレデリック様はくつくつと笑った。
私はたちまち顔が真っ赤になる。こ、こんなボロボロのみっともない姿を彼に見られて恥ずかしいわ!
「お兄様! 笑いごとじゃない! この女ったら酷いの!」と、公爵令嬢はさっきの意地悪な姿とは打って変わって甘える素振りを見せた。こういうとこは年相応で可愛いわね。フレデリック様が愛らしいって思う気持ちも分かるかも。
「アミィ、とっても楽しそうに魔法を打っていたじゃないか。なにが酷いんだい? ――そうだ、これから三人でお茶でもしないか? 今日の授業の話を是非聞きたいな」
「絶対に嫌っ!!」と、公爵令嬢が大音声で叫んだ。
「王太子殿下、私もこのあと掛け持ちの仕事があるので申し訳ありませんが、辞退しますわ」と、私は頭を下げた。
「そうか。それは残念だな。じゃあ、従妹の魔法を見てくれたお礼に僕からのプレゼント」
フレデリック様が私に向かって指を鳴らすと、暖かい光が眉のように私を包んた。そして乱れた髪も焼け焦げた制服も全て美しく生まれ変わった。
「うわぁっ……! ありがとうございます!」
「いや、こちらの方こそ今日はありがとう」
「お兄様! こんな女に貴重な回復魔法なんて使わないで!」
「アミィ、リナ先生だろう? ほら、先生に魔法を教えてくれたお礼を言って?」
「嫌ぁっ!!」と、公爵令嬢はプイッとそっぽを向いた。
フレデリック様は苦笑いをして、
「ごめんね、リナ嬢。これに懲りずにこれからも従妹のことをよろしくね」
「はい、王太子殿下。では、公爵令嬢様。また来週参りますね」
「もう来なくて結構よ! あなたなんて大っ嫌い!!」
こうして、家庭教師初日はとりあえず無事に終わった。
……あぁ、疲れた。
「醜いですって……?」
公爵令嬢はさっきまで真っ赤にさせていた顔を青白くしておもむろに私を見た。小さな身体はぷるぷると震えて、可愛らしい丸い瞳は血走って憎悪を露わにさせている。
「そうです。あなたは、あまりにも醜い」私は彼女の怒りなど意に介さずに続ける。「なにが気に入らないのか知りませんが、自身の身分を笠に着て弱い立場の者に対してやりたい放題。しかも暴力まで。これが醜いと言わずになんと言いましょう」
私は公爵令嬢の心の原動を知っている。
フレデリック様の手紙によると、彼女は幼い頃に母親を病気で亡くしたらしい。その傷が彼女の心に暗い影をもたらせているのだ。きっと周囲も彼女が不憫だと思って無責任に甘やかせたのもあるのだろう。幼い少女の純粋な心は寂しさと悲しさとやるせなさで、すっかり歪んでしまったのだ。
彼女が一番欲しいものは母親の愛。だけど、それを与えられる者はこの世には存在しない。だから、その代わりとなる他者からの愛情を求めて、過激な行動を起こして周りの者を試しているのだ。誰が母親と同じ愛を自分にくれるのか、と。
でも、うんと小さい頃ならまだしも、ずっとこのままではいけないわ。
少女はやがて大人になる。そのときになっても、びーびー泣いて駄々をこねるようでは貴族社会では生きていけない。最悪は親族も巻き込んでギロチン行きだ。だから、どこかで折り合いを付けて過去とは決別をしなければならないのだ。それがどんなに辛くとも。
「あなた、自分がなにを言っているのか分かっているの? ……っていうか、誰よあなた」
「私はリナと申します。今日から公爵令嬢様の魔法の家庭教師を務めさせていただく者です」
「家庭教師ですって?」公爵令嬢は鼻で笑った。「わたしにそんなものは必要ないわ。帰りなさい!」
「これは公爵閣下から正式ご依頼を受けたものです。帰りません」
私と公爵令嬢はしばらく睨み合った。そして、
「あなた、わたしのことを醜いと言ったわよね? まずは貴族に対して非礼を詫びるべきじゃないかしら? さ、早く跪いて頭を床に押し付けなさい?」
「お断りします。私は本当のことを述べただけですから。非礼でもなんでもありません」
「なんですってぇっ!? あなた、ふざけているの! わたしが謝れと言っているのだから謝りなさいよ!」
「嫌です。私は間違ったことは言っていません。むしろ公爵令嬢様がメイドたちに酷い仕打ちをしたことを謝るべきでしょう? さぁ、謝ってください」
「馬鹿にしてるのっ!?」公爵令嬢が大声で叫んだ。「あなた、何様のつもりっ!? わたしは公爵令嬢よ! 使用人は大人しくわたしの言うことを聞きなさいっ!」
「私は使用人ではなくて、あなたの家庭教師です。生徒は先生の指導に従いなさい。さぁ、メイドたちに謝罪をして、それから私と一緒にこの散らかった部屋を片付けるのです。魔法は精神の集中力を研ぎ澄ませることが大切です。まずはその甘ったれた根性を叩き直すことから始めましょう」
「ふざけないでっ!!」
公爵令嬢が魔法を放つ。途端にドンという衝撃が走って部屋中の窓ガラスがガラガラと砕け散った。
私は咄嗟に氷の膜を張って、部屋にいる人たちを保護する。目配せをして彼らは部屋の外へと出ていってもらった。
去り際に執事が丁寧に一礼してくれて一安心した。よし、私の非礼はとりあえずは不問のようね。実は言い過ぎたかとちょっと不安だったのよね。下手すれば私がギロチン送りだったわ。
「……まだ魔法は全然のようですね。まるで操作がなっていない」と、私は公爵令嬢を挑発した。
「うるさいっ!」
公爵令嬢が魔法の弾を打つ。
どうやら彼女も光魔法の使い手のようだ。小さな身体で放った渾身の魔法は私の顔の10センチほど横を通り過ぎて壁に当たって砕け散った。
「下手くそ」と、私は口の片端を上げてせせら笑った。
「うるさい! うるさいうるさいうるさいっ!!」
公爵令嬢は泣き叫びながら連続で魔法をぶつけてきた。私はその全てを避けて、最後は氷魔法で弾き返してやった。
「公爵令嬢様、この年でまだ魔法も満足も扱えないなんて、がっかりです。この分だときっと他の学問のほうも遅れているのでしょうね。公爵閣下も嘆き悲しみますよ」
「黙りなさいっ!!」
今度は巨大な光の球を殴り付けるように炸裂させた。これはさすがに避けきれずに、じりりと制服のスカートが焼け焦げた。
「やりますね」と、私はニヤッと笑う。さすが王家の血を引いているだけあって、魔力は絶大。しかも希少な光魔法。これは磨けば素晴らしい魔法使いになりそうね。
公爵令嬢ははぁはぁと肩で息をしていた。どうやらまだ魔力の調整がまだ未熟のようだ。無駄な力が入りすぎている。きっと彼女のぶつけようのない悲しい怒りが魔法に伝播しているのね。
「もう降参ですか? では、私の勝ちなのでちゃんと謝ってくださいね」
「誰がっ!!」
公爵令嬢の攻撃がまた始まる。魔力も体力も削られているのに、命中率は上がっている気がするわ。やはり才能があるわね。――なら、私も気を引き締めてお相手をしなきゃね。
私は無数の氷の矢を放った。
「アミィ、凄い音がしているけど一体どうしたんだい?」
フレデリック様の爽やかな声で私たちははっと我に返った。彼は驚いた顔をして私と公爵令嬢を交互に見つめていた。
部屋は嵐のあとのように荒れ果てて、私たちも突風に吹かれたみたいに髪が乱れて衣服もボロボロだった。しばらく水を打ったように静まり返った。
「フレディお兄様あぁぁぁぁぁっ!!」
ややあって、公爵令嬢が泣きながらフレデリック様に抱き付いた。
「アミィ、どうしたんだよ」と、彼は優しく彼女の頭を撫でた。
「あの女があぁぁぁぁぁっ!!」と、彼女は私を指差す。
「ええっと……?」
フレデリック様は困惑した様子で私を見た。
「本日より私が公爵令嬢様の魔法の家庭教師を務めているのです」
「なるほど! 前に叔父上からアミィの新しい家庭教師が決まりそうだって聞いていたけどリナ嬢だったんだね! それにしても随分過激な指導だねぇ」と、フレデリック様はくつくつと笑った。
私はたちまち顔が真っ赤になる。こ、こんなボロボロのみっともない姿を彼に見られて恥ずかしいわ!
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「アミィ、とっても楽しそうに魔法を打っていたじゃないか。なにが酷いんだい? ――そうだ、これから三人でお茶でもしないか? 今日の授業の話を是非聞きたいな」
「絶対に嫌っ!!」と、公爵令嬢が大音声で叫んだ。
「王太子殿下、私もこのあと掛け持ちの仕事があるので申し訳ありませんが、辞退しますわ」と、私は頭を下げた。
「そうか。それは残念だな。じゃあ、従妹の魔法を見てくれたお礼に僕からのプレゼント」
フレデリック様が私に向かって指を鳴らすと、暖かい光が眉のように私を包んた。そして乱れた髪も焼け焦げた制服も全て美しく生まれ変わった。
「うわぁっ……! ありがとうございます!」
「いや、こちらの方こそ今日はありがとう」
「お兄様! こんな女に貴重な回復魔法なんて使わないで!」
「アミィ、リナ先生だろう? ほら、先生に魔法を教えてくれたお礼を言って?」
「嫌ぁっ!!」と、公爵令嬢はプイッとそっぽを向いた。
フレデリック様は苦笑いをして、
「ごめんね、リナ嬢。これに懲りずにこれからも従妹のことをよろしくね」
「はい、王太子殿下。では、公爵令嬢様。また来週参りますね」
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