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38 間諜の本領
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わたしは王子の婚約者として、来賓のお客様を立派にお迎えすべく、早速行動を始めた。
まずは王子専用の宝物庫だ。ここにはアンドレイ様の貴重なコレクションが収まっている。……その中にはもちろん違法で手に入れた美術品の数々も。
来賓をもてなすために、会場に飾る最高級の芸術品を用意しなければならないから、早く中身を確認しないといけないわ。
宝物庫の鍵は二つあって、一つはアンドレイ様自身が、もう一つは貸金庫の中に保管してあると以前彼から聞いたことがあった。
優美な死骸の調査によると、王子が貸金庫へ向かうのは年に数回。主に違法な手段で美術品を手に入れたときだけのようだ。
最近はローラントでの地下競売に失敗した際に利用したらしいので、しばらくは来ないだろうとリヨネー伯爵令息が言っていた。
貸金庫のある銀行に着くとわたしは堂々と名前を名乗って支配人を呼び出す。
突然の侯爵令嬢の来訪に驚きを隠せない彼に「フロールの代理で来たわ」と言うと、すぐに理解したようで奥に通してくれた。
これも優美な死骸の調査通り。どうやらこちらの銀行も黒い商売に関わっていて、王子の事業内容も熟知しているようだ。つまり、彼の犯罪に加担してる悪い奴みたいね。
王子専用の貸金庫は他とは異なり特別室にあるらしく、わたしは二階の最奥の部屋に通された。
「こちらでの事は私どもはなにも見ておりませんので」と、支配人は一礼をして静かに踵を返す。
わたしは高鳴る胸を押さえながら、そっと重い扉を開けた。
他人の秘密――ましてや婚約者の秘め事を暴くなんて、少しだけ良心が痛んだのはたしかだ。
でも、これまで彼から欺かれていたことを思うと、これくらいの意趣返しは当然の権利なはずよ……と、自分に言い聞かせて気持ちを落ち着かせる。
部屋の中は一人の成人男性が辛うじて寝転べるくらいの狭さで、この部屋自体がアンドレイ様専用の貸金庫になっていた。
奥の壁側に引き出しの多い重厚なチェスト、その前には紺色のベルベットが張られた精緻な彫刻の入った椅子が置かれていただけだった。
「さ、宝物庫の鍵を借りるとしますか」と、わたしはゴソゴソと引き出しを探る。
貴族令嬢がなんてはしたないのかしら……って、昔の自分なら恥じ入っていたかもしれないけど、間諜として慣れた今はもうお手のものだ。
あら、こんなところに盗品の購入証明が。あら、ここには偽装公文書が。あら、これは恋文……?
ほくほく顔で貸金庫を去ったあとは王宮へとんぼ返りをして、いざ宝物庫だ。アンドレイ様は宝物庫自体の存在を隠したいのか、それは王宮の離れにあって警備もいないのですんなりと侵入できた。
レイから渡された盗品のリストと実物を照らし合わせる。絵画、彫刻作品、ランプ、指輪、首飾り……二十点以上にのぼる宝物を一点一点確認する。
あまりの量によくもまぁこんなに蒐集したものね、と呆れ返った。アンドレイ様の芸術に対する情熱は見事なものだわ。どれも国宝級の貴重な品で、持ち運ぶのに苦労しそうね。
◆
「オディール! こっちよ」
「よう、久し振りだな」
「ガブリエラさん! リヨネー伯爵令息様もご機嫌よう」
翌日、わたしは街中のカフェでガブリエラさんとジャン・リヨネー伯爵令息と再会した。
実は二人とも先にアングラレス王国に潜入していたのだ。わたしたちは別行動で、それぞれがやるべき仕事を遂行していた。
「調子はどう? 順調?」とガブリエラさん。
「えぇ、今のところ問題ないわ。そちらはどうかしら?」
「おれのほうは大丈夫だ」
「あたしもバッチリよ! 証言も取れたし、証拠となる資料も抑えたわ」
「これから二人で法院へ向かうつもりだ。被害者たちも是非訴えて欲しいと懇願している」
「そう。それは良かったわ。……頑張った人がちゃんと評価される世の中になるといいわね」
「そうね」にわかにガブリエラさんがわたしの頭をポンと叩いた。「これからあなた自身もそうなるわ」
「あ、ありがとう…………」と、わたしは恥ずかしくて頬を染めながら蚊の鳴くような声でお礼を言った。
「そうだ、侯爵令嬢。おれも頑張ってるって我が王太子殿下に言ってくれよ~。レイのやつ、おれのこと便利な使い走りかなにかと思ってるぜ、絶対」
「え?」わたしは目を丸くする。「それはルーセル公爵令息様におっしゃったほうが良いのでは? 彼は王太子殿下の一番の側近ですし……」
「駄目駄目。あいつらはグルだからな。それに侯爵令嬢の言うことはレイはなんでも聞くから。なにせ未来の愛しい奥さ――」
「ストップ」ガブリエラさんが伯爵令息の口を塞いだ。「時間がないわ。そろそろ出発しましょう?」
「ふぁふぁっふぁふぁ」と、伯爵令息は苦しそうにコクコクと頷く。
わたしが首を傾げているとガブリエラさんはパッと手を離して、
「じゃ、あたしたちはお先。次に会うのはもう建国祭の当日かしらね。頑張ってね、オディール」
「はぁ……。い、息が……。じゃ、次はレイが来たときにな。健闘を祈るぜ、侯爵令嬢」
「二人ともありがとう。ご機嫌よう」
わたしは二人を見送ってから、おもむろに立ち上がった。まだ王太子殿下の歓待の準備は終わっていないのだ。
お次は軍隊だ。当日の警備の状況をじっくりと確かめなければね。どこにどういう風に配置されているか知りたいわ。ついでに行動の展開図も。
お誂え向きなことに手元には王子の委任状がある。彼から戴けて本当に良かったわ。
まずは王子専用の宝物庫だ。ここにはアンドレイ様の貴重なコレクションが収まっている。……その中にはもちろん違法で手に入れた美術品の数々も。
来賓をもてなすために、会場に飾る最高級の芸術品を用意しなければならないから、早く中身を確認しないといけないわ。
宝物庫の鍵は二つあって、一つはアンドレイ様自身が、もう一つは貸金庫の中に保管してあると以前彼から聞いたことがあった。
優美な死骸の調査によると、王子が貸金庫へ向かうのは年に数回。主に違法な手段で美術品を手に入れたときだけのようだ。
最近はローラントでの地下競売に失敗した際に利用したらしいので、しばらくは来ないだろうとリヨネー伯爵令息が言っていた。
貸金庫のある銀行に着くとわたしは堂々と名前を名乗って支配人を呼び出す。
突然の侯爵令嬢の来訪に驚きを隠せない彼に「フロールの代理で来たわ」と言うと、すぐに理解したようで奥に通してくれた。
これも優美な死骸の調査通り。どうやらこちらの銀行も黒い商売に関わっていて、王子の事業内容も熟知しているようだ。つまり、彼の犯罪に加担してる悪い奴みたいね。
王子専用の貸金庫は他とは異なり特別室にあるらしく、わたしは二階の最奥の部屋に通された。
「こちらでの事は私どもはなにも見ておりませんので」と、支配人は一礼をして静かに踵を返す。
わたしは高鳴る胸を押さえながら、そっと重い扉を開けた。
他人の秘密――ましてや婚約者の秘め事を暴くなんて、少しだけ良心が痛んだのはたしかだ。
でも、これまで彼から欺かれていたことを思うと、これくらいの意趣返しは当然の権利なはずよ……と、自分に言い聞かせて気持ちを落ち着かせる。
部屋の中は一人の成人男性が辛うじて寝転べるくらいの狭さで、この部屋自体がアンドレイ様専用の貸金庫になっていた。
奥の壁側に引き出しの多い重厚なチェスト、その前には紺色のベルベットが張られた精緻な彫刻の入った椅子が置かれていただけだった。
「さ、宝物庫の鍵を借りるとしますか」と、わたしはゴソゴソと引き出しを探る。
貴族令嬢がなんてはしたないのかしら……って、昔の自分なら恥じ入っていたかもしれないけど、間諜として慣れた今はもうお手のものだ。
あら、こんなところに盗品の購入証明が。あら、ここには偽装公文書が。あら、これは恋文……?
ほくほく顔で貸金庫を去ったあとは王宮へとんぼ返りをして、いざ宝物庫だ。アンドレイ様は宝物庫自体の存在を隠したいのか、それは王宮の離れにあって警備もいないのですんなりと侵入できた。
レイから渡された盗品のリストと実物を照らし合わせる。絵画、彫刻作品、ランプ、指輪、首飾り……二十点以上にのぼる宝物を一点一点確認する。
あまりの量によくもまぁこんなに蒐集したものね、と呆れ返った。アンドレイ様の芸術に対する情熱は見事なものだわ。どれも国宝級の貴重な品で、持ち運ぶのに苦労しそうね。
◆
「オディール! こっちよ」
「よう、久し振りだな」
「ガブリエラさん! リヨネー伯爵令息様もご機嫌よう」
翌日、わたしは街中のカフェでガブリエラさんとジャン・リヨネー伯爵令息と再会した。
実は二人とも先にアングラレス王国に潜入していたのだ。わたしたちは別行動で、それぞれがやるべき仕事を遂行していた。
「調子はどう? 順調?」とガブリエラさん。
「えぇ、今のところ問題ないわ。そちらはどうかしら?」
「おれのほうは大丈夫だ」
「あたしもバッチリよ! 証言も取れたし、証拠となる資料も抑えたわ」
「これから二人で法院へ向かうつもりだ。被害者たちも是非訴えて欲しいと懇願している」
「そう。それは良かったわ。……頑張った人がちゃんと評価される世の中になるといいわね」
「そうね」にわかにガブリエラさんがわたしの頭をポンと叩いた。「これからあなた自身もそうなるわ」
「あ、ありがとう…………」と、わたしは恥ずかしくて頬を染めながら蚊の鳴くような声でお礼を言った。
「そうだ、侯爵令嬢。おれも頑張ってるって我が王太子殿下に言ってくれよ~。レイのやつ、おれのこと便利な使い走りかなにかと思ってるぜ、絶対」
「え?」わたしは目を丸くする。「それはルーセル公爵令息様におっしゃったほうが良いのでは? 彼は王太子殿下の一番の側近ですし……」
「駄目駄目。あいつらはグルだからな。それに侯爵令嬢の言うことはレイはなんでも聞くから。なにせ未来の愛しい奥さ――」
「ストップ」ガブリエラさんが伯爵令息の口を塞いだ。「時間がないわ。そろそろ出発しましょう?」
「ふぁふぁっふぁふぁ」と、伯爵令息は苦しそうにコクコクと頷く。
わたしが首を傾げているとガブリエラさんはパッと手を離して、
「じゃ、あたしたちはお先。次に会うのはもう建国祭の当日かしらね。頑張ってね、オディール」
「はぁ……。い、息が……。じゃ、次はレイが来たときにな。健闘を祈るぜ、侯爵令嬢」
「二人ともありがとう。ご機嫌よう」
わたしは二人を見送ってから、おもむろに立ち上がった。まだ王太子殿下の歓待の準備は終わっていないのだ。
お次は軍隊だ。当日の警備の状況をじっくりと確かめなければね。どこにどういう風に配置されているか知りたいわ。ついでに行動の展開図も。
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※小説家になろう・カクヨムにも同タイトルで投稿しています。
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