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八章
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しおりを挟む「あの、ごめ」
「ごめん。言い過ぎた」
「は」
俺の謝罪を遮った宮田に、困惑する。
「俺は、あきにそんな顔をさせようと思って言ったワケじゃなくて」
「え?」
宮田が言う、そんな顔がどんな顔かが分からなくて、首を傾げた。
「あき、すっげえ泣きそうな顔してる」
「な」
まさか自分が、宮田にそんな情けない顔を見せているとは思わなかった。
慌てて俯けば、頭上から暗い声が降ってくる。
「よく考えたら、しつこすぎた俺に問題があったんだよな。今朝のだって、俺が勝手に行動しただけなのに、こんな事を言われたら普通は引くよな。ごめん」
「は? ちょっと待」
宮田をしつこいと思った事なんか、一度もない。
今朝のことだって、罪悪感もあったけど嬉しさもあって、引いたりなんかしなかった。
俺を心配してくれていた宮田の行動を、嬉しく思わない筈がない。
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