60 / 73
九章
1
しおりを挟む
*
屋上事件から一週間が経過した。
あの日俺に言った通り、宮田は俺とは極力関わらないようにしているみたいだった。
元々人気者だった宮田は、昔みたいにクラスメイトに囲まれて笑顔を見せている。
不良の俺は昔に戻ったかのように、一人で外を眺めるだけの毎日になっていた。
「本当は浩介くんと何かあったんでしょ」
「別に何もねえ」
「うっそだあ」
昔も今も変わらずに話しかけてくれる結に、笑顔を作った。
「ほら、今だって。あきちゃん、浩介くんと喋らなくなってから元気ないよ」
「そんな事ない」
「あるってば!」
正直にいうと、宮田が俺を避けるようになってから夜は全然眠れなくなり、ご飯も喉を通らなくなった。
何をしていても、頭の中を占めるのは宮田の存在で辛くなる。
「元に戻っただけだろ」
「それは……そうだけど」
「なら、いいじゃんか」
あいつも俺から離れられて喜んでるよと呟けば、結に可愛く睨まれた。
結の大きな瞳が涙で滲んで、息を飲む。
屋上事件から一週間が経過した。
あの日俺に言った通り、宮田は俺とは極力関わらないようにしているみたいだった。
元々人気者だった宮田は、昔みたいにクラスメイトに囲まれて笑顔を見せている。
不良の俺は昔に戻ったかのように、一人で外を眺めるだけの毎日になっていた。
「本当は浩介くんと何かあったんでしょ」
「別に何もねえ」
「うっそだあ」
昔も今も変わらずに話しかけてくれる結に、笑顔を作った。
「ほら、今だって。あきちゃん、浩介くんと喋らなくなってから元気ないよ」
「そんな事ない」
「あるってば!」
正直にいうと、宮田が俺を避けるようになってから夜は全然眠れなくなり、ご飯も喉を通らなくなった。
何をしていても、頭の中を占めるのは宮田の存在で辛くなる。
「元に戻っただけだろ」
「それは……そうだけど」
「なら、いいじゃんか」
あいつも俺から離れられて喜んでるよと呟けば、結に可愛く睨まれた。
結の大きな瞳が涙で滲んで、息を飲む。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
31
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる