1 / 11
始まりの始まり
しおりを挟む
京都 神代組
桜が暗闇に紛れて散っている。
花びらがひとつ部屋にはいってくる。
一人の男がそれを拾い、月夜にかざす。
その男は真っ黒な髪と瞳。
まさに漆黒だった。
その姿を見ていた耳にたくさんのピアスをつけた男は誰にともなく話しかける。
「あの三人にいかせてよかったのか?」
漆黒はそれには反応しない。
反応しないのを見て白いかみの男が髪をなびかせながら口を開いた。
「だって俺はここで情報網張らせときゃならんしー、
かなちゃんだってそんなこと言ったって“森羅”の総長だから離れるわけにはいかんしー、、、って
考えたら妥当じゃないー?かなちゃん?」
耳にピアスをつけている男を「かなちゃん」と呼んだ男はにっこり笑った。
「まー、そうだけどよー、、
なんか初めてのおつかいにやった親みてーな
きもち」
「まー、そうだねぇ、、けどあの三人なら
大丈夫だよ、ね?ただちゃん?」
「ただちゃん」と呼ばれてずっとみているだけの漆黒が口を開いた。
「‥、、あぁ、俺らの仲間だ、うまくやるだろ
やれなかったらそれまでってことだ」
ぶれない漆黒「ただちゃん」に身震いする二人。
けれどそんなこと言っても二人はわかっている。
「そんなこといってぇ、一度引き入れた人間
を手放したことなんかないくせに」
「ただちゃん」こと神代組若頭 神代唯斗は一度つかんだものは離さないということに。
白いかみの男の茶化すような言葉に漆黒の男は美しく笑った。
「当たり前だろ、だから俺は美しく、
できるやつしか手元におかねぇんだ
今に始まったことじゃねぇだろ」
「かなちゃん」と呼ばれた男も笑う。
「そうだったな、んじゃ、連絡来るまで
俺らはゆっくりここの治安を守りつつ
待とうかね」
漆黒の男は桜の花びらを月夜にかざしながら強く言った。
「‥、そうだな、頼んだぞ、
琉生斗」
桜が暗闇に紛れて散っている。
花びらがひとつ部屋にはいってくる。
一人の男がそれを拾い、月夜にかざす。
その男は真っ黒な髪と瞳。
まさに漆黒だった。
その姿を見ていた耳にたくさんのピアスをつけた男は誰にともなく話しかける。
「あの三人にいかせてよかったのか?」
漆黒はそれには反応しない。
反応しないのを見て白いかみの男が髪をなびかせながら口を開いた。
「だって俺はここで情報網張らせときゃならんしー、
かなちゃんだってそんなこと言ったって“森羅”の総長だから離れるわけにはいかんしー、、、って
考えたら妥当じゃないー?かなちゃん?」
耳にピアスをつけている男を「かなちゃん」と呼んだ男はにっこり笑った。
「まー、そうだけどよー、、
なんか初めてのおつかいにやった親みてーな
きもち」
「まー、そうだねぇ、、けどあの三人なら
大丈夫だよ、ね?ただちゃん?」
「ただちゃん」と呼ばれてずっとみているだけの漆黒が口を開いた。
「‥、、あぁ、俺らの仲間だ、うまくやるだろ
やれなかったらそれまでってことだ」
ぶれない漆黒「ただちゃん」に身震いする二人。
けれどそんなこと言っても二人はわかっている。
「そんなこといってぇ、一度引き入れた人間
を手放したことなんかないくせに」
「ただちゃん」こと神代組若頭 神代唯斗は一度つかんだものは離さないということに。
白いかみの男の茶化すような言葉に漆黒の男は美しく笑った。
「当たり前だろ、だから俺は美しく、
できるやつしか手元におかねぇんだ
今に始まったことじゃねぇだろ」
「かなちゃん」と呼ばれた男も笑う。
「そうだったな、んじゃ、連絡来るまで
俺らはゆっくりここの治安を守りつつ
待とうかね」
漆黒の男は桜の花びらを月夜にかざしながら強く言った。
「‥、そうだな、頼んだぞ、
琉生斗」
0
あなたにおすすめの小説
~春の国~片足の不自由な王妃様
クラゲ散歩
恋愛
春の暖かい陽気の中。色鮮やかな花が咲き乱れ。蝶が二人を祝福してるように。
春の国の王太子ジーク=スノーフレーク=スプリング(22)と侯爵令嬢ローズマリー=ローバー(18)が、丘の上にある小さな教会で愛を誓い。女神の祝福を受け夫婦になった。
街中を馬車で移動中。二人はずっと笑顔だった。
それを見た者は、相思相愛だと思っただろう。
しかし〜ここまでくるまでに、王太子が裏で動いていたのを知っているのはごくわずか。
花嫁は〜その笑顔の下でなにを思っているのだろうか??
行き場を失った恋の終わらせ方
当麻月菜
恋愛
「君との婚約を白紙に戻してほしい」
自分の全てだったアイザックから別れを切り出されたエステルは、どうしてもこの恋を終わらすことができなかった。
避け続ける彼を求めて、復縁を願って、あの日聞けなかった答えを得るために、エステルは王城の夜会に出席する。
しかしやっと再会できた、そこには見たくない現実が待っていて……
恋の終わりを見届ける貴族青年と、行き場を失った恋の中をさ迷う令嬢の終わりと始まりの物語。
※他のサイトにも重複投稿しています。
番など、今さら不要である
池家乃あひる
恋愛
前作「番など、御免こうむる」の後日談です。
任務を終え、無事に国に戻ってきたセリカ。愛しいダーリンと再会し、屋敷でお茶をしている平和な一時。
その和やかな光景を壊したのは、他でもないセリカ自身であった。
「そういえば、私の番に会ったぞ」
※バカップルならぬバカ夫婦が、ただイチャイチャしているだけの話になります。
※前回は恋愛要素が低かったのでヒューマンドラマで設定いたしましたが、今回はイチャついているだけなので恋愛ジャンルで登録しております。
完結 愚王の側妃として嫁ぐはずの姉が逃げました
らむ
恋愛
とある国に食欲に色欲に娯楽に遊び呆け果てには金にもがめついと噂の、見た目も醜い王がいる。
そんな愚王の側妃として嫁ぐのは姉のはずだったのに、失踪したために代わりに嫁ぐことになった妹の私。
しかしいざ対面してみると、なんだか噂とは違うような…
完結決定済み
完【恋愛】婚約破棄をされた瞬間聖女として顕現した令嬢は竜の伴侶となりました。
梅花
恋愛
侯爵令嬢であるフェンリエッタはこの国の第2王子であるフェルディナンドの婚約者であった。
16歳の春、王立学院を卒業後に正式に結婚をして王室に入る事となっていたが、それをぶち壊したのは誰でもないフェルディナンド彼の人だった。
卒業前の舞踏会で、惨事は起こった。
破り捨てられた婚約証書。
破られたことで切れてしまった絆。
それと同時に手の甲に浮かび上がった痣は、聖痕と呼ばれるもの。
痣が浮き出る直前に告白をしてきたのは隣国からの留学生であるベルナルド。
フェンリエッタの行方は…
王道ざまぁ予定です
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる