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7月16日 木曜日
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「……」
ガチャっ。
「あーー、疲れたーー。」
肩まである髪の毛を揺らしながら
手には花束と、大きな紙袋。
暗い部屋に入ってくる女。
部屋の中では灰色の髪の男が床でうつ伏せになって寝ている。
その姿をみて入ってきた女はため息をついた。
「また、寝てんのかよ。
どんだけ寝れば気がすむのよ。
てか、寝るなら鍵ぐらい閉めとけっつの。」
ぶつぶついいながら、荷物をすべて机へ置く。
キッチンのほうへいき、
買ってあるペットボトルに入ったコーヒーをコップへいれ、ミルクを追加、氷をいれてカフェオレを作りキッチンの目の前にある椅子に座る。
テレビをつけてカフェオレを口にする。
「……にが。」
テレビの音だけが部屋に響く。
「あ、忘れてた。」
机の上に自分が買ってきた花束を置きっぱなしにしていたのを思い出す。
その花束をもって部屋の奥へと入っていった。
「……」
「なんも面白いやつないなぁー。」
ガチャっ。
部屋にもう一人黒い髪の男が入ってくる。
男の手にも花束。そして反対の手にはたくさんの食材が入ったエコバッグを持っていた。
「おー。灰(ぐれい)もう来てたんだ。」
入ってきた男が机でカフェオレを飲む女に言う。
女はだるそうな目を向けて
「お買い物おつかれ。白(はく)。」
と声をかけた。
買い物袋を机においた白と呼ばれた人物は花束をもって部屋の奥へと行く。
すぐに奥の部屋から帰ってきた白は食材をとりだし、料理を始める。
その様子を見た灰は立ち上がって冷蔵庫から牛乳をとりだし、コップに注ぎ氷をいれた。
それを料理している白の横に置く。
「ありがとう。」
「いいええ。
……やっぱりあの花だよね。」
「今の時期は、な。」
「花屋に行くのも慣れちゃったわ。」
「すっかり常連だよな。」
「つーか、あいつ。」
目で床を指す。灰。
それに合わせて白も目を向ける。
「あいつ、鍵開けっぱで寝てるんだけど。」
「あー。またか。」
「また!!?っつたく!白!あんたが甘いのも行けないのよ!」
「うー。ごめんごめん。」
「危ないっつーの!
てか、あいつ、もしかして気絶してんじゃない?、、」
「え、、寝てるだけでしょ。」
「いや。だってあの寝型明らかにどこかにいこうとしてるじゃない!なにあの探偵ものの漫画に出てきそうな死体。」
「死体じゃないだろ笑」
「怖いわ。」
「いつものことだろ。」
「いつも……、だけど!!
一番に来る私は怖いのよ!
暗い部屋に床にうつ伏せになってるし!!
部屋は扇風機とクーラーで凍えきってるし!
ほんとに怖いんだから!
あんたは遅いからわからないだろうけどさ!」
「あーーー、確かに。怖そう。」
「でしょう!」
「うーん。ま、今に始まったことじゃないし。
灰がなれるしかないよ笑」
「……白に言った私がバカだった。」
「でも俺以外相談できねぇだろ笑」
「確かに。」
「今日は灰の好きなクリームパスタにするから機嫌治せ。」
「安上がりかよ。」
「食べない?」
「食べない。……とは言ってない。けど、、
あいつはクリームパスタ嫌いですけど。
和風がいいとかいいそうですけど。」
「?黒(こく)は和風作るけど?」
「いちいち作り分けるんかい。優しすぎかよ。いちいち配慮すんな。ばか。」
「えー。誉められてるかと思ったら悪口言われてるー。まぁ作りわけは苦じゃないし。」
「ありがとう。」
「いいえ。」
「黒起こしてくる。」
「よろしくー」
灰は床で寝ている黒を蹴る。
どがっ。
何回か蹴ると動き出す。灰色の頭が揺れる。
「ううううう、、」
「起きなよ。黒。」
「いまなんじ、、」
「夜の11時。」
「おそい。」
「寝てたやつが何を言う。」
「白来てるの?」
「来てるよ。」
「うーーん。」
「先行って食ってるからね。」
そのまま、置いていく。
何分かたって、黒も立ち上がってキッチンへ行く。
キッチンではもう食べている灰とテレビをみている白がいた。
黒は席につき手を合わせる。
「白ありがと。いただきます。」
「はい。いただきます。」
三人のテーブルには違ったのみもの。
違ったコップ、違ったパスタ。
三人に共通点なんてない。
仕事の職種も趣味も話が合うことなんてあまりない。
こんなに違っていても
三人はいつも一緒。
この話はこんな三人の毎日の日常を描いた物語。
ガチャっ。
「あーー、疲れたーー。」
肩まである髪の毛を揺らしながら
手には花束と、大きな紙袋。
暗い部屋に入ってくる女。
部屋の中では灰色の髪の男が床でうつ伏せになって寝ている。
その姿をみて入ってきた女はため息をついた。
「また、寝てんのかよ。
どんだけ寝れば気がすむのよ。
てか、寝るなら鍵ぐらい閉めとけっつの。」
ぶつぶついいながら、荷物をすべて机へ置く。
キッチンのほうへいき、
買ってあるペットボトルに入ったコーヒーをコップへいれ、ミルクを追加、氷をいれてカフェオレを作りキッチンの目の前にある椅子に座る。
テレビをつけてカフェオレを口にする。
「……にが。」
テレビの音だけが部屋に響く。
「あ、忘れてた。」
机の上に自分が買ってきた花束を置きっぱなしにしていたのを思い出す。
その花束をもって部屋の奥へと入っていった。
「……」
「なんも面白いやつないなぁー。」
ガチャっ。
部屋にもう一人黒い髪の男が入ってくる。
男の手にも花束。そして反対の手にはたくさんの食材が入ったエコバッグを持っていた。
「おー。灰(ぐれい)もう来てたんだ。」
入ってきた男が机でカフェオレを飲む女に言う。
女はだるそうな目を向けて
「お買い物おつかれ。白(はく)。」
と声をかけた。
買い物袋を机においた白と呼ばれた人物は花束をもって部屋の奥へと行く。
すぐに奥の部屋から帰ってきた白は食材をとりだし、料理を始める。
その様子を見た灰は立ち上がって冷蔵庫から牛乳をとりだし、コップに注ぎ氷をいれた。
それを料理している白の横に置く。
「ありがとう。」
「いいええ。
……やっぱりあの花だよね。」
「今の時期は、な。」
「花屋に行くのも慣れちゃったわ。」
「すっかり常連だよな。」
「つーか、あいつ。」
目で床を指す。灰。
それに合わせて白も目を向ける。
「あいつ、鍵開けっぱで寝てるんだけど。」
「あー。またか。」
「また!!?っつたく!白!あんたが甘いのも行けないのよ!」
「うー。ごめんごめん。」
「危ないっつーの!
てか、あいつ、もしかして気絶してんじゃない?、、」
「え、、寝てるだけでしょ。」
「いや。だってあの寝型明らかにどこかにいこうとしてるじゃない!なにあの探偵ものの漫画に出てきそうな死体。」
「死体じゃないだろ笑」
「怖いわ。」
「いつものことだろ。」
「いつも……、だけど!!
一番に来る私は怖いのよ!
暗い部屋に床にうつ伏せになってるし!!
部屋は扇風機とクーラーで凍えきってるし!
ほんとに怖いんだから!
あんたは遅いからわからないだろうけどさ!」
「あーーー、確かに。怖そう。」
「でしょう!」
「うーん。ま、今に始まったことじゃないし。
灰がなれるしかないよ笑」
「……白に言った私がバカだった。」
「でも俺以外相談できねぇだろ笑」
「確かに。」
「今日は灰の好きなクリームパスタにするから機嫌治せ。」
「安上がりかよ。」
「食べない?」
「食べない。……とは言ってない。けど、、
あいつはクリームパスタ嫌いですけど。
和風がいいとかいいそうですけど。」
「?黒(こく)は和風作るけど?」
「いちいち作り分けるんかい。優しすぎかよ。いちいち配慮すんな。ばか。」
「えー。誉められてるかと思ったら悪口言われてるー。まぁ作りわけは苦じゃないし。」
「ありがとう。」
「いいえ。」
「黒起こしてくる。」
「よろしくー」
灰は床で寝ている黒を蹴る。
どがっ。
何回か蹴ると動き出す。灰色の頭が揺れる。
「ううううう、、」
「起きなよ。黒。」
「いまなんじ、、」
「夜の11時。」
「おそい。」
「寝てたやつが何を言う。」
「白来てるの?」
「来てるよ。」
「うーーん。」
「先行って食ってるからね。」
そのまま、置いていく。
何分かたって、黒も立ち上がってキッチンへ行く。
キッチンではもう食べている灰とテレビをみている白がいた。
黒は席につき手を合わせる。
「白ありがと。いただきます。」
「はい。いただきます。」
三人のテーブルには違ったのみもの。
違ったコップ、違ったパスタ。
三人に共通点なんてない。
仕事の職種も趣味も話が合うことなんてあまりない。
こんなに違っていても
三人はいつも一緒。
この話はこんな三人の毎日の日常を描いた物語。
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