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崩壊
しおりを挟むJC時代の1学期の期末テストの日。
外は夏休みを待ちきれないのかと思うくらいすっかり夏休み気温。
体もちゃんと夏休みで、しっかり夏バテ、しっかりアイス食べたい。
なのに非情にも学校は夏休みではなく、あろう事か試験なんてものを突きつけてくるわけなのだからどう考えても試練。
迎えた苦手な数学の時間
苦手な科目の試験でチャイムが鳴るまで必死に解き続ける描写があるけれど、
あれは嘘
苦手なものほどそそくさと虚無になる
テストを表にした瞬間わかる
いや、配られる前からわかる
わからないことがわかる
「無知の知」(ドンッ)
いや、無知は無知なのですけど。
試験時間50分のうち、実に45分を残してソクラテスを胸の内に秘めてしまった私は
じっと自分の名前を眺めていました。
だんだん頭が貧血を起こしたみたいにス~っとなって、ぐるぐるして、
いつも書いている、いつも名乗っている名前の文字が読めなくなったのです。
もちろん頭で読もうと思えば読めるのだけど、
目で見る分にはただの線にしか見えなくなりました。
あとから調べたらこれが「ゲシュタルト崩壊」ってやつなんだと
ゲシュタルト崩壊なんて言葉を知ってしまった日にはもう、
暇な時にはゲシュタルト崩壊を楽しむ癖がついてしまいました。
中でも私は、人の顔でゲシュタルト崩壊させるのが好きでした。
体育祭やらで感極まって涙を流すクラスメイト
指揮棒を振る顧問
テレビを見ている弟の横顔
中でも怒っている先生の顔や体は大好きだった。
長いお説教を受けながら、
怒っている先生の顔をバラバラにして
ただの形になった目や鼻や口や指を見つめました。
ほとぼりが冷めて、先生が冷静になると、バラバラになったパーツはまた意味を持ち始めます。
大学の頃、図工の授業で石膏像の写真の模写をしました。
画用紙の左に石膏像の写真を置いて
2時間、まるまる自由に模写させた翌週、先生が新しい紙を配って言いました
「今度はモデルの写真の上下逆さまを模写しましょう」
言われるがままに上下逆にして模写する我々。
そしたらびっくり。
同じ写真を模写したのに、皆上下逆にして模写したものを上下正しくした方が、上下逆にせず模写したものより上手なんです。
先生が言うには
「目を目だとか、鼻を鼻だとか、頭で勝手に決めつけるから勝手に輪郭作って勝手に思い込んで本質が捉えられない 」
のだと。
「逆にすると見えたまま書くしかないから忠実にうけとめられた」
のだと。
もちろん先生のことばそのままでは無いですけど、
印象深い講義だったのでよく覚えています。
その講義をうけたとき、中高生のころよく人の顔をバラバラににしていたことを思い出しました。
先生には
「そういうはなしではない」
と怒られるかもしれないですけど。
中高生の時ほど人に対して敏感でなくなったせいか
時間が無くなったせいか
崩壊させることは減ったけれど、
未だにぼんやりしていると、自分の爪がどこかに行ってしまったりする
毎日必死でキーボード叩かされる爪だって、たまには役割放り出して「なんか固いもの」でいて良いですよね。
ちなみに、
ゲシュタルト崩壊に出会った数学のテストは、8点でした。
末広がり。
ありがとうございました。
華金
明日は、朝から、ソフトバンクショップ🐶
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