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寝たフリ
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子供の頃、寝たフリをするのが得意だった。
早く寝なさいと言われるから寝たフリをする。
夜中まで寝たフリをしていると、父親の帰る音がして、パタパタと母が出迎えに廊下を歩く音がする。
しばらくしてぺたぺたと音がするのは、裸足になった父親が、子供たちの寝姿を見に来る時の音だ。
時々、妹とはしゃいでいてぺたぺたに気付かないと、父親にバレて「早く寝ろよ、ママに叱られるぞ」と言われるけれど、大抵の寝たフリはバレなかった。
じいちゃんちに行くと、大人が話す色んな話を聞きたくて寝たフリをした。
私が褒められていれば嬉しいけれど、おねしょをしたこととか学校抜け出して遊びに出たことを密告されている時は耳を塞いだ。
学生の頃は、授業がだるくて寝たフリをした。
もちろん寝たフリをしていると先生に怒られるのだけど、そんなことは構わない。
退屈な授業が早く終わるように、寝たフリをする。
寝たフリをしていると気付くと本当に寝こけていて、時間が早く進む。
時間が早く進むのは有難いのだけど、友達のいない私は、授業が終わっても寝ていることに気づかなかい。
大学時代、爆睡しすぎて最後のリアペを書き損じることもよくあった。
せっかく出席したのに、欠席扱い。
こんなことならサークルのたまり場のソファで寝ていればよかったと何度も後悔した。
最近は寝たフリをすることが減った。
フリをする必要がないから、寝たい時に寝る。
次の日も仕事だから寝ないといけないのに眠くならないとき、
ぼんやりと天井を眺めたり妄想に耽けるのは、寝たフリをしているのかもしれない。
今日だって夕方にぼんやり寝たフリをした。
寝たフリをしていたら、頭の中に中高時代の友人(部活のメンバー)がでてきた。
夢だったのかもしれない。
その中に、元彼がいた。
バイオリンが上手くて、少しキツい所もあるけれど優しくて、気が利かなくて、ウブで、
それでも一生懸命大事にしてくれようとした彼。私の使う駅とは逆方面に帰るはずなのに、いつも駅まできてくれた彼。
当時私は鉛筆削りが空回りするくらい削りに削った鉛筆くらい尖っていたので、地元で知り合ったようわからん奴に惹かれて別れてしまったけれど。
(ようわからん奴とは1大恋愛を経て、初のSMを体験することになったけれど結局遊ばれて終わった)
毎日、学校でも会っているのに夜中までメールをした。
大体私の方が遅くまで起きていて、夜中1時位になるとぱったりと彼からの返事がなくなる。
よく「お前は夜更かししすぎ」「だから背が伸びないんだ」なんて叱られた。
自分だって小さい方なくせに。
夢で彼に会ってしまったから、どうしても連絡が取りたくなってLINEをした。
ギリギリLINEが残っていてよかった。
連絡取るのも8年振りくらいかもしれない。
「妹と当時の部活のこと話してたらどうしても連絡したくなって~」「元気?」
と、同じ部活だった妹をダシに使い、LINEで買ったドコモ絵文字を多用して、送ってみた。
既読がついたのか
既読もついていないのか
ブロックされているのか
確認するのも苦しくて、
タイミング悪く確認した瞬間に返事が来たらどうしようなんて思って、
即「非表示」にした。
メールなら既読のことを気にする必要もないし、
アドレスが変わっているならそれもわかる、
狂ったようにセンター問合せをしてやっと返事が来ても、そのまましばらく寝かせてシレッと返事をすれば良い。
LINEで返事が来て即既読を付けたら気持ち悪がられるかもしれないけど、センター問合せなら「こいつ、ずっとセンター問合せしてたな」なんて思われない。
幸い、2時間ほどで返事が来た。
「元気にやってる。そっちは?」
そっちは?に興奮してしまう。
気分はすっかり中高生。
質問で返してくるのは脈アリ!って、ポップティーンに書いてあったし。
とはいえ話す内容は仕事の話。
21:30
私「土日やすみなの?」
22:00
彼「一応休みだけど仕事してる。今日も仕事してた」
私「忙しいんだ?」「リモート?」
色々聞きたいけど、
既読も付けずに明日に回す。
ごめん寝ちゃった
って明日の朝に返事をしよう。
きっと、「10年会わないうちにすっかり健康な生活習慣になったんだな」と思うにちがいない。
私、寝たフリは得意なの
早く寝なさいと言われるから寝たフリをする。
夜中まで寝たフリをしていると、父親の帰る音がして、パタパタと母が出迎えに廊下を歩く音がする。
しばらくしてぺたぺたと音がするのは、裸足になった父親が、子供たちの寝姿を見に来る時の音だ。
時々、妹とはしゃいでいてぺたぺたに気付かないと、父親にバレて「早く寝ろよ、ママに叱られるぞ」と言われるけれど、大抵の寝たフリはバレなかった。
じいちゃんちに行くと、大人が話す色んな話を聞きたくて寝たフリをした。
私が褒められていれば嬉しいけれど、おねしょをしたこととか学校抜け出して遊びに出たことを密告されている時は耳を塞いだ。
学生の頃は、授業がだるくて寝たフリをした。
もちろん寝たフリをしていると先生に怒られるのだけど、そんなことは構わない。
退屈な授業が早く終わるように、寝たフリをする。
寝たフリをしていると気付くと本当に寝こけていて、時間が早く進む。
時間が早く進むのは有難いのだけど、友達のいない私は、授業が終わっても寝ていることに気づかなかい。
大学時代、爆睡しすぎて最後のリアペを書き損じることもよくあった。
せっかく出席したのに、欠席扱い。
こんなことならサークルのたまり場のソファで寝ていればよかったと何度も後悔した。
最近は寝たフリをすることが減った。
フリをする必要がないから、寝たい時に寝る。
次の日も仕事だから寝ないといけないのに眠くならないとき、
ぼんやりと天井を眺めたり妄想に耽けるのは、寝たフリをしているのかもしれない。
今日だって夕方にぼんやり寝たフリをした。
寝たフリをしていたら、頭の中に中高時代の友人(部活のメンバー)がでてきた。
夢だったのかもしれない。
その中に、元彼がいた。
バイオリンが上手くて、少しキツい所もあるけれど優しくて、気が利かなくて、ウブで、
それでも一生懸命大事にしてくれようとした彼。私の使う駅とは逆方面に帰るはずなのに、いつも駅まできてくれた彼。
当時私は鉛筆削りが空回りするくらい削りに削った鉛筆くらい尖っていたので、地元で知り合ったようわからん奴に惹かれて別れてしまったけれど。
(ようわからん奴とは1大恋愛を経て、初のSMを体験することになったけれど結局遊ばれて終わった)
毎日、学校でも会っているのに夜中までメールをした。
大体私の方が遅くまで起きていて、夜中1時位になるとぱったりと彼からの返事がなくなる。
よく「お前は夜更かししすぎ」「だから背が伸びないんだ」なんて叱られた。
自分だって小さい方なくせに。
夢で彼に会ってしまったから、どうしても連絡が取りたくなってLINEをした。
ギリギリLINEが残っていてよかった。
連絡取るのも8年振りくらいかもしれない。
「妹と当時の部活のこと話してたらどうしても連絡したくなって~」「元気?」
と、同じ部活だった妹をダシに使い、LINEで買ったドコモ絵文字を多用して、送ってみた。
既読がついたのか
既読もついていないのか
ブロックされているのか
確認するのも苦しくて、
タイミング悪く確認した瞬間に返事が来たらどうしようなんて思って、
即「非表示」にした。
メールなら既読のことを気にする必要もないし、
アドレスが変わっているならそれもわかる、
狂ったようにセンター問合せをしてやっと返事が来ても、そのまましばらく寝かせてシレッと返事をすれば良い。
LINEで返事が来て即既読を付けたら気持ち悪がられるかもしれないけど、センター問合せなら「こいつ、ずっとセンター問合せしてたな」なんて思われない。
幸い、2時間ほどで返事が来た。
「元気にやってる。そっちは?」
そっちは?に興奮してしまう。
気分はすっかり中高生。
質問で返してくるのは脈アリ!って、ポップティーンに書いてあったし。
とはいえ話す内容は仕事の話。
21:30
私「土日やすみなの?」
22:00
彼「一応休みだけど仕事してる。今日も仕事してた」
私「忙しいんだ?」「リモート?」
色々聞きたいけど、
既読も付けずに明日に回す。
ごめん寝ちゃった
って明日の朝に返事をしよう。
きっと、「10年会わないうちにすっかり健康な生活習慣になったんだな」と思うにちがいない。
私、寝たフリは得意なの
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