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開幕
断罪劇は迷走して行方不明になりました
しおりを挟むプルプル震えて涙を零していた(?)芹沢がガバリと顔を上げた。その顔は青い。本当に総司何したんだよ?!と思いながらも咄嗟に身構えるが、向かってくる様子もない。
沈黙がその場を覆うが総司は笑顔であるその隣にいる近藤も笑顔だ・・・何だかカオスだと思ってしまう。
不自然な間と空気に耐えられなくなった時決心したような芹沢が口を開いた。
「俺は、俺は、もうお前達なんかと、いや、沖田総司と関わりたくない!!こんな組織くれてやる!!だからもうこれ以上俺に関わるな・・・いや関わらないでください!!
というかもう、俗世捨ててどこかの田舎の仏門にでも入ってやるぅぅぅ。゚(゚´Д`゚)゚。」
そう言い捨てて走り去っていった。
あまりに突然の出来事で反応できず呆然と見送ってしまった。
総司はといえば、芹沢のあまりの様子にお腹を抱えて笑い転げていた。近藤は苦笑いしているが良かった良かったと頷いていた。
本当に総司は・・・コイツの弱みは近藤さんしか無いんだな。
と、残っていた幹部は一様に思った。
芹沢仏門に入る宣言から数日。
屯所内は、変わらず。
変わった事といえば、局長が近藤さんに変わった事だけだ。
副長は土方に、それにおいては、色々と・・・本当に色々とあった。
総司が我儘を言い、自分が副長になると土方に斬りかり、乱闘騒ぎを起こす日々がいまだに続いている。
1日数度起こるソレは、新選組幹部の名物となっている。
だいたい時間が決まっているので時計代わりとも言うが・・・。
「そう言えばさ~私闘ってダメじゃね?」
今日も今日とて土方と総司の斬り合いを見物しながら思い出した様に言う平助だが相手が総司なだけに法度など無いに等しいと解る。だが平隊員に示しがつかないのでどうにかするべきじゃと思っている。
そんな考えを知ってか知らずかのんきな声が返ってきた。
「何を言ってるんだ平助(*´∀`*)」
振り返って見たのは楽しげに総司と土方の(命の)やり取りを見ている近藤。
「あ~近藤さん。こんにちは~って何かおかしいこと言った俺?」
首を傾げている平助の頭を撫でながら笑顔で爆弾をおとす。
「あれは私闘じゃないぞ~死闘だから法度には触れてないぞ(*´∀`*)」
な?っと誇らしげに言っている。
いやそれダメでしょ!?
一番ダメな奴じゃないのか?!
その場にいた全員が心の中で突っ込んだ。
だが近藤は楽しそうにニコニコと笑うだけだった。
そんなやり取りがあったことを知らない土方は、屯所の自室で一人書類に向かう。
溜まりに溜まった紙の束を見て思う。
この半分以上が平隊員からの総司への苦情だろうな。
と、それは間違っていない。
いつもの事だ。
それも屯所内で収まっているからいい。
町中まで持ってかれたらたまったものじゃない。
町人にまで被害が出たら・・・目も当てられない。
溜息を吐き書類を捲り出す。
近藤へ持っていく物と自分でカタを付けられるものへひとまず分ける。
ペラリと捲ったそれ・・・芹沢の行った先の報告だ。
読んでいく、読み進めていく。
読み進めていくにつれ目頭が熱くなった。
総司の嫌がらせのアレやコレの所為で随分心に傷を負ったようだ。
あんな破壊され破綻した人格の人だったのに、随分変わってしまった様子が涙を誘った。
本当に、ホンットウにあまり人の来ない田舎に引っ込み、仏門ではなく仏像掘って念仏唱えながら生活しているとは・・・
総司お前どんだけ酷い事したんだ・・・
と思うのは仕方がない。
この分ならもう田舎から出てくる事もないと報告書を仕舞った。
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