救国の魔女と滅国の皇子~プログラマーは魔法も作れる!?~

一条弥生

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仲間

42.森の異変

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ギルドは夕方だからか、多くの冒険者で賑わっていた。

女性の冒険者が見当たらない。

群れたいわけじゃないけど、情報共有できる相手がギルドの職員だけじゃ心許ない。

冒険者には冒険者の情報網があって、職員は把握してない情報が聞けるから、知り合いを作っておきたいけど。

横目で周りを見ると、気持ち悪いニヤつきをする男ばっかりだった。

これじゃ無理だ。

私は、ギルドカードを鞄から取り出してカウンターに置いた。

「ツバキ・コノエと申します。ラクタナから来ました。」

「ご確認させていただきますね。」

カードを専用のボードに置くと情報を読み取れるシステムだ。

分解したくて古いのが無いかラクタナで聞いたけど、貴重だから古いものは回収されると聞いてガッカリした。

「ツバキ・コノエ様、確認致しました。ラクタナではAクラスですので、Bクラスからのスタートになります。」

私はサウルタイガーを2体倒したけど、ギルドマスターが、上位の依頼を一度も受けてないからと、SクラスのところをAクラスにした。妥当な判断だ。

カウンターの奥から走って来た小柄な女の子が、受付嬢を押し退けた。

「ツバキ・コノエ様ですか!?」

「はい。」

「カノンから話を聞いてます!是非!うちのギルドを何とかしてください!」

「コラ!何勝手なこと言ってんの!コノエ様、申し訳ありません。」

「いえ。その話は次にギルドに来たときでお願いします。」

小柄な女の子は、別の女性職員に連行されて行った。

「まず、魔獣について報告です。」

「魔獣、ですか。」

「はい。ラクタナから馬車で来たんですけど、麓まで魔獣が下りてきていました。ブルーの毛で、私より少し背が高い狐に似た魔物です。大きな尻尾で」

「ランガルフォックスですか!?」

周りの冒険者が話を止めた。

「見たことが無いので分からないです。気品高い感じでした。」

「ランガルフォックスが麓まで降りてくるなんて...」

受付嬢は職員を引き止めて、魔物の調査を担当している部署の主任を呼んで来るように頼んだ。

職員は慌てて走って行ったから、宿も取らずに報告に来て正解だったみたいだ。

「まさか戦ったんですか?」

「お腹を空かせていたので、ヤッカーを捕まえて差し出しました。帰って行きましたよ。」

受付嬢に色々聞いて待っていると、騒がしい足音が向かって来た。

丸眼鏡を掛けた髪の毛ボサボサの男性が、自分の足に躓いて、カウンターにぶつかった。

「大丈夫ですか!?」

「あなたですか!ランガルフォックスを見たと言うのは!!」

「はい。」

何があったのかを話すと、男性、おそらく呼ばれた主任は頭を抱えた。
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