『量子の檻 -永遠の観測者-』

葉羽

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終章

エピローグ

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それから一ヶ月後。 表面上、世界は何も変わっていないように見える。

俺と彩由美は、以前と同じように学校に通い、日常を過ごしている。しかし...。

「また、見えた」 下校途中、彩由美が空を見上げる。

俺にも見えていた。 現実の空に重なる、量子の波動。 そして、その波間を這う「彼ら」の影。

俺たちの体の模様は、普段は見えない。しかし、「彼ら」の活動を感知すると、淡く浮かび上がる。永遠の監視者としての印。

「ねぇ、葉羽くん」 彩由美が俺の袖を引く。 「あの時、霧島教授が言っていた『最後の実験』のこと、分かったよ」

「ああ」 俺も頷く。 「教授は知っていた。俺たちが選ばれる理由を」

二人で歩きながら、空の歪みを観測する。 その瞬間、俺たちの手のひらに新たな文字列が浮かび上がる。

『異次元干渉:検知』 『対象:未確認存在α-771』 『対応プロトコル:起動』

「行こうか」 俺は彩由美に手を差し伸べる。

彼女は微笑んで頷く。 「うん。私たちの仕事だもんね」

二人の指が触れ合った瞬間、強力な量子バリアが展開される。 見えない壁が、この世界を守る。

教室で。 街で。 そして、この瞬間も。

俺たちは観測を続ける。 永遠に。

「ねぇ」 彩由美が突然、立ち止まる。 「私たち、これからずっと一緒なんだよね」

その言葉に、俺の胸が高鳴る。 「ああ。永遠にな」

夕暮れの街に、かすかな量子の輝きが降り注ぐ。 俺たちの新しい物語は、まだ始まったばかり。

そして...。

研究所の跡地に、一枚の紙が舞い落ちる。 そこには、霧島教授の最後の言葉が。

『量子の檻は、永遠に存在し続ける』 『なぜなら、それは愛という名の観測装置だから』


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