運命のパズル

葉羽

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18章

学園祭の幕開け

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第18章: 学園祭の幕開け

真相が明らかになってから1ヶ月が経過した。学園は表面上、何事もなかったかのように日常を取り戻していた。しかし、葉羽たちの内側では、大きな変化が起きていた。
学園祭の朝、葉羽は早めに学校に到着した。校門をくぐると、すでに多くの生徒たちが準備に追われていた。
「葉羽くん、おはよう！」
振り返ると、彩由美が笑顔で手を振っていた。彼女の隣には山田と佐々木の姿もあった。
「みんな、おはよう」葉羽は微笑んで応えた。
4人は並んで歩きながら、学園祭の準備状況を確認していった。
「ねえ、本当にこれでよかったのかな」彩由美が小声で言った。「あの計画を完全に止めてしまって...」
葉羽は真剣な表情で答えた。「ああ、間違いないさ。未来は予測したり、操作したりするものじゃない。自分たちの手で作り上げていくものだ」
山田が頷いた。「その通りです。私が来た未来は、もう存在しないかもしれません。でも、それこそが希望なんです」
「それにしても」佐々木が周りを見回しながら言った。「みんな、何も知らずに普通に学園祭を楽しもうとしている。俺たちだけが、この重大な秘密を知っているんだよな」
葉羽は立ち止まり、仲間たちを見つめた。「だからこそ、俺たちには責任がある。この学園を、本当の意味で才能ある人材を育てる場所にしていかなきゃならない」
全員が頷いた。
その時、校内放送が鳴り響いた。
「間もなく学園祭が開始されます。生徒の皆さんは最終確認を行い、来場者の受け入れ準備を整えてください」
彩由美が目を輝かせた。「私たちのクラスの出し物、『謎解き脱出ゲーム』の準備はOKよ！」
葉羽は少し照れくさそうに笑った。「ああ、結局予定通り僕のアイデアを使うことになったな」
「当たり前じゃない」彩由美が明るく言った。「葉羽くんの推理力があったからこそ、私たちはここまで来れたんだもの」
4人は教室に向かいながら、それぞれの役割を確認し合った。
教室に到着すると、クラスメイトたちが最後の準備に追われていた。葉羽たちも即座に作業に加わる。
「よし、最後の謎を設置するぞ」葉羽が指示を出す。「この謎を解くには、みんなで協力しないといけないからな」
彩由美が不思議そうな顔をした。「協力？どういうこと？」
葉羽は意味深な笑みを浮かべた。「この謎は、一人の力では絶対に解けないんだ。違う視点、違う才能を持つ人たちが力を合わせないと答えにたどり着けない」
山田が感心したように頷いた。「なるほど。まさに私たちが目指す、新しい学園の理念そのものですね」
佐々木が肩をすくめた。「相変わらず、物事を難しく考えるよな、お前は」
全員が笑った。その瞬間、校内に開会を告げるファンファーレが鳴り響いた。
葉羽は窓の外を見た。校門が開き、大勢の来場者たちが学園に流れ込んでくる。
「始まったな」葉羽が静かに言った。
彩由美が彼の隣に立ち、優しく手を握った。「うん、私たちの新しい物語の始まり」
4人は互いを見つめ、頷き合った。彼らの目には、不安と期待が入り混じっていたが、それ以上に強い決意の光が宿っていた。
葉羽は深く息を吸い、仲間たちに向かって言った。「さあ、行こう。俺たちにしか作れない未来が、ここから始まるんだ」
教室を出る4人の背中に、まぶしい朝日が降り注いでいた。彼らの前には、無限の可能性を秘めた未来が広がっていた。

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