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第3章
リュンヌと魔物狩りにいきました。
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ガードンは、朝からバタバタする妻を珈琲を飲みながら眺めていた。
「荷物は既に運び入れましたね。あとは調理器具と食材をお願い」
ピクニックにでも行くようなウキウキした様子だが、行き先は魔力溜まりが始まりそうだ。との報告があった場所。
「向こうでも準備はしてある。リュンヌそろそろ行こうか」
テーブルへカップを置き立ち上がると、すかさず隣へ来て一緒に馬屋へ向かう。立派な二頭の馬はどちらも王家から賜り、艶やかな黒馬は本来気性が荒く主人と認めない者は近づく事すら出来ない。
王宮近くにある魔術団棟へも近い場所に、ガードンとリュンヌが住む離宮があり、アーテル大公の名を授かった。
アーテル大公の馬屋には、黒馬二頭の他に茶色の馬も数頭居るが速さと強さを考えれば、黒馬が一番だろう。
「タロ、ジロ。さぁ行きますわよ」
リュンヌの声に二頭は嘶きガードンとリュンヌを其々乗せると一気に走り出す。
行き先はゲルプ公爵領の外れにある森。王都からも近く度々騎士団が派遣されていたが、今回の調査で規模が大きいと判断され、魔術団への共闘要請がされていたのだ。
「タロ。ガードン様を落としたらお仕置きですわよ」
隣でジロに跨がるリュンヌが声を掛ければ、タロが緊張したのが分かる。
「大丈夫だ。なぁタロ」
ガードンが声を掛けてタロの緊張を解す。
気性が荒い二頭は最初、ガードンの事をバカにした態度で、唾を飛ばしたのだ。それを見たリュンヌが、
「お前達。私のガードン様へ何をやったのかしら?」
どこから出したのか鞭をバチンと地面に打ち付け、ギロリと二頭を見たリュンヌを二頭はフンっとやったのだが、艶やかな黒毛が徐々に凍り始め、サッと撫でられた箇所からミシミシと嫌な音がする。
あ…馬の凍り漬けが出来てしまう。
ガードンがリュンヌを止めようと動く前にビシッと固まった二頭。
「私の言う事を聞くわよね?」
ふわりと笑うリュンヌへ、まるで分かった!と言う様に頭を下げた二頭は、リュンヌの冷気から解放され、手当てもしてもらった。
それから、リュンヌ絶対。になるのは当たり前だが少々やり過ぎ感は否めない。
そんな二頭は、リュンヌとガードンの指示通り走り。日暮れ前には目的地へ着いた。既に騎士団と傭兵が来てかなりの数を屠っていたが、湖近くにある魔力溜まりまで行けていないらしい。
「アーテル大公がいらっしゃるとは」
第2騎士団長から歓迎されながらも、戸惑いが伺えたが、本来要請されてたのは10人規模だ。それが二人しか来なかった事も不安なのだろう。
「リュンヌお嬢様!!」
傭兵の1人が叫ぶとわらわらとガードンとリュンヌは屈強な男達に囲まれた。
「どなたかしら?」
可愛らしく首をこてんと傾けたリュンヌと、それを庇うように前へ立つガードン。
「昔、リュンヌお嬢様の護衛としてアルブス国へ同行した者です。あの当時己の弱さを痛感し、今は魔物狩りで武者修行中。いつかお嬢様の護衛を務められるよう精進致します」
片膝を着き頭を下げた傭兵達を見て、第2騎士団の人々は驚愕した。
第2騎士団員達も一目置くマッチョ軍団が、たかだか貴族の女性1人へ頭を下げている。いくら騎士団長の妹御でアーテル大公の妻だとしても、理解出来ない。
「ふふ。あの時ね。私の旦那様を第一に考え行動して下さる?夜明けすぐ出発するわ」
クスクス笑いながら話すリュンヌと、御意!と声を揃えるマッチョ軍団。
「リュンヌ。部屋に行って二人で話をしよう」
リュンヌの肩を抱き寄せ、ゲルプ公爵の別邸に用意された部屋に向かう。
「あの傭兵達は誰かな?」
普段のぶっきらぼうとも違う、少し怒っているかの様な物言いにリュンヌは、はて?と首を捻る。
「アルブス国へ向かった時に護衛して頂いただけですわ」
うん。それ以外に何も無かったわよね?
「じゃあ、何故あの様にリュンヌを崇拝している?俺の知らない間、彼らと何をしたんだ」
護衛してただけと言っても何故かガードン様は信じてくれない。こんな事は初めての経験。段々悲しくて涙が溢れそうになった時に、ふわりと抱きしめられた。
「すまん。多分これは嫉妬だ。リュンヌが俺以外に笑いかけた事が不安になったんだ」
ギュッと抱きしめられた腕が何だか嬉しくなって…
「私は貴方しか見えませんわ。ふふ、いつも私ばかりガードン様を追いかけている気がしてましたが、違うのですね」
スリッと胸に顔を寄せガードンの背中へ手を回し、温かさの中に包まれればリュンヌの旋毛に柔らかなキスが落ちる。
「まさか俺も自分がこんなに嫉妬深くなるとは思わなかった。泣かすつもりは無かったんだ。本当にすまん。
リュンヌ、愛しているよ。ずっと君だけだ」
ボンっと耳まで真っ赤になるリュンヌをチラリと見て、愛しさが沸き上がる。
「好きです。大好きですガードン様」
フニャッと笑ったリュンヌを膝の上に乗せ座り後ろから腰を抱いた。
「明日は、あまり無茶するなよ」
早い所、魔力溜まりを消してリュンヌに怪我一つ負わせる事にならない様に考えているガードンと、
ステキなガードン様の魅力を如何に皆へ伝えるか考えているリュンヌ。
第2騎士団員達が、ガードン様を軽く見ていた事に気付いてたリュンヌは、彼らにガードン様の素晴らしさをキッチリ見せ付けようと思っている。
「大丈夫ですわ!」
フフフ……リュンヌの不敵な笑みが浮かんだ。
「荷物は既に運び入れましたね。あとは調理器具と食材をお願い」
ピクニックにでも行くようなウキウキした様子だが、行き先は魔力溜まりが始まりそうだ。との報告があった場所。
「向こうでも準備はしてある。リュンヌそろそろ行こうか」
テーブルへカップを置き立ち上がると、すかさず隣へ来て一緒に馬屋へ向かう。立派な二頭の馬はどちらも王家から賜り、艶やかな黒馬は本来気性が荒く主人と認めない者は近づく事すら出来ない。
王宮近くにある魔術団棟へも近い場所に、ガードンとリュンヌが住む離宮があり、アーテル大公の名を授かった。
アーテル大公の馬屋には、黒馬二頭の他に茶色の馬も数頭居るが速さと強さを考えれば、黒馬が一番だろう。
「タロ、ジロ。さぁ行きますわよ」
リュンヌの声に二頭は嘶きガードンとリュンヌを其々乗せると一気に走り出す。
行き先はゲルプ公爵領の外れにある森。王都からも近く度々騎士団が派遣されていたが、今回の調査で規模が大きいと判断され、魔術団への共闘要請がされていたのだ。
「タロ。ガードン様を落としたらお仕置きですわよ」
隣でジロに跨がるリュンヌが声を掛ければ、タロが緊張したのが分かる。
「大丈夫だ。なぁタロ」
ガードンが声を掛けてタロの緊張を解す。
気性が荒い二頭は最初、ガードンの事をバカにした態度で、唾を飛ばしたのだ。それを見たリュンヌが、
「お前達。私のガードン様へ何をやったのかしら?」
どこから出したのか鞭をバチンと地面に打ち付け、ギロリと二頭を見たリュンヌを二頭はフンっとやったのだが、艶やかな黒毛が徐々に凍り始め、サッと撫でられた箇所からミシミシと嫌な音がする。
あ…馬の凍り漬けが出来てしまう。
ガードンがリュンヌを止めようと動く前にビシッと固まった二頭。
「私の言う事を聞くわよね?」
ふわりと笑うリュンヌへ、まるで分かった!と言う様に頭を下げた二頭は、リュンヌの冷気から解放され、手当てもしてもらった。
それから、リュンヌ絶対。になるのは当たり前だが少々やり過ぎ感は否めない。
そんな二頭は、リュンヌとガードンの指示通り走り。日暮れ前には目的地へ着いた。既に騎士団と傭兵が来てかなりの数を屠っていたが、湖近くにある魔力溜まりまで行けていないらしい。
「アーテル大公がいらっしゃるとは」
第2騎士団長から歓迎されながらも、戸惑いが伺えたが、本来要請されてたのは10人規模だ。それが二人しか来なかった事も不安なのだろう。
「リュンヌお嬢様!!」
傭兵の1人が叫ぶとわらわらとガードンとリュンヌは屈強な男達に囲まれた。
「どなたかしら?」
可愛らしく首をこてんと傾けたリュンヌと、それを庇うように前へ立つガードン。
「昔、リュンヌお嬢様の護衛としてアルブス国へ同行した者です。あの当時己の弱さを痛感し、今は魔物狩りで武者修行中。いつかお嬢様の護衛を務められるよう精進致します」
片膝を着き頭を下げた傭兵達を見て、第2騎士団の人々は驚愕した。
第2騎士団員達も一目置くマッチョ軍団が、たかだか貴族の女性1人へ頭を下げている。いくら騎士団長の妹御でアーテル大公の妻だとしても、理解出来ない。
「ふふ。あの時ね。私の旦那様を第一に考え行動して下さる?夜明けすぐ出発するわ」
クスクス笑いながら話すリュンヌと、御意!と声を揃えるマッチョ軍団。
「リュンヌ。部屋に行って二人で話をしよう」
リュンヌの肩を抱き寄せ、ゲルプ公爵の別邸に用意された部屋に向かう。
「あの傭兵達は誰かな?」
普段のぶっきらぼうとも違う、少し怒っているかの様な物言いにリュンヌは、はて?と首を捻る。
「アルブス国へ向かった時に護衛して頂いただけですわ」
うん。それ以外に何も無かったわよね?
「じゃあ、何故あの様にリュンヌを崇拝している?俺の知らない間、彼らと何をしたんだ」
護衛してただけと言っても何故かガードン様は信じてくれない。こんな事は初めての経験。段々悲しくて涙が溢れそうになった時に、ふわりと抱きしめられた。
「すまん。多分これは嫉妬だ。リュンヌが俺以外に笑いかけた事が不安になったんだ」
ギュッと抱きしめられた腕が何だか嬉しくなって…
「私は貴方しか見えませんわ。ふふ、いつも私ばかりガードン様を追いかけている気がしてましたが、違うのですね」
スリッと胸に顔を寄せガードンの背中へ手を回し、温かさの中に包まれればリュンヌの旋毛に柔らかなキスが落ちる。
「まさか俺も自分がこんなに嫉妬深くなるとは思わなかった。泣かすつもりは無かったんだ。本当にすまん。
リュンヌ、愛しているよ。ずっと君だけだ」
ボンっと耳まで真っ赤になるリュンヌをチラリと見て、愛しさが沸き上がる。
「好きです。大好きですガードン様」
フニャッと笑ったリュンヌを膝の上に乗せ座り後ろから腰を抱いた。
「明日は、あまり無茶するなよ」
早い所、魔力溜まりを消してリュンヌに怪我一つ負わせる事にならない様に考えているガードンと、
ステキなガードン様の魅力を如何に皆へ伝えるか考えているリュンヌ。
第2騎士団員達が、ガードン様を軽く見ていた事に気付いてたリュンヌは、彼らにガードン様の素晴らしさをキッチリ見せ付けようと思っている。
「大丈夫ですわ!」
フフフ……リュンヌの不敵な笑みが浮かんだ。
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