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射手の統領099 函府到着
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射手の統領
Zu-Y
№99 函府到着
ガタニを出航して東北和の西の、和の国海を北東に航海している。
キョウちゃんズにせがまれて廻船巡りをしているが、俺のハーレム状態をやっかんで敵視し続けていた船員たちも、あれ以来打ち解けて、気さくに声を掛けて来る様になっていた
あれ以来と言うのは、キラークラーケンを撃退したことだ。これが非常に効いている。実際、俺たちセプトがキラークラーケンを撃退しなかったら、如何に大型とは言え、この廻船は沈められていたはずだ。
大型廻船はびくともしないと豪語していた船長は、警戒を怠ったために、職務怠慢でガタニで解任されていた。今は、副長が船長代理として廻船を運用している。
キョウちゃんズが、持ち前の社交性を如何なく発揮して、行く先々で船員たちをほっこり笑わせているのも大きい。一方、大人嫁たちはと言うと、寒い甲板は嫌だと言って船室でぬくぬくと寛いでいる。ひょっとするともう酒盛りを始めているかもしれない。俺が買ってやったスケスケのネグリジェで♪
商都の山髙屋西本店で購入したあのネグリジェは実にいい。色気がむんむんなのだ。ただし、マイサンがドラゴン化して生殺しになるのが辛い。
七神龍をすべて眷属とし、テンバでユノベを継いで正式に皆と婚姻したら、絶対にまとめ食いしてやるのだ。『七草を、まとめて食す、テンバかな。』ふふふのふ。
甲板をひと回りして船室に戻ると、案の定、大人嫁たちはネグリジェ姿で酒盛りを始めていた。ガタニ名物の和酒、純米大吟醸に、ツマミはカキタネ小粒煎餅である。
この純米大吟醸は、酒米を50%以上磨いて造るので、雑味がなくすっきりした味わいである。
キョウちゃんズもネグリジェに着替え、ノンアルコールの甘酒とお気に入りの笹団子で酒盛りの真似事である。嫁たち曰く、ネグリジェは部屋着としては楽でいいらしい。俺も下帯一枚にTシャツというラフな格好で寛いでいる。
嫁たちとのたわいもない話に興じつつ、幸せを満喫している俺であった。両親を早く亡くした俺は、家族に飢えていたのである。もちろん身内の叔父貴たちや家来どももいたが、やはりそこは違うのだ。
純米大吟醸が回り、俺はいつの間にか寝落ちしていた。
翌日の昼前にアタキに入港した。函府前の最後の寄港地である。東北和の中心都市は、東北和東岸中央の賀府であるが、アタキは東北和西岸の賀府に次ぐ港町である。
せっかくだから、昼餉はアタキに上陸して名物料理を食べることにした。嫁たちと連れ立って港付近の郷土料理屋に入る。お勧めはアタキ名物きりたんぽを入れたしょっつる鍋といぶりがっこにイナニーうどんだそうだ。
きりたんぽは、焚いた飯を潰したものを木の棒に巻き付けて、囲炉裏の火で焼いたもの。しょっるつ鍋は、アタキ名産の魚醤を効かせ、魚介をふんだんに使った鍋だ。きりたんぽをしょっつる鍋の具材として使うと、ダシの利いた汁が滲みてことの外、美味と聞く。
いぶりがっこは、大根の漬物の燻製だ。クリームチーズとの相性が抜群で、いぶりがっこのクリームチーズ添えは、最近、酒のツマミとして人気が急上昇してるとのこと。
イナニーうどんは、アタキから東の内陸にあるイナニー地区のうどんで、麺が手延製法という珍しい方法で作られているのだ。
俺の正直な感想を言おう。
いぶりがっこクリームチーズ添えは抜群に旨い。イナニーうどんとしょっつる鍋もハイクオリティで高得点だ。きりたんぽは…まぁそこそこ旨いが、大騒ぎする程のものではない。
いぶりがっこクリームチーズ添えは、大人嫁たちからも絶賛されていた。まぁあ皆、酒呑みだしな。笑
キョウちゃんズは、きりたんぽとイナニーうどんがお気に召したらしい。流石ガッツリ食う系のふたりである。
昼餉の後、港の売店でいぶりがっこクリームチーズ添えを買い込んだ後、中継用にアタキ港で流邏石をひとつ登録した。
昼下がりにアタキを出航した廻船は、東北和の陸地を馬手に見ながら、和の国海を北上している。夕方には和の島と二の島の間の和二海峡に入り、明日の夕刻前には函府に入港するそうだ。
函府に入港したら、函府ギルドでシカオの最新情報と、ガタニのギルマスのコシジリから聞いた金剛鏑の情報を聞いてみようと思う。
船旅にはすっかり慣れた。サジ姉の酔止術の術のおかげもあるが、嫁たちも船酔いにやられることなく、すっかり船旅を楽しんでいる。
今宵も、酒盛りである。今宵のツマミには、カキタネ小粒煎餅に加え、いぶりがっこクリームチーズ添えが、でーんと大きな存在感とともに登場している。
船室呑みは大いに盛り上がるのだった。
翌日、昼前にキョウちゃんズにせがまれて甲板に上がると、濃紺の外套を着込んでいても風が非常に冷たい。
今は和の島と北の島の間の海峡を航行しているそうで、廻船の進行方向弓手側に北の島=二の島が、進行方向馬手側に和の島=弓の島が、それぞれうっすらと陸影として見える。ちなみに和の島は弓なりに反った形をしているので弓の島ともいうのだ。
船員によると、間もなく廻船は取舵を切り、函府へ向けて進路を取るそうだ。
甲板で冷えたので船室に戻ると、キョウちゃんズが、
「アタル兄、寒いー。」「温めてー。」と言って抱き付いて来た。
おやおや、甘えん坊さんだな。笑
船内の食堂に行き、皆で昼餉を摂って、夕刻の函府到着に備えた。あと数時間で、北航路の船旅が終わる。ガタニでは数日足止めを食ったが、それなりに順調である。
今日は函府ギルドで、シカオで暴れている藍凍龍の最新情報を得るとともに、ガタニで聞いた、二の島にあると言う金剛鏑の詳細な情報も仕入れたい。それから宿を取る。
夕刻、廻船が函府港に着き、北斗号に乗って廻船から函府に上陸した。
一面は真っ白の雪景色。この寒さの中で、4頭の馬たちは白い息を吐きながら元気に北斗号を曳いている。実に頼もしい。
そのまま函府ギルドに向かった。
函府ギルドに北斗号で乗り付けて函府ギルドに入ると、濃紺の外套をまとった俺たち一行に、ギルド内にいた冒険者たちの注目が集まる。
ヒソヒソと話し声がしている。まぁ、余所者がいきなり来ると、どこでも似たような反応だがな。笑
俺は気にせず、受付に向かった。
「俺はセプトのアタル。シカオの藍凍龍についての指名クエストの件で最新情報をもらいに来た。」
「え?セプトですか?少々お待ちを。」受付が奥に引っ込んで行った。
まわりの冒険者たちから、「やっぱりか。」とか、「濃紺の規格外だろ。」とか、聞こえて来た。うーむ、すっかり有名になっているっぽい。
じきにギルマスルームに案内された。
「俺がギルマスのトトウだべさ。」
「セプトのアタルだ。そして仲間の、サヤ、サジ、ホサキ、アキナ、タヅナ、サキョウ、ウキョウだ。」
「したっけ、遠慮せず座れ。内地から遠いとこ、よう来てくれたべさ。」
「早速だが、藍凍龍の近況を教えてくれ。」
「相変わらず、シカオの大雪原で、なまら暴れとるべ。」
「手強そうだな。」
「倒すに越したことはないけどよ、無理せんでもいいんでないかい?何とかシカオに物資を輸送してくれたら、それだけでありがたいべさ。」
「俺たちは物資を輸送するだけのつもりはないぞ。」
「ふむ。そりゃ、頼もしい。詳しことはビヒロのギルドで聞いてくれればいいっしょ。」
「そうか、それと別件だがな、ガタニのギルドで、金剛鏑が二の島にあると聞いたんだが何か情報はあるか?」
「金剛鏑ならソヤの北限岬の祠に納められてるべさ。」
「ソヤの北限岬?」
「北の島の北の頂点にある岬だべさ。函府からは北の島航路の北西回りで行けるっしょ。北の島北端の寄港地、ワカナから半日も掛からんべさ。したっけ、ワカナに流氷が来てたら、廻船はワカナ手前のテッショに寄港するべさ。テッショからワカナは陸路だと1日半だべさ。」
「要するに北の島航路の北西回りで行けばいいんだな?寄港地はいくつだ?」
「函府を発って、エッサ、ワイナ、イッカリ、イモル、そんでワカナかテッショだべさ。」
「船中5泊か。遠いな。」
「そだなー、函府は北の島の南端、ワカナは北端、それなりに遠いべさ。」
「そのまま持ち出せるのか?」
「そりゃ、ワカナのギルマスに聞いてみないと分からんべさ。」
「確かにな。貴重な情報をありがとう。」
藍凍龍については大して詳しい情報は得られなかったが、金剛鏑の情報が得られたのがありがたい。俺はトトウと握手してギルマスルームを出た。
ここは二の島攻略の拠点となるだろうから、今回の藍凍龍攻略が終わった後も、きっと来ることになるだろう。そう思って、函府ギルドで流邏石8個を登録し、皆に配った。
ギルド近くの、北斗号をキノベ陸運函府営業所に預け、近くの宿屋を紹介してもらった。ツインルームばかりだったので4部屋取って、宿屋お勧めの海鮮の店に来た。お目当ては、やはり函府名物のウニ・イクラ丼である。
温かいご飯の半分にプリプリのウニがでんと乗っており、残り半分にはつやつやのイクラがわんさかと乗っているのだ。とろけるようなウニのクリーミーさと、口の中でプチプチはじけるイクラの触感がたまらんのである。
なお、俺と大人嫁たちは、ウニ・イクラ丼であったが、キョウちゃんズはそれぞれ、ウニ丼とイクラ丼をひとつずつ頼んでいた。流石である。笑
キョウちゃんズは普通の食事では、養分がすべて桁外れの魔力量維持に使われてしまい、成長に回らない。まだ半年にもならないが、出会った頃のキョウちゃんズは13歳には見えなかった。それこそ10歳前後の子供のような見掛けであったのだ。
その理由をライに指摘されてから、キョウちゃんズはそれまでの倍の量を食べるようになったのである。ふたりの成長に関する飽くなき欲求はとどまるところを知らない。
ところで、食事の量を増やしてからのキョウちゃんズは、確実に成長モードに入った。まず背が伸びて来たし、それまでなかった生理も始まったし、何といってもぺったんこだった胸が、少しずつ膨らんで来たのだ。ぜひこの調子でいい塩梅まで育って欲しいものだ。もちろん育ち過ぎはNGだがな。
ウニ・イクラ丼を堪能した俺たちは宿屋に戻った。
今夜はアキナと同室である。ノーベソの村での行商のときに、商人装備である鑑定の眼鏡を装備したアキナを見て、メガネっ娘が似合うと閃いた俺は、ミャーツの港町で、アキナにメガネプレイを頼み込んだ。アキナもノリノリで、それからいろいろなメガネを購入し、メガネに合わせたいろいろなプレイを楽しんでいる。さあ、今夜はどのメガネでどんなプレイになるんだ?とても楽しみだ。笑
アキナがメガネを掛けて妖艶にほほ笑んだ。それだけでマイドラゴンのリミッターはブチ切れである。アキナとふたり、夜遅くまで楽しんだのであった。もちろん本番はなしだけど。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
設定を更新しました。R4/8/7
更新は月水金の週3日ペースを予定しています。
2作品同時発表です。
「精霊の加護」も、合わせてよろしくお願いします。
https://www.alphapolis.co.jp/novel/121143041/836586739
カクヨム様、小説家になろう様にも投稿します。
Zu-Y
№99 函府到着
ガタニを出航して東北和の西の、和の国海を北東に航海している。
キョウちゃんズにせがまれて廻船巡りをしているが、俺のハーレム状態をやっかんで敵視し続けていた船員たちも、あれ以来打ち解けて、気さくに声を掛けて来る様になっていた
あれ以来と言うのは、キラークラーケンを撃退したことだ。これが非常に効いている。実際、俺たちセプトがキラークラーケンを撃退しなかったら、如何に大型とは言え、この廻船は沈められていたはずだ。
大型廻船はびくともしないと豪語していた船長は、警戒を怠ったために、職務怠慢でガタニで解任されていた。今は、副長が船長代理として廻船を運用している。
キョウちゃんズが、持ち前の社交性を如何なく発揮して、行く先々で船員たちをほっこり笑わせているのも大きい。一方、大人嫁たちはと言うと、寒い甲板は嫌だと言って船室でぬくぬくと寛いでいる。ひょっとするともう酒盛りを始めているかもしれない。俺が買ってやったスケスケのネグリジェで♪
商都の山髙屋西本店で購入したあのネグリジェは実にいい。色気がむんむんなのだ。ただし、マイサンがドラゴン化して生殺しになるのが辛い。
七神龍をすべて眷属とし、テンバでユノベを継いで正式に皆と婚姻したら、絶対にまとめ食いしてやるのだ。『七草を、まとめて食す、テンバかな。』ふふふのふ。
甲板をひと回りして船室に戻ると、案の定、大人嫁たちはネグリジェ姿で酒盛りを始めていた。ガタニ名物の和酒、純米大吟醸に、ツマミはカキタネ小粒煎餅である。
この純米大吟醸は、酒米を50%以上磨いて造るので、雑味がなくすっきりした味わいである。
キョウちゃんズもネグリジェに着替え、ノンアルコールの甘酒とお気に入りの笹団子で酒盛りの真似事である。嫁たち曰く、ネグリジェは部屋着としては楽でいいらしい。俺も下帯一枚にTシャツというラフな格好で寛いでいる。
嫁たちとのたわいもない話に興じつつ、幸せを満喫している俺であった。両親を早く亡くした俺は、家族に飢えていたのである。もちろん身内の叔父貴たちや家来どももいたが、やはりそこは違うのだ。
純米大吟醸が回り、俺はいつの間にか寝落ちしていた。
翌日の昼前にアタキに入港した。函府前の最後の寄港地である。東北和の中心都市は、東北和東岸中央の賀府であるが、アタキは東北和西岸の賀府に次ぐ港町である。
せっかくだから、昼餉はアタキに上陸して名物料理を食べることにした。嫁たちと連れ立って港付近の郷土料理屋に入る。お勧めはアタキ名物きりたんぽを入れたしょっつる鍋といぶりがっこにイナニーうどんだそうだ。
きりたんぽは、焚いた飯を潰したものを木の棒に巻き付けて、囲炉裏の火で焼いたもの。しょっるつ鍋は、アタキ名産の魚醤を効かせ、魚介をふんだんに使った鍋だ。きりたんぽをしょっつる鍋の具材として使うと、ダシの利いた汁が滲みてことの外、美味と聞く。
いぶりがっこは、大根の漬物の燻製だ。クリームチーズとの相性が抜群で、いぶりがっこのクリームチーズ添えは、最近、酒のツマミとして人気が急上昇してるとのこと。
イナニーうどんは、アタキから東の内陸にあるイナニー地区のうどんで、麺が手延製法という珍しい方法で作られているのだ。
俺の正直な感想を言おう。
いぶりがっこクリームチーズ添えは抜群に旨い。イナニーうどんとしょっつる鍋もハイクオリティで高得点だ。きりたんぽは…まぁそこそこ旨いが、大騒ぎする程のものではない。
いぶりがっこクリームチーズ添えは、大人嫁たちからも絶賛されていた。まぁあ皆、酒呑みだしな。笑
キョウちゃんズは、きりたんぽとイナニーうどんがお気に召したらしい。流石ガッツリ食う系のふたりである。
昼餉の後、港の売店でいぶりがっこクリームチーズ添えを買い込んだ後、中継用にアタキ港で流邏石をひとつ登録した。
昼下がりにアタキを出航した廻船は、東北和の陸地を馬手に見ながら、和の国海を北上している。夕方には和の島と二の島の間の和二海峡に入り、明日の夕刻前には函府に入港するそうだ。
函府に入港したら、函府ギルドでシカオの最新情報と、ガタニのギルマスのコシジリから聞いた金剛鏑の情報を聞いてみようと思う。
船旅にはすっかり慣れた。サジ姉の酔止術の術のおかげもあるが、嫁たちも船酔いにやられることなく、すっかり船旅を楽しんでいる。
今宵も、酒盛りである。今宵のツマミには、カキタネ小粒煎餅に加え、いぶりがっこクリームチーズ添えが、でーんと大きな存在感とともに登場している。
船室呑みは大いに盛り上がるのだった。
翌日、昼前にキョウちゃんズにせがまれて甲板に上がると、濃紺の外套を着込んでいても風が非常に冷たい。
今は和の島と北の島の間の海峡を航行しているそうで、廻船の進行方向弓手側に北の島=二の島が、進行方向馬手側に和の島=弓の島が、それぞれうっすらと陸影として見える。ちなみに和の島は弓なりに反った形をしているので弓の島ともいうのだ。
船員によると、間もなく廻船は取舵を切り、函府へ向けて進路を取るそうだ。
甲板で冷えたので船室に戻ると、キョウちゃんズが、
「アタル兄、寒いー。」「温めてー。」と言って抱き付いて来た。
おやおや、甘えん坊さんだな。笑
船内の食堂に行き、皆で昼餉を摂って、夕刻の函府到着に備えた。あと数時間で、北航路の船旅が終わる。ガタニでは数日足止めを食ったが、それなりに順調である。
今日は函府ギルドで、シカオで暴れている藍凍龍の最新情報を得るとともに、ガタニで聞いた、二の島にあると言う金剛鏑の詳細な情報も仕入れたい。それから宿を取る。
夕刻、廻船が函府港に着き、北斗号に乗って廻船から函府に上陸した。
一面は真っ白の雪景色。この寒さの中で、4頭の馬たちは白い息を吐きながら元気に北斗号を曳いている。実に頼もしい。
そのまま函府ギルドに向かった。
函府ギルドに北斗号で乗り付けて函府ギルドに入ると、濃紺の外套をまとった俺たち一行に、ギルド内にいた冒険者たちの注目が集まる。
ヒソヒソと話し声がしている。まぁ、余所者がいきなり来ると、どこでも似たような反応だがな。笑
俺は気にせず、受付に向かった。
「俺はセプトのアタル。シカオの藍凍龍についての指名クエストの件で最新情報をもらいに来た。」
「え?セプトですか?少々お待ちを。」受付が奥に引っ込んで行った。
まわりの冒険者たちから、「やっぱりか。」とか、「濃紺の規格外だろ。」とか、聞こえて来た。うーむ、すっかり有名になっているっぽい。
じきにギルマスルームに案内された。
「俺がギルマスのトトウだべさ。」
「セプトのアタルだ。そして仲間の、サヤ、サジ、ホサキ、アキナ、タヅナ、サキョウ、ウキョウだ。」
「したっけ、遠慮せず座れ。内地から遠いとこ、よう来てくれたべさ。」
「早速だが、藍凍龍の近況を教えてくれ。」
「相変わらず、シカオの大雪原で、なまら暴れとるべ。」
「手強そうだな。」
「倒すに越したことはないけどよ、無理せんでもいいんでないかい?何とかシカオに物資を輸送してくれたら、それだけでありがたいべさ。」
「俺たちは物資を輸送するだけのつもりはないぞ。」
「ふむ。そりゃ、頼もしい。詳しことはビヒロのギルドで聞いてくれればいいっしょ。」
「そうか、それと別件だがな、ガタニのギルドで、金剛鏑が二の島にあると聞いたんだが何か情報はあるか?」
「金剛鏑ならソヤの北限岬の祠に納められてるべさ。」
「ソヤの北限岬?」
「北の島の北の頂点にある岬だべさ。函府からは北の島航路の北西回りで行けるっしょ。北の島北端の寄港地、ワカナから半日も掛からんべさ。したっけ、ワカナに流氷が来てたら、廻船はワカナ手前のテッショに寄港するべさ。テッショからワカナは陸路だと1日半だべさ。」
「要するに北の島航路の北西回りで行けばいいんだな?寄港地はいくつだ?」
「函府を発って、エッサ、ワイナ、イッカリ、イモル、そんでワカナかテッショだべさ。」
「船中5泊か。遠いな。」
「そだなー、函府は北の島の南端、ワカナは北端、それなりに遠いべさ。」
「そのまま持ち出せるのか?」
「そりゃ、ワカナのギルマスに聞いてみないと分からんべさ。」
「確かにな。貴重な情報をありがとう。」
藍凍龍については大して詳しい情報は得られなかったが、金剛鏑の情報が得られたのがありがたい。俺はトトウと握手してギルマスルームを出た。
ここは二の島攻略の拠点となるだろうから、今回の藍凍龍攻略が終わった後も、きっと来ることになるだろう。そう思って、函府ギルドで流邏石8個を登録し、皆に配った。
ギルド近くの、北斗号をキノベ陸運函府営業所に預け、近くの宿屋を紹介してもらった。ツインルームばかりだったので4部屋取って、宿屋お勧めの海鮮の店に来た。お目当ては、やはり函府名物のウニ・イクラ丼である。
温かいご飯の半分にプリプリのウニがでんと乗っており、残り半分にはつやつやのイクラがわんさかと乗っているのだ。とろけるようなウニのクリーミーさと、口の中でプチプチはじけるイクラの触感がたまらんのである。
なお、俺と大人嫁たちは、ウニ・イクラ丼であったが、キョウちゃんズはそれぞれ、ウニ丼とイクラ丼をひとつずつ頼んでいた。流石である。笑
キョウちゃんズは普通の食事では、養分がすべて桁外れの魔力量維持に使われてしまい、成長に回らない。まだ半年にもならないが、出会った頃のキョウちゃんズは13歳には見えなかった。それこそ10歳前後の子供のような見掛けであったのだ。
その理由をライに指摘されてから、キョウちゃんズはそれまでの倍の量を食べるようになったのである。ふたりの成長に関する飽くなき欲求はとどまるところを知らない。
ところで、食事の量を増やしてからのキョウちゃんズは、確実に成長モードに入った。まず背が伸びて来たし、それまでなかった生理も始まったし、何といってもぺったんこだった胸が、少しずつ膨らんで来たのだ。ぜひこの調子でいい塩梅まで育って欲しいものだ。もちろん育ち過ぎはNGだがな。
ウニ・イクラ丼を堪能した俺たちは宿屋に戻った。
今夜はアキナと同室である。ノーベソの村での行商のときに、商人装備である鑑定の眼鏡を装備したアキナを見て、メガネっ娘が似合うと閃いた俺は、ミャーツの港町で、アキナにメガネプレイを頼み込んだ。アキナもノリノリで、それからいろいろなメガネを購入し、メガネに合わせたいろいろなプレイを楽しんでいる。さあ、今夜はどのメガネでどんなプレイになるんだ?とても楽しみだ。笑
アキナがメガネを掛けて妖艶にほほ笑んだ。それだけでマイドラゴンのリミッターはブチ切れである。アキナとふたり、夜遅くまで楽しんだのであった。もちろん本番はなしだけど。
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設定を更新しました。R4/8/7
更新は月水金の週3日ペースを予定しています。
2作品同時発表です。
「精霊の加護」も、合わせてよろしくお願いします。
https://www.alphapolis.co.jp/novel/121143041/836586739
カクヨム様、小説家になろう様にも投稿します。
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