精霊の加護

Zu-Y

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精霊の加護104 いよいよ帝国へ

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精霊の加護
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№104 いよいよ帝国へ

 翌日から3日間、俺たちはバレンシーとバレンシー砦を往復した。

 俺たちが前回バレンシーに来たときに、帝国に対する威嚇として跡形もなく粉砕してやった帝国側の国境砦は、今では帝国軍から放棄されている。
 帝国側にしてみれば、国境砦の再構築は、わが王国から敵対行動と見做されかねないと、躊躇しているのだろう。

 現在、王国と帝国の関係は非常に拗れている。
 その原因は、南部湾を縄張りにしていた水の精霊ワラに対する、吸魔の羽衣での無力化工作だ。
 その後、たまたま俺がウィンと契約した直後に、ワラに続いてウィンに対しても、無力化工作を仕掛けに来た工作員たちとばったり鉢合わせしたので、そのまま工作員たちを捕縛した。

 その際に俺は、工作員たちを水攻め~拷問と言う程ではないと思う~にして、ひとりには帝国出身、別のひとりには教国出身だと無理矢理言わせた。
 それを東部公爵様が利用して、残り3人の公爵様方も味方に引き入れ、宰相様の反対を押し切って、帝国と教国に強硬な態度に出たのだ。

 具体的には、王国はこの工作が、帝国と教国によるものだとして、まず両国に詰問使を送ったが、もちろん両国がそれを認めるはずもない。予想通りのその反応を受けて、王国は両国との国交を断ち、武力行使も辞さない構えを見せた。
 そして俺は、殿下から帝国と教国の国境砦の破壊するように命じられた。これは両国への威嚇だ。冒頭の、帝国の国境砦を粉砕した話はこの作戦行動の一環である。
 そして俺にとっては、王家付精霊魔術師として、初めての作戦行動だった。

 俺の教国に対する威嚇、すなわち教国側の国境砦の破壊が原因となって、それまで教国の舵取りをしていた前教皇が失脚した。親王国派の新教皇が、新たに実権を掌握した教国は、早々に王国に臣従する道を選び、王国と和睦した。

 しかし、臣従ではなく対等な同盟を望んでいる帝国は、まだ粘っているので、王国としては圧力をどんどん強めているところだ。

 ところで、切っ掛けとなった精霊たちへの工作だが、これは、王国に本拠を構えていて、裏社会にも通じている武器商人ギルドに所属している、一部の過激な武器商人どもの工作員たちによるものだった。
 この過激な武器商人どもは、王国、帝国、教国の疑心暗鬼を煽り、武器を購入させようとした訳だ。いわゆる謀略である。

 この話だけだと、わが王国が過激な武器商人どもに乗せられて、帝国や教国に一方的に因縁を付けていることになってしまうが、真相はさらにややこしい。
 と言うのも、帝国にも教国にもそれぞれ反王国派がいて、過激な武器商人どもとは裏で繋がっていたのだ。

 帝国や教国の反王国派は、連携して王国に戦を仕掛け、東に教国、西に帝国と言う両面作戦を強いられて戦力を分断せざるを得ない王国から、隣接する領土を掠め取ろうと計画していた。
 戦になれば大いに儲かるから、過激な武器商人どもは、王国の戦力となり得る特大精霊たちの戦力を削ぐ工作を仕掛けて来た訳である。
 つまり一部の過激な武器商人どもは、帝国や教国の反王国派と利害が一致し、進んでその手先となって、王国に謀略を仕掛けて来たと言えるのである。

 その目論みを見事に看破した東部公爵様が、他の3人の公爵様方とともに、過激な武器商人たちからの謀略を逆手に取って、帝国と教国に対してド派手なカウンターを見舞う計画を立案した。それが俺による威嚇行動、すなわち敵側国境砦の殲滅である。
 おそらくこの辺の謀略には、王太子殿下も一枚噛んでいる…と言うか、殿下は裏で4人の公爵様方とつるんでいて、殿下こそがこの謀略を主導しているのではないかと、俺は睨んでいる。

 4人の公爵様方は、帝国と教国に圧力を掛けるとともに、今回の一件で実働部隊となった悪質な武器商人どもだけでなく、武器商人ギルド自体を、王国に敵対したとして徹底的に叩いて締め上げ、ギルドから莫大な賠償金を吸い上げて、完全に王国の傘下に納めてしまった。

 いいとばっちりなのは武器商人ギルドであるが、構成員である過激な武器商人どもが暴走したのだから、その監督責任を問われても文句は言えない。

 武器商人ギルドは、王国の傘下に入るのを拒んで、王国から完全に締め出されてしまえば、帝国と教国に分断されて連絡すらろくに取れなくなる。
 そのままジリ貧になって商売が傾くより、これまでの様に羽振りよくはいかないものの、王国の傘下で慎ましやかに生き延びて行く道を選択した。

 その後、武器商人の数名が、不慮の事故や原因不明の病気で次々と他界したが、そいつらは王国に工作を仕掛けた奴らばかりであった。武器商人ギルドなりの、王国に対するけじめと、傘下に加わって恭順する証なのだろう。

 こう言う事情で、俺は殿下の勅命により、同盟締結と言う名目で帝国に臣従を迫りに行く。

 帝国側は、国境砦は再建しないものの、国境警備隊は小規模ながら国境に派遣して来ている。国境砦がないから野営だ。俺はこの3日間、その動向をつぶさに調べていた。

 そして3日目には、俺自らが、精霊たちとわが妻たちを引き連れ、帝国の国境警備隊の野営地まで出向いた。
 俺の訪問に、国境警備隊の司令官は慌てて出て来た。

 俺は、同盟締結使節団であることを告げ、近日中の入国の許可を求めると、
「帝都に指示を仰ぐゆえ、半月ほどお待ち頂きたい。」
「これは異なことを承る。われらは帝国の同盟受諾の返答を受けて、同盟締結に参る使節団。ここで入国を拒むとは、帝国からの同盟受諾の返答は偽りであったか?」
 実際のところ、帝国は同盟受諾とは言って来ていない。工作に対する賠償金の大白金貨25枚は支払うゆえ、王国が出した同盟条件から、俺の帝国内自由行動権、皇帝子女の王国留学、反王国派の引き渡しの3条件を考え直して欲しい。さすれば同盟を締結する。と言って来ているのだ。

「いえ、同盟の条件は細部で整っていないのではありませんか?」俺が強く出たので、司令官の口調が丁寧になった。行ける!笑
「それゆえ俺たち同盟使節団が派遣されて来たのではないか。帝都で皇帝陛下と細部の条件を整え、同盟を締結するのだ。」
「ですから、それを帝都に確認致します。」
「子供の使いではないのだ。ここで半月も待たせるおつもりか?」
「しかし許可なく入国を認める訳には参らんのです。」
「ならば司令官どの。われらは貴殿に追い返されたと言って帰ろうか?そうすれば同盟による和議は決裂だな。半月後には大陸の地図から帝国が消えような。」
「お待ちださい。」

「分かった。半月は待てぬが、2~3日なら待ってやろう。鳩便を使えば帝都に確認が取れよう。」
「それが、国境砦が再建できず、野営のままですので鳩便の用意がないのです。」
「それはそちらの都合。われらは与り知らぬ。そちらの都合で半月待たされるなど御免被る。」
「しかし…。」
「そなたは司令官であろう?されば出先の判断は一任されておるはず。われらを通すか、和議の機会を棒に振って戦を引き起こすか、よく考えて選ぶがよい。」
「そんな…。」
 俺たちは引き止めようとする司令官を振り切ってバレンシー砦へとへ引き上げた。

 今夜はバレンシーへは帰らず、バレンシー砦へ泊ることにする。なぜかって?そりゃあ…。笑
「あなた、悪人顔になってるわよ。」
「そう?」俺は両手でパチパチと自分の両頬を叩く。
「ダーリン、今夜、いろいろやらかすんでしょ?」
「え?何のことかなー?」
「旦那様、その顔を見ればバレバレですわよ。」
「そうじゃな。今宵、暴れるのであろ?主様、惚けても無駄じゃぞ。」
「いやー、こんなところで足止めされたくないからね。」
「うむ。わが君、派手にやるがいい。」

 で、深更を過ぎて、日が変わった頃。帝国国境警備隊の野営地には、明々と篝火が見える。的にしてくれってか?笑

「フィア。」『はーい。』
 ドッカーン、ドッカーン、ドッカーン、ドッカーン、ドッカーン。野営地の真上でド派手な火球花火を炸裂させる。
「まだまだー。」『はーい。』
 ドッカーン、ドッカーン、ドッカーン、ドッカーン、ドッカーン。篝火のまわりに無数の影が行き交っている。パニックに陥ったな。笑

「クレ。」『はーい。』
 ズズズズっと、野営地を囲むように四方の地面がせり上がって野営地を完全に閉じ込める突き壁を出現させた後、激しい揺れが起きた。篝火が倒れる。
 ふふふ。袋の鼠だ。

「ワラ。」『はーい。』
 突如、地面から噴水のように水が吹き上げた。ワラが水脈から直接水を呼んだのだ。そしてその噴水は、狙いすましたように、クレによる四方の壁が囲む野営地に降り注いだ。と言うより流れ込んだ。
 見る見るうちに高くせり上がった壁の8割の高さまで水面が上がり、帝国国境警備隊は、溺れないように必死に立ち泳ぎをしていると思う。多分だけど。篝火が消えちゃって見えないんだよな。そう言えば、泳げない奴は沈んでるのかな?

「フィア、クレ。」『『はーい。』』せり上がった土壁のまわりの草原を燃やした。光の確保のためだ。そして、四方のせり上がった壁を下げた。水がまわりに溢れ出て、四方からの火に照らされた帝国国境警備兵は、野営地の残骸で蠢いている。すでに逃げる体力はないようだ。

「メタ、チル。」『『はーい。』』
 国境砦を囲うように雷が次々と落ち、万が一の逃走を阻むと同時に、強烈な冷気がびしょ濡れの帝国国境警備兵を襲った。凍えていることだろう。

 この辺でいいかな。
『ツリは?』『ソルは?』ふたりがムッとしている。出番がないのを不満に思っているようだ。しゃーないな。
「ツリ。」『はーい。』
 燃やした周辺の草原を再生した。
「ソル。」『はーい。』
 もったいないが、塀国国境警備兵にエリアヒールを掛けてやった。まぁいい。帝国国境警備兵は、生かさず、殺さず。だな。

 よし。今宵はこんなとこでいいな。夜討をしたから、次は明け方に朝駆をしてやろう。

 仮眠を取って、早朝に深夜と同じことをやった。
 国境警備兵が降参の白旗を掲げてこちらのバレンシー砦まで出向いて来て、
「ぜひ帝都までご案内致します。」と言ったら勘弁してやろう。それまではこの攻撃を続けてやる。

 意外と早かったな。たった3日で落ちやがった。笑

 ちょうど前日に、王国の役人どもがバレンシーに到着してたので、ここバレンシー砦からバレンシーに使いをやって、ここまで迎えに来させた。

「師匠ー。」え?ゲオルク学校じゃないか。
「お前ら、どうしたの?」
「お役人さんたちの護衛っすよ。」アルフォンソがドヤ顔で答える。
「どうして護衛契約出来たんだ?」
「師匠の弟子だって売り込みました。」こいつら…。
「そうか。」

 で、役人たちに振り返る。
「お前ら、遅ーんだよ。何チンタラやってんの?まじ使えねぇし。」
「「「「「…。」」」」」
「なんだよ、詫びのひとつも言えねぇのか?」
「「「「「すみませんでした。」」」」」
「で、責任者、誰?」
「私です。」
「あ、そう。お前は遅参の責任を負え。お前を解任する。王都へ帰れ。」
「え?」
「次席は誰?」
「私です。」
「じゃぁお前、次の責任者な。前任者みたく、チンタラしやがったら、即解任すっから、テキトーな仕事をするんじゃないぞ。」
「はっ。」

 俺に縋り、許しを請う前任者をきっぱりと解任した。今回は頭を丸めても許すつもりはない。と言うのも…。
 白旗を掲げて来ていた、帝国国境警備隊の司令官は、俺の苛烈な対応を見てビビりまくっていた。まあこれが前任者を解任した目的なんだがな。

 司令官は、俺の帝国入りを認めた。連夜の夜討、朝駆にすっかり消耗したようだ。
 その代わり、入国を認める条件として、帝国国境警備隊が、俺たち同盟使節団の護衛として帝都まで付いて行く。とのことだ。まあ妥当だな。

 それからゲオルク学校もついて来ることになった。俺は、最初は渋ったのだが、こいつらDランクになったし、帝都を見せてやるのもいいだろう。

 1週間後、俺たち一行は、帝都モスコペテブルに到着した。帝都到着直前にひと騒動あったがな。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

設定を更新しました。R4/8/21

更新は火木土の週3日ペースを予定しています。

2作品同時発表です。
「射手の統領」も、合わせてよろしくお願いします。
https://kakuyomu.jp/works/16816927859461365664

カクヨム様、小説家になろう様にも投稿します。
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